ノルウェージャンフォレストキャットの特徴
ノルウェージャンフォレストキャットはとても穏やかで大人しい性格です。小さな子や他の動物と触れ合うことが好きなので、室内飼いに向いている猫種といえます。
SNSでも人間の赤ちゃんと一緒に寝転がったり、一緒に暮らす犬と仲良く隣り合ったりしている姿をよく見ますね。コミュニケーションをとることが大好きなのです。
大人しい性格とはいえ、自然環境の中で過ごしてきたノルウェージャンフォレストキャットは動き回ることが好きで、活発な一面もあります。もともと狩りをするために体型はがっしりと筋肉質で大型の猫種です。
室内で飼う場合もキャットタワーを置いてあげるなどして、十分に運動できるような環境を整えてあげることが大切です。
ノルウェージャンフォレストキャットは、寒さが厳しい北欧の地で生まれ、過酷な環境下で狩りをしながら生きてきた猫種です。そんなノルウェージャンフォレストキャットの特徴は長く美しい被毛です。
1979年にノルウェーからアメリカに輸出されてから、「ヨーロッパライン」と「アメリカライン」の2系統に分かれていきました。
若干雰囲気の違いが出るようにはなっていきましたが、もともと寒い地域で過ごしていたため、どちらのタイプも防水性が高い外側の被毛と空気を含みやすく、密度が高い内側の被毛のダブルコートで過酷な環境を乗り切るようにできています。
ノルウェージャンフォレストキャットの美しい毛を保つために
◆被毛の特徴
換毛期は多少個体差があるものの、一般的に暖かくなり始める3月頃(夏毛)と、寒くなり始める11月頃(冬毛)の年2回だとされています。基本的に年中抜けるのと生えるのを繰り返してはいますが、この換毛期になると気候の変化に合わせて一気に全身の毛が生え変わります。
いきなり大量の毛が抜けるので最初はびっくりする人が多いようですが、猫にとっては生理現象なので他にいつもと変わった様子が見られなければ特に心配することはありません。
夏毛は、暑い夏を乗り切れるよう通気性をよくするために密度が低い少し固めの毛です。
11月頃から生え変わる冬毛は、ふわふわとした長い毛です。冬毛は寒さに耐えられるよう、夏毛に比べて細く柔らかい毛が密集して生えます。
また3月頃になって暖かくなり始めると、冬毛がごっそりと抜けていきます。この3月の冬毛から夏毛への生え変わりは、よりごっそりと大量に抜けるので、部屋の掃除やブラッシングをこまめにしてあげることが重要です。
◆食事
ノルウェージャンフォレストキャットのふわふわとしたダブルコートの美しい被毛を保つためには、きちんとした食事がまず大切です。
・タンパク質
被毛の基となるのはやはりたんぱく質です。ノルウェージャンフォレストキャットは筋肉質で太りやすい傾向があるため、長毛を維持するには、太りすぎないほどの良質なタンパク質や脂質を子猫のうちから摂取しておくことが必要です。
きちんとこまめに体型チェックなども併せて行いましょう。
・オメガ3、オメガ6脂肪酸
オメガ6脂肪酸は被毛の乾燥を防ぎ、オメガ3脂肪酸は毛につやを与えてくれる効果があります。つやつやでふわふわの美しい毛を維持することにつながるので、積極的に摂取するようにしましょう。
・食物繊維
ノルウェージャンフォレストキャットのような長毛種の猫はヘアボールができやすいため、食物繊維を適切に含んだフードを選びましょう。
◆ブラッシング
食事の他にこまめなブラッシングも美しい被毛を維持するためには重要です。
ノルウェージャンフォレストキャットのように長毛種の猫の場合、自分で毛繕いをすることはありますが、換毛期などで毛の量が多いと体内に残ってしまったりして病気の原因となります。
長毛種の場合、「朝晩2回」のブラッシングをしてあげましょう。個体差もありますが、猫はブラッシングを嫌がる子が多いようなので、寝ている時やリラックスして脱力している時を狙って行うのがおすすめです。
ブラッシングに使用する道具は、短毛種用と長毛種用とそれぞれのタイプに合わせて販売されているので、ノルウェージャンフォレストキャットの場合は長毛種用のブラシを購入しましょう。
毛を取り除くためだけでなく、毛のツヤを出すためのブラシや皮膚に対する刺激が少ないラバーブラシなどさまざまなタイプがあります。
また、猫によって好みの感覚も違う場合があるので愛猫に合ったブラシを選んであげましょう。
ノルウェージャンフォレストキャットが気を付けたいこと
ゴージャスな毛が特徴的なノルウェージャンフォレストキャットの美しい被毛を保つためには、食事とブラッシングが大切です。
特にノルウェージャンフォレストキャットのような長毛種の場合、ブラッシングを怠ってしまうと次のような病気にかかってしまう恐れがあります。
◆毛球症
猫が自分で毛繕いをした時、ノルウェージャンフォレストキャットのような長毛種は飲み込んだ毛が毛玉になり、毛玉症を起こすリスクが高くなります。
通常であれば、飲み込んだ毛は便と一緒に排出されるのですが、あまりにも飲み込んだ毛が多かったり便が上手く出ないと胃の中で固まって体内に残ってしまうのです。毛球症にかかると食欲の低下や嘔吐、便秘などの症状が見られます。
また、猫はストレスが溜まった時も毛繕いをする癖があるので、なるべくストレスを溜め過ぎないようにしてあげることも大切です。
猫は吐き戻すのが上手いので、軽い嘔吐などであれば市販の毛玉除去剤などで解消できるかもしれません。
