保護した野良猫がなつかない理由は?
◆保護を必要とする野良猫がいたら…
町の至る場所で見かける首輪を付けていない猫は、野良猫や地域猫であることが多いです。
猫は元々縄張り意識が強い動物で、自分のテリトリー以外の場所で行動することがほとんどありません。そのため、「同じ場所で同じ野良猫をよく目にする」という方も、少なくはないでしょう。
もしこのように自由の中で生活をしている彼らが、怪我をしていたり具合が悪そうな素振りをしたりしていたら、「どうにか保護して動物病院に連れていってあげたい!」と思う優しい方も多いことだと思います。
また、親猫がいないであろう子猫や、野良猫が家の敷地内で出産してしまった、などの偶然に出くわしてしまうことも、無いとは言い切れないのです。
猫好きの方であれば見て見ぬふりは出来ず、どうにかしてあげたいと思ってしまうのは、当然の感情だと思います。
◆保護した野良猫がなつかない理由
たとえ保護することが出来たとしても、人になつかないことも多い野良猫。どんな理由があって人間を拒んでしまうのでしょうか。
・警戒心が強い
いつどんな危険な目に遭うか分からない状態の野良猫は、非常に警戒心が強いです。
生まれたときから恵まれた環境で育てられた猫と、四六時中餌にありつけるか分からず外で生活してきた猫とでは、警戒心の抱き方に雲泥の差があると言えるでしょう。
どんなに善意で野良猫に近づいていっても、安全だと認識してくれない限り、警戒心を解いてくれることはほぼありません。これも身の安全第一と考えているから故なのでしょう。
・怖がり
猫はもともと警戒心が強い上に、怖がりな性格でもあります。家猫であれば人間と生活していく中で、色々なことを学ぶことや知ることが出来ますが、野良猫は猫の世界がすべてなのです。
そのため、何かと臆病になってしまい、怖いという感情が表立って出て来てしまうのは、仕方のないことだとも言えますよね。
保護した野良猫がなつかない場合には、まずは猫の気持ちになって怖い思いをさせないようにしていきましょう。
・気が強い
外の世界で様々な危険に立ち向かいながら自由を得てきた野良猫は、気の強い子も多いです。プライドが高い野良猫ほど、人間に媚びるようなことはせず、なつかないのです。
自分の命を守るために、常に虚勢を張って生きなければならないので、野良猫の寿命は家猫ほど長くはありません。余計に保護して幸せにしてあげたい、という思いは募ってしまいますよね。
・無駄なスキンシップは取らない
子猫から野良猫として育ってきた子は、必要最低限の愛情とスキンシップの取り方しか知りません。そのため、人間に保護されたとしても、自ら歩み寄ろうなんて気持ちは更々ないのです。
「隙あらば外に逃げ出してやる」という気持ちが強いはずなので、なつかないからといって無理にスキンシップを取ろうとすることは避けましょう。
・母猫の教え
野良猫から産まれた子猫は、母猫から様々なことを学んで成長していきます。そのため、母猫が人間に対して危険な認識を持っているのなら、自然と同じように人間を敵視して見るようになります。
そのままの感情で成猫になれば、更に自我が加わり人間とは関わらないようにしてしまうのです。
このような場合には近づけば近づくだけ警戒されてしまうだけなので、無理になつかせようとするのは止めておきましょう。
保護した野良猫と仲良くなる8つの方法!
