ちょっと珍しい柄の麦わら猫はメスが多い?模様や特徴、性格は?

2021.05.05

ちょっと珍しい柄の麦わら猫はメスが多い?模様や特徴、性格は?

麦わら猫と言われても、どんな猫のことなのか、ちょっとピンときませんよね。麦わら猫は、キジトラやサビ猫と間違えられやすいので、「キジトラだと思っていたけど、実は麦わら猫かも?」ということもあり得ます。それというのも、麦わら猫は、黒とオレンジ(茶色)の混ざった被毛に縞模様が入っているからです。今回は、麦わら猫について、模様や性格、特徴などを詳細にご紹介します。

麦わら猫ってどんな猫?

木で爪とぎする麦わら猫

まず、麦わら猫とはどんな猫なのか見ていきましょう。

◆麦わら猫の模様

麦わら猫は、黒とオレンジ(茶色)の被毛に、黒っぽい縞模様が入っている猫を指します。
そのため、キジトラの毛色が薄くなったように見え、キジトラ猫だと思われていることも少なくないようです。
英語では「ブラウンパッチドタビー」(Brown Patched Tabby)と呼ばれます。「パッチ」はパッチワークのパッチで、「タビー」(tabby)とは縞模様のことです。「キジトラに“パッチワーク”のようにオレンジが入り、縞模様がある」という感じでしょうか。
また、お腹などが白い場合には、「縞三毛」と呼ばれ、英語では「ブラウンパッチドタビー&ホワイト」(Brown Patched Tabby & White)と呼ばれます。

◆麦わら猫はほとんどがメス猫

麦わら猫は、三毛猫と同じくほとんどがメス猫です。
これには、三毛猫にオスが少ない理由と同じ遺伝子がかかわっています。
猫の毛色を決めているのは、9つのカラー遺伝子の組み合わせと性染色体です。
遺伝の話はちょっとややこしいので、順を追って説明していきます。

性染色体とは

性染色体は、オスになるかメスになるかを決める染色体で、X染色体とY染色体があります。染色体は基本ペアで、父猫、母猫から1本ずつ貰い受けます。猫は人間と同じく、X染色体を2本持つとメスに、X染色体とY染色体を1本ずつ持つとオスになります。

麦わら猫の毛色を決めるカラー遺伝子

麦わら猫は黒とオレンジ(茶色)の毛色を持っていますが、オレンジの毛色に関わる遺伝子を「O遺伝子」と言います。「O」は、オレンジ(orange)のOです。
O遺伝子には、「O」(ラージオー)と「o」(スモールオー)があり、「O」は黒い毛を茶色の毛に変える働きをし、「o」は黒い毛を黒いままにするよう働きます。
O遺伝子は、X染色体にしかありません。このことが、麦わら猫のほとんどがメス猫であることを決定づけています。

O遺伝子と性染色体の組み合わせと毛色

メス猫はX染色体を2本持っているため、O遺伝子の組み合わせは「OO」「Oo」「oo」の3種類となります。一方、オス猫はX染色体が1本なので、O遺伝子は「O」「o」のどちらかです。
このO遺伝子の組み合わせで、黒と茶色のバランスが決まります。
「OO」「O」の場合は茶色に、「oo」「o」の場合は黒になり、「Oo」の場合には黒と茶色の両方の色を持つ猫になります。
「Oo」の組み合わせはメスにしかないため、オスの麦わら猫は生まれないことになります。

オスの麦わら猫もいる?

