1.猫は飛行機に乗せることができる?
1-1.大抵の航空会社が搭乗可能
1-2.機内ではなく貨物室に入る
1-3.季節や種類によっては預け入れが不可
1-4.猫にかかる負担は大きい
2.猫を飛行機に乗せるために
2-1.準備が必要なもの
2-2.あらかじめ必要な手続き
3.乗せない方法も考えておく
3-1.ペットホテルやペットシッターを利用する
3-2.新幹線や車で移動する
4.まとめ
猫は飛行機に乗せることができる?
そもそも、猫を飛行機に乗せることはできるのでしょうか?まずは、そこから見ていきましょう。
◆大抵の航空会社が搭乗可能
結論から言えば、大抵の航空会社で猫を飛行機に乗せることができます。国内線、国際線を問わず、多くの航空会社で、猫も搭乗可能となっています。ただし、航空会社によって規定が異なるため、事前の確認が必須です。
国内線のペット料金は、ペットクレート1個につきペット1匹ずつで、クレート1個1区間あたり3,000~6,000円ほどです。料金は航空会社や路線により異なるので、こちらも確認しておきましょう。
【犬や猫などが搭乗できる航空会社】
下記の航空会社では、国内線・国際便ともに犬・猫などを預けることができます。
□JAL
□スカイマークエアラインズ
国際線であれば、下記の航空会社で機内(客室)持ち込みが可能です。
□エア・カナダ
□エールフランス航空
◆機内ではなく貨物室に入る
猫を飛行機に乗せること自体は可能ですが、国内線では機内(客室)持ち込みはできません。猫に限らずペットは全て貨物扱いとなり、貨物室に入れることになります。つまり、国内での移動の場合、猫と一緒に客室でフライトすることは、現段階ではできないのです。
後述しますが、貨物室に預けるためには、基準を満たしたクレートなど事前の準備が必要です。航空会社によって異なるため、予め確認しておきましょう。
しかし、近年ペットも家族という意識の飼い主さんが増えたこと、コロナ下でのペット飼育が増加したことなどから、ペットも一緒に客室で移動したいという需要は高まってきています。
これを受けて、北九州市の航空会社スターフライヤーが、ペットと一緒に客席に乗り込めるサービスを始めようと、2021年10月、1匹の犬と飼い主さんで実証実験を行いました。この実証実験では、ニオイなどに関する苦情などは出てこなかったようです。
◆季節や種類によっては預け入れが不可
犬や猫の乗る貨物室は、客室同様、気圧や温度の空調は調整されています。しかし、客室よりも外気温の影響を受けやすいこと、搭乗までの移動や乗り降りが屋外での作業となることから、熱中症のリスクが高まる夏や寒すぎる冬の日には、ペットの安全のために預け入れができない場合があります。
短頭種の猫(ヒマラヤン、バーミーズ、エキゾチックショートヘア、ペルシャなど)については、輸送中の気温や気圧の影響を受けやすいとされていて、呼吸困難を引き起こす可能性が高まります。このため、これらの猫種は搭乗を断られる場合があります。
また、下記のような猫は預け入れができません。
□妊娠中
□生後4ヶ月未満
□呼吸器疾患、心臓疾患がある
◆猫にかかる負担は大きい
貨物室に預けなくてはならないことから、猫にかかる負担は大きいと考えましょう。
前述の気圧や温度、移動や乗り降りの際の負担に加え、離発着時や飛行中の音、搭載・取り卸し作業時の音など、普段聞くことのない大きな音もします。
さらに、見知らぬ場所で、飼い主さんと離れて長い時間を過ごさなくてはならず、ストレスは思った以上にかかるでしょう。ケージで過ごすことに慣れていない場合には、負担はさらに大きくなります。
また、預けている間は、基本的に食事を与えることができません。乗り継ぎの時間が長い場合などには、事前に申請すれば食事を与えることができる場合もあります。事前に確認しておきましょう。
猫を飛行機に乗せるために
猫を飛行機に乗せるために必要なものや手続きについて、ご紹介します。各航空会社で規定や手続きは異なるため、事前に公式サイトで確認をしておくようにしましょう。
◆準備が必要なもの
まず準備をしておかなくてはならないものについて、ご紹介していきます。
★クレート(ケージ)
猫を飛行機に乗せる際には、各航空会社で規定されている基準を満たしたクレート(ケージ)が必要です。大きさや重量、強度など、厳密に基準が定められています。IATA(国際航空運送協会)の規定に適合していることが求められる場合もあります。
硬いプラスチックや金属など強度のある素材で作られた頑丈で屋根のついたもので、航空輸送に耐えられるクレートであることが必須です。布製のキャリーバッグや厚紙・ダンボールなどで作られたものは、預けることができません。
基本的に、飼い主さんが基準を満たしたクレートを用意する必要がありますが、航空会社で貸し出しもしています。
持参するケージには、あらかじめ名前を書いておくとトラブルを防ぐことができます。
★給水器
前述の通り、預けた後に食事を与えることはできませんが、水分補給のための給水器をクレートに装着することは可能で、取り付けを必須としている航空会社もあります。
また、受け皿タイプの給水器は水がこぼれる可能性があるためノズル式に限られる場合もあるので、確認しておきましょう。
★敷物など
クレートの中に敷く敷物を用意しておきましょう。普段使っているものや、飼い主さんの匂いのついたものを入れてあげると、猫ちゃんも安心しやすいでしょう。
また、粗相をしたり水をこぼしたりした時のために、ペットシーツを敷いておきます。
夏場は、凍らせたペットボトルを入れたり、保冷剤やクールマットを敷いてあげたり、暑さ対策ができるものを用意しましょう。ただし、噛み癖のある子には、保冷剤やクールマットは危険なため避けてください。
