外飼いの猫には病気のリスクがいっぱい
猫はどこで飼うのがいいでしょうか。家でも外でもどこでも自由に行き来させるのが良いと思われがちですが、そうとは言い切れません。猫は元来狭いところを好みます。物陰に身をひそめて安心する生き物です。家の中から出さないでいると閉じこめてかわいそうと言う人もいますが、猫にとっては活動範囲が広ければ広いほど自由で幸せと言うわけではなく、むしろ、警戒する範囲が狭い方が落ち着くものなのです。
外に出たことのある子は家から出たがりますが、縄張りの見回りをしてきたいだけなので、外へ出す習慣を最初からつけなければそれでよいのです。外へ出ることによって目に異物が入ったり他の猫からうつったりして結膜炎にかかるリスクが発生します。もちろん、普段から外に出している子を無理やりインドアキャットにするのはかわいそうだし、そのストレスで寿命が短くなる危険性もあります。でも、まだどういう飼い方をするか決めていない場合は、室内飼いをおすすめします。
目に異物が入って引き起こされる場合
花粉や粉塵などが舞い、車が埃を巻き上げ、虫なども飛んでいるせいで一般に外飼いに多い異物侵入ですが、インドアキャットといえども全く危険がないとはいえません。ハウスダストその他のごみ、何かのかけら、化粧品や食物の中にも粉としての形状をしたものはたくさんあります。それらが目に入って結膜炎を起こす危険性はおおいにあります。対策としては家の中を常にまめに片づけ、排気に気を遣った掃除機で掃除する。壊れてこっぱみじんになりそうなものはなるべく室内に置かない。どうしてもそういうものがある場所は、普段から猫が入れないようにしておく、などです。
それから、目やにケアシートなどで目のふちについた異物や汚れなどを拭き取ってあげることも大事です。目の周りが赤い、やたらに目をこする、しょっちゅう涙が出ている、などの症状を確認したらすぐ動物病院へ。すぐに行けない場合は、とりあえず目をこすってひどくならないようにエリザベスカラーを着けてあげましょう。
感染症で二次的にかかる場合もあります
猫同士が仲良くしていてもけんかをしていても、とにかく外部で接触があるかぎり心配なのが感染症です。結膜炎も感染症にかかったことで引き起こされる場合が多々あります。特に怖いのが猫コロナウィルス感染症です。さまざまな組織や器官を冒し、致死的な散在性疾患を引き起こすといわれています。けんかやお互いのグルーミングだけでなく、胎盤を通して赤ちゃんにも感染するという恐ろしい病気です。
ほかに、免疫力を弱める猫エイズ、猫ウイルス性鼻気管炎、カリシウィルス感染症などがあります。目だけでなく命まで危なくなるので、感染症にかからないよう普段から体力をつけさせておくことが大事です。好きなものだけ食べさせるのではなく総合栄養食を、しかもなるべく栄養価の高いものを選んで食べさせてあげることです。エサ代が高くついても治療費に比べれば安いもの。それに、大切な家族が痛い思いに加え入院などで寂しい思いもしなくてすみます。大事に至らないよう、時々まぶたの裏もチェックしましょう。
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