1.ノルウェージャンフォレストキャットはどんな猫?
1-1.ノルウェー出身の長毛種
1-2.がっちり体型の大型種
2.ノルウェージャンフォレストキャットの性格
2-1.とても温厚
2-2.アクティブな性格
2-3.人や他の動物に対してもフレンドリー
2-4.オス、メスで性格に差はある?
3.ノルウェージャンフォレストキャットの大きさ
3-1.3~5年かけてゆっくり大人になる
3-2.成猫の体長
3-3.成猫の体重
4.ノルウェージャンフォレストキャットのカラー
4-1.ブラウン
4-2.ホワイト
4-3.レッド
4-4.クリーム
4-5.シルバー
4-6.ブルー
4-7.キャリコ
7.ノルウェージャンフォレストキャットを迎える前に知っておきたいこと
7.抜け毛が多い
7.こまめなブラッシングが必要
7.成猫になるとかなり大きい
7.広いスペースと頑丈な高い居場所が必要
7.ご家族のアレルギー検査は済みでしょうか
ノルウェージャンフォレストキャットはどんな猫?
ノルウェージャンフォレストキャット、「ノルウェーの森の猫」はその名前のとおりノルウェー原産の猫です。北ヨーロッパ、スカンディナヴィア半島中心の地域の厳しい寒冷気候に適応できる非常に古い種類の長毛種です。
◆ノルウェー出身の長毛種
地元のノルウェーでは「スコグカッテル」または「スコウカッテル」と呼ばれ、「森」を意味しています。「ノシュク・スコグカット(ノルウェーの森林ネコ)」と呼ばれることもあります。
ノルウェージャンフォレストキャットは、メインクーンとマン島に生息している長毛種の猫の先祖という説もあります。
体を覆う毛にも特徴があります。全身を覆ったふさふさの毛は、外の部分は粗く内側は密度が高く水を通さない2層構造になっています。
さらに首周辺に寒さを防ぐマフラーのように、ライオンのたてがみのような長い毛で覆われています。雪の中を歩くために指と指の間には、タフトという長い毛が生えていて不安定な地面を滑りにくく歩きやすいようにできています。
◆がっちり体型の大型種
そんな森林の猫、ノルウェージャンフォレストキャットの体格は様々な猫種の中でも大きく、大型猫種に分類されます。
ペットショップで他の猫種と比べてみると一目瞭然ですが、頭の大きさや手足のサイズからして全く異なっていて、がっちりした体型をしています。
出身地のノルウェーのような寒い地域で生き抜くためには、寒さから身を守るため体温を一定に保つ必要があります。「大型の種ほど寒冷な地域に生息する」というベルクマンの法則の通りの体格をしています。
大きなコップと小さなコップにお湯を満たしたとき、お湯の多い大きなコップのほうが冷めにくいですね。体を大きくすることで、体内で生産した熱を有効に使い体温を下げにくくするのです。
そのため、気温の低い地域に生息する動物は体が大きく進化するのです。ノルウェージャンフォレストキャットも厳しい寒さに適応して、大きな体格を手に入れたのです。
ノルウェージャンフォレストキャットの性格
大きな体格のためか、威厳があり圧倒されるような存在感のノルウェージャンフォレストキャット。
どんな性格をしているのか、みていきましょう。
◆とても温厚
大きな体格と立派なたてがみの見た目とはギャップがあり、無邪気さと知的な頭脳を兼ね備え、遊び好きで愛嬌があります。人との接触も大好きで寂しがり屋という一面も。
また、おおらかな性格でお世話好き、喧嘩も少ない平和主義。特徴としてあまり主張をしないためめったに鳴くことがなく、たまに小さな声で鳴く程度です。
◆アクティブな性格
もう1つの特徴として、運動好きな性格をしています。エネルギッシュでアクティブです。野生の狩猟本能が強く残り、外に出ることも好みます。
また、高い所で過ごすことも好きです。大きな体格には相応の発達した筋肉が備わっているので、運動するためのスペースが必要なのです。
◆人や他の動物に対してもフレンドリー
大型猫種は、一般的にフレンドリーで穏やかな性格をしていると言われています。ノルウェージャンフォレストキャットもその特徴が強いです。
愛情と忍耐強さがあり、ゆったりとしてゆとりのある雰囲気があります。人懐こく愛情深い性格で、人とのスキンシップも大好きですが他の動物との接触も大好きです。
また、新しい環境にも物怖じしない子が多く、先住猫や犬にも警戒することなく馴染みやすい性格をしています。
外に出る事が好きなので脱走癖には注意が必要です。近隣に仲のいい猫がいると家を抜け出して遊びに行ってしまうこともありますので、施錠は徹底してください。
◆オス、メスで性格に差はある?
