1.ミルクが必要な子猫は生後どのくらいの子?
1-1.大体生後1か月ころまで
1-2.その後は栄養補助程度に
2.ミルクを飲ませる前に基本をおさらいしよう
2-1.ミルクを飲ませる回数、量
2-2.子猫用ミルクの作り方
2-3.牛乳は絶対にNG!必ず猫用を
ミルクが必要な子猫は生後どのくらいの子?
猫は人間と同じ哺乳類ですので、赤ちゃんの時は母親からお母乳をもらって成長していきます。
基本的に、生まれたばかりの子猫は母猫に育児を任せるのがベストですが、自宅の飼い猫が子供を産み、育児放棄になってしまったときや、外でまだ授乳期の子猫を保護した際は、人間の手で授乳をする必要があります。
このように子猫にミルクを与えることが必要になった場合、一体生後どのぐらいまで授乳が必要なのかを詳しくご紹介していきます。
◆大体生後1か月ころまで
子猫にミルクが必要な期間は、大体生後1ヶ月(4週間)頃までとなります。
可愛い子猫が我が家にやってきたらあれこれ世話をしたい気持ちが高まってくると思います。
最初にミルクを与えたい気持ちもわかりますが、生まれたばかりの子猫のお世話はなるべく母猫に任せるようにしましょう。
というのも、母猫が出産後24時間〜72時間以内に出す初乳は子猫にとってとても大切なものになります。
初乳を飲むことで、母猫から免疫力を授かり、ウイルスなどから身を守ることができるようになります。
万が一、母猫が育児放棄をして初乳を与えない場合や、初乳を飲んだかわからない子猫を保護した場合は、初乳の成分が配合された猫用のミルクも販売されていますので、それを与えるようにしましょう。
◆その後は栄養補助程度に
生後1ヶ月頃までの新生児期を無事に過ぎると、生後30日〜90日頃までの幼年期に突入します。
乳歯も生え始め、ミルク以外の食事に興味が出てくる時期です。
幼年期に入った頃から、子猫は離乳食に切り替えるようにしましょう。
離乳食を与えるようになったら、ミルクは栄養補助程度に与え、段々と与える回数や量を減らしていき、生後60日頃を目安に成猫と同じ硬さのフードに切り替え、ミルクを卒業させるようにしましょう。
ミルクを飲ませる前に基本をおさらいしよう
子猫にミルクが必要なのは生後1ヶ月頃までとお伝えしてきました。
その生後1ヶ月頃までの短い間ではありますが、実際に子猫にミルクを与えるにあたって、守るべき条件もあります。
それが「ミルクを飲ませる回数、量」「子猫用のミルクの作り方」「与えるミルクの種類」になります。
子猫の成長に大きく関わってくることになりますので、以下で詳しくご紹介していきます。
◆ミルクを飲ませる回数、量
生後1ヶ月頃まで子猫にミルクは必要になってきますが、子猫の成長の度合いによってミルクを与える回数や量は変化していきます。
【生後1日〜20日頃まで】
この頃の子猫には2〜3時間おきにミルクを与えるようにしましょう。
回数で言うと1日あたり8〜12回ぐらいになります。
まだ小さい子猫は一度にたくさんのミルクが飲めないため、頻繁に授乳をする必要があります。
8時間以上授乳の間隔を空けてしまうと低血糖になってしまう場合もあるので、夜間の授乳も必要です。
ですが、子猫が眠っている場合は子猫の睡眠を優先させましょう。
与える量は1回につき5~10cc。もっと欲しがる場合は欲しがるだけ与えても構いません。
【生後21日頃〜】
生後2週目頃から一度に飲めるミルクの量が多くなってくるので、授乳回数を減らし、生後21日頃からは3〜4時間ぐらいの間隔で1日あたり5回〜6回与えるようにしましょう。
与えるミルクの量は子猫が欲しがるだけ飲ませてあげ、生後1ヶ月ごろから離乳食にシフトしていくようにしましょう。
◆子猫用ミルクの作り方
子猫用のミルクを作る際は、市販されている子猫用の哺乳瓶を使用すると、ミルクを作る際に必要なメモリが書いてあるので便利です。
また、子猫用の哺乳瓶は毎回使用前に煮沸消毒をして清潔なものを使用するようにしましょう。
【ミルクの作り方】
②子猫用の哺乳瓶に1回に必要なお湯(メーカーにより異なる)を入れる
③1回に必要なミルクの量を、粉ミルクに付属している計量スプーンで測り哺乳瓶に入れる
④よく振りながら溶かしたら、ミルクを40℃前後まで冷ます
ミルクの温度は、熱すぎると火傷の原因に、冷ましすぎると子猫の体温の低下につながりますので注意しましょう。
◆牛乳は絶対にNG!必ず猫用を
子猫に飲ませるミルクは必ず猫用のキャットミルクを飲ませるようにしましょう。
牛乳を与えるのはNGです。
牛乳の中には乳糖という成分が含まれています。その乳糖を分解するための酵素を猫はあまり持っていないため、お腹を壊して下痢になってしまう場合があります。
まだ小さい子猫は、あまりに下痢の症状が酷いと脱水症状になり命の危険もあります。
一方、猫用のミルクはこの乳糖の成分が入っていないため、消化不良の心配ははありません。