冬場は、毛布やカイロなど寒さ対策のできるものを入れてあげるとよいでしょう。
◆あらかじめ必要な手続き
ここでは、猫を飛行機に乗せる場合にあらかじめ必要な手続きについて、ご紹介します。
★ワクチン接種
航空会社によりますが、ワクチンの接種が必要な場合があります。獣医師さんに相談のうえ、接種しておきましょう。
★同意書の記入・提出
航空会社により名称は異なりますが、同意書に記入、署名して、提出する必要があります。
同意書の内容は、運送中に発生したペットの死傷について、ペット自身の健康状態や体質など、ペット自身の固有の性質や、梱包の不備などが原因の場合に、航空会社の責任を問わないとするものです。
事前に各社の公式サイトで記入したものをダウンロードして署名をして持参すると、受付がスムーズにできます。
★チェックイン
飼い主さんのチェックイン後、手荷物カウンター内にあるペットの預かり用のカウンターで受付を行い、猫を預けます。
同意書の確認などで通常の手続きより時間がかかるため、早めに行く必要があります。例えば、JALでは出発時刻の40分前までと定められています。目安として、出発時刻の3時間前までに空港に到着しておくことをおすすめします。
国際線でペットを預ける際には、国内線で必要な手続きに加えて、手続きや書類が必要です。
ここでは、概略をご紹介します。
★事前予約
国際線では、搭乗日当日の利用はできません。また予約は、メールや電話で受け付けており、ウェブ上では行うことができません。
★輸出入に必要な書類の準備
ペットの出入国手続きは、国によってルールが異なります。
輸出入に必要な書類には、輸出検疫証明書や出入国許可書、健康証明書、輸入証明書などがあります。これらの書類は、飼い主さん自身で出発国・渡航先の検疫所・大使館・領事館などに確認をして、事前に準備しなければなりません。
猫にも狂犬病ワクチンを接種することが必要な国が多いので、事前確認を必ずしておきましょう。
★輸出検疫検査など
出発国での輸出検疫検査などが必要な場合は、チェックインカウンターに行く前に、検査を済ませておかなければなりません。
日本を出国する際には、動物検疫所で検疫を受け、輸出検疫証明書を発行してもらう必要があります。出国の7日前までが目安となっていますが、入国する国によって申請時期が異なる場合もあります。
★到着後の入国手続き
手荷物受取エリアでクレートを受け取った後、到着空港の検疫所に立ち寄り、ペットの入国に必要な手続きを済ませます。
日本に猫を輸入する場合、日本到着の40日前までに動物検疫所への事前通知が必要です。どこから輸入されるか、マイクロチップの有無などにより係留期間が異なります。詳細は、農林水産省動物検疫所ホームページで確認してください。
乗せない方法も考えておく
猫を飛行機に乗せること自体は可能ですが、猫ちゃんへの負担やリスクが少なくないことを考慮して、飛行機に乗せないという選択をした方がいい場合もあります。
ここでは、旅行や帰省などの際に猫を飛行機に乗せない方法についてご紹介します。
◆ペットホテルやペットシッターを利用する
旅行や帰省に猫を連れて行かないという選択肢もあります。ペットホテルやペットシッターを利用することを検討してみてもよいでしょう。
ペットホテルに預ける際には、あらかじめ短い期間預けて、猫ちゃんをホテルに慣らしてあげておくとよいでしょう。現在は、広々とした個室に預けられるペットホテルや、動物病院と併設されているホテルもあるので、安心できる施設を探してみてください。
また、現在はペットシッターさんも増えてきています。ご自宅に人が入ることに抵抗のない場合、猫ちゃんは慣れた自宅でお留守番ができるので、負担が少ないでしょう。
ペットシッターの場合も、いきなりでは猫ちゃんも驚いてしまい、ストレスになります。あらかじめ、何度か来てもらい、猫ちゃんに慣れてもらいましょう。また、シッターさんも猫ちゃんの性格や体調をあらかじめ把握できるので、お互い安心して利用することができます。
◆新幹線や車で移動する
国内の移動であれば、新幹線や車を利用することも検討してみましょう。飛行機に比べて移動時間が長くなりますが、猫ちゃんと一緒に居ることができるので、様子を見ながら移動できます。猫ちゃんも、飼い主さんと一緒であれば、比較的落ち着いていられるでしょう。
新幹線の場合、「普通手回り品きっぷ」(1個290円)を購入すれば、2個までキャリーを持ち込むことができます。キャリーのサイズには制限があり、長さ70cm以内、縦・横・高さの合計が90cm程度、キャリーとペットを合わせた重さが10キロ以内です。JRでは、何匹という頭数の制限はありません。
車で移動する場合には、運転中は猫をキャリーから出さないようにし、キャリーをシートベルトなどで固定します。また、少なくとも2時間に1回程度の休憩をしましょう。
まとめ
猫を飛行機に乗せることは可能ですが、国内線では客室に持ち込むことはできず、手荷物扱いで預けて貨物室に乗せることになります。国際線では、機内に持ち込むことが可能な航空会社もありますが、ペットの入国自体を認めていない国もあるので、事前の確認が必要です。
猫にとって、移動は非常にストレスになりやすいです。特に飛行機での移動では、飼い主さんと離れて貨物室で過ごすことによる心身のストレスや負担が大きくなります。残念ながら、ペットが死亡したケースもあります。
大切な家族である猫ちゃんにとって、どうすることが一番ストレスなく過ごせるかを考えてあげてくださいね。
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