猫アレルギーの原因となるアレルゲンにはどんな対策が必要なの?

2021.03.17

猫アレルギーの原因となるアレルゲンにはどんな対策が必要なの?

猫が大好きなのに、猫に触れることができない…。 世の中にはそんな辛い猫アレルギーを患っている方は多く、思うように猫をかわいがれないことに憤りを感じていらっしゃることでしょう。 そして猫アレルギーは誰にでも発症する可能性があるので、今現在猫と生活しているからといって、アレルギーを発症しないといった確証はないのです。 人が猫アレルギーを発症するのには、どんな原因が考えられ、どんな対策をすれば症状を軽減させられるのでしょうか。

猫アレルギーはなぜ起きる?

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普段からよく耳にする「猫アレルギー」ではありますが、普通のアレルギーとどのような違いがあり、猫の何に反応して症状が出るのか、しっかりと理解できていない方も多いのかもしれません。

猫アレルギーとは一体、どのようなアレルギー症状のことを指すのでしょうか。

◆猫アレルギーの原因

アレルギーとは、あるアレルゲン(アレルギーの原因となる物質)に対して過剰に反応する状態となり、そこに免疫反応が関係していることを言います。

通常であれば体を守る「免疫」が、外部から体内に侵入してきたアレルゲンを体外に出す働きをするのですが、何かしらの異常により、くしゃみや発疹、呼吸困難などの症状を起こすことをアレルギー反応と呼びます。

免疫機能には元から備わっている「自然免疫」と、自然免疫で防げなかったアレルゲンに反応する「獲得免疫」の2種類に分類されます。

アレルギーを発症しやすい方は、獲得免疫の中の「IgE抗体」と呼ばれる物質が体内に作られやすく、遺伝的にかなりの確率で決定されているとも言われているのです。

この状態を「感作」と呼び、IgE抗体がアレルゲンに過剰反応することによって、アレルギーの症状が出るといった仕組みとなっています。

要は免疫が頑張りすぎてしまい、望ましくない事態を招いてしまうのは、基本的にはその人が生まれ持つ体質としか言いようがありません。

花粉症などもアレルゲンとなるので、このような仕組みによって反応を起こしているのですが、猫アレルギーの場合はどうでしょうか?

現在猫アレルギーの原因として分かっているのは、8種類のアレルゲンであることが知られています。

そのアレルゲンが猫のどこに潜んでいるかというと、猫のフケ(糖たんぱく)や被毛、そして唾液やおしっこなどが原因となるようです。

猫アレルギーのアレルゲンは、花粉やホコリなどに比べると、10分の1程度であると言われてはいますが、小さいからこそ飛び散りやすいといった特徴を持っています。

アレルギーはある日突然発症することがあるので、今日なんともなかったとしても、明日突然発症する可能性が高いと言われている疾患です。

少しでも異変を感じた場合には、どのようにして猫アレルギーを発症しているのかを調べれば良いのでしょうか?

◆検査は病院で行う

猫アレルギーの検査は「血液検査」「生体検査」の2種類があり、病院で簡単に調べられます。

病院といっても動物病院ではなく、皮膚科や内科、そしてアレルギー科といった人間が利用する一般的な病院です。

血液検査はその名の通り、採血をしてその数値から発症しているかを確認します。

生体検査は自分の皮膚に、直接アレルゲンを付着させて反応を見るので、体への負担がかかる検査方法と言えるでしょう。

少しでも猫アレルギーの疑いがあるのであれば、医師と相談して負担の少ない血液検査で調べてもらうことをおすすめいたします。


猫アレルギーだけど猫と遊べる?

猫じゃらしで遊ぶ猫

もし自分が猫アレルギーを患っていると判明した場合は、猫好きの方であれば一生猫と触れ合えないといった不安がよぎることでしょう。

猫アレルギーと診断されてしまえば、猫と遊ぶことはできないのでしょうか?

◆短時間遊ぶくらいなら大丈夫

猫アレルギーの原因は、原因となるアレルゲンが空気中に舞うことにより反応を起こすことがほとんどです。

ですのですべての猫アレルギーの方が猫を触れないのではなく、猫アレルギーの中のどのアレルゲンに反応しているかによっても、状況が変わってくると言えるでしょう。

また、猫によってアレルギーの反応が出やすい個体も居ますので、すべての猫が猫アレルギーの方に対して害があるとは言い切れないのです。

なので短時間ぐらいであれば、猫と遊んでいただいても構いません。

少しでもアレルギー反応が出てくれば遊ぶのを止め、アレルゲンとの接触を自分自身で最小限に留める努力をするようにしましょう。

◆必ず手を洗う

猫と遊んだあとには、必ず手を洗うことも心掛けてください。

アレルゲンが付着した手で粘膜の薄い目元を擦ったり、口元を触ったりすれば、より色濃くアレルギー反応を起こしてしまうことでしょう。

自分自身が辛くなってしまうだけですので、面倒かもしれませんが、猫と触れ合ったあとには必ず手を洗うようにしてくださいね。


猫アレルギーだけど猫を飼うことはできる?

