猫に落ち着きがないのはなぜ?考えられる原因と対処法をご紹介

2023.07.09

猫に落ち着きがないのはなぜ?考えられる原因と対処法をご紹介

猫が突然家の中でウロウロしたり、ソワソワと落ち着きがない様子を見せている時には、一体どのような原因があるのでしょうか。 何に対して不安や不満を抱いているのかが分からず、どのように接するべきか悩まれたことのある飼い主さんも多いかと思います。 落ち着きがない猫はどのような悩みを抱えていることが多いのか、病気の可能性はあるのかなど、原因とその対処法をご紹介します。

猫に落ち着きがない!考えられる原因とは

階段にいる猫

猫の性格は様々で、子猫の頃からクールな子もいれば、大人になってもやんちゃで落ち着きのない子もいます。

猫の落ち着きがない時、元々の性格からくる行動であれば大きな問題ありませんが、突然ウロウロすることが増えたり、ソワソワと落ち着きのない様子を見せることが増えた…という場合には注意が必要です。

猫は野生では単独行動をとる動物で、狩り場や自分の安心できるスペースとして自分の縄張りを持っています。
実は人間と暮らしている猫にも「縄張り意識」というものはあり、自由に過ごせる部屋全体を自分の縄張りと感じていると言われています。

その為、その縄張り内で急な変化があったり、なにかにストレスや不安を感じると落ち着きがなくなってしまうことがあります。

前述の通り、元の性格より落ち着きのない子もいますが、これから紹介するような外的要因である場合や猫自身に異変が起きている場合も考えられますので、飼い主さんは単純に愛猫が落ち着きない性格として片付けるのではなく、落ち着きがなくなってしまったきっかけを探り、真摯に愛猫と向き合っていくことが大切です。

それでは具体的にどのようなケースが考えられるのか、見ていきましょう。


ストレスや不安からくるソワソワ

こちらを覗いている猫

落ち着きがない状態が愛猫に続いているようであれば、日常生活の中でストレスや不安を抱えながら生活していることがうかがえます。

落ち着きがなく、常にソワソワしている状態が続くようであれば、何に対して不安やストレスを感じているのか、飼い主さん自身が探索し、改善に導いてあげることが一番です。

◆ソワソワする原因

猫が日常生活の中でストレスや不安を感じやすい原因は、以下のような理由が多いと言われています。

・引っ越しや部屋の模様替え
・フードの切り替えや使いづらい食器
・トイレが汚れている、使いづらい
・新しい家族が増える
・外猫(野良猫)が敷地内を出入りしている
・留守番をする時間が長い

環境の変化は猫に多大なストレスを与えます。
愛猫にとって部屋は唯一のテリトリー(縄張り)となっており、引っ越しや部屋の模様替えを行った際には、環境に順応できず落ち着きがなくなってしまうことがよくあります。

また、毎日の楽しみであるフードが切り替わったり、食器が使いづらい、ご飯を食べる場所に不満がある等の場合にもストレスに繋がり、ソワソワとした行動を見せることがあります。
他にも猫はキレイ好きであることから、トイレに関して不満がある場合もストレスを溜めやすい、という特徴もあります。

トイレの不満になりやすい点としては、「清潔が保たれていない」「猫砂が急に変わった」「トイレの設置場所が気に入らない」など。
これらがストレスの原因になり、ソワソワにつながってしまいます。

新しい家族(人間の赤ちゃん、新入りの猫、ほかの動物など)が増えたり、一軒家の場合は敷地内に外猫が頻繁に出入りすることや、独りの時間が多く留守番の時間が長かったりすると、蓄積されていくストレスから落ち着きがない状態が見られている可能性があると言えるでしょう。

◆考えられる病気

落ち着きがなく、ソワソワしている様子がうかがえる病気としては「分離不安症」が考えられます。

分離不安症は猫にとって唯一信頼できる飼い主さんと離れることにより、生じてしまう不安からくるストレス反応となるため、その気持ちから体調に異変を来たす状態を指します。

「独りが寂しい」「飼い主さんともっと一緒に居たい」といったレベルではなく、孤独を感じると不安になって吐き気がするほど、苦痛をともなう反応を示すようです。

深い愛着の対象となるのは特定の飼い主さんとなることが多く、このような感情を抱きやすい猫ちゃんは、早期に離乳をさせられた子や、過去に捨てられた経験がある子に多いとも言われています。

不安やストレスが強くなればなるほど落ち着きがなくなり、トラウマのような強い刺激が加わることによって、分離不安症特有の症状が現れるため、飼い主さんはその原因を追究して対処する必要があると言えるでしょう。

