【猫ひっかき病】噛まれた・ひっかき傷ができた場合は要注意!人獣共通感染症について

2017.05.23

【猫ひっかき病】噛まれた・ひっかき傷ができた場合は要注意!人獣共通感染症について

「猫ひっかき病」というものをご存知でしょうか。猫にひっかかれたり噛まれたりしてしまうと、傷が赤くなって腫れてしまうことがありますね。このような猫の「ひっかき傷」によって引き起こされる人獣共通感染症のことを猫ひっかき病といいます。猫ひっかき病の感染症になると、どのような症状が出るでしょうか?また、この病気になったらどのように対処したら良いのでしょうか?猫ひっかき病について説明します。

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猫に噛まれたら注意!「猫ひっかき病」

猫ひっかき病

猫ひっかき病とは、リンパ節が炎症を起こすことを主体とした感染症のことです。

猫ひっかき病は、猫のひっかき傷だけでなく、噛まれた時にも発生する可能性がある感染症です。猫ひっかき病に感染すると、いくつかの症状が出ます。
症状は、ひっかかれたり噛まれたりした後すぐから、数週間経ってからまで、時間がかかり現れる場合があります。

◆猫ひっかき病の症状は?

猫ひっかき病に人が感染した場合は、いくつかの症状が出ます。

・ひっかき傷が腫れたり膿を持ったりする
・発疹が出る
・リンパ節が腫れる
・発熱
・倦怠感
・食欲不振になる

– 皮膚(傷口)の症状 –

猫にひっかかれると、ひっかかれた直後から数時間で、ひっかき傷が赤くなったり腫れたりします。その後、皮膚に症状が現れます。
具体的には、赤い小さな5ミリくらいまでの大きさの発疹が出て来ます。傷が膿をもっていることもあります。その後、傷口にかさぶたが出来てきます。

多くはこの段階までなった後、自然に治っていき、ひっかき傷も目立たなくなっていきますが、感染症が悪化してしまう場合もあります。

– リンパ節の症状 –

リンパの腫れ

猫ひっかき病の原因となる菌は、バルトネラ菌です。このバルトネラ菌は、猫につくノミや、猫の血液、猫の口の中の粘液などからも検出されるものです。この感染症にかかると、ひっかき傷が腫れたりするだけでなく、顎の下や脇の下のリンパ節が腫れて来ます。

人の体にはリンパ液というものが流れています。リンパ液は体内の老廃物を処理したり、ウイルスなどの細菌と戦う役目をしたりしています。
リンパ液は静脈にからむようにしてリンパ管・リンパ節を通って全身に流れています。リンパ節は、リンパ管の色々な場所にある節のようなもので、小さな豆のようなものが一つの場所に2から10個ほど集まっています。

猫ひっかき病になって感染症になると、このリンパ節が腫れて、痛みが出て来ます。腫れは、大きいもので卵ほどになる場合もあります。押すと痛みがあり、硬くなっていることがあります。腫れたところが一部破れて、膿が出てきてしまうこともあります。

さらに重症化すると、リンパ節が腫れてから1〜3週間後に脳症を発症して、意識障害を起こしたり、痙攣を起こしたりすることもまれにあります。猫ひっかき病は放っておくととても怖い感染症だということです。

– 熱の症状 –

猫ひっかき病になると、熱が出て来ます。それに伴い、食欲が無くなり寒気がしてくることもあります。また、体が疲れてきてだるく感じたり(倦怠感)、発疹が全身に出て来ることもあります。
他には、関節の痛みを感じます。ひどい場合には吐き気がしてくることもあります。

熱がずっと続いてだるくなっても、猫ひっかき病が原因だと気づかない場合もあります。猫にひっかかれたのが数週間前でも、感染症にかかっていることがあるのです。猫ひっかき病のこれらの症状は風邪に似た症状なので、間違えないようにしなければいけません。

一般的には、症状が出ても自然に治癒することがほとんどです。それでも重症化することはありますので、熱やリンパの腫れなど、つらい症状が出たら必ず病院へ行きましょう。


猫にひっかかれた、噛まれた場合の対処法は?

消毒

猫にひっかかれたり噛まれたりして傷ができると、しばらくは痛みますが、多くの人の場合は自然に治っていきます。

ただ、ひっかき傷が見た目に直っても、体内で最近が繁殖して、猫ひっかき病に感染していることもありえます。放っておけば長い症状に苦しむことにもなりかねません。
猫にひっかかれたり噛まれたりした時には、安易に考えずに、すぐに適切な応急処置をしましょう。

◆傷口を流水でしっかり洗う

水道水で良いので、水量を多めにしっかり傷口を洗い流しましょう。ひっかき傷にゴミや猫の毛など異物があれば、それもきれいに洗い流します。
噛まれた傷口には特に猫の口腔内の粘液などが付着しているので、時間をかけて丁寧に洗い流してください。

◆消毒する

ひっかき傷を、オキシドールやアルコールなどの消毒液で消毒します。

ここで注意することですが、最近の傷の治療では、湿潤治療というものが主流になってきています。これは傷口を消毒せず、体液で潤った状態を保ったままで傷を治していくというものです。このほうが傷の治りが早く、痛みも少なく、傷跡も綺麗に治ると言われています。

