猫の便秘はどのくらいの日数続いたら危険?原因や対処法も解説

2024.04.02

猫の便秘はどのくらいの日数続いたら危険?原因や対処法も解説

おうちの猫ちゃんが何日もうんちを出さないと、不安になりますよね。便秘の基準としては、日数的に3日以上の排便がない場合に危険性が高いと言えます。猫が便秘になる原因は、水不足やストレスなどさまざま。ときには重大な病気が潜んでいることもあります。

便秘になった?猫が見せるサイン

黒いトイレで用を足す三毛猫

猫の便秘は、飼い主さんがトイレ掃除をする際に気付くことが多いでしょう。
実は、排便が数日見られない場合はもちろん、猫のうんちの様子や行動にも便秘のサインが隠れているのです。
猫が見せる便秘のサインをいくつか見ていきましょう。

◆便が硬く小さい

猫のうんちの様子からも便秘のサインが見られます。
便が硬くて小さいようなら、便に十分な水分がなくなっている状態で便秘が疑われます。猫の体内では、食べ物が消化器管(食道、胃、小腸、大腸)を通過して最終的に便になります。

便ができる仕組みとしては、食べ物の栄養が小腸で吸収され、残ったカスは大腸で水分が吸収されることにより排泄されるというもの。
猫は祖先が砂漠で暮らしていたため、水分をたくさん摂取しなくても体が機能しますが、適度に水分を摂らないと便が硬くなります。

また、大腸の詰まりや排便時の痛みにより回数が減ると、便が大腸にとどまって水分が吸収されることで硬くなります。
特に冬場は水不足や運動不足が起こりやすいため、便秘のサインを逃さないように、便を細やかにチェックしましょう。

◆トイレに行っても何もしていない

猫の様子や行動からも便秘のサインを読み取ることができます。

猫がトイレに行って、何もしていないようなら排便がうまくできない理由があるのかもしれません。
また、「排便姿勢をとっているのに便が出ない」「時間をかけて踏ん張る」「何回もトイレに行く」という変化があった場合も便秘の可能性が高いです。

猫はトイレにこだわりが強い場合が多く、トイレが汚れているなど、排泄環境に問題があると便秘につながる恐れがあるため、キレイで落ち着いたお気に入りのトイレを用意してあげましょう。

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◆うんちの間隔が長い、何日もうんちをしていない

猫のうんちの間隔が長くなったり、何日も排便が確認できなかったりするような場合も便秘のサインです。
猫ちゃんの日々の様子やトイレ掃除から、便秘のサインを見逃さないようにチェックしましょう。

猫のうんちは健康管理のための大切な情報源です。
どんな状態のうんちであったか毎回確認をして、何かあった場合に動物病院で答えられるようにしておくと、病気の診断がスムーズになります。


猫が何日間便秘だと危険?

猫のうんちはどれくらいの日数出ていなかったら危険なのでしょうか?

便秘の基準としては、猫が3日以上うんちをしていない場合危険だと考えられます。
猫の排便は、1日1〜2回、2日に1回など猫によってさまざまであるため、日頃からおうちの猫ちゃんの排便パターンを確認しておくとよいでしょう。

飼い主さんか一番変化に気付きやすく、猫ちゃんの健康は飼い主さんに守られています。おうちの猫ちゃんのなにか異変を感じたら、早めに動物病院で相談しましょう。


猫が便秘になる原因は?

猫が便秘になるのは、水不足やストレスなどいくつかの原因考えられます。お家で考えられる便秘の原因について紹介してきます。

◆食事を変えた

猫も私たち人間と同じように、食事とうんちは大きく関連しています。そのため、猫も食事の変化によって便秘になることがあります。

特に、腸の蠕動運動に重要な「食物繊維」が豊富かどうかはうんちの状態や便秘に関係しています。
もし食事の変化を機に、うんちが減ったり硬くなったりすうような変化が見られたら、元の食餌に戻してみましょう。

◆水分不足

猫は水を沢山摂取する動物ではありませんが、水分不足によって便秘にこともあります。
水分不足が便秘の原因であれば、水分量の多いフードやおやつを与えてみましょう。
普段ドライフードを与えているなら、より水分を多く含んだウェットフードに変えてみるのもおすすめです。

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◆ストレス

猫はストレスに敏感で、ストレスを感じてトイレに行かなくなることがあります。
猫がストレスを感じるような急激な環境の変化などは避けるようにしましょう。また、猫がストレスを感じることなく安心してトイレができる環境を整えてあげることも大切です。

◆トイレが汚れている

猫はトイレにこだわりが強いため、汚れたトイレや気に入らないトイレではトイレに行く頻度が減ることもあります。
トイレを綺麗に保つことは、便秘の防止にもなります。また、猫によってトイレの形や砂に好みがあるため、猫ちゃんのお気に入りのトイレを見つけてあげましょう。

◆誤飲

ヒモなどを誤飲してしまうことが原因で、腸が詰まって便秘になることがあります。猫が誤飲してしまいそうな小さなものやひも状のものは猫の目が届かないところに置きましょう。
また、猫のおもちゃでも、ひもや鳥の羽は誤飲しやすいため、選ぶ際には注意が必要です。

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◆毛づまり

猫は頻繁に毛づくろいをしているため、毛づまりを起こして便秘になっていることもあります。毛づまりが原因である場合は、猫草や食物繊維が豊富なフードがおすすめです。食物繊維は、腸を刺激して動きを活発にさせるため、飲み込んだ毛玉も排泄しやすくしてくれます。


