原作(漫画)を映画化する際に苦労した点は?
原作が4コマ、8コマで形成されていて、難しかったのでは?というふうに聞かれますが、「猫なんかよんでもこない。」は作者の実話から、日常を描いた話でもあるので映画化することに難しい事はあまり感じなかったです。
「猫なんかよんでもこない。」を知ったきっかけは?
プロデューサーからこんな漫画あるんだけどと紹介され、夢を諦めて、猫と暮らす何もない男が漫画家になる話が漫画の1巻にほとんど書かれていまして…物語として素敵なものが出来ると感じ「これはもう映画にしたくなる!映画化しよう!」と確信しました。
「猫なんかよんでもこない。」は物語として素敵で、ペットペットしていない所や愛玩動物の可愛い可愛いではない、いきものと暮らしていくと言う大変さを4コマなのにちゃんと描かれているなぁ~と思いましたね。
いきものは、病気もしますし、自分が疲れている時も構わないといけませんし、いろんな環境を綺麗に描くことで何かを有耶無耶にするのではなく、そうゆう事をおのおのひっくるめて一緒に暮らしているという事、だからこそいきものは可愛らしいと思いますね!
気まぐれな猫を撮影するのは難しいと思いますが、撮影で苦労した点は?
もお、全部です(笑)
私(監督)も猫と暮らしてるので、現場はこんな風になるかぁ~っと、高をくくっていました。
なんとかなる気がしたし、きっと出演する猫達にも気持ちが通じると思ってました。
なので、台本もあえて難しい所は切らずに撮影に望みましたね。きっと気持ちが伝わる!どっかでなんとかなる!と思いながら撮影に臨みました。
実際は・・・?
撮影を始めた時は、全く言うことを聞いてくれませんでしたね(笑)
相手は子猫なんで、カメラを構えてもその場には居ないし、5秒じっとしていられないし。2匹一緒に撮るのなんて、凄まじく難しかった。とほうにくれましたよ。(笑)
しかし、初心に返りましたよ。撮影してる時、猫達を型にはめ込もうとし過ぎてるなと感じました。猫に寄り添わないといい表情が撮れない。
寄り添わないとイケないんだなと感じました。
映画を作る時に最初にキメてた事がありまして、猫の好きな人がたくさん見る映画だからちょっとでも緊張してたり、何かやらされてる表情が写ったら猫の好きな人はしらけてしまう。
自然な顔を撮りたい!しっぽの感じや耳の感じなど・・・
もっともっと、猫達に寄り添わないと!と撮影しながら方向修正を行いましたね。全部猫合わせでしたね!(笑)
例えばお腹すいたらごはんのシーン、寝たら寝てるシーンとみんなで猫に合わせていました。
役者さん、スタッフさんみんな大変だったと思いますよ。
なので、猫達が突然こんなことはじめた!となったら、その日に行わない先のシーンをスタッフ総出で準備して、、ってドタバタな撮影だったよ(笑)
他にも、自然な表情を撮り続けるために、どんな事を猫がはじめても取材を一切やめない、私(監督)がカットというまで芝居を続けて下さいと役者さん達にお願いしていましたね。
ほんとに猫に振り回されてた撮影でしたよ(笑)
好き勝手やりやがって!可愛いなこんやろー!!!