一般的に猫は性別によって性格、飼い主さんとの関わり方が違うことがあります。ノルウェージャンフォレストキャットも、オスとメスでは性格に違いがあるようです。
メスは少々魔性のツンデレ系、大人しく優雅で落ち着きがありますがベタベタ甘える感じではありません。
オスの性格の多くの傾向は、メスと違いいつまでも子猫のように活発で人懐っこく、とても甘えん坊です。
ノルウェージャンフォレストキャットの大きさ
普段よくみかける猫といえば、生後3か月で1000gくらい、生後6か月になると1500gが健康かどうかの目安になります。
ノルウェージャンフォレストキャットはどうでしょうか。なんと生後3か月ですでに1500g以上、生後6か月では3000g以上になります。
身の回りで見かける猫なら3000gは成猫の大きさですので、かなり大きくなると想像できますね。
◆3~5年かけてゆっくり大人になる
通常猫は生後1年で成猫になりますが、子猫からすでに規格外の大きさのノルウェージャンフォレストキャットは、実はゆっくり成長していきます。
ノルウェージャンフォレストキャットのような大型猫は、個体差があるものの3年から5年かけて成長します。
子猫の毛並みはまだフサフサの被毛ではないので、ちょっと大きい短毛種の猫ちゃんのようです。しかし、半年ころまでに徐々に全身の毛が長く伸び始め、体もがっしりしてきます。
ノルウェージャンフォレストキャットや、メインクーン、ラグドールなどの大型の長毛種には、モップのようにふさふさした豊かな毛並みになる毛吹きが見られます。成長とともに毛吹きもゆっくり伸びていくのです。
◆成猫の体長
ノルウェージャンフォレストキャットの成猫の体長は、平均してオスで45~60cm、メスは40cmほどです。体長は胸からおしりまでの長さです。さらに手足を伸ばしてゴロンとしている姿は壮観ですね。
◆成猫の体重
長い体長にふさわしく体重も重量級です。寒さに耐えられるよう、大きな体格を維持する筋肉もしっかりついています。オスは成猫の平均が4.5kg~9.0kg、メスは3.0kg~7.0kgくらいになります。
一般的な猫が4kgほどなのでメスは他の種類の猫とあまり差がありませんが、オスは大型猫といわれるにふさわしい大きさですね。
ノルウェージャンフォレストキャットのカラー
ノルウェージャンフォレストキャットの毛のカラーは、バリエーションが多いという特徴があります。ブラウン、レッド、クリーム、シルバー、ブルーの色合いが人気で、全身ホワイトの子は比較的珍しいです。
また同じカラーでも、長い被毛の濃淡がでることで微妙に違う色合いになる特徴があります。
さらにノルウェージャンフォレストキャットの模様は、単色のソリッドカラーと、2色の色のバイカラー、虎のような縞模様のタビーがありカラーとの組み合わせでさらにバリエーションが豊富です。
ペットショップでは、ソリッドカラーの子よりも、○○(色)タビー×ホワイトの子が多く見られるかと思います。
◆ブラウン
ブラウンは、日本では人気が高く繁殖数も多いカラーです。特にブラウンと白のバイカラーは頭数も多く、頭から額の部分が中央から両脇に分かれている「ハチワレ模様」に人気があります。
◆ホワイト
他のカラーのブラックやブラウンなどと、ホワイトのバイカラーは多く見かける珍しくない色合いです。しかし、ノルウェージャンフォレストキャットの場合、全身がホワイト一色の白猫、ソリッドホワイトはかなり珍しいです。
ノルウェージャンフォレストキャットのソリッドホワイトは、絹のように美しい光沢と長くボリュームのある被毛がとてもゴージャスな印象を与えます。
◆レッド
レッドというと「赤」というイメージですが、どちらかというと日本猫の茶トラと同じ色合いをしています。日本猫ではよくいるカラーで親しみやすい色合いです。ですが、ノルウェージャンフォレストキャットではとても珍しいカラーです。
◆クリーム
短毛の猫に多い印象のクリームは、極々淡い薄茶系で赤みがある色合いをしています。大型長毛種のノルウェージャンフォレストキャットにも、ふんわりしたクリームカラーの猫がいます。
◆シルバー
シルバーカラーといえば、代表格はなんといっても「アメリカンショートヘア」を思い浮かべるのではないでしょうか。毛の根元は白く、先端に行くに従って徐々にグレーになっていきます。
このようにシルバーは、基本的にはホワイトとグレー系のバイカラーが多いようです。太陽の光が当たると輝くように反射するシルバーは、高貴な印象があります。
◆ブルー
ブルーのカラーは、パッと見はグレーやシルバーにとてもよく似ています。シルバーは光に当たると銀色に反射しますが、ブルーは光が当たると青みを帯びた色彩が特徴です。シルバーやグレーとも違い、とても神秘的なカラーです。
◆キャリコ
キャリコは、レッド・ブラック・ホワイトの3色の毛が混じった「三毛猫」のことです。日本の猫でも見かける身近なカラーの猫ですね。
さらにキャリコのカラーには、「ダイリュートキャリコ」と呼ばれる特殊なカラーがあります。なにが特殊かというと、ノルウェージャンフォレストキャットでは、三毛猫の場合「色味を弱める遺伝子」が働き、原色に近い基本の3色の色合いが、淡いクリームやブルーに変化するケースがあります。