ただし、高齢の猫であったりあまりにも症状がひどくなると切開手術が必要になることもあるので早めの対処が必要です。
そのため、トイレの様子を見て便秘をチェックしたり、お腹を触っても嫌がらないかチェックしたり、日常生活の中で小さな変化に気づけるようにしておくことが大切です。
◆熱中症
ノルウェージャンフォレストキャットは、ノルウェー原産で過酷な環境下で過ごしてきたので寒さにはとても強いですが、逆に暑さには弱い一面があります。ふわふわのダブルコートの毛は保温効果は抜群ですが、気温や湿度が高い暑い環境は苦手なのです。
自分で温度調整をすることは難しいので、ノルウェージャンフォレストキャットは熱中症に注意が必要です。口を開けて苦しそうな呼吸をしたり、よだれが出たりしている時は熱中症を引き起こしている恐れがあります。
症状がひどくなると嘔吐や下痢、震えや出血などを起こし、最悪の場合死に至ってしまうこともあるのです。
日本の夏は気温も湿度も高いので、夏の時期は必ずエアコンをつけて部屋を涼しく保ってあげましょう。
また、留守番をさせる時はエアコンはもちろん、部屋のドアを開けておくなどして、空気がこもってしまわないよう気を付けましょう。
ノルウェージャンフォレストキャットのサマーカット
毛球症や熱中症などの病気を引き起こしてしまわないよう、予防の為にしておきたいのが「サマーカット」です。
ノルウェージャンフォレストキャットが引き起こしやすい毛球症や熱中症を防ぐためには、とにかく被毛のお手入れが重要です。こまめなブラッシングはもちろん大切ですが、特に暑い季節は「サマーカット」がおすすめです。
◆サマーカットのメリット
ノルウェージャンフォレストキャットのように毛玉になりやすい長毛種の場合は、サマーカットをすれば、暑さがこもってしまうことを軽減できたり、毛繕いをした時の飲み込む毛の量も減ることになります。
病気を予防できる上にシャンプーをする回数も少なくて済むので、お風呂嫌いな子にとってもストレスを減らしてあげることができます。
また、湿度が高くなると皮膚が蒸れて皮膚炎を起こすこともあるようなので、サマーカットをすることで暑さを軽減し、皮膚の様子も観察しやすくなります。
◆サマーカットの種類
猫のサマーカットにはいくつか種類があります。
・部分カット
・少し短くする、梳いてもらう
ライオンカットは顔の毛だけを残して胴体の毛のみを短く刈る方法です。
モフモフ感が特徴的なノルウェージャンフォレストキャットですが、暑い時期を乗り切るために夏の間だけ短く刈る子もいるようです。このタイプのサマーカットは見た目が面白くかわいらしいですが、毛が短すぎると紫外線を浴びる量が多すぎてダメージを受けてしまう場合もあります。
長毛種のオーバーコート(外側の長い毛)は夏の紫外線から皮膚を守り、室内の冷房で体を冷やし過ぎないように守ってくれる役割があるので、部分カットや少なくするのみなどにしておく子も多いようです。
ノルウェージャンフォレストキャットのように長毛種の場合、食べた時に付着したフードや排泄物が残ってしまっていることがあります。その場合は、顎下の毛や胸の毛だけを短くしたり、お腹やお尻周りの毛だけをこまめにカットする方法もおすすめです。
またトリミングサロンなどでは、毛が絡まってほどけなくなってしまった毛玉の部分だけを刈り取ってもらうこともできます。
◆サマーカットする時の注意点
猫のサマーカットは涼しく保ってくれるので、ノルウェージャンフォレストキャットが引き起こしやすい病気を予防してくれる可能性もあります。
しかし前述の通り、猫の毛には紫外線から守ってくれる効果があるので、サマーカットにすることで猫が浴びる紫外線の量が増えてしまうことにもなりかねません。特に暑い日などは窓から差し込む日差しも高温になるので、長時間日光を浴びると皮膚に影響を及ぼすこともあります。
飼い主さんによっては、通気性のよい猫用の薄手の洋服を着せて皮膚に直射日光を浴びせないようにしている人もいます。
また、個体差にもよりますが、サマーカットそのものが猫にとってストレスになってしまうこともあります。トリミングに慣れず暴れてしまったり、サマーカットをした自分の姿に猫が慣れず、かえって毛繕いをし過ぎてしまう子もいるようです。
毛が薄い状態で皮膚を舐め続けると傷つけてしまうこともあるので、トリミング後はよく見てあげておいてあげた方が良いでしょう。
それぞれの性格によっては得意・苦手などが分かれるのでその子に合ったサマーカットをしてあげましょう。
ノルウェージャンフォレストキャットの夏を快適に!
猫のサマーカットは今回の記事でまとめたように、熱中症や毛球症の予防のためにはおすすめです。また、SNSでもおしゃれなサマーカットを紹介している人もいるので、参考にしてみると良いかもしれません。
ただし、ストレスを感じてしまう子もいるので、性格や普段の行動を観察しながら愛猫に合った夏の対処法を考えてあげましょう。
サマーカット以外にもこまめなブラッシングや食事の調整など病気や暑い夏を乗り切るための対策があるので、大切なノルウェージャンフォレストキャットが健康で快適に過ごせるよう日頃からチェックしてあげましょう。
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