栄養満点な食材である卵を猫に与えても問題がないのか知りたい!

2021.12.18

栄養満点な食材である卵を猫に与えても問題がないのか知りたい!

卵は貴重なタンパク源となり、冷蔵庫に常備しているご家庭も多いのではないでしょうか。 生卵で食べられるのはもちろん、茹でても焼いても美味しい卵ではありますが、もし猫が卵を欲しがった場合、食べさせても良いのか気になるところですよね。 栄養が豊富な卵は、猫の健康にも一役買ってくれそうなので、与えても問題がないような気もしますが、実際のところはどうなのかを考えてみました。

猫に卵を与えても良い?

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私たち人間にとって卵は、栄養豊富で体を作るのに欠かせない、良質なタンパク質が含まれていることも知られていますので、日常的に食べているといった方が多くいらっしゃることでしょう。

そんなに栄養満点な食べ物であれば、愛猫の健康を気遣って与えてみたい気もしますが、人間の食べ物は猫に与えるべきではないと言われていることもあり、与えるのをためらっている飼い主さんもいらっしゃるのではないでしょうか。

結論から言ってしまうと、卵は猫が食べたとしても問題のない食材です。

そもそも猫は野生で生活していた時代から、ほかの動物の卵を狩猟して食べることもありましたので、卵を食べたがったとしても不思議な話ではありません。

雑食動物である人間も、肉食動物である猫も卵を欲する理由として挙げられるのは、卵の中には生命が誕生するまでの、成長を支える栄養素が豊富に含まれていることを、本能的に理解しているからと考えるのが自然ですよね。

そんな杯を育む栄養源として知られている卵は、ほかにはどんな成分を含んでいるのでしょうか?

◆卵に含まれる主な成分

卵は食物繊維とビタミンC以外の栄養素が豊富に含まれていることもあり、完全栄養食と呼ばれるほど、理想的な食べ物と言えるでしょう。

そして白身(卵白)と黄身(卵黄)とで栄養価が異なりますが、卵の白身はほとんどが低脂質のタンパク質となり、そのほかにビタミンBなどが含まれています。

色鮮やかな黄身には必須アミノ酸やビタミンB群などのビタミン類、カルシウムやセレンといったミネラル類もバランスよく含んでいるようです。

また、体内で合成できない必須脂肪酸となる、リノール酸・αリノレン酸・アラキドン酸・EPA・DHAなども含まれていますので、食事から摂取する必要のある栄養素を含んでいる卵は、とても有難い食べ物であると言えるでしょう。

◆期待できる効果は?

体づくりの資本となるタンパク質は、筋肉や血管を健やかに保つだけでなく、老化を防ぐ働きをしてくれますので、猫にとっても嬉しい効果が期待できるのではないでしょうか。

そして猫が必要とする11種類の必須アミノ酸のうち、卵にはタウリン(正確には必須栄養素)を除く、10種類の必須アミノ酸が含まれており、その中の1つである「アルギニン」は猫にとって重要なアミノ酸となります。

アルギニンが不足すると体内の老廃物は、オシッコと一緒に排出されるはずの回路が正常に働かなくなり、アンモニア中毒を引き起こししまうことがあるので、体内では作られないアミノ酸が含まれているのはとても喜ばしいことですよね。

体内で作れない必須アミノ酸と同じく、必須脂肪酸も猫は食事から摂取する必要があり、卵に含まれる必須脂肪酸は動脈硬化や血栓を防いで、悪玉コレステロールを減らす役割を担います。

そして皮膚や被毛の健康を健やかに保つビタミン類や、骨や歯を強くしてくれるミネラル類は、猫にとっても強い味方の栄養素と言えるでしょう。

◆アレルギー

猫ちゃんの中には特定の食べ物に対してアレルギー反応を起こす子も多く、卵がアレルゲンとなってしまうことも例外ではありません。

猫がアレルギー反応を起こした場合は主に、痒みが発生した後に皮膚炎へと進行していくので、卵が原因と気付かないこともあるようです。

アレルゲンとなる可能性がある以上、猫に与える際にはアレルギー反応が出ていないか観察し、安全に与えるような工夫も必要となってきます。

◆猫に卵を与えるデメリット

卵に含まれるビタミンB群には、「ビオチン」と呼ばれる水溶性のビタミンが含まれています。

ビオチンは健やかな被毛や皮膚を保つために重要な必須ビタミンとなりますが、猫の場合は食事から摂取する必要のある栄養素と言えるでしょう。

卵にはさまざまな栄養素が豊富に含まれていると前述しましたが、卵の白身の中には「アビジン」という栄養素が含まれています。

アビジンとビオチンを一緒に摂取した場合、アビジンがビオチンの吸収を阻害してしまうことが知られていますので、猫にとって必要な必須ビタミンが摂取できなくなってしまうのです。

この性質を理解していないと、いくら栄養価が高い卵を猫に与えても、そのほかの重要な栄養素の吸収を妨げてしまうことがあるので、注意が必要と言えるでしょう。


卵の与え方

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猫に卵を与える際には、与え方がとても重要となってきます。

栄養価の吸収を高め、安全に与えるためにはどんなことに注意をしておけば良いのでしょうか?

