ブリティッシュショートヘアの特徴
◆見た目の特徴
ブリティッシュショートヘアといえば、ずんぐりした体型にあの丸い顔や目力のある目が特徴的です。ショートヘアというだけあって主に短毛タイプの子が多く、そのなめらかな手触りはビロードのようともいわれています。
がっしりとした体型ですが筋肉質で、胸が厚く、脚は太くやや短め、中型からやや大型のセミコビータイプと呼ばれる種類に分類されます。セミコビータイプにはアメリカンショートヘアやスコティッシュフォールドなどもいます。
体長は40~50cm、体重は大体4~7kg程度で、完全な成猫になるまでは3年ほどはかかるのでかなりしっかりした体格に育ちます。
また、グレーのふわふわとした毛並みがロシアンブルーに近いですが、ロシアンブルーに比べてよりずんぐりとしている印象です。反対に、ロシアンブルーはよりシュッとスマートですっきりとした印象なので、見分けに迷うことはあまりないかもしれません。
その少しふてぶてしい顔や全体的に丸い体型が愛くるしいと人気も高く、ブリティッシュショートヘアとロシアンブルーは好みによって分かれるようですね。
◆瞳の色
瞳の色は毛色によって変わります。ブリティッシュショートヘアを代表するブルーの毛色だとゴールドやカッパー(銅色)の瞳が多く、ゴールド・シルバーの毛色だとグリーン、かなり珍しいですが、ホワイトの毛色だとブルーの瞳の子が生まれることもあるようです(個体差があります)。
子猫の時は毛色にかかわらず、「キトンブルー」と呼ばれる青色であることが多いので、瞳の色が変わっても心配することはありません。
個体差はありますが、大体3ヶ月~6か月ほどで瞳の色が変わっていきますが、何か目やにや濁りが見えるなど、不安であれば獣医師さんに相談してみましょう。
◆性格
ブリティッシュショートヘアの第一印象は、ずばり“貫禄”です。どっしりと落ち着いていて、あまり暴れまわったり無駄鳴きをすることも少ないといわれています。
元々ネズミ退治のためにイギリスに持ち込まれ、ローマ軍の海外遠征の際には食糧を守るなど仕事を任されていたので、知的で頭が良い猫種です。
普段は穏やかですが、実は少し寂しがり屋で心の底に甘えたいという感情を抱えているいじらしくかわいい一面もあります。
自立心があるタイプなので1人でいることを好みそうですが、1人の時間が長すぎるとストレスを溜めこんでしまうこともあるので、長時間のお留守番はあまり向きません。できれば飼い主さんと一緒の空間にいて、お互い自由に過ごすのが理想的なスタイルかもしれません。
たまに見せる甘えた姿に思わずメロメロになってしまう飼い主さんがたくさんいるようです。
◆種類
ブリティッシュショートヘアといえばブルー(灰色)の毛色が有名ですが、他にも毛色の種類があります。
実際に元々はブルーのみが公認され、「ブリティッシュブルー」と呼ばれることもありました。ですが、21世紀に入った現在ではさまざまな猫種との異種交配が行われていたので、毛色や柄にバリエーションが生まれていきました。
・ブルー
ブルーは代表色ですが、その中でも「ブルー&ホワイト」や「ブルー&クリーム」などミックスカラーやタビーなどの模様を持った子もいます。
単色とはまた違った表情があり、ミックスカラーも人気が高いようです。
・クリーム系・ブルー
ブリティッシュショートヘアの毛はロシアンブルーよりもさらに手触りが気持ちいいと評されるほど、なめらかで柔らかな感触です。クリーム色になるとその柔らかい雰囲気がさらに引き立ちます。
この色も模様が入った子やホワイトとの組み合わせなどバリエーションがあります。
・ブラック系・ブルー
ほとんどペットショップで出会えることは少ないですが、ブリティッシュショートヘアの大きな目が際立ってよりクールでエキゾチックな印象です。
他にもレッド系やチョコレート、模様もキャリコ(三毛猫)やバイカラー(2色)、毛先だけに色が付くティップドといわれるものなど、本当にさまざまなカラーバリエーションがあります。
また、古くにペルシャとの異種交配があった影響で稀に長毛タイプの子が生まれることがあります。ブリティッシュショートヘアという名前だけあって長毛タイプはなかなか認められませんでしたが、2009年に「ブリティッシュロングヘア」という新たな猫種として登録されました。
ブリティッシュショートヘアを飼うなら
◆飼育環境
ブリティッシュショートヘアは歴史が長いので、遺伝性の病気には強く、寿命も猫の中では長めといわれています。
性格的にもあまり暴れすぎて手が付けられないなんてことも少ないので、比較的飼いやすい猫種だといえます。
静かに過ごすことを好むので、騒がしすぎる空間は少し苦手です。飼う時はなるべく静かな環境であることが望ましいので、できれば1人暮らしや2人暮らしの家庭がおすすめです。
ブリティッシュショートヘアの性格的には子どもに危害を加えることがほとんどないとは考えられますが、猫のストレスなどを考えるとできれば賑やかすぎない方がベターです。
普段は大人しめで物静かですが、元々ワーキングキャットとして活躍していたこともあり、体を動かすことは大好きです。また、肥満になりやすいタイプの猫種なので、キャットタワーや遊べる空間をきちんと用意してあげましょう。
ただし、がっしりとした体型なのでキャットタワーを選ぶ際は倒れにくく壊れにくい頑丈な造りのものを選ぶようにしましょう。
◆日々のお手入れ
