1.猫の好きな寝る場所
1-1.寒い日の猫の寝る場所
1-2.暑い日の猫の寝る場所
2.猫の寝る場所と飼い主との関係性
2-1.飼い主の近くは安心する
2-2.飼い主から離れて寝る
3.猫が寝る場所と猫の気持ち
3-1.飼い主の頭の近く
3-2.布団に入ってくる
3-3.おしりをくっつけて寝る
3-4.足元で寝る
4.猫と一緒に寝てもいいのか
4-1.注意点
4-2.感染症のリスク
4-3.猫を圧死させるリスク
4-4.睡眠不足のリスク
4-5.粗相をされるリスク
4-6.猫に無理強いをしない
猫の好きな寝る場所
猫は、その由来が「寝る子」=「寝子(ねこ)」であるという説があるほど、一日の大半を寝て過ごしています。
平均睡眠時間は、成猫で1日12~16時間、子猫は18~20時間と言われています。
実に1日の約2/3を寝て過ごしているわけですが、寝る場所にはこだわりがあるようです。
猫が寝る場所を決めるポイントは、安心できる場所かどうかや、温度・湿度などの環境です。
◆寒い日の猫の寝る場所
猫は、寒い日には暖かい場所を選んで寝ています。
猫は、祖先が砂漠地帯に住んでいた名残で、暑さに強い反面、寒さは苦手です。
このため、寒い日には、日向や暖房器具、人の近くなど暖かい場所を選んでいます。
また、ふかふかした猫ベッドや飼い主さんのベッドも、寒い日に猫が好んで寝る場所です。
◆暑い日の猫の寝る場所
暑さに強いとはいえ、暑い場所を好んで寝ることは、まずありません。
SNSなどでは、暑くなってくると、「猫が落ちている」というキャプション付きで、床に寝そべっている猫の画像がたくさんアップされます。
猫は、温かい場所を見つける天才ですが、同時に涼しい場所を見つける天才でもあります。
暑い日には、日陰やひんやりした床、風通しの良い場所などを選んで寝ています。
猫の寝る場所と飼い主との関係性
あなたの愛猫は、あなたの近くで寝ていますか?
それとも、離れて寝ているでしょうか?
実は、猫の寝る場所から飼い主さんとの関係性が分かると言われているので、ご紹介します。
◆飼い主の近くは安心する
猫は、一説に「家につく」と言われ、人よりも場所にこだわりを持つと言われています。
これは、猫がもともとは1匹で活動し、縄張りをとても重要視していたことの名残です。
だからと言って、飼い主さんがどうでもいいというわけではありません。
猫にとっては、飼い主さんは縄張りを構成する大切な要素の一つです。
また、去勢・避妊をした猫は、ずっと子猫気分のままだと言われています。
そのため、飼い主さんのことを親代わりの「保護者」と捉えています。
猫にとって「保護者」である飼い主さんの近くは、安心できる場所です。
愛猫が飼い主さんの近くで寝ているなら、猫から信頼されていると考えてよいでしょう。
また、家族の中でも特定の人と一緒に寝る場合には、その人を一番信頼していると言えるかもしれません。
◆飼い主から離れて寝る
愛猫が飼い主さんから離れて寝るからと言って、信頼されていないとがっかりする必要はありません。
猫は本来、群れではなく1匹で過ごす動物です。
子猫の時には母親やきょうだいたちと一緒に寝ますが、成猫になれば基本的に1匹で寝ます。
飼い主さんから離れて寝る子は、社会性のある自立した大人の猫と言っていいでしょう。
いつもは飼い主さんの近くで寝る子が離れて寝るようになったからと言って、心配する必要もありません。
猫には、子猫気分の時と大人気分の時があるものです。
飼い主さんから離れて寝ているのは、大人気分になっているのでしょう。
ただし、体調が悪い時にも飼い主さんから離れて、狭い場所や暗い場所で寝ることがあるので、体調の変化には気をつけてあげてください。
猫が寝る場所と猫の気持ち
愛猫と一緒に寝る飼い主さんは、少なくありません。
猫が寝る場所と猫の気持ちには、関連があると言われています。
◆飼い主の頭の近く
猫にも、他者に入ってほしくない「パーソナルスペース」があります。
飼い主さんの頭の近くで寝るということは、飼い主さんがパーソナルスペースにいることに抵抗感がないということです。
飼い主さんを信頼して、まるで母親の側で寝ている気持ちになっているのでしょう。
性格的に子猫気分が抜けていないと言えます。
◆布団に入ってくる
冬場には愛猫が布団に入ってくるという飼い主さんも多いでしょう。
寒がりの子は、暖かい布団の中に入って寝ることを好みます。
また、飼い主さんとくっついて寝ることで暖を取っている面もあります。
性格的に甘えん坊で、あまり警戒心がない子は、布団の中という「未知の世界」に入る不安より、飼い主さんに対する信頼が勝っていると言えるでしょう。
◆おしりをくっつけて寝る
ふと気づくと、愛猫がおしりをくっつけて寝ていることがありませんか?
