【獣医師監修】猫の外耳炎の原因、症状、治療法。治療費は?

2022.06.09

【獣医師監修】猫の外耳炎の原因、症状、治療法。治療費は?

猫の耳に炎症が起きる病気の「外耳炎」ですが、発症する原因や治療法など、意外と知らないことが多いのではないでしょうか?そして、治療の際にどんな薬を使用して、いくらぐらいの治療費がかかるのかも気になるところですよね。 猫の外耳炎の原因や症状、治療法などについてご紹介します。

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猫の外耳炎とは?

猫の耳

猫の大きな耳たぶは「耳介」と呼ばれ、この耳介から鼓膜までを繋ぐ音の通り道である「垂直耳道」と「水平耳道」のどちらか、または両方に炎症が発生した状態を「外耳炎」と呼びます。

外耳道に発症することから「外耳道炎」と呼ばれることもあり、鼓膜より奥に何かしらの疾患が生じた場合は「中耳炎」または「内耳炎」と呼びます。

猫が耳をかゆがったり、耳を触ると嫌がる場合は、外耳炎である可能性があります。


猫の外耳炎の原因は?

猫の耳の鼓膜より外に炎症の出来る外耳炎についてですが、どのような原因がきっかけで発症するのでしょうか?

◆細菌感染

猫の耳で細菌や真菌が繁殖することによって、炎症を引き起こしてしまうことがあります。

特に外で暮らしている野良猫などは、様々な菌を持ち合わせていることが多いので、発症しやすいと言えるでしょう。

耳の奥の水平耳道では特にブドウ球菌が発見されやすく、他には大腸菌、シュードモナス属、プロテウス属、コリネバクテリウム属といった菌に感染しやすいようです。

◆寄生虫

菌の感染と同じく、寄生虫の感染で外耳炎を発症することも多いです。

猫にとって脅威であるミミヒゼンダニによる耳疥癬(みみかいせん)の症状がある場合、ダニが付ける傷や排泄物が引き金となり炎症を引き起こすことも。

ミミヒゼンダニ以外にもヒゼンダニ、ニキビダニ、ネコショウセンコウヒゼンダニが引き金となることもあるので、注意が必要です。

◆過敏症

アレルゲンとの接触により発症することの多い、アトピー性皮膚炎や接触性アレルギーなどの過敏症は、猫の慢性的な外耳炎を併発することが多いです。

過敏症皮膚炎がある場合は、外耳炎だけでなく、別の病気を併発することがありますので、投薬などの治療を行う他に、生活環境の改善を心掛けるようにしましょう。

◆異物の混入

猫の耳は大きいので、被毛やホコリなども入りやすく、その影響で炎症を起こしやすいです。また、腫瘍やポリープが外耳周辺に出来ることにより、外耳炎を併発することも。

耳掃除を怠り過剰に耳垢が出ている場合も、発症させてしまう原因になりかねませんので、注意が必要です。

◆折れ耳や垂れ耳

生まれつきの要因である折れ耳や垂れ耳の猫種は、どうしても耳の中が湿気でこもりやすく、外耳炎を発症しやすい傾向にあるようです。

スコティッシュフォールドやアメリカンカールなどの耳の形状が独特な種類の猫は、普段から注意を心掛ける必要性が高いと言えるでしょう。


猫の外耳炎の症状は?

首元を掻く猫

実際に外耳炎を発症した猫には、どんな症状が見られるのでしょうか?

次のような症状が見られる場合は、外耳炎を引き起こしている可能性があるので、すぐに動物病院に連れていくようにしてください。

◆耳を執拗にかゆがる

前足や後足で執拗に耳をかく仕草が多い場合、猫の耳に何かしらの違和感があるのでしょう。

同時に頭を振る回数が多い場合も、耳の違和感が気になっていることが多いです。あまりかきすぎてしまうと、更に症状が悪化してしまうので、早急の治療が必要となります。

◆耳から悪臭がする

愛猫の耳から腐敗したような甘酸っぱい臭いが漂ってきたら、外耳炎を疑いましょう。

耳をめくってみてみると、黄色や黒っぽいドロドロした塊が付いていたり、液体(耳垂れ)が流れたりしていることも。耳垢が大量に発生している場合も、外耳炎の症状と言えるでしょう。

炎症を起こして外傷が加われば、そこから細菌感染し、膿が混ざって悪臭を発することもあります。

◆耳に厚みが出る

炎症を起こして耳が腫れ、皮膚が分厚くなってしまうことも。腫れが酷くなってしまえば鼓膜まで到達し、最悪の場合鼓膜が破れてしまうこともあり大変危険です。

猫の耳が腫れている時点で異常事態であることに変わりがないので、気付いたらすぐに動物病院に受診してあげてくださいね。

◆耳を触ろうとすると痛がる

外耳炎で耳が腫れていたり赤くなっていたりすると、飼い主さんに触られることを嫌がる上に、怒って噛みついてくることもあるので大変危険です。

このような場合は食欲が無くなり、免疫が落ちやすくなることもありますので、やはり早急の治療が必要と言えるでしょう。


猫の外耳炎の治療法は?

