【獣医師監修】老猫がごはんを食べない!流動食の与え方や強制給餌の方法、注意点は?

2017.09.26

【獣医師監修】老猫がごはんを食べない!流動食の与え方や強制給餌の方法、注意点は?

長年一緒にいた愛猫が歳をとり、いよいよ老猫と呼ばれる様な歳になってきた…。愛しい猫がご飯を食べなくなってくると、飼い主さんはとても不安になりますね。老猫はどうしても食欲が落ちるとは頭でわかっていても、少しの食欲の変化が大きく体調に影響してしまうのではないかと心配と不安でいっぱいになってしまします。今回はご飯を食べない老猫にどういった対応を取れば良いのか、強制給餌の方法などをまとめてみました。

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老猫がご飯を食べない原因は?

老猫は様々な原因でご飯を食べない様になってしまいます。原因を理解して取り除いていかないと、ご飯を食べないことで老猫の体力はどんどん落ちてしまいます。

老猫がご飯を食べない様になってしまう原因には次の様なことが挙げられます。

1. 基礎代謝の低下

猫が歳をとると基礎代謝が低下して、必要なエネルギー量も低下します。それに伴い、猫の食欲も自然に落ちていきますが、その様子を飼い主さんが「食欲不振なのでは?」と心配することが多いようです。

2. 歯周病

猫の歯周病とは、歯の表面などで細菌が毒素を産生し、歯茎や骨に炎症が起こった状態を言います。歯周病の主な症状は以下のような状態が見られます。

・歯茎の赤み
・口が臭い(腐敗臭)
・歯茎からの出血
・歯がぐらぐらする
・歯が長くなったように見える
・食べるのが遅い

歯周病の原因は、口に中の傷や口の中が不衛生なために発生した細菌、免疫力の低下などがあります。

歯周病を予防するためには、日頃から猫に歯磨きの習慣をつけることが必須です。
また、老猫の食事は柔らかいものになりがちです。柔らかい食事は口の中に残りやすいため歯周病の原因になりやすくなります。柔らかいものばかりではなく少し歯ごたえのあるものを与えることも効果的ですが、それによって食欲が落ちるようであれば様子をみてください。治療は歯石の除去が行われます。

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3. 口内炎

猫の口内炎とは、口の中にある粘膜で生じた炎症の総称です。口内炎の主な症状は以下のような状態が見られます。

・食欲不振
・口元を気にする
・口をぺちゃぺちゃ鳴らす
・大量のよだれ
・口臭の悪化
・口内の腫れ
・毛づくろいが減る

老猫がご飯を食べない原因となる口内炎の多くは、潰瘍を伴う「潰瘍性口内炎」です。
口の奥の方から歯茎や頬の内側まで及び、広範囲にわたって潰瘍ができ、かなり広い領域が真っ赤に腫れ上がってしまいます。また、口の中はあちこち切られたようなひどい痛みが発生します。猫がご飯を食べないようになるのはこの痛みためです。

潰瘍性口内炎の原因は不明なことが多く、代謝異常、栄養不良、免疫の乱れ、感染症など様々な原因が考えられていますが、歯周病から歯肉炎、そして口内炎と発展するパターンが多いようです。

治療法は歯周病の管理、投薬等が行われます。予防は口の中の衛生状態をよくすることが効果的なことから、やはり歯磨きの習慣づけは重要です。

4. 歯の衰え、顎の力

老猫は経年による歯の劣化により、あまり固いものを食べないようになってきます。咬む力の低下や食道の運動低下などにより、食べたものをうまく飲み込めなくなり、吐き戻しが多くなることもあります。

5. 鼻詰まり

老猫がご飯を食べる、食べない、の大きな要因は匂いです。鼻詰まりをすることによって食事の匂いを感じることができず、食べなくなってしまうことがあります。

猫の鼻詰まりは呼吸器系疾患のことがほとんどです。ワクチンを摂取し、感染症の予防をし、猫が外に出ることをやめさせることで感染症のリスクは減ります。老猫のストレスを減らし、免疫力を向上させることも鼻詰まりの予防になります。


食べない時の老猫の食事の工夫は?

