1.トイガーとは?
3.トイガーの特徴・性格
3-1.トイガーの特徴
3-2.トイガーの性格
4.トイガーの寿命・病気
4-1.トイガーの寿命
4-2.トイガーがかかりやすい病気
トイガーとは?

「トイガー(toyger)」とはその名のとおり、タイガー(トラ)の縞模様に似た被毛を持つ、比較的新しい品種の猫となり、原産国がアメリカといった、非常に希少な猫種となっています。
猫とトラを交配させて誕生した品種ではなく、外見を野生のトラに似せて作出されたことから、「小さな・おもちゃ(toi)」「トラ(tiger)」との意味合いを持つ名前がつけられました。
野生のトラに似ているというだけで、トラとの血縁関係はありませんが、トイガーの先祖はベンガルとなるので、野生の血が色濃く残る猫種と言えるのではないでしょうか。
トイガーの歴史
トイガーの歴史はまだ浅く、2006年に猫の血統登録機関の一つである「TICA(The International Cat Association)」によって、正式に登録されました。
そして歴史はさらに遡り、1980年頃にアメリカのカルフォルニア州に住む、ベンガルのブリーダーであるジュディ・サジェンさんという女性により、育種が始まったとされています。
ベンガルの繁殖をしている中で、子猫の中にトラような頭部の模様(サーキュラーマーキング)を持った2匹の子猫が見つかり、その子猫たちがトイガー育成のきっかけになったとも言われているようです。
野生のトラの保存を呼びかけるとともに、この珍しい模様を持った新しい猫種を誕生させるため、ほかのブリーダーと協力して本格的な育種に取り組んでいきました。
安定した模様の猫が産まれるようになるまでは、かなりの年月がかかると言われていますが、トイガーは1993年に登録機関に申請したのち、登録が2006年に行われたことからも、新しい猫の育種がどれだけ大変なのかを物語っていますよね。
トイガーの特徴・性格
まずはトイガーのことを知るために、その特徴や性格をご紹介していきましょう。
◆トイガーの特徴
トイガーの最大の特徴と言えば、やはり野性味のあるトラに似た縞模様ではないでしょうか。
頭部や首、尻尾や足にはトラと同じように、同心円のサーキュラーマーキングが入っているので、小さなトラと呼ばれていることにも納得ですよね。
被毛のみならずトラを意識したと思わせる箇所が多々あり、目や耳は小さく鼻筋は広がり、しっかりとしたアゴや骨太で筋肉質な体格もトラを彷彿とさせます。
個体にもよりますが、オスは6~10kg、メスが5~8kg程度のセミフォーリンタイプとなり、成猫になるまで3~4年程かかるとも言われているようです。
普通の猫よりも子猫の期間が長いので、かわいい時期を思いっきり堪能できるのもトイガーの魅力と言えますよね。
その一方でトラとの血縁関係が無いのにも関わらず、肩を上下に動かすような歩き方をするので、見れば見る程トラのような感覚になってしまう猫種であると言えるでしょう。
◆トイガーの性格
ベンガルのように家庭向きの品種として改良されたこともあり、家族となる人間やほかの動物への攻撃性はなく、穏やかでとてもフレンドリーな性格をしています。
人懐っこいことからも依存心が強いように思われがちではありますが、飼い主さんにべったりといった愛情表現はしないので、一緒に暮らしやすい猫と言えるでしょう。
好奇心旺盛で運動量が多いことから、ある程度の広さがある家庭での飼育が理想的です。
しかし繁殖過程によっては、野性味が強く出てしまう子も居ますので、個体によって性格にも差が出ることを理解しておくようにしましょう。
トイガーの寿命・病気
比較的新しい品種のトイガーとなりますが、寿命はどのぐらいで、どんな病気に気を付けるべきかも気になるところですよね。
トイガーの寿命や病気は、ほかの猫種と大きく異なるのでしょうか?