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◆対処法

愛猫が落ち着きのない状態でストレスや不安を抱え込んでいるようであれば、その原因を突き止め、早急に解消してあげることが望ましいと言えます。

飼い主さんと離れて不安になっているようなら、一緒に居る時間を増やしたり、1日の中で一緒に遊んだり、スキンシップを図る時間を増やしてあげてください。

どのような環境の変化が起きたとしても、飼い主さん自身が愛猫と真摯に向き合うことにより、時間がかかったとしても問題が少しずつ解決していくことがほとんどです。

愛猫の不安な気持ちに寄り添い、一番の理解者として一緒に生活をしていきましょう。


何かに興奮していてウロウロ

じっと見つめる猫

猫は何かに興奮することによって落ち着きがなくなり、家の中をウロウロと徘徊することもよくあります。

ストレスや不安といった感情とは異なり、一時的な気持ちで落ち着きがない場合が多いため、原因を追究することにより、落ち着きを取り戻してくれることがほとんどです。

◆ウロウロする原因

興奮して気持ちが落ち着かなくなると、じっとしていられずウロウロしてしまう心理は、私たち人間でも経験があるように、猫も同じような感情を抱くことが分かります。

・外の動物や虫を見て興奮する
・ご飯の時間が近付いて落ち着きがなくなる
・排泄後のトイレハイ
・エネルギーが有り余っている
・飼い主さんに構ってほしい

狩猟本能を持つ猫は窓の外を飛ぶ鳥や虫などを見つけると、「捕まえたい!」といった気持ちから落ち着きがなくなり、興奮してウロウロしだすことがよくあります。

体内時計が正確なことからも、ご飯の時間が近付いたタイミングや、おやつが貰えそうと察知したときに、欲しいといった心理から飼い主さんのそばでウロウロする子も多いようです。

また、排泄後にスッキリしたことからトイレハイになる子や、夜になると有り余ったエネルギーを発散させるかのように、いきなりスイッチが入って興奮する子も多いですよね。

自分が遊んだり構ったりしてほしいのに、飼い主さんが興味を示さないと、落ち着かなくなってウロウロしだす子も居るようです。

◆考えられる病気

猫が発症する病気の中で、興奮して落ち着きがなくなり、ウロウロしだすといった症状が現れる疾患も存在します。

甲状腺ホルモンが過剰に分泌する「甲状腺機能亢進症」や、加齢からくる「認知症」などが挙げられます。

「何もないのに鳴く」「目的もなくウロウロする」「落ち着きがない状態が続く」「攻撃的になる」などの症状が現れるため、一時的ではなく頻繁にそのような症状が現れているようであれば、迷わず動物病院を受診しましょう。

◆対処法

日常生活の中で興奮して一時的に落ち着きがないようであれば、何に対して興奮しているのか理解し、その気持ちに飼い主さんは応えるようにしてください。

狩猟本能や薄明薄暮性といった習性により、落ち着きがないようであれば、おもちゃを使って遊んであげるなどが、猫ちゃんにとっても嬉しい対処法となります。

原因の追究が難しく、毎日のように興奮して落ち気がない状態が続くようであれば、病気が原因の可能性が高いため、早急に動物病院で検査を行うようにしましょう。


痛みにより動き回ってしまう

下を見ている猫

猫は痛みを感じていても隠そうとし、じっと堪えて回復するまで待つといった習性を持っています。

このような習性を持つ子は多いですが、じっとできないほど痛みが辛く、痛みによって落ち着きがない状態が続くようであれば、飼い主さんはとても心配になってしまうことでしょう。

◆動き回る原因

日常生活の中で、痛みのきっかけになりやすい出来事は、以下の通りです。

・高い所から飛び降りて手足を痛めた
・爪が割れて痛みを感じている
・皮膚が炎症を起こしている

高い場所からジャンプをして着地に失敗したり、爪を引っ掛けてパックリと割れたり、何かしらのきっかけで皮膚に炎症ができたりすることは、どの猫ちゃんにも日常生活の中で起こり得る事故と言えます。

飼い主さんが触れようとすると執拗に嫌がる、症状のある部分を頻繁に舐めるなどの症状があるときは、強い痛みを感じてイライラしている証拠です。

痛みがあると落ち着きがなくなるだけでなく、食欲不振や次第に元気を消失していくため、早急の対処が必要と言えるでしょう。

◆考えられる病気

痛みを感じて落ち着きがなくなり、動き回る時間が多い猫ちゃんの場合は、泌尿器系の病気を患っている可能性があります。

「膀胱炎」「尿路結石」などの病気は、残尿感がある上に鋭い痛みをともなうため、上手に排泄ができないことにストレスを感じて落ち着きがなくなり、鳴きながら動き回ることが多いようです。

◆対処法

愛猫に辛い痛みがある様子がうかがえる場合は、その辛さを早急に解決してあげるためにも、できるだけ早く動物病院を受診してください。

私たちは鎮痛剤を飲んで一時的に痛みを凌ぐことができますが、猫は人間用の鎮痛剤を飲むことはできないため、適切な治療を受けて痛みを取り除いてあげることが一番です。


まとめ

猫が落ち着きないと、何が原因なのか、病気を患っているのかなど、不安な気持ちになってしまいますよね。

一言で落ち着きがないといっても、原因によって落ち着きのなさが若干異なってくるため、飼い主さんはしっかりと愛猫の様子を観察し、その要因を取り除いてあげなくてはいけません。

猫ちゃんにとって一番の理解者である飼い主さんだからこそ、原因の追究が可能となりますし、辛い状況を一緒に乗り越えていくことにより、さらに絆が深まっていくはずです。

そして、日ごろからストレスを溜めないような生活を意識し、愛猫が落ち着いて暮らしやすい環境を作っていきましょう。



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たぬ吉

たぬ吉

小学3年生のときから、常に猫と共に暮らす生活をしてきました。現在はメスのキジトラと暮らしています。3度の飯と同じぐらい、猫が大好きです。


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