老猫 食べない

老猫がご飯を食べなくなると、体力や抵抗力が落ちて様々な病気の危険にさらされます。少しでもご飯を食べてもらうためにも食事の内容に工夫が必要となってきます。

◆食べさせ方を工夫する

まずは老猫が食べやすい環境になるよう工夫をしましょう。

・老猫が食事をする際に楽な姿勢で食べられるように、高めの台に食事の器を乗せる。
・スプーンや手で口のそばまでご飯を運んであげる。

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◆老猫用のフードを工夫する

・シニア用ドライフードを中心に、ウェットや流動食、ペースト状のおやつなどを取り入れる。
・ドライフードは柔らかめの小粒のものを選ぶ。
・ドライフードを湯やスープでふやかして、食べやすくする。
・かつお節など、香りの良いもの、好物のものをご飯に乗せる。
・フードは常に新鮮なものを与える。
・水分をしっかり摂取できるように新鮮な水をいろんな場所に用意しておく。

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老猫への流動食の与え方

固形物を食べないようになってきた老猫には流動食を与えましょう。

◆流動食の作り方は?

いつものドライフードをお湯やスープでふやかし、柔らかくしてミキサーやすり鉢などでペースト状にしたものを流動食として与えます。この時、流動食にブドウ糖を混ぜ込むとカロリーが効率よく摂取できます。

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◆流動食の与え方、注意点は?

  1. 体を抱っこして起こして、顔を斜め上にあげて与えます。流動食が逆流しにくくなります。
  2. 注入器やシリンジに流動食を入れ、口の端から差し込んでゆっくりと口の中に入れましょう。
  3. 一気に口の中に入れてしまうと誤嚥の原因になるので慎重に行い、飲み込んだのを確認して、次の分を入れるようにします。
  4. 食べ終わってもしばらくそのままの体勢で食べたものが逆流してこないか様子をみましょう。

一度に多くの量を与えると老猫には胃への負担が大きくなるため、1日に3〜6回に分けて与えましょう。この時、吐いてしまう時は量を減らしてみて、吐くことなく順調に食べられたのであれば次は少し増やすなどして愛猫に合わせて調整することが大切です。

どうしても流動食をうまく与えられない時は獣医さんに相談してみましょう。


食事を食べられない時の強制給餌の方法

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強制給餌とは、自分でご飯を食べることができなくなった猫にシリンジなどを使用して強制的に食事を与える方法です。

◆強制給餌が必要なのはどんな猫?

強制給餌が必要なのは、自分で食べられなくなった老猫。24時間全くご飯を口にしない時は深刻な食欲不振とみなします。老猫が丸一日ご飯を食べない場合は食事の種類を変えても改善は期待できず、肝リピドーシスのような深刻な症状に陥ることもあります。そのため、どうしてもご飯を食べてくれず、体重が減り続ける老猫には強制給餌が必要となります。

強制給餌で食欲が戻り、普通に食べてくれるようになることもありますが、老猫の場合は最後まで強制給餌が必要になることもあります。自分で少しだけ食べる場合も、不足している栄養の分は強制給餌になります。

強制給餌を始めるか否かは獣医さんに相談します。食欲増進の治療もあるので、まずは獣医さんの意見を聞いてから判断しましょう。

◆強制給餌の方法、注意点は?

強制給餌を始める前には必ず獣医さんの診断を受け、脱水症状があるなら点滴等で治療してもらいましょう。脱水症状が治ると食べられるようになる場合もあります。猫の首から肩辺りをつまみ、皮がゆっくり戻る場合は脱水症状を起こしている可能性があります。

また、排泄の確認をし、消化器のどこかで閉塞してないか、消化はできているかなどをチェックしましょう。便秘や毛玉が溜まっている場合でもご飯を食べないようになります。

次に老猫の年齢、体重などから一日に必要なカロリー量を計算します。手作りの流動食は日持ちがしませんので、長期の作り置きはやめましょう。

強制給餌には次のような方法があります。

1. シリンジや注入器で与える

【準備】
・猫が暴れないように、最初にバスタオルを猫の体にきつく巻きつけて、洗濯バサミやクリップで留めて動きを制限する。足が出ないようにして、首のところをしっかり留める。市販の猫用の保定袋もある。
・溢れた流動食をふきとれるように、濡れているタオルと乾いたタオルを2枚以上横に常備しておく。
・1回の食事量は、10mlの注入器やシリンジで1本分位。
・流動食は少し温めて人肌程度にする。