ブランケットから顔を出す猫

いつか猫を飼いたいと思っていたのに、自分が猫アレルギー疾患を患っていたとしたら、その気持ちを諦めなくてはいけないのかも気になるところです。

そして現在猫と一緒に暮らしている方であれば、大切な家族である愛猫と一緒に暮らせなくなるのでは?といった不安に駆られてしまいますよね。

猫アレルギーを患っている人は、猫と一緒に暮らしても問題がないものなのでしょうか?

◆気をつけながら一緒に暮らすことは可能

猫アレルギーだからといって、猫と暮らせないようなことはありません。

気をつけながら同じ生活空間で共存できますので、不安に思わなくても大丈夫です。

どのようなことに気をつけて対策をすれば、猫との生活を楽しめるのかを考えてみましょう。

◆掃除を徹底する

猫アレルギーのアレルゲンはとても小さいので、こまめな掃除こそが猫アレルギーの対策としてもっとも有効であると言えますよね。

一度空気中に舞い散った猫の被毛やフケは、時間が経てばホコリなどと一緒に床に落ちていきます。

それらが落ちていく過程でカーテンや壁紙に付着し、お部屋の床材がカーペットや畳であれば、繊維や畳の目に入り込んでしまいます。

この連鎖は猫が居る限り毎日続いていきますので、日頃から掃除を徹底しておくに越したことはありません。

猫は綺麗好きな動物でもあるので、清潔な生活環境を快適だと思ってくれますし、対策として掃除は理想的であるとも言えるのではないでしょうか。

◆空気清浄機を導入する

空気清浄機

家電量販店で販売されている空気清浄機も、猫アレルギー対策として効果を発揮してくれます。

空気中のウイルスや細菌をキャッチしてくれる空気清浄機は、高性能なフィルターを使用しているのであれば、アレルゲンを通さない役目を果たすからです。

そしてイオンが発生する空気清浄機であれば、アレルゲンを抑制、または分解してくれるといった効果も期待できます。

部屋の空気が綺麗になる上に、猫アレルギーにも効果があるとなれば、対策としては上出来とも言えるでしょう。

◆寝室は分ける

猫と一緒に暮らす際には、どの部屋も愛猫が行き来できるようにしてあげたいところですが、寝室を別々にすることをおすすめします。

一日の疲れを癒す寝室には、安眠できる枕や毛布などを用意して、リラックスした気持ちで眠りにつく方も多いことでしょう。

そのような場所に猫アレルギーを起こすアレルゲンを持ち込んでしまえば、睡眠時すらも猫アレルギーが影響して、辛い症状を抱えながら睡眠を妨害してしまうはずです。

睡眠不足になればどんどんストレスも溜まっていきますので、そうならないためにも妥協しない対策を心掛けてください。

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◆アレルギーが出にくい種類の猫をお迎えする

これから猫を飼いたいと思っているのなら、アレルギーが出にくい猫種のお迎えを検討してみてはいかがでしょうか。

アンダーコートの無いシングルコートの猫や、サイベリアンといったアレルゲン物質の少ない猫種も存在しています。

とくにサイベリアンのオスは、メスよりもアレルゲンの1種であるたんぱく質量が少ないので、非常に飼いやすい猫種と言えるでしょう。

◆事前にチェックをしよう

猫を迎え入れる前には、対策として必ずアレルギー反応のチェックをするようにしましょう。

病院で検査をすることも大切ですが、実際に猫に触れ合って、どんな反応が出るかの接触テストは必ず行うべきです。

猫との出会いが無い方であれば猫カフェなどを利用し、どの猫種に対してどんな反応が出るのかのチェックをして、本当に猫を迎え入れるかどうかを改めて考えてみてください。

自分が思った以上に猫アレルギーの反応が出るのであれば、やはり安易に猫を飼うべきではありませんし、そのようなことに気付けるのは迎え入れる前だけです。

動物を飼うということは、その瞬間からその子の一生を背負う責任がありますので、しっかりと考えてから結論を出すようにしてくださいね。


まとめ

猫好きな人にとって厄介な問題となる猫アレルギーですが、現在猫アレルギーでなくても、突然発症することもあるので、猫のアレルゲンには普段から注意しておきたいものです。

そしてこれから猫を迎え入れる人や、現在猫と一緒に暮らしている方は、普段から対策をして、猫も人間も快適に暮らせる空間づくりを心掛けたいものですよね。

猫アレルギーの対策さえ怠らなければ、アレルギーを持っている人でも猫と触れ合うことは可能ですので、まずは自分の現状を知ることから初めてみてください。

病院で検査を受けることも対策の一つとなりますので、まずは検査をしてから、身の回りの対策を徹底していくことをおすすめいたします。



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たぬ吉

たぬ吉

小学3年生のときから、常に猫と共に暮らす生活をしてきました。現在はメスのキジトラと暮らしています。3度の飯と同じぐらい、猫が大好きです。


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