1.アメリカンカールの特徴的な耳について
1-1.カールした耳が独特
1-2.生まれたときはカールしていない
1-3.カールの形状はさまざま
1-4.カールしていないアメリカンカールもいる
2.アメリカンカールは外耳炎に注意
2-1.外耳炎とはどんな病気?
2-2.アメリカンカールが外耳炎にかかりやすいワケとは?
2-3.こんな症状が出たら注意!
2-4.適切な治療が必要な外耳炎
5.アメリカンカールの耳掃除の方法とは?
5-1.パターン1.日常的な耳のお手入れウェットシート
5-2.パターン2.洗浄液を使う
5-3.パターン3.細かな汚れは綿棒で
6.耳掃除のポイントは?
6-1.ポイント1.子猫のときから耳掃除を習慣にする
6-2.ポイント2.力を入れ過ぎないように注意
6-3.ポイント3.難しいときは動物病院で
アメリカンカールの特徴的な耳について
猫種名にもなっているように、アメリカンカールの耳は外側に反り返った“カール”が特徴的です。
◆カールした耳が独特
耳の先がカールしている特徴は、他の猫には見られないため、独特な雰囲気がしますよね。
ゴロンと寝た瞬間に一時的に耳の先が反り返っているのではなく、耳の軟骨が変形しているためにカールしているのです。
初めて見ると、「奇形なのだろうか」「反り返っていて大丈夫かな」などと心配になるかもしれませんが、アメリカンカールの遺伝的なものなので心配はありません。
個性的な特徴があるのは素敵ですよね。
◆生まれたときはカールしていない
生まれたばかりのアメリカンカールの子猫は、耳は真っ直ぐです。
一般的な猫ちゃんと変わった特徴は感じられないでしょう。
しかし、それもすぐに変化し、生後1週間~10日もすれば外側にカールし始めます。
生後3~4か月もすれば、しっかりとカールされ、独特な形状の耳になるでしょう。
◆カールの形状はさまざま
生後間もなくから数か月まで、時間をかけてゆっくりカールしていきますが、形状は個体差があります。
角度的には、90~180度曲がる感じになるでしょう。
耳のカールは、「アメリカンカール」という猫の最大の特徴とも言えます。
そのため、「最低でも90度の角度で、後方にカールしている」のがアメリカンカールの理想的な特徴として考えられているようです。
キャットショーで活躍するためには、大きくカールされていなければなりません。
後ろに巻かれる角度が大きいほど、高評価になるのがキャットショーなのです。
ただ、猫種としての理想の角度には達せず、ほんのり緩くカールするだけの子もいます。
ほんのちょっとカールしているだけでも独特でキュートなので、どんな耳になっても可愛がってあげたいものですよね。
◆カールしていないアメリカンカールもいる
緩めにカールしている個体もありますが、なかにはまったくカールしていない耳のアメリカンカールもいます。
真っ直ぐな耳をしていると、一見、一般的な猫ちゃんと変わらない雰囲気がするかもしれませんね。
アメリカンカールの大きな特徴として「耳のカール」が代表的ですが、実は全体の半分ほどはカールしていないのだとか。
つまり、2匹に1匹は、カールしていない真っ直ぐな耳なのです。
カールが遺伝で現れるのは、約50%の確率と言われています。
アメリカンカールは外耳炎に注意
耳がカールしているアメリカンカールは、外耳炎になりやすいと言われていま
◆外耳炎とはどんな病気?
猫ちゃんがかかる耳の病気には、外耳炎や中耳炎、内耳炎があります。
そのなかでも、耳の入り口から鼓膜にかけた部分に炎症が起こるのが「外耳炎」です。
鼓膜よりも奥側の中耳と言われる部分の炎症を「中耳炎」、さらに奥となる三半規管のあたりに起こる炎症を「内耳炎」と言います。
中耳炎や内耳炎は「細菌や腫瘍により単独で発症する」というよりも、「外耳炎が悪化して、中耳炎や内耳炎にかかる」というケースが多いでしょう。
つまり、猫ちゃんの耳の病気は、まずは耳の入り口付近となる「外耳」に気をつけることが大事なのです。
◆アメリカンカールが外耳炎にかかりやすいワケとは?
