脱走する猫。脱走を防ぐ前に、脱走する猫の気持ちを知りましょう。

2017.11.28

脱走する猫。脱走を防ぐ前に、脱走する猫の気持ちを知りましょう。

猫と言えば自由にお散歩をするイメージがあります。街を歩いているときに、トコトコお散歩をしている首輪のついた飼い猫らしき猫ちゃんに遭遇したことがある人も多いのでは?最近では「完全室内飼い」をしている飼い主さんも多いので不思議ですよね。もしかして、何気なく見ている首輪つき猫が実は何かの理由で家を脱走している猫かもしれません。脱走後、無事に帰宅してくれればいいのですが「もし帰ってこなかったら…」と考えるととても心配です。猫自身も慣れない外で不安を感じていることでしょう。そこで大事なのは、飼い主さんが猫を脱走させないように配慮すること。でも、その前に猫の気持ちを理解してみませんか?今回は「何で脱走するのか?」という猫の心理について、動画や対策も交えながらお話していきます。

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こうやって脱走をするの!?猫の脱走シーンを紹介

猫が脱走する動画をいくつか紹介していきます。

◆ケージから脱走を試みる子猫が可愛い

まずはコチラの動画から…。

可愛らしい子猫ですね。どうやら、ケージに入っているので脱走の心配はなさそうに見えますよね。
でも、子猫の方は「ここから出たいニャン」とかなり必死にもがいています。ケージの上から顔を出そうと頑張っている様子が分かりますよね。

何度かチャレンジしていますが、ケージの隙間よりも頭が大きいので大丈夫そうです。

すると…!

なんと頭がすっぽり抜け出てしまいました。頭さえ抜け出てしまえば、柔らかい猫の体はスルっとケージから脱出成功です。

「まさか…あんな細い隙間のケージから脱出できるなんて!」とビックリする動画でしたね。

◆脱走成功したものの不安で帰宅する猫

次はコチラの猫ちゃん。

玄関から外に脱出成功した猫ですが、そこは廊下のようなところ。四方を壁で囲まれている廊下で、周りをキョロキョロと見まわしている猫ちゃん。音のする方を見たり、床の臭いを嗅いだりするものの、何だかかなり不安げに見えますよね。

ついには、家のなかに戻ってしまいました。

見慣れない光景に不安がピークに達したのかもしれませんね。家のなかに入って一安心の様子が可愛らしいですね。

◆自分で扉を開けて脱走する強者の猫ちゃん

コチラの猫ちゃんは、かなり頭が良さそうです。

どうやらこの猫ちゃんは、この扉を開ければ室外へ脱走できることを知っているようですね。

「ニャー」と鳴いて、少し開けて欲しいことをアピールしたようにも見えますが、誰かが開けてくれるわけではありません。そこで、開け方を知っている賢い猫ちゃんは自分で開けようとします。

体をピンと伸ばしてドアノブにぶら下がる姿の必死感がかなり可愛いですよね。軽々と扉を開けて廊下に脱走成功です。

◆お出迎えが脱走のチャンス!飼い主さん帰宅と同時に脱走する猫

次はコチラ。

玄関のチャイムが鳴った瞬間に「飼い主さんが帰ってきた!」と喜び反応する猫ちゃん。すかさず開いた扉へ向かったので飼い主さんに飛びついたのかと思いきや、実は脱走チャンスを狙っていただけ…?扉の外に一目散に脱走していきました。

でも、飼い主さんの手によって束の間の脱走からすぐに帰宅することとなりました。

◆自分で窓を開ける猫の脱走の瞬間

最後はコチラの猫。

この猫ちゃんは、なんと自分で窓を開けました。かなり器用に足を使いましたよね。

そして、ちょっとした隙間から外の様子をうかがっています。しばらく外に出る様子はありませんが「やっぱり気になる」という感じで外に降りて行ってしまいました。こうして、自分で窓を開けられる猫もいます。


猫はどうして脱走するの…?その理由を検証

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紹介した動画では、撮影している飼い主さんが近くにいるので安心です。でも、家族がいないときに脱走して、外に出ていったら不安ですよね。