【与え方】
・流動食を注入器やシリンジで口角(口の両わき)から歯と頬の隙間に流し込んで与える。猫が口を開かなくても、口角からなら入れられる。上顎に向けて差し入れ、舌の上に流動食が乗るようにする。
・舌でペチャペチャと舐めるように飲み込めるのが負担のないスピード。嫌がって飲み込まない場合は、猫の喉を両手で押さえて、しばらく口先を天井に向けておくと「ゴクッ」と飲み込む。
・シリンジや注入器を使わずに指で食べさせる場合は、右手の人差し指にフードを塗って、左手で猫の口をこじ開けて、口角から押し込む。口先を天井に向ける。

【注意】
・勢いよく口の中に注入すると猫がむせたり吐いたりするので注意。
・嫌がるときは流動食に少し水分を加えてサラサラにして与えてみる。
・食後は口の周りをきれいに拭いて、清潔にしておく。

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2. 団子にして与える

【準備】
・ウエットフードとドライフードを混合して数時間冷蔵庫で置く。ドライにウエットの水分がいきわたった状態のフードをスプーンですくって団子を作る。
・団子は1個あたり2gほどの大きさにする。

【与え方】
・一日に必要なカロリーを計算し、団子を与える回数を決める。ただし老猫の様子を観察し、負担のない回数で与える。
・片手で猫の上あごをつかみ、もう片方の指で口をあけて舌の上に団子を入れる。
・給餌後はきちんと胃に入るように、水分を5mlほどシリンジ等で与える。

【注意】
・老猫の誤嚥や窒息を防ぐため、咀嚼力や飲み込む力のある老猫のみ行う。

3. その他の方法

その他の方法としては、胃に直接チューブを入れる方法、食道にチューブを入れる方法がありますが、これらは全身麻酔で獣医さんのもとで措置する必要があります。処置できない病院もありますので、かかりつけの獣医さんに相談しましょう。また、全身麻酔なしでできる、経鼻チューブ方法もあります。

老猫を抱きながら無理矢理シリンジでご飯を与えることは、猫にとっても飼い主にとっても大きなストレスになります。老化や病気で長期的に食べられないことが予想される場合、この方法は老猫にも飼い主にも負担が少なく済みます。実際に経験された人に話を聞くと、「もっと早くからやってあげれば良かった」というコメントも多いので、獣医さんに相談してみるのも選択の一つです。

老猫が強制給餌した食事を嘔吐してしまった場合には、3〜6時間ほど間隔を開け、次の給餌の際の食事は1/2量を目安とします。その後嘔吐がなければ予定量に戻します。嘔吐が頻繁な場合は嘔吐抑制の薬、胃薬などを処方してもらって常備し、臨機応変に使用することも必要です。


まとめ

いつまでも元気で長生きしてほしいけれど、できれば嫌がる老猫に無理矢理ご飯を与えるようなことはせずに、自然に任せてしまった方が良いのではないか、と考えてしまいます。

老猫の体調によっては強制給餌の辛さが更に増すことがあるでしょう。口内炎のひどい老猫にシリンジを口に入れてしまうと激痛が走るはずです。体力が低下している老猫は、毎回抱き上げられて口からフードを流し込まれるのは苦痛かもしれません。一方で、猫が餓死する際の苦痛はとてつもなく大きいとも言われます。

強制給餌を選択するのか、自然に任せるのか、チューブを通して栄養を猫の体に送り込むのか・・・選択するのは飼い主さんです。獣医師さんとよく相談して、愛猫にとってベストな方法を選択してあげてください。

※こちらの記事は、獣医師監修のもと掲載しております※


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そらにゃん

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猫が大好きなおばさんです。猫、いいですね! 我が家には「そら♂」「すず♀」「りん♀」のニャンズがいます。 ずっと犬を飼っていて猫暦はまだ二年そこそこと短いのですが、長年の願いだった猫との暮らしに今もウハウハ状態です。ニャンズのおかげで仕事や家事や寄る年波の疲れも吹っ飛びます。 病気がちな「そら」のおかげで獣医さんと懇意になり、通院の度に先生から様々な猫情報を教えていただいてます。 いかにニャンズを満足させられるか、猫じゃらしの振り方を日々研究中。 得意技は猫に錠剤を飲ませること。←ただし「そら」限定!?

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