アメリカンカールのように外側にカールしている耳は、通気性があまりよくありません。
耳掃除が少ないと耳垢が繁殖しやすく、それが原因となって外耳部分の炎症が起こりやすいと言われています。
そのため、お手入れで清潔にすることがかなり大事です。
この部分を意識的にお手入れてあげられれば、外耳炎の予防になるでしょう。
◆こんな症状が出たら注意!
アメリカンカールが耳の病気になっているかもしれないと、飼い主さんが気づける症状として「耳が赤い」「耳がくさい」「耳垢が見える」という行動があります。
耳垢が溜まれば耳がかゆくなるため、しきりに耳を気にする様子や、頭を振る仕草が見られるかと思います。
◆適切な治療が必要な外耳炎
細菌によるもの、寄生虫によるもの、耳が傷ついて起こったもの、アレルギーが原因のもの…など、外耳炎の原因はいろいろあります。
洗浄をしただけでは原因を取り除けないものは、内服薬や点耳薬で治していくことになります。
すでに、外耳炎にかかっているなら、飼い主さんの自己流の耳掃除では解決できませんし、「様子を見よう」と自然治癒は難しいでしょう。
早めに動物病院を受診し、原因をつきとめ、症状に合わせたケアをしていくことが重要です。
また、外耳炎は「耳掃除で清潔を保つこと」「耳の異変がないか日常的に観察すること」などで、防げる可能性が高い病気です。
耳掃除に熱心になるあまり、ゴシゴシと奥まで綿棒を入れて外耳炎を引き起こすこともあるので、正しい方法を頭に入れておくことが大事です。
定期的ってどのくらい?耳掃除の頻度は?
外側にカールしているので、汚れやすいアメリカンカールの耳。
定期的な耳掃除が求められます。
カールしている耳は汚れやすいので、普通の猫ちゃんよりも「お手入れしなきゃ」と意識的に取り組むことが求められます。
とは言え、「定期的」ってどのくらいの頻度なのかが分かりづらいですよね。
耳掃除の回数は状況次第によって異なるでしょう。
例えば、すでに耳垢が溜まっていて汚れている状態ならば、それを解消するために頻度を増やした方がいいかもしれません。
2~3日に1回程度は、耳内のチェックも兼ねて耳掃除をした方がいいでしょう。
それ以外の場合は、1週間に1回程度の耳掃除がおすすめです。
また、耳から汚れが垂れてきたり、変なニオイがしたり、しきりにかゆがっている場合は、外耳炎が起こっている可能性があります。
早めに動物病院で診察してもらうといいでしょう。
耳掃除のときに準備したいアイテム
耳掃除で準備したいのが、ペットの耳掃除用の「ウェットシート」や「洗浄液」、「綿棒」などです。
人間が使うような除菌用のアルコール入りウェットティッシュは、猫ちゃんの耳には刺激になるので使わないように注意してくださいね。
市販されているペット耳のウェットシートが安心です。
綿棒は垂れてくるような汚れを取るときに重宝しますが、使い方を間違うと耳を傷つけるリスクがあります。
傷ついた部分から炎症が起こる可能性もあるので、使うときには慎重にしてくださいね。
アメリカンカールの耳掃除の方法とは?
耳掃除には、いくつかの方法があります。
どんな方法があるか、まずはおさえておきましょう。
◆パターン1.日常的な耳のお手入れウェットシート
ふだんのお手入れなら、指に巻いたウェットシートで入口付近の汚れを取ってあげるだけでもOKです。
指を無理に奥に入れないように、優しく丁寧に拭いてあげましょう。
◆パターン2.洗浄液を使う
猫の耳掃除用の洗浄液を、耳に流しいれる方法があります。
洗浄液を耳の内部に入れた後、猫の耳を揉んで、汚れを浮き上がらせます。
市販の洗浄液は安全性が高いので安心なものですが、方法を間違うと「猫が嫌がる」「耳が傷つく」という結果を招くかもしれません。
また、すでに耳のなかが炎症して傷ついている場合、洗浄液が引き金となって悪化させる可能性も考えられます。
奥側の掃除になるので、自信がないときは動物病院で相談してからの方がいいかもしれませんね。
◆パターン3.細かな汚れは綿棒で
ウェットシートで取りづらいような細かな汚れがあれば、綿棒を使う方法があります。
ただ、綿棒は耳を傷つけるかもしれないので、注意が必要です。
特に、乾いた綿棒で掃除するのはNGです。
綿棒を使うときには、洗浄液で湿らせた状態にしましょう。
また、あまり奥に入れると、見えない部分が傷つく恐れがあります。
綿棒を使った耳掃除は、「猫が動いてケガをするかもしれない」「力を入れ過ぎて傷つけるかもしれない」というリスクがあります。
奥側の汚れが気になったときは、無理に自宅で耳掃除をせず、動物病院でやってもらうことをおすすめします。
耳掃除のポイントは?