普段は短毛種で抜け毛がそこまで多くない猫種なので、換毛期でない時期は1週間に3回程度のブラッシングで十分です。
ただし、回数が少ない分慣れるのに時間がかかるかもしれません。小さい頃から慣らしておくのがベストですが、なるべくリラックスしているタイミングで首のあたりからマッサージするように行ってあげるといいでしょう。
専用のブラシを使うのが効率的でおすすめです。もしどうしてもブラシを痛がる場合は、手を少し濡らして撫でるだけでも無駄な抜け毛がとれます。
換毛期は抜け毛の量も多くなるので、きちんとブラシを使って毎日ブラッシングを行わないと毛玉ができてしまったり汚れが溜まってしまいます。
◆食事
ブリティッシュショートヘアの成長はゆっくりですが、1歳を目安に成猫用のフードに切り替えてみましょう。
運動することが大好きなので、その分食欲も旺盛です。食べることも大好きなのでフードのあげすぎには注意しましょう。1日の摂取カロリーを守って肥満を防いであげないと、病気の原因ともなります。
きちんと栄養のあるフードと運動できる環境を用意して、健康的に過ごせるよう工夫しましょう。
◆注意したい病気
ブリティッシュショートヘアは比較的丈夫な体を持つ猫種ですが、元々がっしりとした筋肉質なので、中高齢になると肥大型心筋症が起こりやすいとされています。
きちんとした食事の管理と、若いうちから適度に運動させておくことで病気の予防にもつながります。
また、ブリティッシュショートヘアは全体の半分以上の血液型がB型であることが知られています。
猫の血液型はA型が多いので、B型であるブリティッシュショートヘアは珍しいのですが、治療や妊娠・出産の時などで輸血が必要な際は注意が必要です。血液型の異なる猫と輸血をしてしまうと死に至る場合も考えられます。
ただし、すべてのブリティッシュショートヘアがB型とは限らないので前もって血液型検査を受けておくことをおすすめします。
ブリティッシュショートヘアのオスとメスの違い
個体差はありますが、オスに比べてメスの方がやや小さめに育ちます。メスの平均体重は3~5.5㎏ほどで、体格にはそれほどオスとメスの違いは出ないようです。
ブリティッシュショートヘアは元々大人しい性格ですが、オスに比べてメスのほうがさらに自立心が強く物静かな子が多い傾向にあります。また、少しツンデレな面が見えるのも可愛らしいポイントです。
比べてオスの平均体重は4.5~6.5㎏ほどに育ちます。落ち着いて大人しいところはありますが、メスに比べるとより寂しがり屋で甘えん坊な一面があります。また、オスのほうがより警戒心が強い子が多いようです。
さらにメスに比べて活発な子が多いので、運動するための遊び道具は必ず用意してあげたいですね。
ブリティッシュショートヘアは性別にかかわらず大人しい性格なので、比較的初心者でも飼いやすいといわれています。
もちろん個体差があるのでオスでも体が小さめだったり、メスでも甘えん坊な子もいます。どんな性格なのか知っていくのは、一緒に暮らしていく上での楽しみでもあります。
ブリティッシュショートヘアの歴史
ブリティッシュショートヘアは「イギリス最古の猫」ともいわれており、その歴史はかなり古く、2世紀頃にローマ帝国時代に古代ローマ人がイギリスに持ち込んだと考えられています。
元々運動神経が良くネズミ退治で活躍していたので、その時代からローマ軍の海外遠征などにも同行して食糧などを守っていたという話もあります。
イギリスに入ってから長い間、ほとんど変わらない外見のまま繁殖していたようですが、19世紀の中ごろ、改良が始まりました。ペルシャなどの長毛種ともこの頃から交配が始まり、長毛タイプのブリティッシュショートヘアが生まれることもありました。
昔は長毛タイプのブリティッシュショートヘアの方が人気は高かったのですが、その後、短毛タイプの子はブリティッシュショートヘアの品種改良に、長毛タイプの子はペルシャの改良にと分けて交配に使われるようになっていきました。
第一次世界大戦後はブリティッシュショートヘアと認められる基準が高くなってしまったため、その個体数はどんどん減ってしまいました。
さらに第二次世界大戦後は食糧難から猫の飼育が難しく、品種の存続が危ぶまれていたのです。戦後はアメリカにも持ち込まれ、幅広く公認されることとなっていきます。
そしてさらにその後はさまざまな猫種との異種交配が行われるようになり、毛色などにバリエーションが生まれていきました。
ちなみに、あの有名な童話「ふしぎな国のアリス」に登場するチェシャ猫のモデルになったともいわれていて、古くから人間に愛されてきたことがよくわかります。
ブリティッシュショートヘアに合った環境を用意してあげましょう!
ブリティッシュショートヘアは自立心が強く賢い性格ですが、実は寂しがり屋で甘えん坊な一面があります。また、代表的なブルーの毛色以外にもたくさんのカラーや模様のバリエーションがあることもわかりました。
運動神経も良く、仕事も任され、たくさんの人から愛されてきたブリティッシュショートヘアですが、誰にでも人懐っこいというよりは、飼い主と静かに過ごす時間を好む猫種なので、ぜひ愛猫との時間をたっぷり楽しんでみてください。
あまり怒りを表に出すようなことも少ないですが、実は心の中にストレスを抱え込みやすいタイプなので、このような習性を理解して飼うことが大切です。
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