1.ハーブとは?
1-1.料理用ハーブ(カリナリーハーブ)
1-2.薬用ハーブ(メディカルハーブ)
1-3.芳香ハーブ(アロマティックハーブ)
1-4.園芸用ハーブ(オーナメンタルハーブ)
2.猫に大丈夫なハーブ
2-1.イヌハッカ(キャットニップ)
2-2.キャットグラス
2-3.バレリアン
2-4.シソ
2-5.カモミール
3.猫に危険なハーブ
3-1.食べてはいけないハーブ
3-2.猫が苦手なハーブ
ハーブとは?
ハーブとはラテン語で、「草」や「野草」を意味する「herba(ヘルバ)」が語源になっていると言われています。
その歴史は深く、メソポタミアやエジプトなどの古代文明から薬用に使用されており、徐々に世界各国へ広がっていったようです。
ハーブは暮らしに役立つ植物の総称となり、有用植物の葉や茎、花などの柔らかい部分を指し、同じ植物であっても種や実、根や樹皮などはハーブと呼ばず、香辛料と呼ばれることも多いです。
おもに匂いや味に刺激性のあるハーブですが、その種類は1万を超えるとも言われており、ハーブによって効果も異なります。
それらのハーブは大きく分けて4つに区別することができますので、効果別に見ていきましょう。
◆料理用ハーブ(カリナリーハーブ)
スーパーなどのスパイスコーナーに行くと、たくさんの種類のハーブが販売されていますよね。
もっともポピュラーなハーブと言えば、パセリやバジル、ミントやローズマリーなどが挙げられます。
匂いの強いハーブは肉や魚などの臭み消しに使用し、爽やかな香りのハーブは料理の香りづけに使用されることが多いです。
ハーブティーなどの飲料に使用されることもあるので、私たちの生活に欠かすことのできないハーブであると言えるでしょう。
◆薬用ハーブ(メディカルハーブ)
薬として使用できないけれど、薬のような効果を期待できるハーブもあります。
古くから薬用として利用されていたこともあり、現代でも昔と変わらずハーブが重宝されていることに驚きを隠せません。
ハーブティーにもよく使用されている、カモミールやローズマリーには鎮静作用がありますし、セージやタイムなどのハーブは、消化不良に効くと言われています。
また、ラベンダーやレモンバームなどは、気持ちを落ち着かせてくれる作用がありますので、心身共に効果が期待できますよね。
◆芳香ハーブ(アロマティックハーブ)
独特の強い香りを放つハーブは、嫌な臭いを消す効果があるので、消臭剤やアロマとして使用されることも多いです。
スパイシーなハーブは、清涼な香りが心と体をリラックスさせてくれるので、アロマにもピッタリですよね。
自分の好みに合わせて選ぶことによって、より気持ちを落ち着かせてくれることでしょう。
そしてハーブの香りは虫も嫌がりますので、ユーカリなどの強い匂いは、虫よけの効果があると言われています。
◆園芸用ハーブ(オーナメンタルハーブ)
ハーブには綺麗な花を咲かせる植物もあるので、園芸用としても楽しむことができます。
ハーブの香りを楽しみながら、特別な存在感を放ってくれるので、花壇の中にほかの花と一緒に植えても、映えるのが嬉しいですよね。
そうすることによって、花に虫が付き難くもなるので、生活に役立つハーブを園芸用として育てている方も多いようです。
猫に大丈夫なハーブ
有用なハーブではありますが、いろいろな効果が期待できることからも、猫に使ってみたいと思う飼い主さんもいらっしゃることでしょう。
ハーブの中には猫にとって毒性の植物もあるので、大丈夫なものとそうでないものの区別をつけておくことも大切です。
猫に毒性のないハーブには、どんな種類があるのでしょうか?
◆イヌハッカ(キャットニップ)
猫にとって安全なハーブで、一番認知度の高い植物と言えば、「キャットニップ」や「西洋またたび」などと呼ばれるイヌハッカではないでしょうか。
イヌハッカから単離された「ネペタラクトン」に猫が反応し、興奮状態になって、気分が高揚すると言われています。
◆キャットグラス
猫が好きな猫草も、実はハーブの一種だということをご存知でしょうか?