人間が自分の耳を掃除するのと違って、猫ちゃんのデリケートな耳のケアにはいくつかの注意ポイントがあります。
耳のなかは見えづらい部分ので、間違った方法は「逆に悪化させる可能性」「猫が耳掃除を嫌がるきっかけ」なども考えられます。
耳掃除で気をつけておきたいポイントとはなんでしょうか。
◆ポイント1.子猫のときから耳掃除を習慣にする
アメリカンカールは、「人懐こい・明るい・好奇心旺盛」という性格をしています。
家族に対しての愛情表現が豊かで、べったりと甘えてくることもあります。
甘えん坊でスキンシップを好むので、耳掃除をはじめ、お手入れがしやすい猫ちゃんと言えるでしょう。
ただ、ふだんからあまりお手入れをしなければ、耳掃除に不慣れな飼い主さんの力加減が悪く、愛猫に不快な思いをさせてしまうかもしれません。
それに、「耳掃除が難しい」と自信なさげに耳掃除をしようとしている飼い主さんの不安が伝わり、それを察知した猫ちゃんが抵抗をするケースもあります。
耳掃除のやり方によっては「痛い!」「イヤだ!」と猫ちゃん側がトラウマを抱えてしまうことも少なくありません。
子猫の頃から、耳掃除に慣れさせ、「耳掃除は痛くないよ」「気持ちが良いものだよ」と愛猫に分かってもらうことも大事です。
◆ポイント2.力を入れ過ぎないように注意
アメリカンカールの耳掃除で特に注意をしたいのが「力加減」です。
指にウェットシートを巻いて掃除をするとき、力が強いと爪で耳を傷つけてしまうかもしれません。
綿棒で汚れを取る方法は、奥に入れ過ぎて粘膜が傷つくかもしれません。
どちらにしても、大雑把にお手入れをすると、余計に悪化することがあります。
また、力を入れ過ぎると猫が「痛い」と感じて、耳掃除そのものを嫌がる結果にもなります。
猫ちゃん自身が「触れられて気持ちがいいな」と感じる程度に、優しくお手入れをしてあげてくださいね。
◆ポイント3.難しいときは動物病院で
奥の方に汚れが溜まってしまうと、飼い主さんの目からは見えづらいでしょう。
見えないのに、グイグイと力を入れると、猫が抵抗して、ますます難しくなります。
暴れた猫ちゃんを押さえつけての耳掃除は、きちんとしたケアができないかもしれません。
また、「汚れがひどいとき」「異臭がしているとき」「かゆがっているとき」などは、すでに耳の病気にかかっている可能性もあります。
猫が嫌がっている場合や、すでに耳の病気の可能性がある場合は、動物病院に任せた方が安心でしょう。
外耳炎などの耳の病気にかかっている場合、状態に応じて治療を受けることができます。
放置すればするほど愛猫の耳は悪化するので、気になる点があったら、動物病院で見てもらうのがおすすめです。
まとめ
アメリカンカールは、カールしている耳がチャームポイントです。
ただ、独特な形状から耳が汚れやすく、丁寧に耳掃除をしなければなりません。
アメリカンカールは、甘えん坊な性格なので、耳掃除で飼い主さんと触れ合うことはあまり苦にならないかと思います。
ふだんから汚れないように、優しく拭いてあげるだけでも病気の予防になるでしょう。
でも、汚れが目立つときには、細菌や寄生虫が原因で耳の病気になっている可能性も。
早めに動物病院に連れていってあげてくださいね。
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