1.ベンガルが多頭飼いに向いている理由とは?
1-1.猫の多頭飼いにはこんなメリットが!
1-2.温厚なベンガルは多頭飼いに向いている
2.多頭飼いで注意したいポイント
2-1.ポイント1:多頭飼いのタイミングを考える
2-2.ポイント2:それぞれの食事スペース&トイレを準備してあげる
2-3.ポイント3:相性の「良し悪し」もある
2-4.ポイント4:先住猫を気にかけてあげる
2-5.ポイント5:多頭飼いの「数」には注意しよう
2-6.ポイント6:落ち着ける環境を用意してあげる
2-7.ポイント7:無理に仲良くさせようとしないで見守るスタンスで…
ベンガルが多頭飼いに向いている理由とは?
初めに、猫を多頭飼いするメリット、そしてベンガルが多頭飼いに向いている理由について考えていきます。
◆猫の多頭飼いにはこんなメリットが!
猫の多頭飼いのメリットとしてあげられるのは、なんといっても「飼い主さんが得られる癒し」でしょう。
数匹の猫ちゃんが一緒に遊んでいる様子、寄り添って寝る姿を見られるのは、多頭飼いだからこそです。
何匹も育てることで「この子は甘えん坊」「この子はクール」と1匹1匹の個性を感じられるかと思います。
毎日賑やかで楽しい暮らしができるでしょう。
また、猫ちゃん同士にもプラスになります。
1匹だけではできない「追いかけっこ」が多頭飼いなら可能。
運動不足にならずに済みそうです。
それに、遊んでいる中、じゃれ合うことで「噛まれると痛い」を覚えることができ、社会性の習得にもプラスに働くでしょう。
ベンガルは、甘えん坊で社交的なところがあるので、飼い主さんが不在のお留守番では「ちょっと寂しいな」「誰もいなくて暇」ということもあります。
でも、仲間がいるとなれば、寂しさを感じずに済むのもメリットのひとつと言えるかもしれませんね。
◆温厚なベンガルは多頭飼いに向いている
ベンガルと言えば、ヒョウ柄が大きな特徴です。
筋肉質ですっきりした美しい体型で、しなやかに動く姿は風格と威厳が感じられます。
森林や草原からヒョイと姿を現しても違和感のないワイルドな風貌から「気性が荒いのでは?」「近づいたら怒られるかな?」と、どこか近寄りがたいイメージかもしれません。
でも、実際にはその真逆とも言える性格で、「甘えん坊」「穏やか」「社交的」といったところがあります。
クールで強そうなのに、実は穏やかと聞くと、良い意味でのギャップが感じられる猫ちゃんですね。
性格については、オスやメスという性別の違いや、年齢、個体差によって、なかなかひとまとめにはできない部分がありますが、ベンガルは総じて周囲に対してフレンドリーで温厚な傾向です。
そのため、多頭飼いにも向いていると言われています。
多頭飼いで注意したいポイント
仲間たちとの集団行動をする犬と比べると、猫は「おひとりさま」な行動スタイルが基本です。
しかし、ベンガルは前述のようにフレンドリーな気質があるため、仲間と共に暮らす日々も受け入れやすいようです。
ただ、多頭飼いには向いていると考えられているベンガルも、猫本来の「自立心が高い」という部分がないわけではありません。
どんな条件でもすんなり多頭飼いを受け入れてくれる…とは、スムーズにいかないこともあるでしょう。
せっかくの多頭飼いですから、楽しく暮らしたいものですよね。
そこで、ベンガルがほかの猫と仲良しの生活を送れるように、心がけておくべきポイントをいくつか紹介します。
◆ポイント1:多頭飼いのタイミングを考える
ベンガルは穏やかで順応性があるので、多頭飼いがしやすい猫ちゃんと言われています。
でも、やはり年齢によっては仲間達との暮らしを苦手とすることもあるでしょう。
多頭飼いは、なるべく「若いうち」がベストタイミング。
生まれて数か月程度の若い子猫は、いろいろなことを吸収する柔軟さがあります。
特に、子猫時代は人懐こくて社交性が高く、年齢を重ねるほどに強まりがちな縄張り意識もそれほど強くありません。
ほかの猫との共存もしやすい時期で、子猫の頃からほかの猫達との暮らしをすれば、一層、社交性が深まると言われています。
