1.猫が食べてはいけない食べ物
1-1.玉ねぎ・ネギ・ニンニクなど
1-2.チョコレート
1-3.ぶどう
1-4.生の青魚
1-5.魚介類
1-6.アルコール類
1-7.カフェインを含む飲み物
1-8.アボカド
1-9.生卵
1-10.生のパン生地
1-11.レバー
1-12.ドッグフード
2.猫に与えるには注意が必要な食べ物
2.牛乳・乳製品
2.犬が食べると危険な食べ物
猫が食べてはいけない食べ物
猫が食べてはいけない食べ物を知っておくことは、うっかり食べさせてしまう事故を防ぐために重要です。
意外にたくさんあるので、全部覚えるのは難しいかもしれません。
一覧表にして、冷蔵庫などに貼っておくとよいでしょう。
◆玉ねぎ・ネギ・ニンニクなど
玉ねぎ・ネギ・ニンニク・ニラ・エシャロット(玉ねぎの一種)などには、アリルプロピルジスルフィドという物質が含まれています。
これらのネギ類を過剰に摂取すると、アリルプロピルジスルフィドが赤血球を壊してしまいます。
引き起こされる症状は、貧血(白っぽい歯茎)や食欲不振、血尿(オレンジ~赤の尿)、呼吸困難、嘔吐などです。
症状が出る摂取量は、体重1kgあたり5gです。
アリルプロピルジスルフィドの毒性は、加熱してもなくならず、また乾燥・粉末化しても消えません。
したがって、オニオンパウダーやガーリックパウダーも危険です。
ハンバーグやシチュー、すき焼きや肉じゃがなど、具材としてネギ類を使っている料理は、猫が自ら食べてしまうことがあるので注意が必要です。
アリルプロピルジスルフィドを含む食べ物には、ネギ類のほか、カリフラワー、ブロッコリー、キャベツ、カブ、からし(マスタード)、クレソン、ワサビなどがあります。
カリフラワー、ブロッコリー、キャベツ、カブに含まれるアリルプロピルジスルフィドは、玉ネギほど多くはないので、1かけら程度与える分には問題ありません。
手作り食などで定期的に取り入れるのは、避けた方がよいでしょう。
◆チョコレート
チョコレートの原料であるカカオに含まれるテオブロミンやカフェインなどにより、中毒が生じます。
食べてから1~2時間で、落ち着きがなくなり興奮状態になり、おしっこを漏らしてしまうこともあります。
2~4時間で、嘔吐や下痢、呼吸の乱れが起こり、発熱することもあります。
重度になると、全身がけいれんを起こし、死に至ることもあります。
チョコレートによって含まれるテオブロミンの量が異なるため、症状が出る摂取量も異なります。
以下は、参考値と考えてください。
ミルクチョコレート:体重1kgあたり10g
ホワイトチョコレート:体重1kgあたり500g
◆ぶどう
ぶどうやレーズンは、犬が食べると危険な食べ物として知られています。
犬の場合、腎臓病の原因になりますが、猫に対してどの程度の影響があるかは未知数です。
致死量は体重1kgあたり生のぶどうで30gとされており、少量でも病気の原因になることがあるので、食べさせないようにしましょう。
◆生の青魚
生の青魚には、チアミナーゼという分解酵素が含まれています。
この酵素は、猫が「ビタミンB1欠乏症」を起こす原因となります。
症状は、嘔吐、ふらつき、けいれんなどです。
また、内蔵にアニサキスが寄生していることがあるため、生の青魚を与えるのは危険です。
チアミナーゼは加熱すると無害になりますが、加熱した青魚を食べすぎるとビタミンE不足を招き、「イエローファット(黄色脂肪症)」になる可能性があります。
イエローファットは、内臓脂肪や皮下脂肪に炎症が生じて、発熱や強い痛みを引き起こす病気です。
◆魚介類
生のイカ
イカの内臓にもチアミナーゼが含まれており、ビタミンB1を壊してしまいます。
加熱したイカであれば問題ありませんが、イカは消化が悪い食材なので、いずれにしても与えすぎないようにしましょう。