三毛猫にオスがいるように、オスの麦わら猫も、まれではありますが存在します。
これには、染色体異常が関係しています。正常のオスはX染色体とY染色体を1本ずつ持っていますが、まれにX染色体を2本持ち、「XXY」となっていることがあります。
このようにX染色体の数が多いオスを、「クラインフェルター症候群」と言います。X染色体が2本あるので、オスでもO遺伝子が「Oo」の組み合わせになる可能性があり、オスの麦わら猫も生まれるのです。


麦わら猫とサビ猫の違い

麦わら猫とサビ猫

黒とオレンジの2色の組合せ柄の猫を、サビ猫と言います。
麦わら猫もベースとなる被毛は黒とオレンジであり、サビ猫の一種とされることもあります。
麦わら猫とサビ猫の決定的な違いは、麦わら猫には縞模様があることです。
縞模様の有る無しにも、遺伝子が関与しています。
縞模様の遺伝子を持っている猫は、目や口の周り、アゴの色が抜けていて白っぽい、耳の縁には色がつかないという特徴を持っています。一方、サビ猫の場合、耳の縁にも色がついています。
また、サビ猫より麦わら猫の方が、全体に毛色が薄いのも特徴です。
サビ猫や麦わら猫は、成長につれて柄が変化することも多く、サビ猫と言われて飼っていたけれど実は麦わら猫だったということもあるようです。


麦わら猫の性格

ビニールシートの上にいる麦わら猫

猫の性格と毛柄には関連があると言われています。
性格は、個体差もあり、育った環境や人との関わり方などの影響も受けるため、同じ柄だから同じような性格になるとは言えませんが、毛柄による傾向はあるようです。
では、麦わら猫はどんな性格の猫なのでしょうか?

◆警戒心が強い

麦わら猫は、警戒心が強い性格と言われます。キジトラは、猫の中でも祖先種に近いと言われ、野性味が強く警戒心が強いと言われますが、同じような縞模様を持つ麦わら猫も、警戒心が強い傾向があるようです。

◆気が強い

麦わら猫は、気が強いとも言われています。猫自体、一般的にマイペースでわがままなイメージがありますが、麦わら猫は猫の中でも気が強いようです。
他の猫に対しても気の強さを見せることがあり、多頭飼育の場合は気をつけてあげる必要があります。また、飼い主さんに叱られても、けろっとしている子が多いようです。

◆慎重で臆病なところも

慎重で臆病な面も持ち合わせており、この性格が警戒心の強さにもつながっているのでしょう。三毛猫は、一般に人に懐きにくいと言われますが、それ以上に手強いと言われることもあります。
初めての人や物に対して慎重で、臆病な態度を示すことがあるので、慣れるまで時間をかけてあげましょう。特に生活環境が変わったときには慎重で臆病な性格が表れやすいので、愛猫の気持ちに配慮してあげるとよいでしょう。

◆遊び方はおとなしい傾向

慎重で臆病な面を持つためか、遊びにおいても我を忘れて走り回ったりすることは少ないようです。落ち着きのある性格と言ってもいいでしょう。
とはいえ、遊びが嫌いなのではないので、一緒に遊んであげたり、キャットタワーを置いてあげたりすることは大切です。

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麦わら猫に似た模様の猫

◆サビ猫

サビ猫

サビ猫は、黒とオレンジのまだらの被毛を持つ猫で、「黒二毛」とも言われます。複雑な模様は個体ごとに異なり、模様の出方は「猫それぞれ」です。
非常に個性的なサビ猫ですが、「ぞうきん猫」と呼ばれたり、「汚い猫」と言われたりすることもあり、残念ながら、日本ではあまり人気が無いようです。
麦わら猫と同じく、O遺伝子によって黒とオレンジの被毛になるため、ほとんどがメス猫です。
黒が多いと「黒サビ」、オレンジが多いと「赤サビ」や「べっ甲猫」と呼ばれます。
英語では、「tortoiseshell cat」(トーティシェル・キャット)と呼ばれます。「tortoiseshell」とは亀の甲羅のこと、すなわち「べっ甲」です。
サビ猫では、顔の左右で毛色が分かれることがよくあります。このような毛柄は、「ブレイズ」(Blaze)と呼ばれます。
メス猫がほとんどのせいか、母性豊かな愛情深い性格です。懐くまでに時間はかかるようですが、甘え上手と言われ、社交的で賢い猫です。
社交的で優しいので、初めて猫を飼う方にもおすすめで、他の猫とも仲良くできます。

