【獣医師監修】猫の鼻血はどんな病気?鼻血が出た時の原因・対処法とは

2017.07.23

【獣医師監修】猫の鼻血はどんな病気?鼻血が出た時の原因・対処法とは

猫の鼻血、見たことがあるでしょうか?人間であれば、鼻血はそれほど珍しいことではありません。興奮したり、どこかにぶつけたり、または辛くて刺激のあるものを食べただけでも出ることがあります。ただ、猫が鼻血を出していた時には注意が必要です。猫は人間と違い、そんなに鼻血が出るような動物ではないからです。猫がどんな時に鼻血を出すのか、そしてその原因と対処法についてご紹介します。

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猫も鼻血を出すってほんと?

猫の鼻02

鼻血とは、鼻の中から出血していることを指します。猫の鼻血をいう場合、鼻の外側の傷からの出血は含まれません。

◆鼻血がでていたら要注意!

猫にも血液が流れている以上、原因があれば鼻血を出すことはあり得ます。ただ、鼻の構造として、めったに血が出るようなことはないと言えます。
人間のようにちょっとした原因で鼻血が出て、それほど珍しくなく、重大なことになることも少ないということは、猫にはありません。

つまり、猫が鼻血を出していたら、何らかの病気などの体の異常を疑って対処しなければならないのです。

例えば鼻に怪我をすれば、血が出ます。怪我で血が出たという原因がはっきりしていますね。一方、見た目では傷などがないのに鼻血が出ていたとしたら、軽く考えず、猫にとっては重大な何かが体に起こっていると見た方が良いということです。


猫が鼻血を出したときにチェックする項目は?

猫 鼻血

①鼻のどこから血が出ているか
②どのくらいの期間(回数)出たか
③量はどのくらいか

大まかにはこの項目をチェックすると良いでしょう。これは自己判断するためではなく、猫を獣医さんに連れて行ったときにしっかり説明出来るようにするためです。

チェック①鼻のどこから血が出ているか

猫の鼻の外側に傷が見えて、そこから血が出ていれば原因ははっきりわかります。ただ、鼻血とは鼻の中から出て来る血のことを指すので、鼻の穴から出ている場合、それが両方からなのか片方からなのか、ということを確認してみましょう。

両方から血が出ているか、片方から出ているか、片方の場合、左だけまたは右だけから出ているか、時間が経つと片方どちらも出てきているなど、猫の鼻をよくチェックして見てください。

片方だけからしか出ていない場合には、腫瘍やガンなどの疑いもあります。

◆チェック②どのくらいの期間(回数)出たか

鼻血がどのくらいの期間でたかというのは「一旦出てある程度してから止まり、その後出ていない」かどうか、「継続して出続けている」かどうか、ということです。

一度出ていて、ある程度出たらその後は出なかったとしたら、傷のためだと考えられます。猫の鼻の外側で見えるところに傷があればわかりやすいですし、もしかしたら鼻の中に傷を負ったのかも知れません。

猫が鼻に怪我をして血が出る場合は、頭を振るようなしぐさをしたり、痛がって傷を前足で掻くようにしたりすることがあります。猫の様子にも気を配りましょう。

一旦鼻血が出て止まったかに見えてもまた出てきたり、続けて出ていて止まらなかったりすれば、猫が何らかの病気にかかっている可能性があります。

◆チェック③量はどのくらいか

猫の鼻血が少量出ただけか、大量に出たのか、また少量の出血がだらだらと続いているという場合もあるでしょう。病気が原因の場合は、少量で長く出続けることが多いようです。

また、猫が鼻水をたくさん出していたり、くしゃみの回数が増えて鼻水血が混じってきたりすれば、病気にかかっている可能性があります。鼻に何か異常があると、食欲も落ちてきますので、その時にも気をつけて様子を見てみると良いでしょう。

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猫が鼻血を出す原因と対処法は?

鼻血を出した時の基本的な対処法としては、必ず獣医さんに診せるということです。血が止まったから安心と放置したり、勝手な治療のような行為をし続けたりしないことが大切です。

鼻血が出る場合に考えられる原因は、以下のものが多くあげられます。

◆猫の鼻の中に傷ができた

喧嘩しそうな猫

何か異物が猫の鼻の中に入って傷ができて出血したと考えられます。また外側から鼻をぶつけて、鼻の内部が切れたり骨折したりしても鼻血が出ます。この時は、出血の量が多くなります。

何か尖ったものが刺さったり、骨折したりして傷が出来ると、大量に出血することが多いです。ただ、血が出て来るからといって、人間にするようにティッシュを鼻に詰めたりしないようにしてください。

垂れて来る血だけを拭き取るようにして、すぐに動物病院に連れて行き獣医さんに診てもらいましょう。痛がる場合は無理に拭く必要はありませんが、息がしにくそうな場合は少しずつでもティッシュなどで吸い取るようにしてあげてください。