貝類
アワビやサザエ、トコブシ、トリガイなど、海藻を食べる貝類も危険です。
肝(緑色の部分)に含まれるピロフェオホルバイドという物質が、「光線過敏症」という症状を引き起こすことがあります。
光線過敏症では、通常なら問題のない太陽光で皮膚炎が生じます。
特に耳は色素や毛が薄く、日光に反応しやすいため、腫れや痒みなどの症状を起こします。
悪化すると、耳の外側が壊死して取れてしまうこともあります。
◆アルコール類
猫の肝臓は、アルコールを分解できません。
アルコールは中枢神経に作用し、猫が摂取すると嘔吐や下痢、意識障害、心肺停止など重篤な症状を引き起こす可能性があります。
命を取り留めても、内臓にダメージが残ることもあります。
致死量は、体重1kgあたり5.6mLとされていて、体重3kgの猫なら大さじ1杯程度です。
アルコール度数10%の場合、50mLで致死量となります。
◆カフェインを含む飲み物
コーヒー、紅茶、緑茶などカフェインを含む飲料は、中枢神経を刺激して興奮状態を引き起こします。
症状としては、動悸や不整脈、嘔吐、ふらつき、ひきつけなどが見られます。
その他、全身性のうっ血または出血などもあり、内蔵機能の低下の恐れもあるので、大変危険です。
カフェインの致死量は、体重1kgあたり150mg程度とされています。
飲料だけでなく、ゼリーやケーキ、アイスクリームなどのお菓子類にもカフェインが含まれていることがあるので、注意が必要です。
また、紅茶にはシュウ酸が含まれており、過剰に摂取すると尿路結石の原因になります。
茶葉の状態では、カフェインやシュウ酸の含有量が多いので、特に注意が必要です。
◆アボカド
アボカドに含まれるペルシンは、人間以外の動物が食べると嘔吐や下痢、呼吸困難などを引き起こすと言われています。
ペルシンは主に果肉に含まれていますが、皮にも含まれるので、アボカドを追熟させるときには猫が触れない場所に置くようにしてください。
症状が出る摂取量はまだ解明されていないので、アボカドを食べさせないことが重要です。
◆生卵
生卵には、サルモネラ菌感染の危険があります。
また生の白身にはアビシンという成分があり、必須ビタミンであるビオチンと結合して体外へ排出されます。
ビオチン不足になると、疲労や代謝障害、皮膚トラブルを発症する恐れがあります。
加熱した卵を少量であれば、与えても大丈夫です。
◆生のパン生地
生のパン生地は、胃の中で膨張することがあり、またアルコールを発生させることもあります。
パン作りをする飼い主さんは、要注意です。
◆レバー
鉄分が豊富で貧血予防などが期待できるので、少量であれば与えても構いません。
しかし、与えすぎると、嘔吐や下痢、骨の変形を引き起こす「ビタミンA過剰症」になる危険性があります。
また生レバーには、寄生虫や細菌感染の恐れがあるので、必ず加熱して与えましょう。
◆ドッグフード
同じペットでも、犬と猫では必要とする栄養が異なります。
猫は、ビタミンAやタンパク質を犬よりも多く必要とします。
また、犬はタウリンやアラキドン酸を体内で合成できますが、猫は合成できず、食べ物から摂取する必要があります。
猫の場合、タウリンが不足すると、心疾患や視力・歯のトラブルを起こすことがあります。
猫には、必ずキャットフードを与えるようにしましょう。
猫に与えるには注意が必要な食べ物
◆牛乳・乳製品
猫の母乳と牛乳では成分が異なり、特に乳糖の量が違います。
そのため猫の多くは、乳糖を分解する「ラクターゼ」という酵素が少なく、下痢を起こします。
少量であれば与えても大丈夫ですが、猫用のミルクを与える方がよいでしょう。
チーズには乳糖がほとんど含まれないので与えても大丈夫ですが、人間用のチーズは塩分や脂肪分が多いので、必ず猫用のチーズを与えましょう。