野良猫を保護した以上なんとかしてなついてもらい、仲良くなりたいと願う人も少なくはないでしょう。その野良猫を家猫として迎い入れる決意をしたとしたら、尚更のことです。
焦りは禁物ですが、野良猫の心を開きなついてもらう方法があるとしたら、試してみたいところですよね。
なつかない野良猫に負担をかけないで仲良くなるためには、焦らないことが第一です。以下のコツを心掛けつつ、距離を縮めていってはいかがでしょうか。
◆保護した野良猫と仲良くなる方法①距離を保つ
まず一番初めに心掛けなくてはいけないのが、猫との距離です。
野良猫は家猫と違って、絶対的なパーソナルスペースを持ち合わせていることが多いです。ましてや保護されて気持ちが落ち着かない状態のときに、自分を守れる距離が保てないとなると相当なストレスを抱えてしまうことになるでしょう。
そうなってしまうと、自分を脅かす存在として認識してしまうので、仲良くなるどころか威嚇され続けてしまうこともあります。
野良猫のパーソナルスペースを尊重して、最初は様子をみるようにしましょう。そうすると時間がかかったとしても、野良猫から少しずつ距離を縮めてくれるはずですよ。
◆保護した野良猫と仲良くなる方法②声のトーンを上げてゆっくり話す
猫はとても耳の良い動物です。人間には聞き取ることの出来ない高音も聞き取れるほど、耳は敏感な部分でもあるのです。
そのため、子供や早口言葉で話す人間を高圧的に感じてしまう傾向にあるので、年配の女性をイメージするような声で話しかけるようにしましょう。
よくおじいちゃんやおばあちゃんになついている猫が多いように、ゆっくりとした波長やリズムを猫は好みます。常に優しくゆっくりと話しかけるように、心掛けてみましょう。
◆保護した野良猫と仲良くなる方法③慌ただしくしない
ゆっくりとした声を好むように、人間の動作もゆっくりしていた方が、野良猫は心を開きやすいです。
動作が慌ただしいと、「攻撃される!」と勘違いされてしまうこともあるので、同じ空間にいるときは、大きな動作を控え、猫を驚かさないように、ゆっくりとした行動を心掛けてくださいね。
◆保護した野良猫と仲良くなる方法④目が合ってもそらす
保護された野良猫は、常に自分が攻撃されないか人間を見張り、監視しています。この行動にはちゃんと意味があり、襲われたらすぐに攻撃出来るように目をそらすことをしないのです。
逆に、猫にとって目をそらすことは「相手に敵意がないことを伝える行為」になります。
そのため、野良猫の様子が気になって見たときに、もし目が合ってしまったのならすぐに目をそらしましょう。目をそらすことによって、自分には敵意がないことを伝えることが出来ます。
人間の場合、目をそらすことは失礼にあたるのですが、猫の世界は逆なんて面白いですよね。
◆保護した野良猫と仲良くなる方法⑤高い位置から見下さない
猫よりも身体が大きな人間は、常に猫を見下す体制になってしまいますよね。
猫の世界では高い位置から見る者こそ、強いとされています。そのため、人間が野良猫を常に上から見るような目線になってしまえば、喧嘩を売られていると勘違いされても仕方がないと言えるでしょう。
なるべく低い位置から見るようにするためにも、野良猫が高い位置で眠れる場所を確保しておくと良いでしょう。
また、野良猫が傍にいるときは立っているよりも体育座りなどをして、少しでも身長を低く見せるのも効果的ですよ。
◆保護した野良猫と仲良くなる方法⑥逃げ場所を作っておく
高い位置に安心して眠ったり休んだり出来る場所を確保してあげることと同時に、身を隠せるような逃げ場所も用意しておいてあげましょう。
警戒心や気が強い野良猫ほど臆病な子も多く、自分の安全が確保出来なければ多大なストレスを抱えてしまうことになりかねません。
「暗くて狭くて誰にも見つからない」と野良猫が思えるような場所が、部屋に何箇所かあるだけで、猫は平常心を保つことが出来ます。
もちろんその場所にいる間は、話しかけたり見に行ったりするのは止めて、自ら出て来てくれるのを待ちましょう。
◆保護した野良猫と仲良くなる方法⑦香水などはつけない
人間が出す音や動作に敏感な猫ですが、ニオイにも猫は非常に敏感です。もし香水などを付けている場合、そのニオイが気に入らなければ自ら歩み寄ってきてくれることはありません。
早く仲良くなりたいのであれば、自分の身に着ける服や部屋の環境なども、猫が嫌がりそうな香りの物を置かないようにしましょう。
◆保護した野良猫と仲良くなる方法⑧基本的には放置の姿勢を貫く
保護した野良猫がなつかないからといって、自ら積極的に話しかけたり歩み寄ったりするのは止めておきましょう。
猫にマイペースな性格の子が多いのは、自分の意志とは関係なく何かを強制されることが、本当に嫌いだからです。
まずは安全な人間なのか、安心して生活出来る場所なのか、ということを野良猫自身に感じ取ってもらう必要があるのです。
早く仲良くなるために遊ぼうとしたり、おやつで気を引こうとしたりするのは逆効果になることが多いので、まずは辛抱強く野良猫から歩み寄ってきてくれるのを待ちましょう。
まとめ
偶然にも野良猫を保護するきっかけが出来たとしても、なかなか心を開いてくれない子はとても多いです。それは常に過酷な環境で育った故の、悲しい現実でもあります。
そのため、このような偶然に遭遇した場合、野良猫がなつかないからといって無理強いするような態度で接することはやめましょう。彼らは生きていく上で、虚勢を張らなくてはいけなくなってしまったので、私たちは何も強制せず待つしかないのです。
同じ時間を共有していくことによって少しずつ距離は縮まっていくはずなので、焦らず仲良くなっていきましょう。
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