【獣医師監修】猫の指間炎の原因、症状、治療法は?猫が肉球を舐め続ける時は要注意!

2018.12.15

【獣医師監修】猫の指間炎の原因、症状、治療法は?猫が肉球を舐め続ける時は要注意!

猫は毎日のように毛づくろいをしますね。猫の毛づくろいは人がお風呂に入るのと同じで、毛を舐めて体をキレイにしています。中でも猫が肉球を舐めている姿はとてもかわいらしい仕草ですが、あまりにも肉球を舐めていたら、指の間などに異常がある「指間炎」という皮膚病かもしれません。 指間炎とは、どのような症状の病気で、原因は何なのでしょうか。治療法や予防法についてもご紹介します。

猫の指間炎とは?症状は?

猫の指間炎とは、肉球や指の間の炎症が原因で起こってしまう皮膚の病気です。

◆指間炎の症状は?

指間炎は、肉球に炎症が起こるケースは少ないです。ほとんどの場合が、指と指の間に炎症がみられます。

症状がひどくなると、脱毛や膿がみられることもあります。炎症の状態が悪化していくと、肉球や指の間が腫れて痛みを感じるようになります。飼い主さんが猫の足を触ろうとするだけで嫌がり、怒るようになります。

時には、痒みを和らげようと肉球や指の間の部分を細かく噛んでいる場合があります。肉球や指の間を噛んでいる場合は、指間炎になっている可能性が高いです。

また、指間炎の痛みでいつもと歩き方が違い、足をかばうように歩くことがあります。

◆肉球や指の間を舐め続けることで悪化する

肉球や指の間に傷ができた状態や、肉球が濡れた状態のまま放置していると、猫がその部分を舐めます。そうすることで、肉球や指の間の皮膚が赤くただれたり、腫れたりすることがあります。

炎症を起こすことで痛みと痒みが起こり、その炎症を鎮めるために、猫はしきりに肉球や指の間を舐めるようになります。

肉球や指の間を舐め続けることによって、炎症を起こしている部分に細菌が侵入してしまい、指間炎の症状が悪化してしまいます。


猫の指間炎の原因は?

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猫はよく毛づくろいをする動物で、特に肉球や指の間を舐める姿をよく見かけます。
肉球や指の間を舐める理由はいろいろありますが、舐める時間があまりにも長い場合は、何かしらの原因があります。

猫の指間炎の原因は、以下のようなものです。

◆指間炎の原因①怪我をしている

肉球や指の間に何かが刺さっていたりして、怪我をしていることがあります。唾液には殺菌作用があるため、猫は怪我をしている部分を舐めて治そうとします。

しかし、舐めすぎると口内細菌が怪我をしている部分に付着してしまい、炎症を起こしてしまう可能性があります。

◆指間炎の原因②肉球や指の間に異物が挟まっている

肉球や指の間に異物が挟まっていると、その部分が気になってしまい、ついつい舐めてしまいます。

また、足の裏の毛が伸びすぎたり、爪が伸びすぎたりすることも舐めたくなる原因の1つです。

◆指間炎の原因③退屈なのを紛らわすために舐めてしまう

肉球が遊び道具の1つになり、指しゃぶりのように舐めることもあります。舐めすぎて肉球や指の間がただれてしまうことがあります。

◆指間炎の原因④体温を逃すために舐めてしまう

猫の汗腺は肉球にあります。肉球にある汗腺を冷却するために、舐めて肉球を冷やして体温を調節します。

◆指間炎の原因⑤ストレスがたまっていて舐めてしまう

ストレス解消した後に舐めるのを止めた場合は、ストレスが原因です。逆にストレス解消ができていない場合は、舐め続けてしまうこともあります。

◆指間炎の原因⑥アレルギーで痒みがある

何かしらのアレルギーがあり、肉球や指の間に痒みがあるために舐めることがあります。

いろいろなアレルギーがありますが、アトピー性皮膚炎や食べ物、ノミやダニが原因と考えられます。


猫の指間炎の治療法は?

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猫の指間炎の治療法としては、炎症を抑えるために飲み薬や塗り薬、薬用シャンプーなどを使用します。

◆飲み薬や塗り薬

指間炎の治療には、一般的には塗り薬を処方されることが多いです。塗り薬は軟膏やクリーム、パウダーなどがあります。

塗り薬を1日に1~2回ぐらい炎症を起こしている患部に塗布をして、症状が悪化しないように様子をみます。

塗り薬には、リンデロン軟膏やビクタス軟膏が処方されることが多いです。人の皮膚炎にも使用されているステロイド剤なので、痒みと炎症を抑える効果があります。

治癒力が高い薬ですが、塗り薬の治療方法は効果がすぐにでないので、根気強く指間炎の病気と向き合っていくことが大切です。

指間炎の痛みが強い場合には、抗炎症剤で炎症を鎮めます。抗生物質の飲み薬や軟膏を処方します。

◆原因を特定し取り除く

そのほかに、指間炎になった原因になるものを取り除くことが大切です。

猫にストレスがたまっていて、ストレス解消で肉球や指の間を舐めてしまうことがあります。ストレスで舐めている時は、飼い主さんが気分転換をしてあげましょう。

また、何かしらのアレルギーがあり、肉球や指の間に痒みがあるために舐めることがあります。その場合は、動物病院でアレルギーの検査をしてもらうようにしましょう。

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◆エリザベスカラーで舐めるのを防ぐ

塗り薬を塗布しても、痒みが強い症状が出てしまうことがあります。また、塗り薬を塗布したところを舐めてしまう猫もいます。

その場合は、指間炎の部分を舐めないようにエリザベスカラーをつけなければならないことがあります。指間炎の病気を早く治すためには、指間炎の部分を舐めないようにすることが1番です。