◆犬が食べると危険な食べ物
犬が食べると危険な食べ物は、猫への影響が未知数のものもありますが、危険な可能性があるので与えない方が安全です。
例えば、犬はマカデミアナッツを食べると嘔吐など中毒症状を起こすと言われています。
猫では症例がありませんが、危険な可能性はあるのでナッツ類は与えないようにしましょう。
猫が食べてはいけない食べ物を誤飲してしまったら
◆自己判断で対処しない
動物病院では、獣医さんが様々な状況から判断して、その子にとって最適な処置を行います。
まずは、かかりつけの動物病院に連絡をして、速やかに診察を受けましょう。
食欲があるかなどを確かめようと通常のフードを与えてしまいがちですが、何も食べさせずに動物病院に連れていきます。
何かを食べさせてしまうと、内視鏡での診察や吐かせるなどの処置がかえって難しくなります。
かかりつけの動物病院が休診の場合もあるので、日頃から近くの動物病院を調べておくと安心です。
また、夜間の場合は、夜間病院に連絡をしましょう。
地域によっては夜間の当番病院があることもあるので、かかりつけの病院で情報の調べ方などを聞いておくとよいでしょう。
夜間病院が遠いなど、すぐに診察を受けることができない場合は、まず電話をして、獣医師の指示を仰ぎましょう。
◆動物病院で診察を受ける
動物病院で診察を受ける際、獣医さんに伝える内容は、以下の3点です。
できるだけ細かく、正確に伝えるようにしましょう。
(1)何を食べたか
何を食べたかを伝えることで、猫が食べてはいけない食べ物を食べたかどうかを判断することができます。
(2)どのくらい食べたか
食べた量と猫の体重から、症状がどのレベルなのかが分かります。
毒性のない食べ物でも、過剰に摂取することで中毒を起こすことがあるので、どのくらい食べたかは重要な情報です。
(3)いつ食べたか
食べてからどのくらいの時間が経っているかで、症状のレベルが分かります。
食べた時間が分からない場合は、いつまで元気だったのか、または元気がないことに気づいたのがいつ頃かを伝えましょう。
食べてはいけない食べ物を猫に食べさせないためには
まずは猫が食べてはいけない食べ物を把握しておき、与える前に食べても大丈夫なものかを確かめましょう。
食べてはいけない食べ物に限らず、食べ物は猫が触れない場所に置いたり、匂いの漏れない保存容器に入れたりして、猫がうっかり食べてしまわないようにしておきます。
また、飼い主さんの食事に使った調理器具や食器などはすぐに片づけて、猫が誤って食べてしまうことのないようにしましょう。
特に子猫は好奇心旺盛で、飼い主さんの食べ物にも興味を持ちやすいので、より注意が必要です。
猫が食べてはいけない植物
食べ物ではありませんが、猫が食べてはいけない植物もたくさんあります。
例えば、ポトス、スズラン、トマト(葉、茎、青い実)、アサガオ、ユリ、チューリップ、スイセンなどです。
室内に観葉植物などを置く場合には、注意が必要です。
まとめ
猫が食べてはいけない食べ物は、よく知られているネギ類やチョコレート類のほかにもたくさんあります。
猫にとってよさそうに思える食べ物でも、実は食べさせてはいけないものもあるので、注意が必要です。
ぜひこの記事も参考に、一覧表などを作って見やすい場所に貼っておくなど、日頃から意識しておいてください。
人間の食べ物の中には猫にとって危険・有害な食べ物がたくさんあるので、お裾分けは厳禁です。
猫が食べてはいけない食べ物は、日頃から保管に気をつけましょう。
もし、猫が食べてはいけない食べ物を食べた場合には、自己判断をせず、必ず動物病院で診察を受けてください。
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