そもそも猫が外に行きたくなる心理について考えてみましょう。

1. 外が気になる!!単なる好奇心からの脱走

室内で飼われている猫でも、部屋に窓があれば外の様子は観察できます。窓の外に何かを発見するとハンターの血が騒ぐのでしょう。
例えば「家の外に鳥が遊んでいた」なんて光景も猫にとっては興味津々な出来事。「追いかけたい」「捕まえたい」とついつい脱走にチャレンジするようです。

先ほどの動画にも窓から脱走する猫がいましたが、猫は足が器用なので窓を開ける可能性もあります。脱走を防ぐには、やはり窓から脱出できない対策が必要です。

2. 怖い思いから逃れるための脱走

脱走でよくあるパターンが、家のなかで何か怖い目に遭遇してびっくりしたのが理由の脱走です。地震にビックリして外に逃げ出す猫も多いです。また、シャンプーやブラッシングが嫌いで、途中で逃げ出す猫もいます。

このときの猫の心理は逃げたい一心なので、扉などの隙間があったらすぐに外に脱走する可能性も大きいのです。

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3. 恋人を求めて外の世界に行くための脱走

猫の発情期は、猫にとっての恋愛シーズンです。恋人を求めて「外に出たい」という衝動が起きるようです。
メス猫の声が外から聞こえると「ライバルよりも先に彼女を射止めたい」と思うオス猫も多いはず。いつもと違う鳴き声をしたり、窓の外をみてソワソワしたりしているなら脱走する前触れかもしれません。

こんなときには、窓やドアのちょっと隙間にも用心しましょう。猫ちゃんの瞬発力で、あっと言う間に脱走されてしまうかもしれませんよ。
また、完全な対策にはなりませんが避妊手術や去勢手術などをして「恋愛」への意欲を少しでも失わせると発情期の脱走行為も減ることもあるようです。

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4. 慣れない環境から逃げ出したい脱走

「猫は家につく」という言葉を耳にしたことがありませんか?猫は慣れ親しんだ家に愛着を持ちます。そのため、引っ越しで新しい住まいに変わるのは大きな変化と感じます。人間のように、簡単に新居に慣れずに脱走することも多いです。
また、引っ越しとまでは行かなくても、住まいのリフォームなども脱走の原因になります。「いつもと違う環境」と感じて脱走をしたくなる猫ちゃんが多いようです。

新居への引越し、リフォームで室内が大幅に変わったときにおすすめなのが、次のような対策です。

まずは引っ越ししたときに、以前の家具をそのまま使ってみることです。住まいが変わっても、慣れ親しんだニオイが染みこんでいる家具に安心を感じます。特に、猫がキャットタワー代わりに使っていた家具があれば安心するでしょう。

また、リフォームした場合でも、極端に家具の配置を変更しないのも対策のひとつになります。以前のように配置して、ひとつずつ変えていくなど猫を新しい環境に少しずつ慣れさせていくといいですね。

5. 具合が悪いから落ち着く場所で身を潜めたい脱走

猫は体調が悪くなると、早く体力を回復しなければと考えます。それは「具合が悪い=敵に狙われる」という自分の身を守る本能が頭に働くからです。

そこで、どこか落ち着ける場所を探し求めます。猫にとっての落ち着ける場所というのは、敵から身を守れるような「人目に触れないところ」です。そのため、家の中にそんなところがなければ、外に出て身を潜めたくなるようです。それで脱走する猫もいます。


室内飼いの猫にとっての「外の世界」の危険性とは

今では「完全室内飼い」という飼い猫が増えています。特に、交通量が多い都市部で猫を飼うなら、部屋から出さないようにするのが最も安全な飼い方と考えられています。

脱走で「外の世界」を初めて見た猫にとっては、すべてのものが興味津々。遠くに見えた何かを追いかけようと車の前に飛び出します。
でも、体の小さい猫は車を運転している人からはかなり見えにくいです。特に、夜間など暗がりでは、建物や物陰からシュッと飛び出してくる猫を発見してブレーキを踏んでも間に合わないこともあるでしょう。脱走をして、こんな悲しい結果になったら大変です。

