■フィラリア予防
フィラリアのお薬を飲ませている方はそろそろ最後のお薬を飲ませる頃か飲ませ終わった時期になると思います。
フィラリアの予防と言いますが正確にはフィラリアという寄生虫を駆虫するお薬なのです。
蚊がミクロフィラリアを持ったワンちゃんを刺す事によってミクロフィラリアは蚊の体内に吸い上げられてしまい体の中で幼虫になります。
その蚊が他のワンちゃんを刺す事によってワンちゃんの体の中にフィラリアの幼虫が入ってしまうのです。
ワンちゃんの体の中に入ったフィラリアは皮膚から筋肉へ移動し成長します。
成長したフィラリアは血液に入り心臓へ移動して、最終的には心臓や肺動脈を住処にしてどんどんミクロフィライアを産みます。
このワンちゃんを蚊が刺す事で感染は広がります。
フィラリアの時期になると聞かれる事が多いのが「実際に感染している子っているのですか??」とよく聞かれますが、実際に感染している子はいます。
3年間何の予防もしなかったワンちゃんは90%~100%感染すると言われるとても怖い病気なのです。
フィラリアのお薬は月に一度体の中に入ってしまい皮膚や筋肉の中にいる幼虫を心臓へ行ってしまう前に殺すお薬なのです。
残念ながら心臓へ行ってしまい成虫になってしまったフィラリアはこのお薬では殺す事が出来ません。
手術を含め治療法はいくつかありますが、もしも死んでしまったフィラリアが血管内に詰まってしまったら突然死んでしまう事もあり得るのです。
その為蚊がいなくなってから一カ月後の最後のフィラリアのお薬を飲ませて体の中に入ってしまった蚊の幼虫を完全に駆虫する事がとても重要なのです。
最後のお薬を飲ませ忘れてしまうと何カ月も飲ませて駆虫してきた意味がなくなってしまうので忘れずに飲ませるようにしましょう。
■予防接種について
●狂犬病の予防接種
狂犬病とは人を含めた哺乳類に感染する病気で発症するとその致死率は100%と言われる病気です。
今の日本に狂犬病はありませんが、そんな恐ろしい病気が流行しない為にも狂犬病の予防接種が義務付けられているのです。
●混合ワクチン
混合ワクチンの種類には
・犬ジステンパー
・イヌ伝染性肝炎
・犬パルボウイルス感染症
・犬パラインフルエンザ
・犬伝染性咽頭気管支炎
・コロナウイルス
・犬レプトスピラ
があり大体5種~9種を打っていると思いますがこの数字の部分は予防できる病気の数なのです。
レプトスピラにはたくさんの型があるので8種、9種のワクチンは上記のワクチンにレプトスピラの違う型をプラスした物になります。
狂犬病の予防注射は義務付けられていますが混合ワクチンは義務ではありません。
その為飼い主様の中には義務である狂犬病だけ打っておけばいいと思ってしまう方もいるのですが混合ワクチンを打つ病気の中にはお散歩中に他のワンちゃんのオシッコやウンチから感染してしまい命に関わるような怖い病気もあるのです。
混合ワクチンを打とうと思った時、何種ワクチンを打ったらいいの??と思いませんか?
初めて犬を飼った時私もよく分からずに獣医さんに言われるがまま子犬の頃に打っていたのと同じ種類にしてもらい、それから何の病気を予防しているのかも気にしないまま毎年同じ種類の注射をしていました。
私の様な方は結構いるのではないでしょうか。
もちろん沢山の病気を予防できる方が良いのですがワンちゃんには負担がかかってしまったり、アレルギーや副作用の心配もあるのです。
ワンちゃんの生活環境や居住地域、年齢、種類が多くなればその分金額も上がるので経済的な面も考え獣医さんとよく相談して納得した上で決めましょう。
■最後に
獣医さんがそういうならそれがいいだろうとついついなんとなくになってしまう予防の事ですが、ワンちゃんの事を守ってあげられるのは飼い主様だけです。
正しい知識を持ってしっかり予防しましょう。
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