1.猫はなぜペットボトルを怖がるのか
4.野良猫を寄せない対策3選
4-1.猫よけグッズを使用する
4-2.猫が入りづらい環境を作る
4-3.猫の苦手な香りを家の周りに置く
4-4.水を吹きかける
猫はなぜペットボトルを怖がるのか
水の入ったペットボトルを置くと、野良猫が近寄らなくなる、という説があります。実際、野良猫の多い地域では、一般家庭の玄関先、畑などに、水の入ったペットボトルが置かれていることがあるようです。皆さんの中にも、見たことがあるという方もいらっしゃるかもしれません。
では、猫がペットボトルを怖がるというのは、本当なのでしょうか?実は、この話には特に根拠はなく、都市伝説、迷信のようなものです。猫は、警戒心が強いため、初めて会う人や、見たことのない物体に対しては、すぐに近寄らず、少し距離をとって、時間をかけておそるおそる様子を伺うところがあります。そのような猫の性質から、水の入ったペットボトルを怖がっているように見えたのかもしれませんね。
猫よけペットボトルの効果はない
猫にとって、水の入ったペットボトルは、初めは「珍しい未知の物体」であることでしょう。初めは、多少驚いたり、怖がって近寄ることを避けたりするかもしれません。しかし、慣れてきて、危険な物ではないことがわかると、特に気にしなくなるでしょう。このようになってしまうと、もはやペットボトルの効果があると言えるかどうかは疑問です。
ペットボトルを置くことのリスクもある
水の入ったペットボトルを屋外に置く前に、様々なリスクについて知っておきましょう。
まず、中に入れた水が劣化、腐敗するリスクです。特に夏場は、気温が高いため、頻繁に水を替えないと、水が腐敗してしまう可能性があります。ペットボトルが破損して、周りに汚い水が流れ出てしまったら、とても不衛生ですし、景観の面でも好ましくありませんよね。
また、強風でペットボトルが倒れてしまい、道路に転がると、自動車や自転車などの事故の原因になることもあるでしょう。
また、あまり知られていませんが、水の入ったペットボトルで、火災が起こる危険もあるそうです。屋外に設置した水の入ったペットボトルが、レンズのような役割をして、太陽光の光と熱を集めてしまい、火災が発生し、外壁が燃えてしまったという事例が、過去にありました。
水を入れたペットボトルを用いて、猫よけを行う際には、このように様々なリスクがあるということを考慮しておく必要があると言えます。
野良猫を寄せない対策3選
猫好きの方は、道で野良猫を見かけるとつい嬉しくなってしまうものですよね。「猫を寄せ付けない対策」なんて、猫が可哀想…と思ってしまうかもしれません。
その一方で、実際に野良猫による深刻な被害に困っていらっしゃる方がいることも、また事実です。具体的には、無責任な餌やりによって、近隣の住民が糞尿の被害を受けたり、庭の植物や畑の作物が荒らされたり、大切な住居や車に爪とぎをされて、傷を付けられてしまう、などです。実際にこういった相談が、市役所、保健所などに寄せられている地域もあるようです。 現代の猫は、昔とは異なり、室内飼いが一般的になり、法律でも室内飼育に努めることが推奨されています。しかし、ごく一部には、まだ放し飼いをしている方もいるのが現実です。猫は犬のような登録制がなく、飼い猫と野良猫を区別できる方法もありません。このような事情などから、役所のような公的機関が、野良猫を捕獲することは難しいそうです。
こういった現状を踏まえると、野良猫の被害に困っている方が、野良猫を近寄らせないために、自らの工夫で「猫よけ対策」をしなければ、と思うのも、やむを得ないことでしょう。
では、野良猫を近づけないためにはどのような方法があるのでしょうか。水の入ったペットボトルを置く以外には、どんな方法があるのかを調べてみました。
◆猫よけグッズを使用する
センサーで猫を感知し、猫が苦手な超音波を出して、追い払う機器があります。ご自身で購入して設置する他、一部の自治体では、住民からの申請により、貸し出しに対応していることもあるようです。
その他には、センサー付きの防犯ブザーなどもあります。猫が通過するときに音が出ると、猫が警戒して近寄らなくなるという効果があります。
