1.猫の柄は様々な種類がある
2.猫の珍しい柄①麦わら
3.猫の珍しい柄②特徴的な模様
4.猫の珍しい柄③三毛
5.猫の珍しい色
5.クリーム色
5.猫の柄はどうやって決まる?
5.柄は遺伝によって決まる
5.毛色は年齢によって変わる場合も
5.まとめ
猫の柄は様々な種類がある
猫は世界中で愛される動物となり、さまざまな品種が存在しています。
純血種とされる猫を登録(血統書を発行)している団体もいくつかあり、団体によっても公認している純血種の数は異なりますが、60種前後の品種が登録されているようです。
非公認の猫種も合わせると猫の品種は100種以上存在するとも言われていて、いかにたくさんの猫たちがこの世に存在しているかがうかがえますよね。
純血種だけでもこれだけの種類が存在していますが、今回ご紹介したいのは珍しい柄を持った猫となります。
とくに日本ではMIXと呼ばれる雑種の猫が馴染み深いですが、「日本猫」とも呼ばれており、海外でも高い人気を博しているようです。
海外のみならず日本でも愛されているMIXの猫ちゃんは、千差万別と言われているほど、一匹たりとも同じ柄や模様を持った猫ちゃんは存在していません。
色の出方や柄の出方によって模様が変わるのはもちろん、生まれ持った性格も異なるため、どの猫ちゃんも唯一無二の存在と言えますよね。
そして、そんなバラエティに富んだ猫の柄の中には、非常に珍しいとされている柄も存在しているため、どんな珍しい柄なのかをまずは見ていきましょう。
猫の珍しい柄①麦わら
サビ猫のように見えてキジトラ猫にも見える、そんな珍しい柄を持つのが「麦わら」の猫ちゃんです。
英語では「ブラウンタッチドタビー」と呼ばれており、その名の通り茶色(ブラウン)と縞模様(タビー)を縫い合わせて(パッチ)作られたという意味を持ちます。
麦わら猫は黒と茶色の被毛が基本となり、そこにオレンジ色を帯びた縞模様の柄を持っていることから、サビ猫のようにもキジトラ猫のようにも見えるようです。
キジトラ猫はこげ茶の被毛に黒い縞模様を持ちますが、オレンジ色の被毛は混ざっていないため、陰影が強くはっきりとした柄といった印象が強いですよね。
サビ猫の場合は黒とオレンジ色の被毛を持っているため、麦わら猫とよく似ていますが、縞模様の柄が出ていないので違いは一目瞭然です。
また、麦わら猫は縞模様の遺伝子を持っていることから、目や口周辺が白く、耳の縁には色がつかないといった特徴があります。
遺伝子と性染色体の組み合わせにより、麦わら猫は高確率でメス猫が生まれてくることからも、珍しい柄の猫と言われる所以となっているのでしょう。
猫の珍しい柄②特徴的な模様
猫の柄は9つのカラー遺伝子によって決まりますが、どんな毛色や柄を持っているかは生まれてくるまで分かりません。
基本的には両親から受け継いだ遺伝子によって毛色や柄が決まるのですが、カラー遺伝子には優性と劣性があり、合わせて18種類の遺伝子の中から、1つずつの遺伝子を両親から受け継いで、子猫の毛色のみならず柄が決まっていくといった仕組みです。
有名な珍しい柄でいうとシャム猫のようなポインテッド柄ですが、カラー遺伝子の中の「C(カラーポイント)」に分類されており、遺伝の際に「Cs(サイアミーズ)」といった遺伝子を受け継ぐことにより、あのような珍しい柄が生まれてきます。
このように猫の柄は単純な仕組みで決まっているわけではないため、見たことのないような珍しい柄の猫が誕生したとしても不思議ではありませんよね。
稀に特徴的な模様を持って生まれてくる子もいますが、その模様も一つ一つが異なり、珍しい柄として認識されることがあるようです。
ちょびヒゲの猫ちゃんはよく見かけますが、その模様も出方によっては珍しさが倍増しますし、眉毛や前髪があるように見える猫ちゃんも珍しいですよね。
身体の模様の中に別の模様(ハートや猫の模様など)を持つ子や、マスクを被っているような模様の子、顔半分がまったく別の模様をしている子など様々です。
猫の珍しい柄③三毛
日本では比較的目にする機会の多い「三毛」は、世界的にみると珍しい猫として認識されていることをご存じでしょうか。
三毛猫はその名の通り3つの毛色(白・黒・茶)を持っており、カラー遺伝子の「O(オレンジ)」といった遺伝子を受け継ぎますが、三毛特有の3色の毛色を実現するためには、性染色体が「XX」ではいけないという必須条件が必要となってきます。
この「XX」はメス猫を指し、「XY」はオス猫指しますが、三毛猫のオス猫は希少価値が高いとされているのは、このような理由からきていることが考えられますよね。
