世界最古のヤマネコ『マヌルネコ』はどんな性格・特徴?

2021.05.27

世界最古のヤマネコ『マヌルネコ』はどんな性格・特徴?

「マヌルネコ」という猫種を知っていますか。あまり聞き慣れないという方も多いかもしれませんね。実は、マヌルネコは独特の雰囲気のある個性的な風貌をした猫ちゃん。一度見たら、その特徴的な外見が頭から離れなくなるほど、不思議な魅力のある猫です。今回はマヌルネコの性格や特徴などを含めながら、その魅力をたっぷりとご紹介しちゃいます。

世界最古のヤマネコ・・・その特徴は?

マヌルネコを見ると、ブサカワという言葉がぴったりなほど、独特の顔つきと体型をしています。

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体型は2.5~5.0キロとそんなに大きくはありませんが、丸々とした体型で「太っている」ように見えます。その理由はフサフサの被毛と短足。体の印象をまるまると見せてしまうような、フサフサの大量の被毛は、マヌルネコの歴史とも関係しています。

そもそもマヌルネコの名前にある「マヌル」は「小さいヤマネコ」というモンゴル語で、世界最古のヤマネコと言われています。なんと1500万年前にも生きていたという歴史がある、猫界の中でも最も古い猫です。
現在は、ロシアやシベリア、チベットの山脈地方の高地に多く生息しており、環境に適したフサフサの毛でおおわれているようです。

また、そんなフサフサの毛におおわれている体型に、足の短さが加わって余計に「太っちょ」に見えてしまう原因ともなっています。

現在、準絶滅危惧種とされていますが、その前は狩猟の対象とされていたこともあり、現在はその生息数は少なくなってきています。


マヌルネコはどんな性格なの?

世界中にはたくさんの猫が生息していますが、日本ではまだまだ知名度が少ないのがマヌルネコです。マヌルネコは現在もロシア地方の野生の中で生きてはいますが、いったいどんな猫ちゃんなのでしょう。

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マヌルネコの全体的な特徴と言うと「丸い」というところ。太ったように見える体型ではありますが、顔つきを見ると「鋭く」「りりしい」表情がうかがえます。丸い体に凛々しい顔つきと、そのアンバランスさが不思議な魅力でもあります。
ただ、子猫時代のマヌルネコはと言うと、一言で「可愛い」と言いたくなるほど、丸い体型にマッチした顔つきで魅力溢れています。

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マヌルネコは基本的に野生の猫。もともと雑菌などが少ない高地で生きている猫なので、免疫が弱く低地で「飼育される」ことにはリスクがあります。野生で暮らしているため、基本的には夜に活動することが多く、日中は岩穴などで休息しているとのこと。夕暮れ時や朝の早い時間に獲物を捕らえることが多く、獲物を見つけた時の威嚇の表情は歯をむき出し・・・。普段の様子とは打って変わって野性的な表情を露わにします。迫力満点の表情です。

とは言っても、普通にしている時は、なんとも穏やかな様子。寝ている時の様子は、普通の猫と同様穏やかで可愛らしいです。

そのギャップが「カワイイ」と感じる猫好きさん達も多いことでしょう。


マヌルネコに会いたい!でも、どこで?

前述しましたが、マヌルネコは現在、準絶滅危惧種として指定されていますから、ペットとしての飼育はできません。もともと高地で生息している猫のため、免疫力の低さから繁殖が難しいと言われています。将来的には絶滅してしまう可能性が大きい猫種なんです。

でも、そんな貴重な猫種のマヌルネコを一目見たいとも思ってしまいますよね。いったいどこで会うことができるのでしょうか。

現在日本では、「旭山動物園」「那須どうぶつ王国」「東京上野動物園」「埼玉県こども動物自然公園」「名古屋市東山動植物園」「神戸市立王子動物園」でマヌルネコに会うことができるとのこと。入園時刻や入園料、定休日の詳細、またマヌルネコの展示については、各園で異なるので事前に確認してみることもおススメです。

実際に足を運べば、歩く姿、眠る姿、食事を取る姿、威嚇する姿など、マヌルネコのいろんな表情を見ることができるでしょう。「マヌルネコが気になる!」という猫好きさんは、一度会いに行ってみてはいかがでしょうか。


ハマる人続出!「マヌルネコのうた」とは?