◆トイガーの寿命
トイガーはほかの猫と変わらず、飼育環境に大きな問題がなければ、猫の平均的寿命である10~15歳ぐらいまでは生きられると言われています。
ベンガルと同じようにトイガーは野性味の強い品種となりますので、狭い場所に閉じ込められるような飼育方法では、筋力が衰え極度のストレスを抱えてしまうことでしょう。
ストレスはどの猫種にとっても悪い影響しか与えませんので、寿命を延ばす目的でも、トイガーがトイガーらしく生活できる環境を整えてあげることが大切です。
◆トイガーがかかりやすい病気
トイガーはベンガルが元となった猫種となりますので、ベンガルにとってかかりやすい病気を、そのまま受け継いでいることがあります。
もちろんすべてのトイガーに当てはまるわけではありませんが、「FTP(猫伝染性腹膜炎)」や「肥大型心筋症」などの病気を患いやすく、とくにFIPを患うと重症化するケースもあるので注意が必要と言えるでしょう。
これらの病気を患う根本的な原因ははっきりと分かってはいませんが、トイガーの寿命にも大きく関わってくるストレスが、大きく関係しているのではと考えられているようです。
いくら家庭向きの猫に改良されたとしても、先祖であるベンガルも野性味の強い猫種となりますので、トイガー向きの生活環境下で飼育されなければ、心と体のバランスを崩してしまうことが容易に考えられますよね。
現代を生きるすべての動物に対してストレスは大敵となりますので、ストレスを極力与えないような飼育を心掛けてあげましょう。
トイガーの毛色
トイガーの被毛パターンは、ブラウンの太いマッカレルタビー(縦の縞模様)となり、地色はオレンジに近ければ近いほど良いと言われています。
中には地色が白(銀)や青色をした、突然変異によって誕生したトイガーも確認されていますが、そのような毛色のトイガーは「シルバートイガー」と呼ばれるそうです。
世界的にも大変珍しく、日本ではほぼお見かけできないほど、貴重なトイガーと言われているそうですよ。
トイガーの飼い方

日本ではまだまだ認知度が低いトイガーですが、珍しい猫種ではあるものの、専門のブリーダーからであれば、譲っていただくこともできるようです。
もしトイガーと一緒に暮らすことが決まったら、どのような飼育を心掛けてあげるべきなのでしょうか。
◆食事
野性味の強い猫種となりますので、食事には最善の注意を払わなくてはいけません。
筋肉質な体型を維持するためにも、食事は高たんぱくを意識し、高品質なキャットフードを選んであげるようにしてください。
食事から摂取したたんぱく質は、体の中でアミノ酸に分解されたのちに吸収され、その中の一部が再びたんぱく質に作り替えられ、筋肉を維持する働きをします。
常に筋肉を構成する細胞は、分解と形成を繰り返していますので、毎日の食事の質がとても重要であると言えるでしょう。
◆しつけ
トイガーはとても賢く家庭向きな猫種ですので、これといったしつけは不要と言えるようです。
トイレを準備しておけばそこで用を足してくれますし、ケージや爪とぎなども問題なく使用してくれるはずです。
ただ、体が大きくなるにつれて、筋肉量が多いことからも力が強くなっていきますので、好奇心が勝って遊びに夢中になってしまえば、部屋の中がめちゃくちゃになってしまうことがあるかもしれません。
家を留守にする際はケージに入れるなどの配慮が必要となるので、上手にお留守番ができるようなしつけや対策が、ある程度必要となることを覚えておきましょう。
◆お手入れ方法
トイガーは普通の猫よりも被毛に厚みがあり、抜け毛もそれなりに出ますので、週に数回程度のブラッシングをして毛並みを整えてあげてください。
そして美しい被毛を保つためには、必須脂肪酸も重要となってきますので、有効成分が含有されているフードやおやつを選ぶことも大切です。
トイガーの値段
日本ではまだまだ認知度の低いトイガーですが、ブリーダーから譲り受ける場合の相場は、50~100万円程度と幅広く、よりトラの模様に近い個体ほど、価格が上がるとも言われています。
中には300万円で取引された個体も居たそうなので、それぐらい貴重性の高い猫種であることがうかがえますよね。
ブリーダーによって値段は異なりますので、購入の際には自分がしっかりと納得できるように、トイガーの特徴を熟知して理想の猫ちゃんを見つけてあげてくださいね。
まとめ
今回は日本ではまだまだ認知度の低い、トイガーという猫種についてまとめさせていただきました。
一見日本猫のキジトラにも似た雰囲気の猫ちゃんではありますが、細かく特徴を見ていくと、本当に小さなトラといった印象を受けますよね。
トラと血縁関係が無いのにも関わらず、ここまでトラっぽい猫が誕生したことに驚きです。
しかし、その見た目とは裏腹に、性格はとても人懐っこくてフレンドリーな品種となるので、日本人にも飼いやすい猫であると言えるでしょう。
そしてトイガーにはストレスが大敵となるので、トイガーを飼育する際にはストレスを極力与えない生活環境を意識し、トイガーがトイガーらしく暮らせるように、さまざまな面でしっかりとサポートをしてあげてくださいね。
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