警戒心の強い野良猫がどんな場所を寝床にしているか知りたい!

2021.12.30

警戒心の強い野良猫がどんな場所を寝床にしているか知りたい!

家猫と比べると寿命が短いと言われている野良猫ですが、普段暮らしている環境が劣悪であることが要因になっているとも言われています。 猫は一日の大半を眠って過ごす動物として知られてはいますが、野良猫は安全な場所で安心して眠る時間が少なく、神経を尖らせて毎日を過ごしながら生活していると言えますよね。 普段野良猫がゆっくりと眠っている姿を見かけないことからも、野良猫の寝床がどんな場所にあるのか知らない方も多いはずです。 野良猫は一体、どんな場所を寝床にして過ごしているのでしょうか。

野良猫はどこで寝ているの?

898101_s

日本ではさまざまな場所で頻繁に野良猫を見かける機会がありますが、人馴れしていない子も多く、その謎に包まれた生活を覗いてみたいと考えたことはありませんか?

猫好きの方であれば野良猫を見ても可愛いと思えますが、猫が嫌いな人や興味がない人も存在しているので、すべての野良猫が安心して過ごせる環境であるとはお世辞にも言えませんよね。

そして野良猫を目撃する機会があるとすれば、何かしらの行動によって活動しているときが多く、ぐっすりと眠っている野良猫を見たことのある方は少ないのではないでしょうか。

日本にはたくさんの野良猫が居るはずなのに、眠っている姿が見られないというのは、なんとも不思議な気持ちになってしまいますよね。

しかし、野良猫は家猫以上に警戒心が強く、敵に襲われるような姿を敢えて見せるようなことはしませんし、その分神経を研ぎ澄ましながら生活しているのです。

人目につくような場所に寝床を確保するということは、自身の安全が確保できず命を危険に晒すことへと直結しますので、私たちが眠っている野良猫を目撃する機会が少ないのは、このような理由があるからと言えるのではないでしょうか。

それでも体を休める必要はありますし、生きるためにも体力を温存しなくてはいけないので、どこかに寝床を作って眠っているはずですよね。

野良猫はどんな場所を寝床とし、睡眠をとっているのでしょうか。


野良猫の寝床はどんな所なの?

cat-g1b5b6f2d3_640

野良猫は眠っている姿を人間に見せることはほとんどありませんが、野良猫が寝床にする基準として最も重要視しているのが、雨風が凌げる場所と言われています。

とくに気温が下がる冬の季節は、朝や夜には一気に気温が下がって猫の体温を奪っていきますので、冬を越せるかが野良猫の命運を分けるといっても過言ではありません。

猫の先祖は穴を掘って寝床にしていたことや、岩場の影や木の隙間などを寝床にして生活していたと言われており、その本能は現代を生きる猫たちにもしっかりと受け継がれています。

そのため、野良猫も本能的に狭くて暗いような場所を好むことが多く、以下のような場所を寝床にすることが多いと言われているようです。

◆家の軒下・天井裏

人の住む場所には比較的食べ物にありつける機会や、天敵になる動物が少ないことからも、人が住む家の軒下や天井裏などを寝床にしている野良猫は多いようです。

猫は液体と呼ばれることがあるように、頭が入れられる程度の穴であれば、そのまま体を通り抜けられるので、出入り可能な穴を見つけてしまえば、そこを拠点として活動していたとしても不思議ではありません。

このような場所は野良猫の出産にも適しており、産まれたばかりの子猫が天敵のカラスに襲われるようなことなく、母猫が子育てに奮闘できる場所と言えるでしょう。

◆人の出入りが少ない倉庫や物置

普段は物が管理されている倉庫や物置は、基本的に人の出入りが少ないので、野良猫が好んで寝床にすることがよくあります。

屋根が付いていることにより雨風が凌げますし、何より天敵に見つかりにくいのも魅力的なのでしょう。

◆道路の側溝

狭い場所を好む傾向の強い猫は、本能的に道路の側溝などを寝床にすることがあります。

道路の側溝は道路に溜まった雨水などを排水するために設置されてはいますが、雨が降っていない期間が長く続けば、側溝の中に水が溜まっていることはないので、落ち着いて眠りたいときには丁度良い場所とも言えるでしょう。

基本的に側溝には蓋が付けられていますが、何かしらの理由により蓋が外れている場合、それを野良猫が見つければ本能的に入ってみたいと思ったとしても不思議ではありませんよね。

◆車のエンジンルーム

冬場はいくら雨風が凌げる場所であっても、体温がどんどん奪われていくので、野良猫にとっては過酷な季節であることに間違いありません。

そのようなとき、野良猫が暖かさを求めて寝床にするのが、運転を終えた後の熱が残った車のエンジンルームです。

野良猫にとって車はただの暖かい場所として認識されていますが、運転手が野良猫の存在に気付かずエンジンをかけてしまえば大事故に繋がってしまうことも多く、冬場はとくにエンジンをかける前にボンネット部分を叩く、「猫バンバン」が推奨されています。

●あわせて読みたい
【猫バンバン】猫が車のボンネット下のエンジンルームに入る理由と対処法、対策は?

寒くなると、猫が車のボンネット上に登ったり、ボンネットの中のエンジンルームに入り込んだりすることがあります。野良猫や外に出ている飼い猫が車の近くにいる時には、猫が車の中に入ってしまう可能性を考えなければなりません。 猫がボンネットの下に入ってしまう理由は何なのか、そしてどのように対策をしたら良いのかについてご紹介します。

記事はコチラボタン


野良猫はどんな生活をしているの?