多頭飼いで注意したいタイミングは、高齢になってからの時期です。
それまで、自分だけのペースで飼い主さんとの暮らしを堪能し、「自分の世界」が出来上がっています。
そこに、見知らぬほかの猫が縄張りに入ってくることは受け入れ難く、強いストレスになります。
しかも、高齢猫は運動も苦手になってくるので、新しい若い猫に「遊ぼうよ」と誘われても、ありがた迷惑なのかもしれません。
多頭飼いをするときは、「一緒のタイミングで複数の猫を迎える」「すでに1匹飼っているところに別の猫を迎える」というパターンがありますが、理想的なのは前者の方で、なおかつどちらも生まれて間もない子猫と言えるでしょう。
◆ポイント2:それぞれの食事スペース&トイレを準備してあげる
多頭飼いをするなら、食事とトイレは別々に準備してあげましょう。
食事の時間、トイレの時間のどちらも、猫にとってはフッと気の緩みが起こりやすい瞬間。
でも、それは安心できる場所だからこそです。
自分以外の猫と、食事スペースやトイレを兼用するなんて苦痛でしかありません。
新しい猫にとっては、すでに先住猫が使っている場所は、気が引けて近づくことさえ難しいでしょう。
トイレは個々のニオイがついている縄張りともいえる場所のため、新しくやって来た猫にとっては「遠慮しているから後で使わせてくださいね」という軽い感覚のものではなく、「自分が使えば先住猫に攻撃されちゃうかも」という深刻なものとなります。
最悪の場合、「排泄したいけどどこでしたらいいの…」と我慢の結果、膀胱炎を引き起こすことも。
食事に関しても同じようなことが言えます。
落ち着いてゆっくり食べられるように、安心した食事タイムを提供してあげたいですよね。
多頭飼いするときには、「先住猫・新しい猫」共々、生きるために必要な食事と排泄ができるように、それぞれ個別で準備してあげましょう。
◆ポイント3:相性の「良し悪し」もある
猫同士の相性が良ければトラブルが起きにくいですが、相性が悪いとトラブル続きの多頭飼いになるかもしれません。
ほかの猫と仲良くやっていける素質があるベンガルも、相性によっては難しいこともあります。
一般的に「子猫同士」は、お互いに遊び仲間として認識しやすく相性も良いと言われています。
特に、兄弟関係だと、生まれてからずっと一緒に過ごしているので、猫達にとってはお互いに「居て当たり前」くらいの感覚かもしれません。
それに、年齢が違う場合でも、親子同士で血縁関係があれば、相性は抜群ですね。
しかし、「高齢猫&子猫」「オス&オス」は、相性が悪いケースが多く、注意すべき組み合わせと考えられています。
先に述べたように、身体能力が衰えた老猫は子猫の活発さについていけません。
大きなストレスを感じて、病気になることもあるでしょう。
また、オス同士は「ここは俺の縄張りだ!」「いや、俺の方が強い!」とお互いに自己主張が強いため、仲良くなるのが難しい可能性が大きいです。
相性が良ければケンカもほぼないため、幸せいっぱいの毎日が待っています。
逆に相性が悪い者同士の多頭飼いでは、「いつもケンカしている」「ピリピリムードで楽しくない」と、気苦労が絶えなさそうですね。
このように、多頭飼いにおける「相性の良い・悪い」は、これからの生活に深く関わります。
◆ポイント4:先住猫を気にかけてあげる
新しい猫ちゃんがやってくると「可愛い」「早く環境に慣れさせてあげよう」という気持ちが先立って、あれこれと構ってあげたくなるものです。
でも、それが猫達の間のトラブルのもとになるケースもあります。
先住猫にとっては「新しい猫ばかり優遇されていて面白くない」と敵意を感じる原因にもなります。
特に、甘えん坊のところがあるベンガルは、飼い主さんが新しい猫ばかりを可愛がると、悲しい気持ちから元気がなくなることもあるでしょう。
逆に新しい猫にとっては「自分の方が偉いのでは?」と勘違いすることにもなりかねません。
場合によっては、先住猫が新しい猫がやってきて生活がガラっと変わったことで、精神を病むケースもあるのです。