耳の検査を受ける猫

猫の外耳炎の治療法は、一般的に内服薬や点耳薬で治療していきます。

◆猫の外耳炎の検査

猫の外耳炎は、原因によって治療法が異なりますので、動物病院では猫の耳垢を採取して原因を突き止めていきます。

治療費は動物病院によって前後しますが、検査料(1,000円前後)と処置料(1,500円前後)の他に、外用薬と内用薬の治療費が発生します。

点耳薬などの外用薬は1,000~2,000円前後、抗生物質などの内用薬は1,000円前後のことが多いです。

治療の際には、5,000~10,000円ぐらいの治療費がかかると思っておきましょう。

それでは、猫の外耳炎の原因別となる治療法には、どのように行うのでしょうか。

◆細菌感染の場合

細菌や真菌に感染していた場合には、抗菌薬や抗真菌薬を用いて治療を行います。

動物病院で何の菌に感染したかを正確に突き止めてもらうと、治療効果も高まり、再発防止に繋がります。

◆寄生虫の場合

ミミヒゼンダニなどのダニに寄生されてしまった場合は、まずは洗浄剤を使用して耳を綺麗にします。

洗浄液を使う際には鼓膜が破れていないかを確認してから、行ってくれる動物病院がほとんどです。

その後に抗ダニ薬を局所に塗布し、殺疥癬効果が期待出来る薬を投与します。

◆過敏症の場合

アレルギーなどの過敏症を患っており、外耳炎を併発してしまった際は、アレルギーの治療と同時進行していかなければなりません。

ステロイドや抗ヒスタミン薬などの投与の他に、アレルゲンを一掃するように生活環境を整え、清潔を保つことが有効な治療法と言えるでしょう。

◆異物混入の場合

耳の中に異物が入り込み、その異物によって炎症を起こしてしまっているのなら、まず異物を除去します。

獣医師がすぐに取り除ける異物(耳垢や被毛など)であれば、さほど問題はないのですが、腫瘍やポリープが見つかった場合は、手術を行って除去することもあります。

◆折れ耳や垂れ耳の場合

耳の軟骨が特殊の形をしている猫種は、耳に湿気がこもりやすいので、菌の繁殖がしやすいです。
そのため、耳垢を取り除き、抗生物質の投与と点耳薬で経過を見ることが多いです。

折れ耳や垂れ耳の猫に限らず、外に出たりあまり耳掃除をしたりしない子は特に、外耳炎を患ってしまう危険性が高いので、普段からの予防が必須となってきます。


猫の外耳炎の予防法は?

外耳炎は治らない病気ではないのですが、一度治療を行えば完璧に治るという病気ではありません。一度外耳炎になってしまうと再発してしまうことも多いので、普段から予防法を用いて気を付けてあげたいものです。

愛猫が辛い外耳炎にならないために、どんなことに気を付けておくべきなのでしょうか。

◆耳掃除を行う

外耳炎を慢性化させないためにも、普段から愛猫の耳掃除をしておくと良いでしょう。

猫の耳はとても繊細なので、頻繁に耳掃除をすることによって逆に傷を付けてしまうこともあります。

そうなってしまうと傷口から菌が繁殖し、結果的に外耳炎を繰り返してしまうので、治る病気も治らないようになってしまいます。

そのため、正しい耳掃除の方法を覚えて、定期的に耳をチェックしてあげるようにしましょう。

耳掃除の頻度は1ヶ月に1~2回ぐらいを目安に、行うようにしましょう。

人間と同じように綿棒を使用するのではなく、柔らかいコットンなどにイヤークリーナーを適量付けて、指の届く範囲を優しく拭ってあげてください。

ただ、鼓膜に損傷がある際にイヤークリーナーを使ってしまうと、液体が内耳まで詰まってしまう恐れがあり、それが引き金となって内耳炎になってしまうことも。

耳掃除に不安があるようでしたら、一度動物病院で耳掃除の方法をレクチャーしてもらうと良いかもしれませんね。

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◆日頃からこまめに観察をする

どんな症状であっても気付いてあげることが出来なければ、愛猫に早期の治療をしてあげることが出来ず、苦しい思いをさせてしまうことになります。

スコティッシュフォールドやアメリカンカールなどの猫種は特に、こまめに観察をしておく必要があると言えるでしょう。

また、梅雨などの湿度の高い季節も注意が必要ですし、外での出入りを自由にしている猫であれば、定期的なワクチン接種も必要となってきます。

普段から耳に傷はないか、耳垢が溜まりすぎていないか、臭いはないかなど、定期チェックを怠らないであげてください。

少しでも異常が見られれば動物病院に受診をし、適切な治療を行ってもらうようにしましょう。


猫の外耳炎まとめ

意外と知っているようで知らないことの多い外耳炎ですが、猫は「辛い」や「痛い」などの言葉を飼い主さんに伝えることが出来ないので、早期に発見し、早期に治療することが鍵となってきます。

適切な‏治療法を用いれば治らない病気ではなく、治療費も高額にはなりません。

愛猫が耳を痒がったり痛がったりしていたのなら、触れさせないようにエリザベスカラーを付け、動物病院に受診するようにし、薬を処方してもらってください。

原因により治療法は異なりますが、軽度であれば点耳薬で症状が良くなることもあるので、治ると信じて日頃からケアを怠らないようにしましょう。

●記事監修
drogura__large  コジマ動物病院 獣医師

ペットの専門店コジマに併設する動物病院。全国に14医院を展開。内科、外科、整形外科、外科手術、アニマルドッグ(健康診断)など、幅広くペットの診療を行っている。

動物病院事業本部長である小椋功獣医師は、麻布大学獣医学部獣医学科卒で、現在は株式会社コジマ常務取締役も務める。小児内科、外科に関しては30年以上の経歴を持ち、幼齢動物の予防医療や店舗内での管理も自らの経験で手掛けている。
https://pets-kojima.com/hospital/

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たぬ吉

たぬ吉

小学3年生のときから、常に猫と共に暮らす生活をしてきました。現在はメスのキジトラと暮らしています。3度の飯と同じぐらい、猫が大好きです。

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