◆定期的に獣医師さんに診てもらう

指間炎の症状が緩和しているのか、症状の経過を動物病院で獣医師さんに診てもらいましょう。定期的に獣医師さんに診てもらうことで、症状に合った塗り薬を処方してもらうことができます。

指間炎の炎症を抑えるための飲み薬や塗り薬は、比較的に値段が安いものが多いです。しかし、指間炎の症状が進行すればするほど、長期間の治療が必要になり、高額の治療費になる場合もあります。

猫のためにも、できるだけ早めに治療をすることや定期的に動物病院に通うこと、指間炎の部分を舐めないようにする努力が必要です。

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猫の指間炎の予防方法は?

◆肉球や指の間を清潔に保つ

猫の指間炎の予防法は、日頃から肉球や指の間を清潔に保つことです。玄関などに降りてしまう猫がいたら、肉球や指の間をキレイに汚れを拭いてあげましょう。

また、長毛種の猫の場合、指の間に長い毛が生えていることがあります。長い毛にはゴミなどが付きやすいので、長い毛をカットすると清潔に保つことができます。定期的に肉球の間の長い毛をカットしてあげましょう。

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◆応急処置として軟膏を塗る

猫が肉球や指の間を舐める時間があまりにも長い場合は、何かしらの原因があります。舐めている時は猫の気をそらしてあげるのも予防方法の1つです。

もし、肉球や指の間に怪我や傷があるのを見つけたら、応急処置として軟膏などを塗るといいでしょう。
その中でも、リンデロン軟膏やビクタス軟膏は、人が使用している軟膏の成分と共通しているため、猫に対して問題なく使用できます。

猫に使用する際には、成分をきちんと確認してから塗布してください。また、応急処置なので、炎症など怪我や傷がひどくなる前に動物病院で獣医師さんに診てもらいましょう。

◆肉球のケアをする

猫の肉球はとても柔らかく、毛が生えていないために傷ができやすい、怪我をしやすい部分です。また、飼い主さんには猫の肉球は健康状態を知るためのバロメーターでもあります。

貧血気味の時は肉球の色が薄くなり、冷たくなることがあります。逆に熱がある時は肉球が熱くなることがあります。日頃から猫の肉球のケアをしていれば、猫の体調の変化を早くみつけることができます。

ただし、猫にとって肉球は大切な機能が備えられています。そのため、肉球はとても敏感な部分です。

猫が肉球を触られるのを嫌がるようであれば、無理やりに触ることはしないであげましょう。

肉球ケア①肉球マッサージ

人の足ツボマッサージのように、強く押す必要はありません。猫の足を優しく握り、親指で優しく押すだけで十分です。

普段から猫の肉球に飼い主さんが触れている機会が多ければ、猫の体調の変化に気づきやすいです。また、猫自身が肉球を触られることに慣れて、爪切りなどへの抵抗が少なくなることもあります。

肉球ケア②肉球クリーム

最近では、様々な猫用の肉球クリームが販売されています。猫が舐めても害がない成分で作られているので、安心して使用することができます。

猫の年齢が7歳を越えてシニア期を迎えると、肉球が乾燥しやすくなります。特に冬は空気が乾燥しているので肉球も乾燥してしまいます。普段から肉球クリームで保湿してあげましょう。

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最後に…

猫はよく毛づくろいをする動物で、肉球や指の間を舐めることは日常的な仕草です。

多少、舐めるだけであれば指間炎にはなりません。しかし、長い時間にかけて肉球や指の間を舐めることがあれば、何かしらの原因があります。そして、そのまま放置していると指間炎になる可能性があります。

猫が長い時間かけて肉球や指の間を舐めることがある場合は、原因を見つけましょう。指の間の毛が伸びすぎている、爪が伸び好きていることも舐めたくなる原因の1つです。

飼い主さんは猫が指間炎にならないように、原因の1つ1つを見つけてあげましょう。猫が普段からどれぐらい肉球や指の間を舐めているのかチェックするとわかりやすいです。

日頃から肉球や指の間は清潔に保つようにして、指間炎から予防してあげましょう。

※こちらの記事は、獣医師監修のもと掲載しております※
●記事監修
drogura__large  コジマ動物病院 獣医師

ペットの専門店コジマに併設する動物病院。全国に14医院を展開。内科、外科、整形外科、外科手術、アニマルドッグ(健康診断)など、幅広くペットの診療を行っている。

動物病院事業本部長である小椋功獣医師は、麻布大学獣医学部獣医学科卒で、現在は株式会社コジマ常務取締役も務める。小児内科、外科に関しては30年以上の経歴を持ち、幼齢動物の予防医療や店舗内での管理も自らの経験で手掛けている。
https://pets-kojima.com/hospital/

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猫を飼いはじめて20年。完全な猫派です。 今まで4匹の猫と過ごしてきました。現在は2匹の猫と楽しく過ごす毎日です。 ツンデレされて20年。猫の行動1つ1つが大好きで、ずっとツンデレにやられてしまっている人間です。

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