また、猫の必須栄養素であるタウリンはもちろん、高タンパク・高脂肪の子猫の成長に必要な栄養素が入っているため、安心して子猫に与えることができます。
ミルクの正しい飲ませ方
子猫用のミルクをどのように作り、1日にどれぐらい与えるのかは分かりました。
では、実際に子猫にミルクを与えるためにはどのようなものを準備して、どのように授乳すればいいのでしょうか。
ここではミルクの正しい飲ませ方について「準備するもの」と「与える時の姿勢や角度」についてそれぞれ確認していきましょう。
◆準備するもの
子猫にミルクを授乳させる前に準備しておきたいものが
①哺乳瓶
②排泄を済ませる
になります。
①哺乳瓶
こちらは「子猫用ミルクの作り方」でもご紹介した通り、煮沸消毒をしておきましょう。
また、乳首部分にあたる吸い口の先端を、ハサミやカッターなどで十字に切り込みを入れて、ミルクが吸えるようにしておきましょう。
その際、一気にミルクが出過ぎてしまうほど大きく切ってしまうと、誤嚥してしまい気管や肺に入りむせてしまう場合があります。
逆に、小さすぎても子猫がミルクを吸えなくなってしまいます。
そのため、最初は小さく切り込みを入れ、徐々に大きく調整していき、哺乳瓶を軽く押すとミルクが1滴ずつ出てくるぐらいに準備しておきましょう。
また、授乳のたびに吸い口が破れていないかを確認します。特に、子猫に乳歯が生えてくると噛み切られている場合があります。そのままにしておくと誤飲の原因になりますので、目視で確認し、破れていたら新しいものに交換するようにしましょう。
上記を確認したら哺乳瓶にミルクを作りましょう。
②排泄
子猫は排泄物が溜まっているとお腹が張ってしまいミルクを飲むことができません。
また、生後3週間頃までは自力で排泄することができません。
母猫がお世話をしている場合は、母猫が子猫の肛門を舐めて排泄を促しますが、それがうまくいかない場合は飼い主である人間が子猫の排泄を促す必要があります。
やり方は、ぬるま湯で湿らせたガーゼなどで肛門付近を優しくトントンと刺激します。
子猫が排尿排泄ができたのを確認し、ミルクを与えるようにしましょう。
◆与える時の姿勢や角度
次に、子猫に実際にミルクを与える場合は姿勢や角度を気をつけるようにしましょう。
まず、子猫に授乳する時の姿勢は、必ずうつ伏せ(腹ばい)になるようにしてあげましょう。
人間の赤ちゃんは仰向けの状態で授乳するため、子猫にも同じようにしてしまいがちですが、子猫を仰向けにして授乳すると気管などにミルクが入ってしまう恐れがあるので大変危険です。
子猫の首を支え、飲みやすいようにサポートしてあげたら、哺乳瓶を斜め45度ぐらいの角度で咥えさせてあげます。
哺乳瓶の咥えさ方が浅いとうまく飲むことができませんので、しっかり咥えさせてあげましょう。
この時に、哺乳瓶の吸い口に空気が残っていると空気を一緒に胃に入れてしまうことになりますので、吸い口の先端までミルクで充してから咥えさせるようにしてあげてください。
ミルクを吸っている最中に哺乳瓶を口から離したり、嫌がるようなそぶりを見せた時が「お腹いっぱい」の合図です。背中をさすりゲップをさせ、授乳前と同じように排泄の手伝いをしてあげましょう。
また、ミルクを与えている時に鼻から出てしまったりむせている場合は誤嚥の可能性があります。
ミルクを与えるのを中止して、しばらくしても様子が戻らないようでしたら動物病院で診察をしましょう。
子猫がミルクを飲まない時は
子猫がミルクを飲まない時は、以下のようなことが考えられます。
- ミルクの温度が適温でない
- 授乳の前に排泄をしていない
- ミルクの味が好きではない
- 哺乳瓶の吸い口があっていない
- 体調不良
いつもミルクを飲んでくれているならば①〜④の可能性は低く、⑤の体調不良の可能性があります。
子猫のうちで考えられる体調不良のひとつが、体温が下がってしまうことです。直腸で体温を計り、35度以下の場合は直ちに動物病院を受診しましょう。
前述もしましたが、生後まもない頃はミルクを8時間以上飲まないと低血糖を起こしてしまう場合があります。
長時間授乳を拒む場合も動物病院へ連れて行くようにしてください。
まとめ
今回は子猫にミルクが必要な期間や、授乳の仕方などについてご紹介してきました。
生後間もない子猫にとって、授乳は生きていくのに欠かせない行為になってきます。そのため、正しい知識を持ち、事前に準備しておくことで慌てずに適切な対処することができます。
とくに初めての授乳は慣れないことだらけで不安になることも多いと思います。少しでも不安に感じたら、子猫のためにもかかりつけの獣医師に相談するなど、早めの対策を心がけるようにしていきましょう。
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