大変希少で生まれてこないため、里親募集やペットショップなどでもめったにお目にかかれないお値段もお高めです。
ノルウェージャンフォレストキャットの寿命
猫の種類には関係なく日本でペットとして飼育される猫の平均した寿命は、現在は15.45歳というデータがあります。
→参考データ:令和2年(2020年)全国犬猫飼育実態調査 結果」一般社団法人ペットフード協会(主要指標 時系列サマリー 犬猫 平均寿命)
このデータでは、性別や飼育環境によっても差があり、また、別のデータでは、純血種より、混血猫や日本猫が平均よりも寿命が長いとされています。
ノルウェージャンフォレストキャットの寿命は、一般的な猫より平均寿命は少々短めで、11歳~14歳くらいといわれています。
純血種では平均寿命に近いのがペルシャ(チンチラ)、アメリカンショートヘアとラグドールです。
一方平均寿命より短い傾向にあるのが、マンチカン、メイン・クーン、ノルウェージャンフォレストキャットとなっています。
ノルウェージャンフォレストキャットの価格
ノルウェージャンフォレストキャットは、第二次世界大戦(1940年代前半)あたりから頭数が減少し、一時は絶滅寸前まで陥ってしまったことがあります。危機感を感じたブリーダーが保護し、現在では世界中で飼育されています。
ノルウェージャンフォレストキャットの平均販売価格は15〜30万前後です。
オスとメスではメスのほうがやや高く、人気のカラーによっても価格は変わってきます。
価格参考:ペットの専門店コジマ
ノルウェージャンフォレストキャットを迎える前に知っておきたいこと
ノルウェージャンフォレストキャットを迎えるにあたり、どのような注意点があるのかご紹介します。
◆抜け毛が多い
ノルウェージャンフォレストキャットは寒冷地に生息している長毛種です。被毛はただ長いだけではなく、保温性を高めるためのアンダーコートと外からの刺激から身を守るためのトップコートで構成されています。
これを「ダブルコート」というのですが、ダブルコートはシングルコートの猫より抜け毛が多いのが特徴です。特に温帯のうちの温暖湿潤気候に属する日本では、寒冷地仕様の被毛では体温調整が難しいです。
そのため夏に向けて換毛期の春、寒さの準備の秋には保温性のあるアンダーコートはごっそり抜けます。特にふわふわでもこもこしている毛のノルウェージャンフォレストキャットは、サラサラしている毛の猫より抜けます。
◆こまめなブラッシングが必要
ノルウェージャンフォレストキャットの抜け毛をそのまま放置してしまうとハウスダストになってしまい飼い主さんの健康を損ねることにもなりかねません。
また、きれい好きな猫ちゃんたちは自分の舌でしきりに毛づくろいするので、体内に取り込んでしまった毛玉対策も必要になります。
このような抜け毛対策として欠かすことのできないのは、こまめなブラッシングです。 最低でも1日1回、ブラシやコームでブラッシングをしてあげましょう。
抜け毛の季節はさらに1日2回がおすすめです。特に長い被毛が密集している首周りの毛吹きと、背中から脇腹は重点的にブラッシングしましょう。
◆成猫になるとかなり大きい
お話したように、ノルウェージャンフォレストキャットは一般的な猫に比べると体格が大きいのが特徴です。オスでは体長45~60cm、8kgほど、メスは体長40cm、6kgくらいまで成長することもあります。
8kgは、男児の平均体重でみると生後6ヶ月〜7ヶ月に相当します。犬では中型犬のシェットランドシープドックや小型犬でも大きめのスコティッシュテリアくらいの大きさになります。
大型猫に分類されるだけあって、膝の上で丸くなって眠るイメージの「猫」としてはビッグサイズです。
◆広いスペースと頑丈な高い居場所が必要
ノルウェージャンフォレストキャットは、とても遊び好きで活発ですので十分遊べる広いスペースが必要になります。また、ノルウェージャンフォレストキャットは高いところで過ごすのが大好きですから、体重を支えられる頑丈な高い居場所の確保もお願いします。
◆ご家族のアレルギー検査は済みでしょうか
ノルウェージャンフォレストキャットを飼う前に、ご家族に猫アレルギーがないかの確認をしましょう!
猫アレルギーがある場合、アレルゲンとなるのは抜け毛についた垢や古い細胞です。特にノルウェージャンフォレストキャットは抜け毛が多いので、アレルギーのある方が飼うのはむずかしいといえます。
まとめ
ノルウェージャンフォレストキャットは、森の妖精といわれ神秘的な雰囲気のある猫です。
大型種に分類される立派な体格のこの猫種は、ゴージャスな毛並みで愛好家もたくさんいます。
大きな体格の反面、成長はゆっくりで子猫の期間が長いのも特徴です。寂しがり屋で甘えん坊、成猫になるまで子猫のかわいさも長く堪能できますが、食事や運動には気を遣う必要があります。
穏やかでフレンドリーな性格のため、お子様がいる家庭でも飼いやすい猫種でしょう。
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