イネ科の燕麦(エンバク)という名の猫草となり、「キャットグラス」と呼ばれることが多いです。
猫草を食べることによって、猫は飲み込んでしまった毛を吐き出しやすくしますので、毛玉ができやすい猫ちゃんに重宝するハーブとなります。
◆バレリアン
猫が喜ぶ植物として、またたびやキャットニップは広く知られていますが、海外では「バレリアン」と呼ばれる植物も、猫が喜ぶハーブとして知られています。
バレリアンの根には「アクチニジン」といった成分が含まれており、この成分が発する強い匂いが猫を刺激し、リラックス効果が期待できます。
またたびやイヌハッカよりも刺激が少ないので、普段使いにおすすめのハーブと言えるでしょう。
◆シソ
意外に思われるかもしれませんが、普段私たちが口にしている「シソ」も、ハーブの一種となります。
薬味として使われることが多いシソは、単体で食べるとなかなか強い刺激を感じますが、シソはビタミンが豊富に含まれているので、猫が食べても安全です。
食用のハーブは殺菌効果や食欲増進を促してくれますので、愛猫の食欲が落ちたときなどに試してみてはいかがでしょうか。
◆カモミール
白く可愛らしい花をつける「カモミール」も、猫が口にしても安全です。
キャットフードの原材料としても使用されることのあるハーブですので、少量であれば猫が食べたとしても問題ありません。
カモミールは安眠効果やリラックスできる作用がある上に、口臭予防や抗炎症作用も期待できるので、いざというときに役立つハーブと言えるでしょう。
ですがカモミールはキク科の植物なので、キク科植物のアレルギー反応を起こしたことがある猫ちゃんには、与えないようにしてください。
猫に危険なハーブ
猫にとって安全なハーブがある反面、危険なハーブも存在します。
もしご家庭でハーブを育てたり使用したりする機会があるのなら、最善の注意を払って、愛猫に害が及ばないようにしましょう。
◆食べてはいけないハーブ
猫が食べてはいけないハーブはいくつかありますが、中でも毒性が強く、最悪の場合死に至ると言われているのが、「ラベンダー」です。
紫色の綺麗な花を咲かせ、たくさんの芳香剤やアロマなどの香りに採用されるぐらいポピュラーでありながら、猫にとってはもっとも危険と言われているのです。
ラベンダーには猫の腎臓や肝臓の組織を壊す成分が含まれており、直接ラベンダーを食べたり嗅いだりしなくても、皮膚からもその成分は吸収されていきます。
体の小さな猫にとっては、そのダメージはかなり大きいので、急激に体調が悪化し、最悪の場合は死に至ってしまうという、恐ろしいハーブなのです。
愛猫に綺麗なお花を見せてあげたいからといって、香りの良いラベンダーを育てるのは大変危険なのでやめておきましょう。
◆猫が苦手なハーブ
ハーブは特徴的な香りを放つことから、猫除けとして利用されることがあります。
自分の家の庭や花壇が猫に荒らされ、トイレの代わりにされてしまえば、ほかの花が枯れてしまうこともあるので、なんとか猫の侵入を防ごうと対策をしているご家庭も多いです。
そのような場合に多く利用されているのが、「ローズマリー」や「タンジー」、「ルー(ヘンルーダー)」などのハーブです。
これらのハーブには虫よけの効果もあるので、猫も同時によけられますし、一石二鳥なのかもしれません。
ほかには猫の嫌いな柑橘系のハーブ、香りが強いミント(ハッカ)なども効果的です。
ハーブの使い方
猫特有のハーブであるキャットグラスは、鉢に植えるなどして与えることができますが、イヌハッカなどの匂いを楽しむハーブは、粉末状にしてフードにかけたり、おもちゃの中にしのばせたりする方法がおすすめです。
そのほかの猫に安全なハーブは、猫が興味を示すようであれば香りを嗅がせてあげても良いですし、食べたがるのであれば、いつものフードに少量トッピングしてあげてみてはいかがでしょうか。
猫にハーブを使用する際の注意点
猫にとって安全なハーブはいくつかありますが、やみくもに与えて良いわけではありません。
愛猫に安全にハーブを与えるためには、どんなことに注意をすれば良いのでしょうか?
◆使い過ぎに注意
猫に安全なハーブだからといって、毎日のように使い続けるのはおすすめできません。
薬のように有用だったとしても、たくさん使用してしまえば効果は薄まってしまいますし、鼻の利く猫にとって強い香りがストレスになりかねないからです。
あくまで猫ちゃん自身が興味を持ったときだけ、少量を与えてあげるようにしましょう。
◆アロマはNG
香りを楽しむための、アロマが好きな飼い主さんもいらっしゃるかとは思いますが、猫と一緒に暮らしているご家庭での使用は、大変危険です。
アロマの中には猫にとって、危険な植物が使用されていることも多く、原料を凝縮して作られているので、猫が吸収してしまうと中毒を引き起こす可能性が高いです。
とくに前述したラベンダーや、ユーカリやティーツリーなどの精油は危険なので、家の中でアロマを使用しないようにしましょう。
◆芳香剤なども危険
市販で売られている芳香剤の中には、猫に危険なハーブや、アロマを使用している商品もありますので、使用しない方が無難と言えます。
猫の匂いや生活臭を芳香剤でごまかしたいと思うのであれば、無香料の消臭剤を使用するようにしてください。
その際にはペット用の商品を購入するか、ペットの居るご家庭でも安全に使用できる商品を選ぶようにしてくださいね。
まとめ
たくさんの種類のあるハーブの中から、猫にとって安全なもの、危険なものを分けてご紹介させていただきました。
本記事でご紹介させていただいた情報は、ごく一部の情報でしかないので、ターゲットを絞って調べてみると良いでしょう。
猫とハーブの関係は、まだ不明確な点も多くありますし、効果が期待できるからといって、興味を示していないのに与えることはおすすめできません。
愛猫を危険に晒さないためにも、しっかりとハーブの知識を持って、安全に使用してあげるようにしましょう。
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