室内飼いをしているなら、猫が脱走しないように十分に気をつけなければなりませんね。


猫の脱走を防ぐ対策について

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家の中から外へ脱走できる箇所が「玄関」「窓」です。脱走を防止するには、これらに対策をすることがポイントになります。

◆玄関を開けるときに注意する

飼い主さんが外出から帰ってきたときに、猫がちょっとした隙間から脱出することはよくあることです。家のなかでも特に注意が必要なポイントとなります。

外から玄関を開けるときには、猫が出ていかないように足元に隙間を作らないことです。脱走しようとしたら捕獲できるように、自分の足でガードしてから入りましょう。

また、最も良いのが「玄関」に猫が出入りできない状況を作ることです。とはいえ、先ほどの動画にもあったように身体能力が高く頭の良い猫はリビングのドアは簡単に開けてしまうでしょう。
そこで、ドアのところに、部屋から廊下への脱走を防ぐゲートの設置がおすすめです。猫の大きさや運動能力の高さによっては、簡易的なフェンスでは脱走防止の対策にならないこともあるかもしれません。でも、子猫や老猫、あまり活発とは言えない猫なら効果を発揮できると思います。

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◆窓の施錠はしっかりとする

玄関の次に猫の脱走ポイントになるのが「窓」です。
「窓には網戸があるから大丈夫」と思っている人は危険です。なぜなら、軽い力で開けることができる網戸なら器用な猫は足を使うことで脱走が可能。しかも、網戸の向こうに興味のあるものがあれば、網戸にダッシュして倒せば、外れてしまうこともあるのです。そうなると脱走だけでなく、窓から落ちてケガをする危険もプラスされてしまいます。

留守番や他の部屋に行くなど、猫から目を離すなら窓をしっかり締めて施錠するのが一番の対策です。

でも、どうしても開けるなら次の点に気をつけましょう。
まずは、窓を開けるときには2~3cmくらいと猫が絶対通れない程度に留めておきます。先ほど、動画でも紹介したように、猫は頭さえ入ればスルリと通り抜けができるからです。

また、夏場など窓を開けて通気したいなら、網戸の前にフェンスを設置するのも対策になります。これなら、網戸を倒して脱走されることもないので効果は抜群ですよ。


脱走後、猫は帰ってくるの?

室内で暮らしている猫にとって、外は未知の世界です。何らかの理由があって脱走したものの、家から離れたところまで行ってしまうと自分の力だけで帰宅するのは難しくなるでしょう。守ってくれる人もいなければ、車の事故に巻き込まれてしまうかもしれません。室内猫にとって、外の世界はとても危険です。

猫にも個体差があるので、玄関や窓から外に出たものの不安になってすぐに家のなかに戻ってくれば問題ありません。でも、家からかなり離れてしまうと探すのも困難になります。

外には猫がビックリするものばかりです。初めてのものに遭遇して猫がパニックになり、さらに遠くに行く可能性もあります。それに、彷徨っている途中でお腹をすかせるなど、猫にとってもかわいそうなことです。

遠くに行ったり、何かに巻き込まれたりすると、無事に家に帰ってこないかもしれません…。

●迷子の猫の探し方についての記事はコチラ

大切な愛猫が迷子になったときの解決方法とは?

もし、大切な愛猫が行方不明になってしまったら、どう探せばよいのでしょうか? 迷子になってしまったペットもパニックになり、すぐ帰れる距離にいるのに家がわからなくなってしまう事もあります。 行方不明になったペットをいち早く見つけるための行動とはどういうことがあるのか考えてみましょう。

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まとめ

室内で暮らしているから安心と思っていても、飼い主さんの予想を超える行動をするケースもあります。脱走してしまうと、最悪二度と愛猫に会えなくなる可能性もあるのです。
猫が脱走する理由はさまざまあり、脱走するときには何らかの前触れがあることも…。

猫の気持ちを理解しつつ、飼い主さんができる対策で大切な猫を守ってあげてくださいね。



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中岡 早苗

中岡 早苗

可愛い猫ちゃん達に囲まれながら、猫の知識や暮らしを日々学んでいます。 学んだ情報はどんどんお伝えしていきます。楽しいネコライフをおくりましょう。


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