1.ボンベイの基礎知識
1-1.原産国
1-2.起源
1-3.大きさ、体型
1-4.毛色の種類
1-5.鳴き声
1-6.その他の特徴
2.ボンベイの性格
2-1.アメリカンショートヘアとバーミーズ両方の性格を受け継いでいる
2-2.明るく好奇心旺盛
2-3.家族に対して愛情深い
5.ボンベイがかかりやすい病気
5-1.バーミーズから受け継いだ歯科系の疾患
5-2.アメリカンショートヘアから受け継いだ心臓疾患
5-3.多くの猫に注意が必要な膀胱炎、下部尿路疾患
6.どんな人に向いている猫種?
6-1.はじめて猫を飼う人
6-2.抱っこが好きで甘えてほしい人
6-3.一緒に遊びたい人
6-4.一人暮らしや長時間家を空ける人、集合住宅に住んでいる人
ボンベイの基礎知識
ボンベイはゴールドに光る瞳が魅力的な猫で、美しい黒い光沢があります。黒豹のような野性的で洗練された雰囲気があるのが大きな特徴です。そんなボンベイはまだ日本では珍しい猫種で、ペットショップで見かけることがほとんどありません。
◆原産国
アメリカのケンタッキー州です。
◆起源
ボンベイは1958年にアメリカで、セーブル色のバーミーズ(原産国:ミャンマー)とアメリカンショートヘアー(原産国:アメリカ)のブラックを両親に生まれました。ゴールドの目と光沢のある黒豹のようなブラックの毛並みが特徴です。
そんなボンベイは、「漆黒のミニパンサー」という異名をもっています。インドに生息している黒豹のようなことから、英名「Bombay(ボンベイ)」とインドの都市の名前が付けられました。
◆大きさ、体型
ボンベイはセミコビータイプ(丸い体型)です。体重は2.5kgから5.5kgです。
ボンベイの体型は、全身が丸みのある体つきが愛らしく、頭・目・頬も丸いのが特徴で、コンパクトですががっしりとした体つきをしています。
コビータイプで全体的に丸い体型の猫種、ペルシャやヒマラヤンなどに近いコロンとした丸い体型としていますが、コピータイプの種に比べると足と胴はやや長め、しっぽは長く真っすぐです。
また、足先(ポー)はコビータイプの種ほどではないですがやや丸みを帯びています。
セミコビータイプの猫種には、スコティッシュフォールド、アメリカンショートヘアなどがいます。
体重は成猫で雄は雌よりやや大きめで約3.5~5.5kg、雌はやや小さめで約2.5~5.0kgほどに成長します。
◆毛色の種類
ボンベイの毛の色はブラックのみです。基本的にブラックではないとボンベイとしては扱われていません。毛質は細く短めで、密度が濃くサテンのような手触りがあります。
◆鳴き声
鳴き声は小さく集合住宅で飼うのに向いた猫としても注目されています。
◆その他の特徴
ボンベイの目の色は、「ゴールド(金銅色と呼ばれる)」のみに限られています。また、鼻や肉球の色も黒で統一、全身黒色と決まっています。
ボンベイの性格
◆アメリカンショートヘアとバーミーズ両方の性格を受け継いでいる
ボンベイは黒豹ののうに優雅でクールな見た目をしていますが、性格は明るく陽気です。
アメリカンショートヘアの陽気な性格と、バーミーズの賢く穏やかな性格の両方受け継いでいます。
アメリカンショートヘアは人と遊ぶことが大好きで、とても頭がよい特徴を持っています。また、多くが「内弁慶」で外ではおとなしいのに家ではいたずら好きで大暴れしたり、野性的なしぐさや機敏な行動が魅力な猫ですね。
ミャンマーからアメリカに渡ったバーミーズは、とても飼いやすい猫種と言われています。賢く性格は穏やかで愛嬌があります。
バーミーズもアメリカンショートヘアと同じように、明るく遊び好き。飼い主さんと一緒にいて甘え上手です。バーミーズは鳴き声が小さく、鳴くこともめったにありません。周囲の状況をよく観察できる能力があり、大変状況判断能力に長けているものバーミーズの特徴です。
このようなアメリカンショートヘアと、バーミーズの性格を受け継いだボンベイ。知性が高く、ボール投げができたり、リードを付けてお散歩もできるようにしつけられるので「まるで犬のよう」と言われることもあります。
他の猫と同じように、高いところが好きで遊ぶことも大好きです。飼育する環境にはキャットタワーなどの高低差のあるもの設置してあげましょう。
一方で、人懐っこい性格で人が大好きなので、一緒に遊んであげないとストレスで問題行動を起こすこともありますが、飼育されている環境への適応力が高いので多頭飼育も問題ありません。
◆明るく好奇心旺盛
アメリカンショートヘアと、バーミーズの性格を受け継いだボンベイは明るい性格で好奇心旺盛です。
好奇心旺盛なので、ほかのペットや子供ともすぐに仲良くすることができます。ただボンベイは食欲旺盛で、好奇心も旺盛なのでなんでも口にする傾向があり誤飲の注意が必要です。
特にボンベイを留守番させる時は、入ってはいけない部屋は完全に封鎖することや、口に入れそうなものは片付けてください。
◆家族に対して愛情深い
ボンベイは、自分以外の他者との関わりが大好きで、人が好きで懐きやすく子供や、多頭飼育、ほかの種別のペットとも仲良く生活できます。
