“巨人”ならぬ“巨猫”のメインクーン。気になる体重とは…?
メインクーンは、猫界のなかでも大きく育つ猫種。冒頭でもお伝えしましたが、「穏やかな巨人(ジェントルジャイアント)」という異名を持ち、体は大きいですが、とても穏やかで優しい特徴があります。
小さい猫ばかりが脚光を浴びるなか、「大きいけれど穏やか」という親しみやすい性格で、実は結構愛好家も増えてきているようです。
いったいどれくらい大きくなるのでしょうか?メインクーンの体重について解説していきます。
◆子猫時代からほかの猫種よりも重い
誕生してから生後3か月くらいまでの期間は、メインクーンの子猫はまだ小さい体です。子猫らしいあどけない表情とヨチヨチと一生懸命動く姿は、まさに「癒し」そのもの。
体重は、1.5~2㎏くらいで、ほかの猫と同じように、軽くヒョイっと抱っこできるくらいです。
ただ、この後に体重がぐっと増え、生後半年にはすでに3㎏を超えるケースが多いでしょう。
また、大型猫の特徴のひとつですが、メインクーンの成長期は生後2~3年まで続きます。生後1年ですでに5㎏を超える子が多いですが、緩やかながらもさらに成長が続き、最終的に大型猫となっていきます。
子猫のときから、メインクーンはほかの猫よりも大きい猫ちゃんです。
◆成猫になったメインクーンの平均的な体重
大きい特徴を持つメインクーンですが、オスとメスでは成猫時の平均体重が少し違います。
メスはそれほど大きくならず、4~6kg程度の体重です。一般的な猫が3~5kgほどのケースが多いため、メスのメインクーンが4kg程度で体重が落ち着いたとすればほかの猫と大差ないと言えそうですね。
しかし、オスのメインクーンの方は、メスと比べると体重が重く、6~8kgを超えることは珍しくありません。
メインクーンはガッチリした体型が特徴で、胸部にはたくましい筋肉がつき、骨太で頑丈な体つきをしているのがスタンダードです。その筋肉量の分が体重にも反映されるので、一見「バランスの取れた体格」に見えても、体重的には10kgと重量感のある体になるケースもあるでしょう。
それほど数は多いわけではありませんが、10kgを超えるメインクーンもいます。
また、体重そのものはメインクーンの平均的な数値でも、ボディの周りにボリュームたっぷりで毛が生えるため、見た目にも「大きい」感じがする猫です。
◆太りやすいメインクーン
体重に合わせてキャットフードを与えるのが普通ですが、メインクーンの1日あたりの給餌量はほかの猫よりは多め。大きい体を維持するには、通常よりも多めの食事が必要です。
ただ、給餌量が増える分、カロリーが高すぎるキャットフードを与えると太りやすくなるのも気をつけておきたいポイントです。
また、たくさん食べた分、それを消費するための運動量が必要です。あまり運動しないと肥満のリスクが高まります。運動すると筋肉量も増えますし、体重が増えたとしても健康的な体重増加と言えるでしょう。
くれぐれも脂肪でブヨブヨした体型にならないように気をつけなければなりません。
メインクーンの特徴に合わせた飼い方のコツ
メインクーンの大きな特徴が「大きい」ということですが、そのほかにもゴージャスな被毛などいくつかの特徴があります。健やかに育てるため、特徴に合わせた飼い方のコツをおさえておきましょう。
◆コツ①:ライフステージに合った食事を与える
メインクーンに限らず、どんな猫も「子猫⇒成猫期⇒シニア期」と年齢を重ねていきます。その時期に合わせた栄養素が違うことを理解しておきましょう。
子猫のときは体が完成されておらず、しっかりした体づくりのための「栄養」「カロリー」が必要です。
メインクーンの特徴の「大きな体」に育てるためには、子猫期に吸収しておきたい栄養が詰まった高たんぱく高カロリーのキャットフードを与えるようにしなければなりません。
メインクーンは体が大きいので、関節に負担がかかりやすい体の構造をしています。成猫期あるいはシニア期には、肥満にならないような食事を考えていくことが大事です。
「成猫用」「シニア用」と年齢に合わせたキャットフードには、その時期にぴったりな栄養が含まれているので成分表示を参考にし、ライフステージに合わせた上手なキャットフード選びをしていきましょう。
また、キャットフード選びが正しくても、「食事量や回数が適当」「食べたい分だけ与える」「小食だから少なめにしている」などでは、栄養過多や栄養不足になる可能性があります。
キャットフードを与えるときには、分量をきちんと測り、「多すぎ・少なすぎ」に注意しましょう。
◆コツ②:美しい外見をキープ!被毛のお手入れを丁寧に
「10kg超えの体重の子もいる」「体長が1mを超えることもある」と、数値だけで体の大きさが伝わってきますよね。さらに、メインクーンはボリューム感のある被毛が特徴的なので、余計に大きく見えるのかもしれません。
ツヤのある被毛は魅力的ですが、お手入れ不足だとパサパサと貧相に見えてしまいます。丁寧なお手入れで美しい見た目を保ちましょう。
・ブラッシングで抜け毛を取り除こう
メインクーンは長毛ですが、シングルコート。シングルコートの被毛構造は、一般的にダブルコートよりは、抜け毛の分量は少なめと考えられています。
しかし、毛がまったく抜けないというわけではありません。自然に毎日のように毛が抜けていくのは、人間も同じですよね。
特に、メインクーンのような長毛種は1本1本が長いので、それが集まると「抜けた毛が多い」と感じやすいです。
