猫が好きな食べ物は?
猫が毎日口にしているキャットフードは、様々な食材の味がついています。まぐろやかつおなどの魚介類はもちろん、チキンやビーフなどの肉類も!
このようなところからも、猫はグルメで個体によって好き嫌いがあっても納得が出来ますよね。
キャットフード以外で猫が喜んで食べてくれる食べ物には、どんな食材が挙げられるのでしょうか。
◆猫が好きな食べ物①刺身
海に囲まれた島国である日本では、漁業が常に盛んに行われてきました。猫は、この大量に捕れすぎて捨てられていた魚を食べるようになり、魚の味を覚えたのではないかとも言われています。
そのため、生魚の味は、猫が好きな食べ物となってもおかしくはないのでしょう。猫によっては焼き魚には反応しないのに、刺身には取り憑かれたように反応を示す子もいるそうです。
しかし、猫が喜ぶからといって、与え方や与えすぎには注意が必要です。
新鮮な刺身には寄生虫が寄生していることもありますし、人間用に味付けされた刺身なども多く出回っています。
また、サバやアジなどの青魚は、与えすぎると不飽和脂肪酸によって体内の脂肪が酸化してしまい、黄色脂肪症を発症させてしまいます。
人間にとって上質な栄養素であったとしても、猫にとっては命取りになってしまうので与えすぎはとても危険なのです。
好きだし喜ぶからといって欲しがる分だけ与えるのではなく、一切れ二切れを目安とし、一口大に切ってあげるようにしましょう。
◆猫が好きな食べ物②鶏肉
猫の先祖は元々野生のヤマネコなので、獲物は自分で捕獲し、餌としてきました。ネズミや鳥などの野生動物は、手軽にタンパク質を摂取出来ることもあって、生きる上で必要な栄養源であったと言えるでしょう。
中でも人間が好んで食べているように、鶏肉は言うまでもなく美味しいのです。
旨みがしっかりと凝縮されている鶏肉は、必須アミノ酸やタウリンなどの猫にとって必要な栄養素が豊富に含まれています。
でも猫にとってそんなのは全く関係のない話で、単純に本能で美味しいから食べているだけだったのかもしれません。
ご家庭で与えるときは、脂肪の少ないササミや胸肉をボイルして与えてあげると良いでしょう。
また、鶏肉は出汁も出るので、少なめの水と茹でて、汁ごとあげても良いでしょう。あまり水を飲まない子の水分補給食材としても、最適です。
ただ鶏肉だけでは栄養が偏ってしまうので、普段食べている総合栄養食の上に食べやすい大きさにして少量を与えてあげるか、おやつとして与えてあげてください。
◆猫が好きな食べ物③チーズ
猫が食べるおやつでもチーズ味は定番と言ってもいいぐらい、沢山世の中に出回っています。
チーズは製法過程の中で、牛乳に含まれているタンパク質がアミノ酸に分解され、独特の旨味を引き出しているのです。旨み成分として知られるアミノ酸は、猫もしっかりと感じ取ることが出来ます。
原材料である牛乳が好きな子も多くいるので、チーズは猫にとってご馳走とも言える食べ物であると言えるでしょう。
他にも牛乳が原料となっている、バターや生クリームが好きで欲しがる子もいるそうですが、バターや生クリームには、塩や砂糖が大量に使用されているので、人間が口にするものは与えないようにしてください。
チーズを猫に与えるのなら、猫のおやつとして市販で売られている物を購入し、表示されている分量を守って与えるようにしましょう。
猫に与えると危険な食べ物は?
上記の食べ物以外にも、猫が好きな食べ物は沢山ありますが、逆に与えてしまうと危険が生じてしまう食べ物はあるのでしょうか?