またボンベイは、抱っこされるのが好きな子が多いと言われています。クールで抱っこが嫌いな猫のほうが多い中、猫を抱っこしたい飼い主さんにはうれしい猫ちゃんですね。
ボンベイの価格
ボンベイの子猫の価格は20~50万円ほどです。日本では希少な猫です。
ボンベイの寿命
アニコムの、「アニコム家庭どうぶつ白書2021」によると、猫全体の平均寿命は14.4歳。(2022年度)
ボンベイという品種は大変珍しいため、データがないようです。ただ、アメリカンショートヘアとバーミーズの混血猫が起源ですので13~15歳程度と言われています。
ボンベイがかかりやすい病気
バーミーズとアメリカンショートヘアから生まれたハイブリッドのボンベイは、それぞれの祖先の猫がかかりやすい疾患の傾向も受け継いでいます。
◆バーミーズから受け継いだ歯科系の疾患
バーミーズがかかりやすい疾患には、歯周病といった歯科系疾患が比較的起きやすいと言われています。
バーミーズは高齢になると歯石がたまりやすくなります。歯石が原因で歯根から入った菌が原因で臓器の疾患を引き起こすケースもあるのです。
猫は口の中を触られるのが大嫌いですので、歯磨きは難易度が高いですが子猫のうちから歯磨きを習慣にできるようにしておきたいですね。
◆アメリカンショートヘアから受け継いだ心臓疾患
さて、ボンベイのもう1つの祖先猫のアメリカンショートヘアには、肥大型心筋症という病気が多いと言われています。
多くは中高齢以降に発症しますが、稀に若いうちから発症するケースもあります。
肥大型心筋症は、心臓を覆う心筋が厚くなってしまい、心臓の部屋が狭くなることで全身に十分な血液を送り出すことができなってしまいます。症状としては、元気がないとなどですが、血流が悪くなることにより血栓ができやすくなります。
この病気が疑われたとき獣医さんから指摘されることは、血栓が血管に詰まってしまい後ろ足の麻痺が起こったり突然死する危険性です。びっこを引いている場合は、ためらわずに休診でも連絡をするようにアドバイスされるほど兆候があったら命の危険があるのです。
現在では、肥大型心筋症は薬で進行を遅らせることができます。アメリカンショートヘアの場合、かかりつけの獣医さんもさりげなく確認してくれていることもあります。
定期的にワクチン接種してもらっている獣医さんで、接種前の健康状態を確認しているときに早期発見できるケースもあるのです。
◆多くの猫に注意が必要な膀胱炎、下部尿路疾患
アメリカンショートヘアは大変膀胱炎にかかりやすい猫種です。なぜアメリカンショートヘアがかかりやすいのかはよくわかっていませんが、膀胱内の細菌が繁殖したり、尿結石が膀胱の粘膜を傷つけることなどで発症します。
ただそういった原因が特定できない場合もあります。
祖先猫のかかりやすい病気とは別に、ボンベイも多くの猫のように高齢になると心臓病や腎臓病のリスクが高まるので定期的な健康診断をするといいでしょう。
どんな人に向いている猫種?
◆はじめて猫を飼う人
短毛種のボンベイは、長毛種の猫たちとくらべてブラッシングなどのお手入れにはほとんど手がかかりません。ブラッシングやコーミングは、夏毛・冬毛の抜け替わりの時期を除けば、毎日しなくても大丈夫です。
そのため初めて猫ちゃんを飼う人にとってもそれほどお手入れの難易度は高くありません。
ボンベイはキレイ好きですので、自分で小まめに毛づくろいをする傾向があります。短毛ですので毛玉もできにくいです。
ただ、ボンベイ独特の艶のある被毛の美しさを維持したいのであれば、週に1回以上または、2日に1回程度ブラッシングするといいでしょう。
◆抱っこが好きで甘えてほしい人
ボンベイは抱っこ好きな子が多い猫種です。ツンデレ系の猫が多い中、甘え上手ですので猫とスキンシップをしたい方におすすめです。
◆一緒に遊びたい人
ボンベイは、アメリカンショートヘアの好奇心旺盛で活発な性質とバーミーズの優れた観察力を受け継いでいます。
運動好きなので、キャットタワーの一番上まで登って楽しんだり、飼い主さんと全力で猫じゃらし遊びをするのを好みます。
知能が高いため人の言うことをよく理解するため「取ってこい」ができるようになる子もいます。
自分の名前にも反応して、呼ばれると来るのもボンベイの特徴です。
◆一人暮らしや長時間家を空ける人、集合住宅に住んでいる人
ボンベイは飼い主さん一人に依存することはあまりなく、温厚な性格、鳴き声も小さいので長時間のお留守番や集合住宅での飼育に向いています。
まとめ
アメリカンショートヘアとバーミーズのハイブリット、人懐っこく、種別を超えて誰とでも仲良くできるボンベイ。日本ではまだ珍しいですが、抱っこが好きな子も多く体を触らせてくれる猫ですので、しっとりした毛並みの美しさは触っていて癒やされます。
コミュニケーションを取ることが大好きな猫なので、猫を構い倒して逆に嫌われてしまう傾向にあるお子さんのいる家でも大丈夫です。
集合住宅やはじめて猫を飼育したい方にもおすすめの猫です。
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