「国際マヌルネコの日」である4月23日にあわせて、複数のマヌルネコを飼育・展示している栃木県・那須どうぶつ王国では2021年に「マヌルネコのうた」が公開されました。

動画内では那須どうぶつ王国のマヌルネコたちが生活している様子に、なんともクセになる音楽でマヌルネコの生態や絶滅の危険がある希少動物であるという現状を訴える内容となっています。

一度聴いたら耳から離れない、思わず何度もリピートしてしまう中毒性に、ネット注目を集めています。

登場するマヌルネコたちはゆったりとした動きやフリフリと尻尾を動かすかわいらしい姿を見せる一方で、「意外と獰猛」という歌詞と共に威嚇をする姿もあり、なかなか見れない野生生物らしさもこの動画で楽しむことができますよ。

歌の最後には那須どうぶつ王国からのメッセージで、マヌルネコが絶滅の危険性が高い野生動物であること、さわったりペットとして飼育することはできないため眺めるだけにしてほしいことが書かれています。

とてもかわいいマヌルネコですが、かわいい姿を見ることができるのも飼育や種の保存にかかわっている方々の努力のおかげですから、動物園で観察したり、公開されている動画を見て楽しむまでにとどめておきましょう。


他の絶命危惧種の猫たち

今回紹介したマヌルネコは準絶滅危惧種ですが、世界にはその他にも「いなくなってしまうかも」という絶滅の危機にさらされている猫がいます。そんな希少な野生猫を見てみましょう。

◆クロアシネコ

野生猫にしては可愛らしさ満点のクロアシネコ。猫界のなかで最少と言われるほどの小さな猫で、アフリカに生息している珍しい猫ちゃんです。

成猫になっても1キロ台という軽さで、子猫程度の大きさしかありません。「小さい・可愛い」と魅力的な外見とは違って、ハンター能力はかなりのもの。

大きな体格をした獲物に対抗するワイルドさがあるので、そのギャップにびっくりするかもしれませんね!

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◆スペインオオヤマネコ

絶滅寸前とも言えるほど、数が激減しているのがスペインオオヤマネコ。鋭い目元、シュッと引き締まった大型の体格、ヒョウのような斑点模様が特徴です。

スペインオオヤマネコは、スペインやポルトガルに部分的に生息しているだけです。彼らが今まで生息していたエリアは、人間による開発が進み、安心して暮らせない環境になったため数が減っています。

また、森林開発によりスペインオオヤマネコの獲物になるウサギが減ったのも絶滅のおそれを加速させている要因のようです。

◆マレーヤマネコ

インドネシアやタイ地方に生息する体格の小さなマレーヤマネコ。丸い頭部に丸みを帯びた短めの耳…、全体的に柔らかな印象です。

生息数が激減している現地では、法的に捕獲を禁止しています。

◆アンデスネコ

名前からイメージできるようにアンデス山脈という高地に生きるネコ科動物です。

体重は4キロ前後とそれほど大きくありませんが、山脈で生き抜くためにボリュームのある被毛に覆われています。

アンデスネコの研究者たちによっても、その姿をなかなか発見できないくらい生息数が減っていると言われています。

◆イリオモテヤマネコ

日本のヤマネコと言えば「イリオモテヤマネコ」を連想する人もいるでしょう。生息している場所は、日本の沖縄「西表島」だけという野生猫。

見た目は胴長短足でちょっとワイルドな雰囲気、体重3~5キロくらいとそれほど大きくありません。国の特別天然記念物、そして絶滅危惧種に指定されるほど数が激減しているのだとか。

急にイリオモテヤマネコの生息数が減ったのは、交通事故が原因だと考えられています。

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◆スナネコ

野生猫と言えば、大自然で暮らしていけるようなワイルドな見た目が共通点ですよね。でも、スナネコは野生猫界のアイドルとも言えるような可愛い猫。3キロ未満くらいの小さな体に、三角形の尖った耳が特徴です。

キュートな見た目ですが、獲物を捕らえようとハンター心が燃え上がるとワイルドに変身するようです。小さな昆虫以外にも、トカゲやヘビなども捕獲できるというから驚きですよね。かなり希少な動物です。

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中岡 早苗

中岡 早苗

可愛い猫ちゃん達に囲まれながら、猫の知識や暮らしを日々学んでいます。 学んだ情報はどんどんお伝えしていきます。楽しいネコライフをおくりましょう。


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