うちの犬はのんびりマイペースだから、O型だと思うの。A型の私との相性もバツグンよ!なんて嬉しそうに話す飼い主さんが、近所にいらっしゃいましたが、犬にはO型という血液型はありません。犬の血液型は、人間よりずっと複雑で分かりにくいのですが、今はDEA1~DEA13の13の型に分類されることが多いようです。愛犬の血液型を知っている方は少ないかもしれませんが、動物病院で意外と簡単に調べてもらうことができます。
フィラリア検査のついでに血液型検査
我が家のチワワが血液型を調べてもらったのは、1歳のときでした。フィラリアの薬をもらうため、血液検査が必要と言われ、血液型の検査もお願いしてみました。私の子どもたちは、小学生になっても血液型が分からず、「採血することがあったら血液型を調べてもらう」と呪文のように繰り返していました。病気になり血液検査をするときがくるのを待ち望んでいたほどでした。念願の(?)病気になり、無事血液型がわかったときは、親子で安心したり納得したりしたものです。そんな経緯があったので、犬の血液型も早く知りたくて、「採血」という言葉を聞いた途端に、血液型検査をお願いしたのです。
血液検査のついでなら、犬への負担は増えない
血液型を調べてもらうときのネックになるのが採血。犬に痛い思いをさせストレスを与えてしまうのはかわいそうです。血を抜くのは人間だって嫌ですよね。私もわざわざ採血してまで、犬の血液型を知りたいとは思いません。ですが血液検査のついでなら、針を刺す回数が増えるわけではないので、犬の負担は増えません。また、血液型を調べるのに必要な血液は0.4mlということでしたので、犬の血液が減って貧血になるなどの心配もないそうです。
ついでの血液型検査なら、お財布にもやさしい
気になる料金ですが、このとき、血液型を検査するのにかかった費用は2,000円でした。料金を細かく見ると、採血代が1,500円かかります。でも、フィラリアの検査と同時で採血は1回なので、血液型の検査のために採血代が追加されることはありません。費用の面からも、血液型の検査はフィラリアなどの血液検査のついでにするのがお得だと思います。
血液型は「-」!?
さて、無事に採血が終わり、10分ほどで結果が出ました。血液型を知らせてくれる報告書には、犬の名前・性別・犬種・生年月日・飼い主の名前・検査年月日のほかに、大きく「-」と記されています。この「-」が今回分かった血液型なんだそうです。もう少し具体的な「○型」というのを想像していたので、かなり期待外れ。ですが、この「-」はかなり重要な情報なんだそうです。
DEA1.1が「-」とは?
報告書をよく見ると、手書きの「-」の前には「DEA1.1」と印字されています。これは「DEA1.1陰性(マイナス)」という意味なんだそうです。DEA1.1陰性の犬がDEA1.1陽性の血液を輸血すると、拒絶反応を起こすそうです。つまり、DEA1.1陰性のうちの犬は、DEA1.1陰性の血液でないと輸血できません。これは、将来手術などで輸血が必要になった場合、重要な情報です。
DEA1.1陰性の犬からは、DEA1.1陰性・DEA1.1陽性の両方に輸血できるそうです。もし希望すれば、供血犬としてボランティア登録して、輸血が必要な犬に血液をあげることができる血液型です。手術時の輸血に必要な血液はいつも不足している(またはない)とのことでした。
犬の血液型は「DEA1.1陰性」がわかれば十分
DEA1.1は、陰性と分かったけど、DEA1.2やDEA2なども陰性か陽性かはっきりさせなければいけないのでは?DEA13まであるのに、そのなかのDEA1のなかのDEA1.1だけ調べてもダメなのでは?という疑問が湧いてきます。たくさんある犬の血液型のうち、命に関わる拒絶反応を最も起こしやすい血液型がDEA1.1なので、これだけを調べれば、輸血はできるのだそうです。
もし、必要があって詳しい血液型を調べたいときは、動物病院から検査機関に血液を送って調査するので、時間がかかります。病院にもよると思いますが、10日前後かかるようです。緊急手術のときに、そんな時間はありませんから、DEA1.1についてだけ検査することが多いようです。また、大病でもないのに、そこまでして詳しい血液型を知る必要もありません。
そんなわけで、我が家の愛犬の血液型は「DEA1.1陰性」です。万一輸血のときには陽性の血液はもらえません。条件が整えば、供血犬として登録できるかもしれません。そのことが分かって、私は満足しました。あなたの愛犬が採血することがあったら、ついでに血液型を調べてもらってもいいかもしれません。
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