1.猫が雷や台風を怖がる理由は?
1-1.大きな音が怖いから
1-2.大人しい猫ほど怖がる
2.猫が雷や台風を怖がる時の対策は?
3.雷や台風の時は「猫の気象病」にも要注意
3-1.猫の気象病の症状は?
3-2.猫の気象病への対策は?
4.まとめ
【掲載:2023.04.26 更新:2024.08.15】
猫が雷や台風を怖がる理由は?
季節の変わり目は天気も崩れやすく、台風や雷が発生する機会も増えます。そんな突然の大きな雷の音にびっくりして、愛猫がどこかに身を隠してしまった経験はありませんか?
何故猫が台風や雷を怖がるのか、理由を見ていきましょう。
◆大きな音が怖いから
ほとんどの猫は大きな音が苦手です。掃除機から逃げたり、飼い主が物に体を少しぶつけただけでもビクッと驚きます。
猫が音に過敏に反応しているように見える理由には、猫の聴力が人間より10倍も優れていることが関係しています。
人間でも怖がる雷の音や台風の暴風雨の音は、猫には10倍の威力で伝わっている状態になります。そのため、普段聞き慣れていない雷や台風の大きな音に身の危険を感じて、怯えたり身を隠したりして警戒するのです。
◆大人しい猫ほど怖がる
必ずではありませんが、活発な猫より大人しい猫の方が大きな音を怖がると言われています。
特に室内でずっと飼われている猫だと、台風や雷が何なのかはわからない状態です。突然いつもと違う大きな音が響いてきて、空がピカッと光った日には怖がるのも無理はありません。
猫が雷や台風を怖がる時の対策は?
愛猫が台風や雷を怖がる時は、なんとかしてあげたいと思いますよね。この項目では、猫が台風や雷を怖がる時に飼い主ができる対処法や対策をご紹介いたします。
台風や雷の大きな音に猫が怖がる様子でいたら、優しく接して「大丈夫だよ」を伝えてあげましょう。普段愛猫が好きな方法でスキンシップをとってあげるのが効果的です。
愛猫を優しく撫でたり、優しい声で名前を呼んであげてください。抱っこが好きな猫ちゃんなら、抱っこをしてあげましょう。飼い主さんが落ち着いて優しく接することで、猫に「大丈夫そう」と思ってもらえたり、飼い主さんの匂いで怖がる気持ちが和らぐ効果があります。
飼い主さんが怖がったり怯えていると、猫も余計に不安な気持ちになります。人間にとっても雷や台風の音は怖いですが、なるべく平静を装って猫ちゃんを安心させてあげましょう。
怖がりで警戒心がかなり強い猫の場合は、撫でようとしても嫌がったり怒ったりすることもあります。こうしたタイプの猫ちゃんには、安全に身を隠せる場所を作ってあげましょう。
こたつの中や押入れ、猫用ハウス、何もなければ段ボール箱にタオルを敷いた簡易避難所でもいいかもしれません。ほどよく狭く暗い場所に身を隠すことで、落ち着いてくれる効果があります。
ご自宅の窓に雨戸がある場合は閉めましょう。なければカーテンだけでも閉めると、少し音が緩和されます。
また、猫を窓から遠い場所に誘導してあげましょう。比較的音が聞こえにくい場所でスキンシップをとって安心させたり、そうした場所に身を隠せる場所を作ってあげることで、猫の恐怖を和らげることが出来ます。
猫が怖がりで身を隠している状態だとしても、なるべく同じ空間に居てあげてください。何もしなくてもすぐ近くに飼い主がいるというだけで猫ちゃんは安心します。
あまりにも怖がっている状態の猫ちゃんには難しいかもしれませんが、猫の気を逸らすのも効果があります。
大好きなおやつをあげたり、気に入っているおもちゃで気を引きましょう。飼い主さんの匂いで安心感を覚える猫も多いので、飼い主さんが近づいたり着ていた服をそばに置いたりして安心させてあげましょう。
海外では、「猫用の音楽を猫に聞かせる事で、リラックスさせる効果がある」と話題を読んでいるそうです。猫が落ち着く周波数の音で作られた音楽で、猫が怖がっている時に聞かせると猫の気持ちが落ち着く事がある様です。
台風や雷は音が大きく、その音に怖がる猫が多いので、窓を締め切って猫用の音楽をかけてみるのもいいかもしれませんね。
◆我が家の猫の雷・台風対策
我が家には、長毛種の大人しいオス猫がいます。雷も台風も苦手なようですが、逃げ隠れるほどではありません。
以前、これまで経験したことがないような激しい台風が起こった時は、猫は怯えてリビングの中央で小さく身体を丸めて震えていました。私や家族が「怖いね〜、でも大丈夫だよ〜」と言いながら撫でていると、台風自体の威力は変わらないのに、10分後ぐらいには普段通り寝そべってくつろぐようになりました。
家自体に何も変化がなかったことや、私たちが落ち着いていた事で安全だと思ってくれたのかもしれません。
雷や台風の時は「猫の気象病」にも要注意
人間でも、季節の変わり目や気圧で体調が悪くなる事があります。そうした気象の変化によって体調に影響が起こる病気を総じて「気象病」と言います。この気象病は、猫にもあるようなのです。
◆猫の気象病の症状は?