◆鼻の中にデキモノ(ガン・腫瘍なども)がある

鼻の中のデキモノが原因で出血している場合です。悪性リンパ腫、扁平上皮癌などが考えられます。少量の出血が長く続くと、腫瘍やガンが疑われます。

少量の血液が続く時には、飼い主が出来ることはほぼないので、おかしいと気づいた段階で早めに動物病院へ連れて行きましょう。傷だとすれば、ある程度血が出た後に固まり血が止まるはずです。

◆もともとの疾患から

猫が基礎疾患として持っている病気のせいで、鼻血が出ることがあります。病名としては、多血症・多発性骨髄腫・血管炎・甲状腺機能亢進症・クッシング症候群というものがあります。

・多血症
猫の多血症とは、血液内の赤血球が増加しすぎてしまうことで発症する病気です。赤血球が増加するため、血液の粘度が増して血がドロドロになり、血流障害が起きます。

・甲状腺機能亢進症
猫の甲状腺機能亢進症は、のどにある甲状腺から分泌される甲状腺ホルモンの機能が過剰になった状態のことです。甲状腺腫というデキモノが原因でなる場合や遺伝が原因の場合もあります。

・クッシング症候群
猫のクッシング症候群とは、副腎皮質ホルモンの過剰分泌によって引き起こされる症状のことです。このホルモンが過剰に分泌されると、高血糖を引き起こしてしまったり、糖尿病になってしまうこともあります。

基礎疾患としてある病気を治療することから始まります。鼻血が出てきている場合、すでに体も弱ってきたためであることが多いので、できるだけ早く獣医さんに診てもらうようにしましょう。

◆感染症などにかかっている

・副鼻腔炎
副鼻腔炎は、猫が鼻血を出す理由として最も多く考えられる病気です。

猫の副鼻腔炎とは、鼻の奥にある副鼻腔という空洞内に、炎症が起きた状態をいいます。副鼻腔炎の症状は鼻炎のような感じで、鼻水がずっと止まらなくなってしまいます。
上部気道感染症にかかって、慢性副鼻腔炎を発症するということが多いと言われています。すでに鼻炎にかかっていて、副鼻腔内にまで炎症が広がってしまうことでも発症します。鼻腔内に膿がたまってしまった状態は、蓄膿症と呼ばれます。

・クリプトコッカス症
猫が細菌に感染することによって、鼻血が出ることがあります。
病名としては、クリプトコッカス症などが考えられます。この時に出る鼻血は、血液に膿が混ざっているのでどろどろとした粘液状になっています。

クリプトコッカス症は、クリプトコッカスという真菌に感染してしまう病気です。最初の症状は、鼻水が出るようになります。ですから、鼻水がでてきた時点で体調の異変を疑ったほうが良いということです。
症状が悪化して感染が広がると、血の混ざった鼻水が出てきて、顔も腫れて来ます。そのような症状が出る前に動物病院に連れていけると良いですね。早めに猫の異変に気付くようにすることです。

これは年に一度のワクチンで防げる確率が上がります。たとえ完全室内飼いにしていても、飼い主が外に出ている以上、何かの病気にかかる可能性はどうしてもあり得ます。費用もかかることなので獣医さんとも相談して、必要なワクチンを打っておくと安心できるでしょう。

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◆血が止まらない病気である(血小板の異常)

血小板の異常が原因で、実際には出血しても止まるはずが、血が固まらないために出続けてしまうという症状です。血小板が正常に機能しない血小板障害、血小板の数が減ってしまうという血小板減少症などがあります。

原因である病気を治すことが先決です。明らかに怪我をして傷から血が出ているとしても、血が止まらなければ獣医さんに診てもらうことです。血が出る直接の原因も含めて(傷か腫瘍かなど)、治療していくことが必要になります。


猫の鼻血を防ぐために

猫と鳩

鼻血が出る原因はいくつかありますが、防げるようなことは飼い主として気をつけていると良いでしょう。

基本的には、完全室内飼いにするということです。他の猫と喧嘩してくることを防いだり、外で遭遇する怪我の原因に合わないようにしたりすれば、鼻血を出すこともありません。

また、完全室内飼いにすることで、クリプトコッカス症などの感染症にもかかりにくくなります。病原体のクリプトコッカスはカビの一種で自然界に広く存在していて、特に鳩の糞から検出されます。猫を外に出さないだけでなく、ベランダなどにも出さないようにして、鳩と接触することのないようにしましょう。

遺伝などの病気がある場合は、猫を飼う時に健康診断をしてもらうなどして、自分の猫がどのような病気を持っているのかを知っておくことが大切です。猫の体のことをわかっておけば、鼻血が出た時にも慌てずに、動物病院に連れて行って症状を説明できるようになります。


まとめ

猫は、鼻血が出る前に鼻水をよく出しているという場合もあります。普段から猫の体調に気を配り、異常があったらすぐに気づいて対処できるようにしておきましょう。

※こちらの記事は、獣医師監修のもと掲載しております※


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ねこちん

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ひろった猫たち、トータル5匹と暮らしています。猫の写真を撮り、猫のイラストを描くのが好きです。

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