1.猫もまばたきをする?
1-1.猫はあまりまばたきをしない
1-2.まばたきの回数が少なくても平気な理由
1-3.猫のまばたきはアイコンタクト
2.猫の「ゆっくりまばたき」とは
2-1.愛情表現以外の場合もある?
2-2.じーっと見つめ返すのはNG
猫もまばたきをする?
猫には頻繁にまばたきをしているといったイメージはありませんが、実際には回数が少ないけれど、しっかりとまばたきをしています。
しかし、普段からまばたきの回数が少ないために、まばたきをしている瞬間を目撃できる機会も少なく、「猫はまばたきをしない」といったイメージが先行しているのかもしれません。
◆猫はあまりまばたきをしない
動物の中でも猫はまばたきの回数が少なく、人間が1分間のうちに20回ほどまばたきをするのに対して、猫は3回程度と言われています。
しかし、長い時間目を開いていると乾燥が気になりますし、光の影響で目が疲れないか、ゴミなどが入って傷がつかないかなど、心配になってしまう方も多いのではないでしょうか。
もちろん状況によってまばたきの回数は変化しますが、猫はあまりまばたきをしなくても平気と言われているのには、以下のような理由があると考えられています。
◆まばたきの回数が少なくても平気な理由
猫のまばたきの回数が少ない理由はいくつかありますが、まずは猫の習性が挙げられます。
猫は群れを作らず単独で行動する動物となり、自分で獲物を捕らえて飢えを凌ぐといった生活をしますが、獲物を狙う際には集中力を高めるためにも、ほとんどまばたきはしません。
また、猫同士が相対したときにも、相手の様子を伺いつつ攻撃されないように、まばたきをしなくなる傾向があるようです。
このように緊張感が高まっているときでも、動体視力が優れている猫は獲物や敵の動きを見過ごさないように、極力まばたきをせずに集中しているとも言えるでしょう。
動体視力が優れている反面、静止視力が悪く、重要視していない動物となる猫は、動かない物を見るときにまばたきをしてピントを合わせる必要もないため、普段からまばたきの回数が少ないとも考えられているようです。
ほかにも、人間を含んだ霊長類は退化して持ち合わせていない、「第三眼瞼(だいさんがんけん)」と呼ばれる第三のまぶたを猫は保有しており、別の名でその器官を「瞬膜(しゅんまく)」と呼んでいます。
第三眼瞼の涙腺から分泌される涙は全体で30~50%を生産しているとも言われており、このまぶたのおかげで常に涙の量が多くなっているため、1回まばたきをするだけで目の表面がしばらく潤うようになっています。
猫がまばたきをするたびに第三眼瞼がワイパーのように目を覆い、目の表面に涙を行き渡らせるだけでなく、ほこりなどのゴミを除去し、涙の蒸発を防ぐために油分を目に馴染ませる働きなどを担っていることにより、まばたきが少なくても目が乾かないと言われているようです。
◆猫のまばたきはアイコンタクト
まばたきは目を乾燥から守り、物をクリアに見るための手段といえますが、猫にとってはそれらの役割が優先的ではないことが分かりました。
猫にとってまばたきは「アイコンタクト」といった役割が大きいと考えられています。
猫はもともと鳴き声でコミュニケーションをとる動物ではないため、アイコンタクトは意思疎通をする上で重要な役割を担っています。
「目を反らす」「目をじっと見つめる」などの仕草によって、相手の感情を汲み取っているため、猫にとってまばたきは重要なコミュニケーション手段と言えるでしょう。
猫の「ゆっくりまばたき」とは
猫のアイコンタクトといった役割を担うまばたきですが、じっと見つめられたあとにゆっくりまばたきをされることがあります。
このようにゆっくりまばたきを猫がするときは「愛情表現」の一つと言われています。
猫にとって目が合うことは「敵意」を意味しますが、目が合ってなおゆっくりとまばたきをしてくれるときは、相手を信頼している証拠です。
まばたきだけでなく、目を細めているときも同じように愛情を示してくれているため、愛猫がこのような仕草を見せてくれたときは、飼い主さんも同じようにゆっくりとまばたきをして「大好きだよ」といった気持ちを伝えてあげましょう。
◆愛情表現以外の場合もある?
