1.猫にニンニクはNG!その理由とは
1-1.ニンニクに含まれる成分
1-2.理由①中毒症状を引き起こす
1-3.理由②ニオイも苦手
猫にニンニクはNG!その理由とは
とても栄養価の高いニンニクですが、基本的には猫には与えてはいけません。
それではなぜ猫にはニンニクを与えてはいけないのか、ニンニクに含まれる成分と共にその理由を見ていきましょう。。
◆ニンニクに含まれる成分
ニンニクはヒガンバナ科ネギ属の多年草となり、滋養強壮効果があると言われるほど、私たち人間にとって欠かすことのできない野菜となりますよね。
そして、料理の際には香りづけでなく、旨味もプラスしてくれるといった万能食材となります。
それもそのはず、ニンニクには旨味成分となる「グルタミン酸」が含まれており、その含有量は野菜の中でもトップクラスと言われていることをご存知でしょうか。
このグルタミン酸が含有されていることにより、どんな料理に使用しても味を引き立ててくれるといった、ニンニクならではの効果を発揮します。
ニンニクは水分が60%以上を占めるものの、ビタミンB1、アリシン、ビタミンB6、リン、カリウムなどの栄養素が含まれており、色々な効果が期待できるといった、万能食材と言って良いでしょう。
私たち人間にとっては健康食になり、以下のような効果が得られることでも知られています。
ざっと効果を挙げただけでも、これだけポテンシャルの高いニンニクですから、当然猫にも食べさせたいと考える方もいらっしゃることでしょう。
こんなにも栄養価の高い食材なのに、なぜ猫には与えてはいけないのでしょうか。
◆理由①中毒症状を引き起こす
ネギ類の野菜は栄養価が高いことで知られており、普段から喫食(食事を楽しみながら美味しく食べること)をしている方が多いですよね。
しかし、猫や犬などの動物が同じようにネギ属の野菜を口にしたとき、中毒症状を引き起こす「たまねぎ中毒」といった、食中毒が存在することをご存知でしょうか。
このたまねぎ中毒は、ネギ属の野菜を過剰摂取することによって引き起こされるため、ネギ属に分類されるニンニクも例外ではありません。
玉ねぎ中毒を引き起こす要因は、ニンニクに含まれている「アリルプロピルジスルフィド」が原因とされていましたが、研究が進むにつれて「有機チオ硫酸化合物」と呼ばれる物質が原因であることが判明しました。
猫はこの有機チオ硫酸化合物を、消化する酵素を体内に保有していない上に、赤血球に含まれるヘモグロビン(赤血球に含まれる赤色素たんぱく質)を酸化させ、溶血性貧血を引き起こします。
ヘモグロビンが酸化することにより、「ハインツ小体(しょうたい)」と呼ばれる病変が赤血球内に作られたのちに、血管内で破裂しやすくなり、赤血球の減少が繰り返されていくにつれて、貧血(溶血性貧血やハインツ小体性貧血)が起こるといった仕組みです。
中毒症状は貧血だけでなく、下痢や嘔吐、食欲不振、血尿、けいれんなどの症状が見られるため、ニンニクを誤って口にしたあとに、これらの症状が確認された場合には、早急に動物病院を受診するようにしてください。
私たち人間が口にすることでさまざまな効果を得られるニンニクですが、猫にとっては重症化すれば命の危険をともなう貧血を患う可能性もあるため、どのような場合であっても、猫にニンニクは食べさせないようにしましょう。
◆理由②ニオイも苦手
猫はニオイにも敏感な動物のため、ニンニクの独特なニオイが苦手な猫ちゃんは多いようです。
ニンニクのニオイ成分は「アリシン」と呼ばれており、抗菌作用が期待できる物質によるものとなりますが、熱を加えることでニオイが弱まります。
だからといって加熱したニンニクや、ニンニクが使用された料理(餃子やハンバーグなど)を猫に与えて良いわけではないため、いかなる場合も猫に与えることは止めてください。
もともと猫は完全な肉食動物となり、野生で生きていた時代には単独で狩りを行っていたため、強い香りのする食べ物は狩りの邪魔になることからも、本能的に嫌う傾向が強いと言われています。
現代の猫たちにもこのような本能が受け継がれており、ニンニクを使った料理(焼肉やラーメンなど)を飼い主さんが食べたあとには、口臭を嫌がって近づかない猫ちゃんも居るようです。