なんて思いながら撮影してました・・・猫の魅力には勝てなかったですね~(笑)
私(監督)元々、犬と暮らしていたんですよ。
犬は可愛いけど、ずっと一緒に遊んであげないと、かまってあげないと寂しい顔してくるじゃないですか。それも可愛いんですが、心に刺さるんですよ(笑)その点、猫の魅力は何者にも縛られない自由さ。
猫は自分のリズム感を持っていて私(監督)は自分と合ってると思います。映画の主人公のミツオも犬派で、猫と犬との違いに戸惑った所や尻尾振ってないけど、ごきげんなの?や、猫特有の撫でていたらゴロゴロ気持ち良さそうにしていたが急に「カブッ」と噛んでくる仕草、呼んでもリアクション薄い所、ご飯もすぐ飽きてしまう所などですかね。ほんとにタイトル通りなんだなと思いますね。
映画の中で猫あるあるがとてもたくさん!猫が主軸を目指して・・・(ΦωΦ)
映画では、猫の自分勝手なところや、縛られない表情が出てるんですよ。
今までの猫の映画よりも猫らしいものがたくさん詰まってます。猫が物語の主軸を目指して撮影しましたね。
他にも、猫がそばにいる事を感じて欲しいのもあったので、意識はしましたね!撮影時、猫があまりにもリラックスして出来た為、出演者の方々が撫でるとすぐゴロゴロないてマイクにゴロゴロの音ばっかり撮れたこともありましたよ。ゴロゴロ言ってほしくないところでも言ってましたね(笑)
撮影し始めた時は運動会だったが、自分が猫に寄り添わないと!と方向転換していき徐々に猫を意識し、自由な撮影環境を作っていたら、はじめの思っていたなんとかなるに近づいてきましたね。あと、撮影してる時子猫の成長も見られましたよ(笑)
昨日まで越えられなかったのに、今日はできた!なんてことがあり、大きくなっているんだね~とスタッフみんなで成長を感じました。
オススメシーン:大事な所は猫で答えを出す!
主人公のミツオが、ボクシングをやめたとは言いつつ、抜け出せない、簡単に切り離せないリアルな所をどうゆう風に伝えるのか、登場人物がたくさんいて「お前いつまで引きずってんだよ!」ってセリフで言っちゃう映画じゃない。そうじゃないと思ったんですよ。
3人で静かに暮らしている中でミツオが、まだボクシング引きずってんだなぁと思われるのはどんな事なんだろう…
毎日毎日ミツオが立ち寄る場所があるんですけど、それをお客さんにあまり伝わって欲しくなかった。猫で答えを出したかったんですよ。他の人になんだかんだ説明して欲しくなかったですよね(笑)
猫との距離を表現したいなと、、、その大事なシーンを猫達は自然に演技してくれましたね。
原作者の杉作(すぎさく)さんも映画に出演されていましたがどのような経緯で出演されたのですか?
先生から出たい!とお願いが来ました。
記念になればなんて言ってましよ。(笑)
役として、普通にボクシングのトレーナー役ではつまらないと思いまして、先生の感じが定食屋さんにピッタリだと思い定食屋をやってもらいました!
当日、先生にセリフがありますと伝えると、「え!あるの??」なんて緊張しながらもナチュラルに演技してくれましたね。
山本監督の思う、猫のいいところはどこかありますか?
うちに、知り合いから猫を譲り受けた女の子の猫が居るんですよ。
真っ黒ではない、チョコレートカラーの黒猫ですけど、もうすぐ6歳になりますね。
自由な所や、お出迎えしてくれるところが好きですかね!
あと、うちの猫は家族みんな平等に愛をくれるというかしっかりしてるんですよね。うちの子自慢になってしまいますね(笑)
最後に、映画を楽しみに待っているファンに一言お願いいたします。
悲しい映画だと思って懸念しないで欲しいですね。
そういうの怖くて思い出したりして、前の子を思い出しちゃったりとか、考えないで欲しいですかね!
自分がその猫と出会った時から一緒に暮らしていく中で、大変なことも楽しいことも思い出したりして、正直に暖かくなれるんじゃないかなと思います。
よろしくお願いします!
キャスト
ミツオ:風間俊介(かざま・しゅんすけ)
兄貴:つるの剛士(つるの・たけし)
ウメさん:松岡茉優(まつおか・まゆ)
大家さん:市川実和子(いちかわ・みわこ)
主題歌「Morning sun」 SCANDAL(EPICレコードジャパン)
スタッフプロフィール
監督 山本透 (やまもと・とおる)
共同脚本 林民夫 (はやし・たみお)
アニマルトレーナー 佐々木道弘 (ささき・みちひろ)
1969年、東京生まれ。山崎貴監督をはじめ数多くの監督に師事。
05年に映画『幸せになろうよ』で監督デビュー。 主な監督作に『キズモモ。』(08)、『グッモーエビアン!』(12)、『YOSHII CINEMAS』(13)など。
最新作に、藤原竜也主演映画『探検隊の栄光』(10/16公開)、演劇集団 UNCHANGED旗揚げ公演 「In the Sky with☆ダイアモンド」の監督・脚本も手掛ける。(9/30~10/4 @劇場HOPE)
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