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◆三毛猫

三毛猫

三毛猫は、黒、オレンジ、白の3色の被毛を持つ猫です。日本ではよく見かける毛色ですが、海外では珍しいようで、「Mike」で通じるほど人気が高いそうです。英語では、「キャリコ」(Calico cat)、「トライカラー」(tricolor)と言います。
三毛猫のオスが非常に珍しいことは、有名ですね。三毛猫のほとんどがメスであるのも、サビ猫や麦わら猫と同じで、オレンジと黒をあわせもつためにはO遺伝子の組み合わせが「Oo」でなければならないからです。
白が多いと「とび三毛」、縞模様が入ると「しま三毛」と言い、淡い毛色は「ダイリュート・キャリコ」(dilute calico)と言います。淡い毛色の三毛は、俗に「パステル三毛」とも言われていますね。
三毛猫は、ツンデレと言われる猫の中でも特にツンデレと言われます。お嬢様気質で、気が強く、ミステリアスな性格で、「猫らしい」猫と言えるでしょう。

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◆茶トラ猫

茶トラ猫

茶トラ猫は、茶色(オレンジ)の被毛に縞模様を持つ猫です。アメリカでは、「レッドタビー」(Red Tabby)、「ジンジャー」(Ginger)などと呼ばれています。お腹や足先が白い場合は、「茶シロ」と呼ばれます。
茶トラや茶シロは、三毛猫やサビ猫と反対に、オスの方が多い毛柄です。正確には分かっていませんが、オス:メス=8:2と言われています。オスの茶トラ猫が多い理由には、やはりO遺伝子が関与しています。
茶トラ猫は、温厚で人懐っこく、明るい性格をしています。このため、人気が高く、タレント猫として起用される例も多いです。
茶トラ猫は大きい子が多いと言われますが、これはオスの割合が高いため、大きな子が多く感じるようです。また、甘えん坊でいつまでも子どもっぽい子が多いと言われるのも、オスの方がメスより甘えん坊が多いことと関係があると言われています。

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◆キジトラ猫

キジトラ猫

キジトラ猫は、焦げ茶の被毛に黒の縞模様がある猫です。英語では、「ブラウンタビー」(Brown Tabby)と呼ばれます。
猫の祖先であるリビアヤマネコに近く、もともと猫にはキジトラ猫しかいませんでした。人と共に暮らすようになり、野生では淘汰されていた突然変異の毛色・毛柄が固定されて、猫の毛柄が多様になったと言われています。
自然界では、身を隠すのに有利な毛柄と言われていて、他の毛柄の子より比較的、運動能力が高く、用心深い子が多いとされます。

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まとめ

麦わら猫をはじめとして、三毛猫やサビ猫、キジトラ猫といった分類は、猫種ではなく、毛柄の呼び名です。
黒とオレンジの被毛に縞模様を持つ麦わら猫は、キジトラやサビ猫と間違えられることも多く、サビ猫と言われて飼い始めたけれど、実は麦わら猫だったということもあるようです。麦わら猫は、珍しい毛柄と言われていますが、他の毛柄の猫と間違えられていることが多いのも影響しているかもしれません。
麦わら猫は、警戒心が強く、臆病で慎重な面を持ち合わせ、気が強いと言われています。また、慎重な性格からか、遊びはおとなしい傾向があるようです。しかし、猫の性格は個体差や育った環境の影響を受けるため、毛柄による性格はあくまで、そういう傾向があるという程度に留めてくださいね。
どんな猫でも、飼い始めたら可愛い愛猫です。毛柄による性格と愛猫の性格を比較して、同じところや違うところを見つけるのも楽しいかもしれませんよ。



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SHINO

SHINO

保護犬1頭と保護猫3匹が「同居人」。一番の関心事は、犬猫のことという「わんにゃんバカ」。健康に長生きしてもらって、一緒に楽しく暮らしたいと思っています。


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