ただ、猫のひっかき傷やかまれた傷の場合は別です。体内に入り込む細菌を退治して、感染症の危険をなくさなければなりません。

一度消毒をしてから、再び水道水で傷口を洗い、湿潤治療用の絆創膏を貼ると良いでしょう。消毒液がない場合は、石鹸で洗うだけでも随分違います。

湿潤治療については病院によってのやり方がありますので、気になる場合は病院で診てもらったほうが良いでしょう。

◆病院で診てもらう

自分では判断がつかなかったり、治るまで気になったりする場合は、病院で診てもらいましょう。その時は「猫にひっかかれたり噛まれたりした傷」だと伝えてください。
皮膚科、整形外科、形成外科と傷により診てもらうところが違うので、総合病院に行って聞いたほうが良いでしょう。

病院に行かずに適切に応急処置をしても「ひっかき傷の痛みが強い」「腫れがひどくなってきた」「熱がでてつらくなってきた」などの症状が出れば、すぐに病院に行ってください。

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猫と人の共通感染症について

猫ひっかき病

猫と人の共通感染症とは、猫から人、人から猫へと移る危険性のある感染症のことです。「人獣共通感染症」との呼ばれ方をすることもあります。

◆猫ひっかき病に感染する流れは?

猫ひっかき病は、猫同士だけでなく猫から人にも移るので、猫と暮らす人には特に注意が必要です。
猫ひっかき病の原因となるバルトネラ菌は、猫の赤血球の中にあります。猫同士では猫ノミの糞を介して移り、猫から人へは猫にひっかかれたり、噛まれたりすることで感染します。

バルトネラ菌に感染した猫の血液を猫ノミが吸う
→猫ノミが猫の皮膚の上で排泄する
→猫が毛づくろいをしたことで猫ノミの排泄物が口や爪に着く
→猫にひっかかれたり噛まれたりして人に移る

といった流れで、猫ひっかき病にかかります。

高齢者や子供など、免疫力が低い人が猫ひっかき病に感染した場合は、重症化するおそれもあります。治療としては、抗菌性物質を投与する方法がありますが、効果は低いと言われています。

猫ひっかき病になった猫は、通常は特に大きな症状が出ません。食欲不振や発熱が見られることもありますが、一過性で終わることが多いのです。
その場合は病院に行き、診察してもらってください。また、猫ひっかき病の症状が見られて病院に行った時には「猫にひっかかれたり噛まれたりした」という事を必ず伝えましょう。

◆人獣共通感染症の原因と症状

– パスツレラ症 –

パスツレラ菌に感染すると、呼吸器や皮膚に症状が出る「パスツレラ症」にかかります。

このパスツレラ菌は口腔内常在菌として、100%の猫が持っています。猫に引っかかれたり噛まれたりして、その傷が腫れて化膿するという症状になります。それにより、呼吸器の疾患、排血症、髄膜炎、骨髄炎などの症状が見られることもあります。

高齢者や免疫不全の疾患を持つ人が特に感染しやすく、重症化もしやすいと言われています。

– トキソプラズマ症 –

トキソプラズマという寄生虫に感染して、発症するのがトキソプラズマ症です。
トキソプラズマは、鳥やネズミなどの多くの哺乳類の寄生を経て、猫科の動物を最終的な宿主として繁殖します。猫の糞に触れると感染します。

全世界の3分の1の人が感染していると言われていますが、健康な成人なら症状が出ることはほとんどありません。発症しても風邪に似た症状が出て、その後の多くは治っていきます。さらに一度感染すると、抗体が出来るのでもう一度かかることはありません。

特に妊娠中にトキソプラズマにかかると、赤ちゃんが先天性トキソプラズマにかかる可能性があるので注意が必要です。

– 疥癬症 –

猫ヒゼンダニ症とも言い、ヒゼンダニにより起こる皮膚の疾患です。ヒゼンダニの寄生により、激しいかゆみを起こした状態を疥癬と言います。
疥癬症は、猫が疥癬症状を持った他の動物と接触することでうつります。

疥癬になった猫から人にもうつりますが、人から人へもうつります。寄生された皮膚を触るだけでなく、寝具などを通じても感染します。

指の間、手首の内側、肘、脇の下などに症状が出やすく、かゆみと赤い発疹が起こります。

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普段から出来る猫ひっかき病の予防法は?

猫ひっかき病 予防法

猫ひっかき病はそれほど恐ろしい感染症ではありませんが、症状が出るとつらいことは確かです。重症化はまれですが、体の麻痺や意識障害が現れることもあります。
普段から予防することと、応急処置を適切にすること、が大切になってきます。

◆ノミ・ダニなどの寄生虫駆除をする
猫を飼っている場合は、外に出さない、ノミやダニなどの寄生虫の駆除をするようにしましょう。

◆排泄物に直接触らないようにする
猫の排泄物に直接触らないようにし、触れてしまった場合には綺麗に手を洗うようにしましょう。また、猫トイレを掃除した後には必ず手を洗いましょう。

◆キスなどの過度な接触を避ける
猫にキスをしたり、自分の箸から食べ物をあげたりすることはやめましょう。特に、免疫力や抵抗力が弱いと考えられる子供やお年寄りがいる家庭では気をつけましょう。

◆猫を触った後は手洗いをする
室内猫だけでなく、野良猫や外に出ている猫を触った時には、必ず手洗いをしましょう。慣れていない猫にはあまり近づかず、ひっかかれたり噛まれたりしないようにしましょう。

猫を可愛がる場合にも、注意が必要ということですね。特に飼い猫に関しては、普段から家庭で予防をしっかりしておきましょう。



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ねこちん

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ひろった猫たち、トータル5匹と暮らしています。猫の写真を撮り、猫のイラストを描くのが好きです。

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