猫達の関係性にも影響するので、飼い主さんは先住猫のこれまでの生活を極端に変えないように気にかけてあげるべき。
両方に愛情をかけることはもちろん大事ですが、先住猫にこれまでと同様のスキンシップをかかさないように心掛けたいものですね。
◆ポイント5:多頭飼いの「数」には注意しよう
1匹以上飼うことを多頭飼いと言います。
2匹でも、10匹でも「多頭飼い」です。
ただ、あまりにもたくさん飼うと、猫達の個性がぶつかる瞬間が増えるので注意しなくてはならないでしょう。
ベンガルは温厚で社交的なので、クールでちょっと攻撃的な性格の猫ちゃんとはあまり相性が合わないかもしれませんよね。
初めのうちに「仲良さそう」に見えても、年齢とともに、あるいは何らかのきっかけで不穏な空気が漂うことも…。
2~3匹ならあまり問題なくても、数が多くなるほどに相性の悪い猫もいるので、仲違いする可能性が増えます。
多頭飼いをする時には、猫達がお互いに負担とならないように、できれば少数でとどめておきたいところです。
◆ポイント6:落ち着ける環境を用意してあげる
ベンガルは、基本的に穏やかで好奇心旺盛。
飼い主さんやほかの猫にも興味を持ちますが、ちょっと敏感な部分もあります。
「新しい猫が来た」という大きな環境の変化は、ベンガルにとってはストレスになることもあるでしょう。
周囲に目を向けられる社交的なベンガルだからこそ、いつもと違う環境に戸惑うのかもしれませんね。
多頭飼いでは、何匹かが同じ空間で過ごさなければなりません。
「ここだけは自分の場所」と落ち着けるスペースを準備してあげるといいでしょう。
先ほどお伝えしたように、食事スペースとトイレを個別に設置するだけでなく、ベッドやケージなどもそれぞれのものを準備してあげると適度な距離感を保てるようになります。
◆ポイント7:無理に仲良くさせようとしないで見守るスタンスで…
せっかく多頭飼いするのですから、「仲良く遊んでいる様子を見たい!」というのが飼い主さんの正直な気持ちかもしれません。
でも、飼い主さんが「仲良くしてね」と無理に近づけようとするのはあまりよくありません。
新しい猫を迎える時には、ケージもしくはクレート越しに対面させるに留めましょう。
ベンガルの立ち位置が「先住猫」「新しい猫」のどちらだとしても、初めからフレンドリーには接することができないかもしれません。
ふだんは社交的で甘えん坊のベンガルですが、いきなりの環境の変化には戸惑いやすい性格でもあります。
多頭飼いのスタートとなる対面は、まずは距離を保ち、直に接することのないようにした方がいいでしょう。
「相手のニオイ」や「相手の存在」を確かめながら、ちょっとずつ慣らしていくといいかもしれませんね。
また、多頭飼いの鉄則は、「飼い主さんが介入し過ぎないこと」です。
猫の性格は個体差があるので、仲良くなるスピードや、仲良しの度合いも異なります。
いつもじゃれ合って遊ぶように仲良くなることもあれば、ケンカをしない程度に距離感を保っていることもあるでしょう。
それでも、お互いのペースで一緒にのんびりと暮らしてくれれば、飼い主さんとしては幸せなことですよね。
猫達は、彼らなりの関係性を自然に築き上げていくので、それを飼い主さんが「遠すぎず。近すぎず」というイメージで見守っていくスタンスが大切です。
まとめ
いかがでしょうか。
ベンガルは、ワイルドでクールな印象がありますが、実はとても温厚で愛されキャラです。
ほかの猫ちゃんとも上手くやっていける柔軟性があるので、多頭飼いには向いているでしょう。
ただ、今回お伝えしたように、多頭飼いをするためには、いくつかの注意ポイントを心掛けておくことが大事です。
社交的なベンガルでも、やはり新たな仲間との生活のスタートには、緊張しますし、ストレスも抱えがち。
飼い主さんは、猫達それぞれがリラックスできる環境を整え、見守るようにしたいものです。
猫達が慣れてくれば、きっと家族みんなで幸せな多頭飼いライフが送れることでしょう。
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