また、毛が抜けてもほかの毛に埋もれて体から落ちないケースもあります。抜けた毛、そして皮脂成分がミックスすると「毛玉」で固まる原因に…。被毛に熱がこもるため、メインクーンの皮膚病のリスクを高めてしまいます。
最低でも毎日1回ずつはブラッシングしてあげましょう。
・シャンプーで汚れを取る
メインクーンは、自分の体をペロペロと舐めることで清潔に保とうとします。しかし、それだけでは皮脂が取り除けません。
頻繁に洗いすぎる必要はありませんが、月1回程度は猫用シャンプーで洗うようにしましょう。
ただ、洗ったあとに完全に乾燥しないと、皮膚炎症の原因にもなります。ペット用の低温のドライヤーで、優しく丁寧に乾燥させましょう。
◆コツ③:飼育環境を整える
メインクーンの大きな体に気を配った飼育環境が大事です。
・広いスペースで伸び伸びした生活を
メインクーンが広々と自由に動けるようなスペースが理想的な飼育環境です。
動きが制限されると運動不足で太ります。体重が増えすぎると関節や内臓に負担がかかるかもしれません。
キャットタワーなら上下運動できて運動不足解消にはぴったりですが、大型のメインクーンに合わせた強度な構造のものを準備しましょう。
・メインクーンの体質に合わせた温度管理
厚い被毛から想像できるように、メインクーンは寒い地方の出身。冬の寒さを乗り切るための分厚い被毛で寒さにはとても強いですが、逆に暑い季節は苦手です。
近年に見られる日本の酷暑は、メインクーン的には「苦手」を通り越して、辛くて苦しい季節と言えるでしょう。室内でも熱中症が警告される時期には、メインクーンへの配慮も欠かせません。
基本的には冷房で快適な温度に保ちましょう。直接風が当たると体が冷えすぎたり、皮膚が乾燥して被毛の潤いにも影響するので気をつけたいものです。
それほど気温が高くなければ、風通しをよくするだけでも暑さが和らぎます。ヒンヤリ素材のマットやベッドなど、自ら体を冷やせるような避暑地を用意すると、留守番のときでも安心です。
冬は寒さに強いですが、室内が乾燥し過ぎると被毛がパサパサしてきます。加湿にも気を配り、メインクーンのための温度管理をしていきましょう。
◆コツ④:最低限のしつけをしよう
犬と比べると、猫に対してのしつけは「必要なの?」「無理にしつけなくもいいのでは?」という声もチラホラと耳にするものです。トイレや爪とぎなど、衛生面に密着した行動を教えるのは、最低限必要なことです。
・犬と猫のしつけはどう違う?
飼い主さんをリーダーと認識する犬は、忠誠心から指示に従うようになります。「物を覚えると飼い主さんから褒められることに大きな喜びを感じるため、さらに「学習しよう」と意欲を持ちます。
しかし、そもそも「リーダー」という概念がない猫にとって、飼い主さんからの指示は「特に従う必要がない」と考えています。そのため、犬のようには簡単にしつけができません。
猫のしつけは難しいと言われるのは、犬と猫の性質の違いからなのです。
・頭の良いメインクーンはしつけがしやすい
一般的には、猫のしつけは犬より難しいと言われますが、メインクーンはそうとも言い切れません。知能が高いので、時間はかかりますが工夫をしながらしつけるといろいろと覚えてくれるようになります。
「しつけること」にそれほどストレスを感じなくて済むという飼い主さんも多いです。
・感情的なしつけはNG
「テーブルやキッチンにあがる」「引き出しを勝手に荒らす」「飼い主の手を噛む」など、各家庭で猫にやってほしくないことがあるでしょう。何度も現場を目撃すると、言葉よりも先につい「手が出る」というケースがあるかもしれません。
でも、猫へのしつけで感情的に体罰をするのはよくありません。飼い主側ではしつけのつもりで叩いても、メインクーンにとっては恐れを感じて「この人は敵!!」と勘違いすることも。それまでフレンドリーだったメインクーンでも、一度体罰を受けたことが原因で「飼い主不信」になることがあります。
猫に「嫌なことが起こったから、これはダメなんだ」と理解させることが大事です。猫のイタズラと同時に、「大きな音を出す」「低い声でダメと言う」、そしてイタズラを止めてくれたら、「おりこうさんだね」と褒めるといいでしょう。
◆コツ⑤:留守番の時間を減らすようにしよう
一日のうちに何時間も眠るので、基本的に猫は1人暮らしの人でも飼いやすいと言われるペットです。ただ、飼い主さんと一緒に過ごしたがるメインクーンにとって、孤独な時間はストレスになります。
また、室内での事故を防ぐためケージのなかで過ごさせる時間が長過ぎると、運動不足にも繋がります。
1人暮らしに限らず、留守番をさせる時間が長いときには、「留守番の時間を減らす」「多頭飼いで孤独にならないようにする」など、運動不足とストレスの蓄積に気を配りましょう。
まとめ
メインクーンを飼うときには、大型猫の特徴をよく知り、サイズに合わせた飼育環境を整えてあげることが大事です。キャットフードの量は、普通の猫よりも多めが基本ですが、「食べてくれるから嬉しい」と欲しがるだけ与えるとすぐに太るので注意しなければなりません。
また、飼い主さんとの時間を恋しがる傾向にあるので、留守番の時間が長い人には向かない猫種とも言えます。
個体差があるので、子猫期にはどのくらいのサイズになるかはハッキリしませんが、大型猫であることを前提に飼い方のコツをおさえておきたいものですね。
– おすすめ記事 –
・メインクーンの子猫の成長スピードはどれくらい?えさの量は? |
・賢いって本当?メインクーンの性格を大公開 |
・飼いやすいと噂のメインクーン。気になる大きさ・値段・寿命など |
・【メインクーン大辞典】メインクーンを飼う前に読みたい記事23選 |