◆猫に危険な食べ物①ネギ類(玉ねぎ・ネギ・ニラ)やニンニク
これらの食べ物に共通して含まれている成分に「アリルプロピルジスルフィド」という物質があります。この物質は赤血球を破壊し、食欲不振や呼吸困難、貧血や嘔吐などの症状を引き起こしてしまうのです。
アリルプロピルジスルフィドは、猫の体重が1kgあたり摂取量5gで症状が出てしまうので、少量口にしただけでも危険が生じてしまいます。また、玉ねぎの毒素は加熱調理をしたとしても、消えることはありません。
基本的に猫はネギ類の匂いを嫌いますが、ハンバーグや餃子など、肉類が混ざっていたら玉ねぎの匂いはかき消され、誤って口にしてしまうことも。
これらの野菜を料理に使用する際には、猫が自ら口にしないように注意しながら調理をしていきましょう。
◆猫に危険な食べ物②イカなどの甲殻類
イカやカニ、エビなどの甲殻類は、食材に含まれる酵素によって、猫の体内のビタミンB1が破壊されてしまい、ビタミンB1欠乏症を引き起こしてしまう可能性があります。
加熱すれば酵素は破壊されますが、基本的に甲殻類は猫に与えない方が危険を回避出来るので、無難であると言えるでしょう。
「猫がイカを食べると腰を抜かす」という言い伝えがあるように、実際にビタミンB1欠乏症を引き起こすと腰はふらつき、歩行困難になってしまうのです。
イカは魚介類だから猫は喜ぶから与えても問題ない、ということは全くないので、絶対に与えるのはやめましょう。
◆猫に危険な食べ物③チョコレート(カカオ)
チョコレートやココアなどの原料になっているカカオには、「テオブロミン」と呼ばれる成分が含まれています。この成分が興奮剤のような働きをし、猫の中枢神経を刺激するのです。
即効性はなく、摂取後1~2週間ほどで症状が出るので、原因を突き止めるのも困難です。
嘔吐や下痢、尿失禁をすることもあり、重度になってしまうと痙攣発作を起こし、死に至ることもあり、大変危険です。
◆猫に危険な食べ物④アワビ
アワビの肝には「ピロフェオホルバイド」という成分が含まれており、この成分を摂取することによって、光腺過敏症を引き起こす可能性があります。
日光浴が大好きな猫ですが、ただ太陽の光を浴びるだけで皮膚炎を起こしてしまうのです。
猫の耳や毛はとても色素が薄いので、この病気にかかってしまうと腫れや痒みが酷くなってしまい、悪化すれば耳の外側が壊死をしてポロッと取れてしまう危険性も。
猫にとって貝類はあまり与えるべき食べ物ではないとされているので、与えないことが一番です。
◆猫に危険な食べ物⑤アボカドとブドウ
アボカドの果肉に含まれる「ペルシン」という成分は、下痢や嘔吐、または呼吸困難などの症状を引き起こすと言われています。
甘くて美味しい果物であるブドウも、猫にとっては命取りになる危険性が高いそうです。
ブドウに関しては原因が明確に解明されてはいないのですが、嘔吐や腎機能障害を引き起こしてしまうそうです。
どちらにせよ好んで食べるような食べ物ではないですが、猫の目につく場所には置いておかないようにしましょう。
猫に食べ物を与える時の注意点は?
猫の好きな食べ物や、危険な食べ物をご紹介してきましたが、猫が何かを口にする場合には、飼い主さんがしっかり管理して、必要な分量だけ与えることが何よりも大切です。
体重や年齢などの個体差はもちろん、妊娠中や授乳中の場合も同様です。
欲しがるからその都度あげる、常に一定量のキャットフードを出しっぱなしにしているなどの与え方は、肥満の原因になりやすく、健康に悪影響をもたらしかねません。
また、太っているからといって極端に分量を減らしてしまっては、一日に必要な栄養を摂取することが出来なくなり、こちらも健康を損ねてしまう可能性が高いのです。
しっかりと個体に合った容量と分量を理解し、毎日与える習慣を心掛けましょう。食事を与える際は、常に新鮮な水も用意してあげてくださいね。
まとめ
個体には差がありますが、猫にはキャットフード以外にも喜ぶ好きな食べ物が沢山あるようです。
その食べ物が好きということが分かり、「ちょうだい!」とおねだりされてしまえば、あげたくなってしまう気持ちが生じるのも仕方がないことです。
しかし、人間と猫は身体の大きさも違いますし、身体の造りも必要な栄養素も違います。また、人間にとって分解出来る栄養素であっても、猫の身体では分解出来ない栄養素も多く存在しています。
そんな生き物同士が全く同じ食べ物を食べて、同じように生きていくことはとても難しいことです。
中には与えてしまうと猫が死に至ってしまうことのある、危険な食べ物も私たち人間は普段から口にしているので、細心の注意が必要となります。
どうしても人間が口にする物に興味を示しやすい子なら、色んな味のおやつを用意しておいてあげましょう。
ちょっとずつ人間が口にする食べ物から猫との距離を置き、本来の自分のご飯を好きになってもらう努力を怠らないことこそが、大切なのかもしれませんね。
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