三毛猫の場合、確実に「優性遺伝子O」と「劣性遺伝子o」をそれぞれ受け継がなくてはいけない上に、性染色体が「X」でなければ「O」か「o」の遺伝子は受け継げないため、必然的にオス猫が三毛の3色の被毛を持って生まれることは不可能となります。
三毛猫のオスが生まれる確率は30,000分の1とも言われていて、稀にX染色体の数が多い「クラインフェルター症候群」といった個体が生まれることがあり、この条件が揃った場合のみオスの三毛猫が誕生します。
麦わら猫も三毛猫と同じようにほとんどがメス猫となるため、カラー遺伝子と性染色体の組み合わせが深く関わっていることが分かりますよね。
猫の珍しい色
猫には珍しい模様や柄だけでなく、珍しい色を持った個体も存在します。
◆クリーム色
たくさんの毛色を持つ猫でも、とくに珍しいと言われているのが、クリーム色の被毛を持つ猫となります。
クリーム色といった被毛を持つ猫種の中には、「ロシアンブルー」「ペルシャ」「ブリティッシュショートヘア」など様々です。
もちろん日本猫といったMIXにもクリーム色の猫が存在するため、条件さえ揃えばクリーム色の被毛を持った猫ちゃんが生まれてきます。
クリーム色の被毛をした猫が生まれてくるためには、カラー遺伝子の「D(ダイリュート)」が大きく関係してきます。
ダイリュートには「薄める」といった意味があり、必ず両親から劣性の「d遺伝子」を受け継がなければ、クリーム色の子猫は生まれてきません。
「dd遺伝子」を持たなければ被毛がクリーム色にならないことからも、出現率が低いと言われている所以となっているようです。
猫の柄はどうやって決まる?
猫の柄はところどころ前述している通り、カラー遺伝子と性染色体の組み合わせによって決まります。
両親が生まれ持った遺伝子を、どのように受け継ぐかによって色や柄が決まりますが、両親とはまったく異なる柄を持って生まれてくることもあるため、このような部分も猫の不思議な魅力と言えるのではないでしょうか。
◆柄は遺伝によって決まる
猫の毛色を決めるカラー遺伝子は、基本の9種類から構成され、優性や劣性だけでなく亜種などに細分化されています。
9種類のカラー遺伝子は、以下の通りとなります。
・O(オレンジ・ブラウン)
・A(アグーチ)
・B(ブラック)
・C(カラーポイント)
・T(タビー)
・I(インヒビター)
・D(ダイリュート)
・S(スポッティング)
そして、猫が持って生まれる毛色(身体のベースの色)は、以下の8種類に分類されています。
・黒
・グレー
・茶トラ
・キジトラ
・サバトラ
・三毛
・サビ
柄は、大きく分けて4種類となっています。
・白混ざり
・トビ柄(少ない柄)
・薄模様
遺伝子情報によってこれらの条件が複雑に関わり合い、新たな命が誕生します。
猫の柄は大まかに分けると24種類とされてはいますが、実際には細かく分類できないとも言われているため、猫の柄は千差万別で唯一無二と言われることが多いことにも納得です。
◆毛色は年齢によって変わる場合も
猫の毛色は生涯同じ色で居続けるわけではなく、年齢によって変わっていく場合もあります。
人間は加齢によって白髪が増えてきますが、猫の場合も老化によって白い被毛が生えてくるため、濃い毛色の猫ちゃんの場合は白い被毛が目立つようになり、全体的に被毛の色が薄くなったと感じられることがあるようです。
また、紫外線の影響や栄養が不足することによって色味が変わるケースもありますが、病気によっても毛色が変わる場合もあります。
「尋常性白斑(尋常性白斑)」といった皮膚疾患をわずらうと、被毛の脱色が起こるため、身体全体の被毛に脱色部分が目立つようになります。
とくに黒猫が発症した場合は、白黒のまだら模様となるため、珍しい柄として認識されることも多いようです。
まとめ
今回は猫の珍しい柄について、まとめさせていただきました。
猫の毛色や柄は数ある条件の中から決まっていくこともあり、生まれてくる子猫たちは唯一無二の毛皮を羽織って誕生します。
一般的に猫の毛柄は背中の上からソースを垂らしたように、色が着いていくといった法則があり、お腹にかけて毛色が薄くなっている子がほとんどです。
このような法則がある上で生まれ持った被毛は、どんな柄であっても美しく、特別感のある毛皮となっています。
遺伝子や性染色体の組み合わせ、毛柄の法則を知った上で猫を観察してみると、新たな発見があるかもしれませんよ。
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