人間の感覚では、「おしりをくっつけるなんて失礼な!」となりますが、犬や猫がおしりをくっつけてくるのは飼い主さんへの信頼の証です。
前方からの敵や危険には立ち向かったり逃げたりすることが容易ですが、背後からの危険にはすぐ対処することができません。
おしりを飼い主さんにくっつけて寝るのは、危険に弱い背後を飼い主さんに守ってもらえるという気持ちでいるのでしょう。
◆足元で寝る
愛猫が飼い主さんの足元で寝る場合は、やや信頼度が低いのかもしれません。
しかし、どちらかと言うと猫自身の性格による面が強いでしょう。
社会性のある自立した大人の猫は、飼い主さんにベタベタと甘えることが少ないです。
また、警戒心の強い子は、すぐに逃げられる場所で寝ることを好みます。
猫と一緒に寝てもいいのか
犬や猫と一緒に寝ることは飼い主さんにとって至福の時ですが、一緒に寝ない方がよいと言われることも少なくありません。
ここでは、猫と一緒に寝る場合の注意点についてご紹介します。
◆注意点
猫と一緒に寝ることには、飼い主さんにも猫にもリスクがあることを覚えておきましょう。
最大のリスクは、猫からうつる感染症です。
また、子猫や小柄な猫の場合、猫を潰してしまう危険性もあります。
猫と人間では睡眠リズムが異なるため、飼い主さんが睡眠不足になる可能性もあります。
ふかふかしたもので排泄をすることを好む子もいるため、寝具で粗相をされるリスクも考慮しましょう。
◆感染症のリスク
「人畜共通感染症」(ズーノーシス)と呼ばれる、人間とペットの間でうつる感染症があります。
猫と一緒に寝ることで、人畜共通感染症に感染するリスクは高まります。
寝具に猫の皮膚や唾液などが付着して、それを睡眠中の人間が吸い込んでしまったり、猫が飼い主さんの口や鼻を舐めたりすることで、感染する可能性があるからです。
猫から人に感染する代表的な病気は、トキソプラズマ、回虫、ノミ、瓜実条虫、疥癬、猫ひっかき病などがあります。
◆猫を圧死させるリスク
子猫や小柄な猫と一緒に寝ると、飼い主さんが寝返りを打った時に潰してしまう可能性があります。
最悪の場合、猫が圧死することもあります。
子猫は特に危険なので、一緒に寝るのは生後4~5ヶ月以上になってからにしましょう。
◆睡眠不足のリスク
猫と人間では睡眠リズムが異なります。
猫は、「薄明薄暮性(はくめいはくぼせい)」の動物で、主に明け方や夕方の薄暗い時に活発的に活動をする動物です。
獲物となる小動物が活動する夜や朝に狩りをするため、夕方や明け方には準備をして待ち構えていて、昼間は体力を温存するために寝ていました。
一方、人間は「昼行性」で、昼間活動して夜眠ります。
このため、猫と一緒に寝ると、飼い主さんが睡眠不足になることがあります。
◆粗相をされるリスク
ふかふかしたものの上で排泄をすることを好む子がいます。
布団やカーペットで粗相をされたことがある飼い主さんも、少なくないでしょう。
一度、布団やカーペットで排泄することを覚えると、繰り返してしまうことが多いです。
中でも、羽毛布団は猫が粗相しやすい寝具です。
羽毛布団はカサカサと音がすることが多く、砂をかく時の音に似ているためとも、羽毛の匂いのためとも言われています。
羽毛布団は粗相を誘発しやすいので、猫と一緒に寝る場合には避けた方がよいでしょう。
布団で粗相をするのには、トイレが気に入らない、膀胱炎などの病気の場合もあります。
布団を変えても粗相が続く場合には、トイレの環境を見直したり、動物病院を受診したりして、原因を取り除いてあげることも大切です。
◆猫に無理強いをしない
上述のとおり、猫が飼い主さんと一緒に寝るかどうかは、猫自身の性格や飼い主さんとの関係性、気温などによります。
猫と一緒に寝たいと思っても布団に入ってこない場合には、無理やり布団に入れたりしないようにしましょう。
無理強いをすると、猫との関係性を損なうことになりかねません。
まとめ
猫は、快適な場所を見つける天才なので、暑い時には涼しい場所で、寒い時には暖かい場所で寝ています。
猫にとって、飼い主さんの布団の中は、温かくて快適な寝場所の一つです。
猫が好む寝場所は、暑さ寒さだけでなく、飼い主さんとの関係性や猫自身の性格によっても異なります。
飼い主さんの近くで寝る子は、飼い主さんを信頼しており、子猫気分の残った猫です。
一方、飼い主さんから離れて寝る子は、警戒心が強い場合もありますが、社会性のある自立した大人の猫と言えます。
温かくて柔らかな体の猫と一緒に寝ることは、至福の時間であり、飼い主さんの特権でもあります。
しかし、猫と一緒に寝ることには、感染症などのリスクがあることも覚えておいてください。
そして、一緒に寝ることを無理強いすることなく猫の気持ちに任せて、お互いに快適な睡眠を取れるようにしましょう。
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