症状については原因がはっきりとはしていませんが、自律神経のバランスが気温や気圧の変化などで崩れる事で体調不良などの症状が出ると言われています。
特に雨や雪が降る時は低気圧になっており、低気圧の時には体への圧力が少なくなるため、血液やリンパなどの流れがスムーズに行かず体調にも影響が出やすい様です。
具体的には、下記の様な症状が挙げられています。
・睡眠時間の増幅、食欲不振、だるさ
比較的軽い症状ではこの3つが挙げられます。大雨や台風の時には寝てばかりだったり、いつもより食欲がない、起きているけどだるそうにしているなどの状態が見られたら気象病かもしれません。
もともと猫は狩をする生き物なので、雨の日には身体を休める習慣がありますが、体調不良の場合には注意が必要なため猫の様子を観察しておきましょう。
・頭痛
人間でも雨の日に頭が痛くなる人がいると思いますが、猫にもこの症状が見られる場合がある様です。
気圧が急激に変化することで脳の血管が広がるため、周囲の神経が刺激されて頭痛を発症します。
・関節の痛み
自律神経の乱れによって血行が悪くなり、関節が痛くなる場合があります。
また、持病としてヘルニアや腰痛などを持っている猫の場合も、台風など気圧の変化が激しい時に痛みが増したりすることがある様です。
・めまい
気圧の変化が起こると耳の中にある器官が気圧の変化を感知し、自律神経への刺激によって体調に変化が起こる場合があります。
耳の中にある三半規管は体の平衡感覚を認識する器官と言われ、気圧の変化で三半規管に変化が起こるとめまいなどのふらつきの症状が出ます。
その他にも、倦怠感・吹き出物やニキビ・むくみ・神経痛・気管支喘息など、猫によって様々な症状が、台風などの天候が大きく崩れた時に症状として見られる事があります。
◆猫の気象病への対策は?
気象病が起こるきっかけは低気圧によってもたらされる事が多いため、大雨や台風、雷など天気が大きく崩れる時には気象病への対策を行いましょう。
・水分をこまめに摂取させる
綺麗な水の入った容器を複数用意し、猫がこまめに水分を摂れる様にしましょう。低気圧の時は脱水症状が起こりやすいため水分補給が大切です。
・体を冷ます様にする
血管が膨張するのを防ぐため、室内はなるべく涼しくしておきましょう。寒い時期は風邪をひいてしまうため注意が必要ですが、暖房が効きすぎない様にしましょう。
暑い時期は風通しを良くしたり、エアコンをつけるなどして室内の温度を下げ、猫の体が熱くなりすぎない様にしてください
まとめ
・飼い主が寄り添い身を隠せる場所があると安心する
・台風などの影響で体調不良になる時がある
季節の変わり目には、台風や雷など天気が崩れる日も多くなり、自宅の猫ちゃんにもストレスがかかっているかもしれません。
天気が悪い日でも雷の大きな音があっても、飼い主がいつもと変わらず落ち着いて日常を送る事で猫も安心する事が出来ます。
台風や雷の大きな音に怖がっていたら、まずは安全である事を教えてあげましょう。猫が大丈夫そうかも、と思い始めたらおやつやおもちゃで楽しい気持ちにさせてあげましょう。
愛猫が台風を怖いと思っている時は飼い主も怖いと思っている事が多く、二人で身を寄せ合って「怖いねえ」と外を見守るうちにお互い落ち着いてくる事があります。猫と一緒に遊ぶうちに、飼い主さんも台風や雷の怖さを忘れられたら素敵ですね。