◆猫が入りづらい環境を作る
猫は、体が柔らかく、狭い隙間でも比較的簡単に、通り抜けることができます。ですから、猫の侵入しやすい場所を塞ぎ、隙間を作らないようにすると、一定の効果があると言えます。
ホームセンターや、園芸店などでは、猫よけ用のトゲトゲのついたシートなどが販売されています。状況によっては、このようなグッズを試してみるのもよいでしょう。
◆猫の苦手な香りを家の周りに置く
猫の苦手な香りや、刺激性によって、猫を近づけにくくするという方法もあります。
トゲのある植物や、香りの強い植物を植えると、猫が近寄りにくくなるという報告もあります。市販の猫除けスプレーや、独特の匂いがする木酢液(もくさくえき)や竹酢液(ちくさくえき)、水で10倍程度に薄めた酢などを撒くという方法も、知られているようです。ただし、臭いが強かったり、色が付いてしまったりということもあるようですし、植物や住宅の外壁などに有害な成分を含んでいることもあります。また、効果の持続時間が短いものもあります。購入する前に、色々と調べてからの方が安心だと思います。
◆水を吹きかける
水を吹きかけることで、猫を追い払うという方法もあるそうです。
これは本当にかわいそうなので、猫のことを考えると、決しておすすめしたい方法ではありませんが、地面に向かって水を撒くと、猫はびっくりして離れて行ってくれるかもしれません。猫は愛護動物で、虐待は法律で禁止されていますので、猫に直接水をかけるようなことは、避けた方がよいでしょう。
野良猫への無責任な餌やりは控えよう
野良猫による被害をこれ以上増やさないため、屋外で生活する野良猫への、「無責任な餌やり」は控えましょう。
「無責任な餌やり」とは、地域猫活動や保護猫活動などの、きちんと管理された餌やり以外のものを言います。例えば、旅行でその地域を訪れた方や、一般の住民の方が、屋外で生活する、不妊・去勢手術のされていない野良猫に対して、「猫がかわいそうだから」とか「餌を食べている様子が可愛らしいから」などという理由で、興味本位で、餌やりだけを行う事例のことです。このような餌やりの結果、猫の数が増えてしまい、餌の食べ残しや、糞尿によって、地域環境の悪化を助長してしまう恐れがあります。
また、無責任な餌やりが、ボランティアの方による保護活動の妨げになっている場合もあるようです。一般的に、猫の保護・譲渡を行う団体では、不妊・去勢手術のされていない野良猫を捕獲し、病院に連れて行って手術をさせた後、新しい飼い主のもとに譲渡する活動をされています(本業のお仕事や家事の合間を縫って、無報酬のボランティアで行っている方がほとんどです)。
しかし、第三者からの無責任な餌やりによって、野良猫の捕獲が困難になり、その結果、不妊・去勢手術が遅れ、次々と新しい猫が生まれてしまい、地域環境の悪化や、野良猫による被害がますます拡大してしまう…という残念なケースもあるようです。
猫が「可愛い」と思う気持ち自体を、否定するものではありませんが、不幸な猫や、困っている方々への被害を増やすような行動は、慎むようにしたいものです。
まとめ
「水の入ったペットボトルは猫除けになる」というのは、根拠がなく、都市伝説のようなものです。猫は初めて見る物に対して、警戒心を示すため、初めのうちは効果があるかもしれませんが、慣れると効果はなくなるでしょう。水の入ったペットボトルを置くことは、あまり効果があるとは言えませんし、様々なリスクがあるため、おすすめできる方法ではありません。他に、猫を近寄らせない方法としては、猫除けグッズを設置する、猫が苦手な香りを置く、などがあるようです。野良猫の被害で困っている場合は、これらの方法を検討してみるのもよいかもしれません。また、野良猫による被害をこれ以上増やさないために、私達一人ひとりが、「無責任な餌やり」は控えるということも大切です。
この記事が「猫よけのペットボトルの効果が知りたい」「野良猫を寄せ付けたくないので対策がしたい」と考えている方の参考になればと思います。
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