◆生卵はダメ

アビジンは熱に弱い性質を持っているので、ビオチンの吸収率を高めるためにも、生卵の状態で与えることは避けておきましょう。

ほかにも賞味期限の過ぎた生卵には、サルモネラ菌が繁殖することがあるので、いかなる場合も生の卵を猫に与えることは避けておいた方が無難です。

サルモネラ菌が原因で食中毒を起こした場合は、嘔吐や下痢などの初期症状のほかに、食欲不振や元気消失などの症状が見られます。

動物病院ではサルモネラ菌が原因と突き止めらなかった場合、急性胃腸炎と診断されることもあるので、飼い主さん自ら原因を作ってしまわないためにも、生卵を猫に与えないようにしておきましょう。

◆ゆで卵

猫に卵を与える際には、まずはゆで卵を作って細かく刻み、様子を見ながら少量ずつ食べさせてみてください。

ゆで卵であれば、猫ちゃんの好みによって白身や黄身を分けて与えられることもあり、飼い主さんも与えたい栄養素が含まれた部分を中心的に与えやすくなりますよね。

卵黄の方が栄養価は高く、パサパサしていることもあり、白身と混ぜた方が喉の通りもよく、猫ちゃんも安全に飲み込めますので安心です。

ゆで卵を作る際にも、半熟などにはせず固ゆでをして、安全に食べられる工夫をしておくようにしましょう。

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◆スクランブルエッグ

子猫や老猫に卵を与える場合には、柔らかいスクランブルエッグはいかがでしょうか。

のど越しも良いので、食べやすいのも嬉しいですよね。

調理の際には油の使用や味付けはしないようにし、卵本来の味を楽しんでもらうようにしましょう。

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卵を与える時の注意点は?

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卵は小さいながらに栄養価が高く、コレステロールを多く含んでいることもあり、エネルギー量が高いことが特徴的です。

与えすぎてしまえば摂取した栄養素がエネルギーとして消費できずに、体内に脂肪として蓄積されていきます。

愛猫が卵を欲しがるからといって、欲しがった分だけ与えてしまえば、脂肪は内臓や肝臓などの臓器に広がっていき、さまざまな病気を引き起こすリスクが上がってしまいますよね。

肥満による体重増加は足腰に負担をかけますし、糖尿病や心臓病などの病気も懸念されますので、毎日の食事にトッピングする程度を心掛け、大量に与えないように気を付けるようにしてください。


体調を崩した場合の対処方法は?

猫が卵を食べて体調を崩した場合は、色々な原因が考えられることもあり、飼い主さんによる原因追及は困難であると言えるでしょう。

生卵を食べたことによる食中毒や、卵アレルギーの発症、黄身がのどに詰まるなど、さまざまな可能性が考えられますよね。

素人判断が難しいときは動物病院を受診して、獣医師さんに診断してもらうのが一番です。

早急に病院で原因を突き止めてもらえれば、猫が辛い思いをする時間を減らせますし、飼い主さんも早い段階で安心できるのではないでしょうか。

動物病院を受診する際には卵をどのような状態で、どれぐらい与えたかなどを明確に伝えるようにし、適切な治療を受けて猫ちゃんを安心させてあげてくださいね。


まとめ

私たちの食生活に欠かせない食べ物である卵は、栄養価がとても高く毎日でも食べたい食材と言えますよね。

そして猫と一緒に暮らしている飼い主さんであれば、キャットフードだけでなく栄養価の高い卵も与えて、さらに健康的な生活ができるようにと考える方も少なくないはずです。

しかし、猫が毎日口にしている総合栄養食のキャットフードには、バランスよく栄養素が含まれていることもあり、別の食べ物から栄養を摂取したとしても、必要な栄養素分しか吸収されず、過剰に摂取した分の栄養素は排泄物と一緒に体外へと排出されてしまいます。

コレステロールの含有量が高いことからも、排出しきれなかった栄養素は体内へと蓄積され、さまざまな病気を引き起こす要因ともなり兼ねませんので、摂取した分だけ健康になるわけではないということを、飼い主さんはしっかりと理解しておかなくてはいけません。

卵を与える際には生卵を避け、加熱したものを少量与えることを心掛け、欲しがったときだけ与えるなどの工夫をするようにしましょう。



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たぬ吉

たぬ吉

小学3年生のときから、常に猫と共に暮らす生活をしてきました。現在はメスのキジトラと暮らしています。3度の飯と同じぐらい、猫が大好きです。


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