猫はもともと単独行動を好む動物ではありますが、野良猫の場合は集団生活を送っていることも多いです。

野良猫の生活は、オスとメス猫によって違いはあるのでしょうか?

◆オスの野良猫

オスの野良猫はマイペースな上に冒険心が強く、単独で行動することが多いです。

行動範囲がメスよりも広いため、集団生活を送っていたとしても後々家族の元から離れ、縄張りを広げていくこともあると言われています。

オスは自分の遺伝子を残したいという気持ちが、本能に組み込まれていることもあり、時には喧嘩をしながら理想のメス猫を求めつつ、旅を続けていくのかもしれません。

◆メスの野良猫

メスの野良猫はオス猫よりも行動範囲が狭く、子猫を産んだ母猫は自分が中心となってその子猫たちと集団生活を送りながら暮らしていきます。

子猫の世話はもちろん、食べ物や寝床の確保などもしなくてはいけないので、母猫は常に大忙しです。

もちろん集団で生活してはいますが、メス猫もオス猫同様、単独で過ごす時間を大切にしますので、集団であってもお互い干渉しすぎないことが、野良猫の生活スタイルと言えるのではないでしょうか。


冬の野良猫の過ごし方

4250099_m

野良猫も換毛期には被毛が生え変わり、冬を越せるように立派な毛皮で覆われはしますが、栄養状態が家猫とは違うため、毛にハリやコシがなければ冷気が被毛の間に入り込み、どんどん体温を奪っていきます。

そのため、前述したような寝床を探して雨風を凌ぐことや、枯れた落ち葉などに身をひそめ、暖をとることもあるようです。

野良猫や地域猫をお世話してくれる方が居る地域では、野良猫が冬を越せるようにと、段ボールや発泡スチロールなどで簡易的な寝床を作ってくれる方も居ますが、すべての野良猫が同じような恩恵を受けられるわけではありませんよね。

昼間は陽の当たる場所で日光浴をし、冷え込む夜はとにかく雨風が凌げる場所を探し求めるといった、行動を繰り返す野良猫たちは多く存在しています。

集団で暮らす野良猫に至っては、猫同士で固まりつつそれぞれの体温で暖をとることもあるので、いかに野良猫の生活している環境が劣悪であるかがうかがえますよね。


野良猫の寝床の寒さ対策方法

もし、冬場などに寝床を求めて自宅の敷地内に野良猫が迷い込んできたとしたら、せめて寒くないように過ごせないかと考える猫好きの方は少なくないはずです。

かわいそうと思うことや、何かしらの事情により猫が飼いたくても飼えない方ももちろんいらっしゃるはずですので、保護ができなかったとしても、せめて寒さ対策だけはしてあげたいと思ってしまうことでしょう。

一番望ましいのは保護主となってくれる飼い主さんを探し、安心して眠れるような場所をいち早く提供してあげることですよね。

それも難しいようであれば、敷地内の空いているスペースに、猫が入れる大きさの発泡スチロールを用意し、出入り口部分に穴を開けて、中に毛布などを敷いてあげるといった、簡易的なハウスを作成してみてはいかがでしょうか。

スーパーなどでも譲ってもらえますし、発泡スチロールは保温効果も高いので、きっと喜んで使用してくれることでしょう。

●あわせて読みたい
野良猫の飼い方は?保護までに気をつけるポイントと保護してからについて

野良猫を保護して、家で飼い始めたいと思ったときにどのような準備をすればいいのでしょうか? 野良猫を保護するまでに考えたいポイントや保護の仕方、保護してから気をつけることについてまとめてみました。

記事はコチラボタン


まとめ

野良猫は警戒心の強い子がとても多く、簡単に眠っている姿を見せてくれない子が多いのも野良猫の特徴と言えますよね。

特に日本は季節の温度差が激しく、冬には氷点下になる地域も多いので、その冬を越せるかどうかがその猫の命運を分けるといっても過言ではないでしょう。

まだまだ世間的に良いイメージがあまり持たれない野良猫ではありますが、彼らは勝手に繁殖して増えたのではなく、人間が作り出したものだということを決して忘れてはいけません。

幸せに暮らせる猫はほんの一握りしか居ませんので、この責任を重く受け止め私たち人間ができることを、改めて考えていくべきなのではないでしょうか。

野良猫たちはただ自由気ままに生きているのではなく、その過酷な環境でしか生きられない状態に陥っているだけとなります。

いつかそんな辛い思いをして暮らす野良猫が居なくなることを願って、野良猫と真摯に向き合っていただけたら幸いです。



– おすすめ記事 –

・野良猫の餌やりで約束してほしい4つのことと考えられるトラブルについて
・野良猫をなつかせることはできる?仲良くなる前に考えてほしいこと
・野良猫の冬を乗り越える過ごし方7つ。食べ物はどうしているの?
・元野良猫は外の世界の方が幸せなの?イエネコになるための極意とは


focebookシャア
ツイート

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
たぬ吉

たぬ吉

小学3年生のときから、常に猫と共に暮らす生活をしてきました。現在はメスのキジトラと暮らしています。3度の飯と同じぐらい、猫が大好きです。


記事に関するお問い合わせはこちら