愛猫に不快な思いをさせないためにも、ニンニクを使った料理を作る際や食べたあとには、しっかり手を洗ってキッチンにニオイが残らないようにする、食後は口臭ケアをするなどを徹底するようにしましょう。
猫がニンニクを食べてしまったら
どんなに愛猫からニンニクを遠ざけていたとしても、ニンニクはさまざまな料理にも使われていますし、何かしらのきっかけで口にしてしまうことがあるかもしれません。
もし誤って口にした場合でも、飼い主さん自身が落ち着いて行動するために、致死量なども知っておきたいところですよね。
人は毎日ニンニクを摂取する場合、1日1~2粒程度が適量と言われていますが、猫はどれぐらい摂取すると致死量になってしまうのでしょうか。
◆ニンニクの致死量
ニンニクは個体差も大きくグラム数も異なりますが、大体で5g前後と言われています。
中毒症状を引き起こすには、体重の0.5%以上のニンニクを一度に摂取した場合に認められ、猫の体重1kgにつき15~20g程度を摂取することによって、中毒症状に値すると言われているようです。
そう考えると相当量のニンニクを摂取しなければ、中毒症状が出ないことが分かりますが、猫は感受性が高い動物となり、一般的な基準よりも少量を摂取した場合であっても、血液検査で重要な異常が認められる可能性も否めません。
また、年齢や体調などの個体差でも大きく左右するため、一概にたくさん食べていないから大丈夫といった考えは大変危険です。
中毒症状はすぐに出ない場合も多く、数時間後や翌日にさまざまな症状が出始めることもあるため、ニンニクを誤食した際には必ず経過の観察をし、症状の有無に関わらず動物病院を早めに受診するようにしましょう。
◆猫の誤飲を防ぐためにできることとは
猫が誤ってニンニクを口にしないためにも、ニンニクを扱う際やニンニクの入った料理を食べるときには、愛猫を近づけさせないことが一番です。
飼い主さんがキッチンで料理をするときは、キッチンに猫が入れないような工夫をしてください。
ケージに入れる、別の部屋に連れていくなども効果的です。
ニンニク入りの料理を食べるときには、食事の時間を猫と一緒にすることも有効的ですし、食べたあとは速やかに片付けるようにし、食器を舐められないようにする必要があります。
食事中に隔離ができずにどうしても横取りされそうなときには、料理するときと同じように、ケージなどを上手に活用してみましょう。
ニンニクは猫のノミ・ダニ対策にいいって本当?
猫にニンニクを与えることはNGですが、猫にも嬉しい効果があるとも言われています。
ニンニクは体内の解毒や洗浄効果が高い上に、血液、皮膚を強くして正常に保つ効果もあるため、厄介な寄生虫のダニやノミにも効果を発揮してくれるようです。
このようなことから、ニンニクを使用した犬猫用のサプリメントが開発されており、使用していくにつれてダニやノミがつきにくい体質へと改善されていきます。
もちろん、猫に害のある成分は取り除かれて加工されているため、
安心して使用できることが嬉しいですよね。
購入して与える際には使用上の注意点をしっかりと守り、安全に与えてあげるようにしましょう。
まとめ
ニンニクはとても身近な食材となりますが、滋養強壮効果や疲労回復効果が期待できるため、免疫力を高めるためにも日常的に摂取されている方も多いですよね。
栄養満点な食べ物であることからも、愛猫に食べさせたいと考える飼い主さんは、多くいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、ニンニクには猫にとって有毒な成分も含まれているため、絶対に与えてはいけません。
致死量に達する量でなかったとしても、ニンニクの刺激は強く、個体によっては少量であっても反応を示す子も居るため、いかなる場合でも食べさせたり、誤飲させたりするようなことは避けるべきと言えます。
万が一口にしてしまった場合には、症状が出ていても出ていなくても動物病院を受診するようにし、適切な治療を受けるようにしましょう。
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