猫のゆっくりまばたきは愛情表現の意味がある一方で、別の表現として使われることもあります。
まばたきはアイコンタクトといった役割を担っているため、眠いときなどに飼い主さんが愛猫に近づいたり名前を呼んだりしたときに、少し面倒臭そうにしながらゆっくりとまばたきをしてお返事をしてくれることがあります。
もちろん信頼している相手だからこそ、このようなアイコンタクトをしてくれるため、どんな理由であってもゆっくりまばたきをしてくれるときは、猫ちゃんなりに親愛を表現してくれているのではないでしょうか。
◆じーっと見つめ返すのはNG
愛猫が愛情表現となるゆっくりまばたきをしてきてくれたからといって、そのままじーっと見つめ返すことはNGです。
まばたきをせずじーっと見られることは猫にとって、敵意的な意味合いが強いため、警戒されてしまう可能性も否めません。
もちろん、猫ちゃんの中には飼い主さんのことを信頼しきっていて、じーっと見つめられても平気な子も居ますが、ゆっくりなまばたきに対してはゆっくりなまばたきで返してあげる方が、より飼い主さんの愛情も伝わりやすいはずです。
猫の異常なまばたき
さまざまな役割を担っている猫のまばたきですが、以下のようなまばたきをしていた際には、目に異常を来たしている可能性があるため注意が必要です。
◆頻繁にまばたきをしている
まばたきの回数が少ない猫が頻繁にまばたきをしているときは、猫の目に何かしらの異常が生じている可能性があります。
明らかに普段よりまばたきの回数が多いと感じたときは、しっかりと愛猫の目を観察し、まばたきが増える以外の異変はないかの確認をしてあげてください。
猫にとって目は生活する上で重要な感覚器官となるため、少し様子を見ても回復の兆しが見られないようであれば、動物病院を受診して症状に合った治療をしてもらうようにしましょう。
◆片目でまばたきをしている
猫の異常なまばたきは両目ではなく、片目に症状が現れることがほとんどのため、やたらと片目を前足でこすっている場合や、片目が涙目だったり上手に開けなかったりしている様子などが見られれば、何かしらの異常が生じている証拠です。
猫が片目でまばたきしているときには、以下のような状態や病気の可能性があるため、注意が必要となります。
・異物の混入
・結膜炎
・角膜炎
・緑内障
・逆さまつげ
・眼瞼炎
・眼瞼内反症
日常生活の中で、もっとも気を付けておくべき状態が、目の中への異物混入となります。
猫は被毛がよく抜ける動物ですし、床との距離が人間よりも近いため、床に溜まっているホコリなどのゴミが目に入りやすく、それらの異物が原因となって目の表面が傷つき、違和感や痛みから頻繁にまばたきをするようになっていきます。
第三眼瞼の働きによって異物がうまく除去できれば問題ありませんが、結膜に傷がついて炎症を起こしてしまえば結膜炎といった病気を発症しやすくなるだけでなく、目を覆う角膜に傷がつけば角膜炎を発症しかねません。
また、緑内障を発症した際には眼圧が亢進(急激に上がること)し、目に強い痛みを伴うためにまばたきが多くなるようになります。
そのほかには逆さまつげなどが原因となって、目のふち(まぶた)となる眼瞼に炎症が起きる眼瞼炎や、先天的な要因でまぶたが内側に反ってしまう眼瞼内反症などの病気により、まばたきの回数が多くなることもあるようです。
まとめ
猫はあまりまばたきをしない動物としても知られていますが、もともとの習性だけでなく、まばたきをたくさんしなくても身体の構造的に問題がないため、必要最低限で済むことが分かりました。
私たち人間は目を疲れさせないためや乾燥させないために、パチパチとまばたきをするのに対して、猫は1分間のうちに平均で3回程度しかまばたきをしないようです。
猫にとってのまばたきはアイコンタクトとしての役割が強く、信頼を寄せている相手に対しては、敢えてまばたきをして自分の気持ちを伝えようとするなど、猫の繊細な気持ちをまばたきによって感じられることが嬉しく思いますよね。
この愛しい習性を優しく見守りたいところですが、もし頻繁にまばたきをすることがあれば、病気などを疑わなくてはいけないため、日常的に愛猫のまばたきに異常がないかの観察をしておかなくてはいけません。
愛猫の些細なサインを見逃さないためにも、日頃からスキンシップやコミュニケーションをとるようにし、気持ちを汲み取りながら友好的にまばたきにはまばたきを返してあげるようにしましょう。
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