病気やケガが原因のこともある

ソファーの上で寝ている白い猫

猫ちゃんが便秘で元気がないと、「病気かな?」「危険かもしれない!」と心配になりますよね。猫が便秘になる原因はさまざまですが、多くの場合は何らかの病気が関連しています。猫が便秘になっている場合に、どんな病気が疑われるのかをご紹介していきます。

猫の便秘からは、例えば「排便痛」「狭窄」「巨大結腸症」「脱水」などが疑われます。

「排便痛」においては、便の表面に血が付着している場合、便が硬くて肛門の一部が切れて出血したことが考えられます。
痛みがあるために排便を嫌がって、便秘になっているのかもしれません。また、肛門の左右両脇にある「肛門腺」が炎症を起こす「肛門腺炎」の場合も、排便時に痛みを感じることがあります。

「狭窄」は、結腸(大腸の一部)などの腫瘍やポリープ、または骨盤骨折などで、便が通過できない状態のこと。
交通事故による骨折など、骨盤の変形によっても起こります。
長期間、結腸に便が溜まっていると、結腸がゆるくなって動きが悪くなり、便秘を繰り返すという悪循環に陥ります。ひどい便秘が慢性化すると、結腸が伸びて巨大化する「巨大結腸症」を起こすことがあります。

「脱水」による水分不足が原因で、便秘を起こすこともあります。例えば「腎臓病」は、腎臓の機能が低下する病気で、脱水を引き起こして水分不足による便秘の症状が出る可能性あります。
また、腎臓病以外でも、「糖尿病」「甲状腺機能亢進症」などにかかっている場合も脱水を起こすため、注意が必要です。

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「慢性的な便秘」「食欲や元気がない」「嘔吐や下痢」「便に鮮血が混じっている」といった症状が見らたら、病気の可能性があります。また、3日以上うんちをしない場合は、他の症状の有無に関わらず、動物病院で診てもらうようにしましょう。


猫が便秘になった時の対処法

トイレに入ろうとしているグレーの猫

猫が便秘になった時は、少し工夫をすることで改善することができます。具体的な対処法を見ていきましょう!

◆ご飯を便秘前のものに戻す

猫が食事の変化によって便秘になってしまった場合は、便秘前のフードに戻してみましょう。
ご飯を以前のものに戻すことで改善されるようなら、その後はできるだけ変えないようにしてあげましょう。

◆水を飲むように工夫する

水不足が原因である場合は、水を飲むように工夫してあげるとよいですね。
水飲み場を猫の近くに設置してあげたり、水分の多いフードやおやつをあげたりしましょう。
ウェットフードは水分量が多いため、ドライフードからの変更や追加であげることをおすすめします。

◆ブラッシングをする

猫が自分で毛づくろいすると、毛づまりによる便秘の原因になります。
飼い主さんがブラッシングをしてあげることで、猫が毛玉を飲み込むことが軽減されるでしょう。
猫ちゃんとのスキンシップにもなるため一石二鳥ですね。

◆ストレスをかけない

猫はストレスや環境の変化に対して敏感な生き物です。

猫はストレスによっても便秘になるため、ストレスをかけないようにすることが大切です。
特に、同居猫との相性が悪い場合などはトイレを「頭数+1個」用意するなど、環境を整えてあげましょう。

また、ご飯を食べる場所と排泄する場所を分けるのも猫の特徴であるため、しっかりと区別して設置してあげるといいですね。

◆こまめにトイレ掃除をする

ストレスや運動不足も便秘の原因になります。
「トイレが汚れている」「トイレの場所や容器、砂が気に入らない」「トイレで排泄中に驚く等の嫌な思いをした」など、排泄環境に問題がある場合や引っ越しなどで環境が変わるとストレスで排便を我慢してしまって、便秘になることがあります。

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また、運動不足になると腸の動きが弱まり、便秘になりやすいので、適度な運動をさせるようにしましょう。

◆部屋の掃除をする

猫が誤飲することで、腸を詰まらせて便秘になることがあります。
猫ちゃんが誤飲してしまうことがないように掃除をきちんと行いましょう。特に、ひも状のものは腸に詰まりやすいため注意が必要です。


便秘が続くなら動物病院へ

動物病院で診察を受ける黒白猫

猫の便秘には重大な病気が隠れている可能性が高いため、便秘が続いているようなら早めに動物病院で診てもらいましょう。

目安は、猫が3日以上うんちをしていないことです。

病院では、レントゲンなどの検査により便秘の原因を特定して治療を行っていきます。病気がない場合でも、療法食の指導や便を柔らかくする薬や整腸剤の投与、浣腸によって改善してもらいます。
病院では、猫ちゃんに関する飼い主さんの情報がとても大切になります。便の様子や猫ちゃんの様子を日頃からよく観察してあげましょう。


まとめ

便秘は、私たち人間でも起こりますが、猫においては重大な病気が潜んでいる可能性が高いものです。猫の便秘はさまざまな原因によって引き起こされます。日ごろから猫ちゃんの様子や便の様子をチェックして、異変があれば早めに動物病院で診てもらいましょう。



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ゆき

ゆき

小さい頃から動物が好きで、特に猫が好きです。 実家の猫とは20年以上一緒に暮らしており、妹のような存在。 大学では獣医学を専攻し、動物行動学に興味をもって勉強しています。


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