カリフォルニア州のとある街で、飼い主に先立たれた5匹の猫が保護されました。
里親が順調に決まっていくなか、1匹の猫ちゃんだけは、なかなか里親が見つかりません。
彼の名前は「ベニー」。盲目のこの猫ちゃんは、水頭症という頭蓋内に過剰に髄液が溜まる病気を患っていました。
ベニーは州内の動物病院で治療を受けながら里親を探すことになりましたが、里親探しは難航。動物病院のゲージで過ごす日々が続きました。
そこで、獣医は地元の保護施設に助けを要請することに。話を聞いた地元の保護施設「ミロズ・サンクチュアリ」がすぐにベニーを迎え入れました。
この施設は身体的障害を持つ猫、虐待を受けた猫を中心に心身のケアする保護施設です。保護施設へ移ったベニーは定期的な検査とホメオパシー治療を始めました。
「彼は最近とても調子が良いの。特別な治療をせずに5歳になったという事実が、彼の強さを証明しているわ」保護施設のスタッフはそう話します。
大好きな家ができたことで、ベニーはさらに力強く生き始めました。美味しいご飯を食べ、甘えているとごろごろと喉の音がなり鳴り止みません。
「ベニーは育てのお母さんを ”最高の爪とぎ” に決めました!おかしな可愛い子!」
「盲目で水頭症でも彼はゆっくりとはしていません!キャットツリーに登り、そこでお昼寝をしています」
スタッフがそんな何気ない日々の様子をフェイスブックで紹介すると、ベニーはたちまち人気者に。新しい家で家族と幸せな日々を送りました。
しかし…別れの時は突然やってきたのです。
保護施設にきて数ヶ月を過ぎた頃、体調を崩してしまったベニー。スタッフが懸命に介抱し、ファンがメッセージを送り続けましたが、ベニーは天国へいってしまいました。
保護施設のスタッフ、ファンはベニーを失った悔しさと悲しさに涙を流しました。
波瀾万丈ともいえる人生をベニーは力強く生きました。そして多くの人に愛されました。
アーティストであるベン・ターディックは追悼しベニーの絵を描きました。すると多くのファンからこの作品のプリントが欲しいというメッセージが。
ベニーの絵は販売され、収入はすべて保護施設にいる猫達に還元されることになりました。死後もベニーの存在感は変わらず、愛され続けた証拠です。
かつて孤独に怯えた猫はもう孤独ではなくなりました。スタッフやファンの心は永遠にベニーのそばを離れません。短くも愛に溢れた最期だったのではないしょうか。
ベニーが天国でまた沢山の家族と楽しく過ごしていることを願っています。
<参考サイト>
lovemeow.com
– おすすめ記事 –
・「醜い猫」と呼ばれ捨てられた子猫。障害を乗り越えて彼が幸せになるまでのお話。 |
・【海外】【感動】前足のない障害を持つ保護猫。やさしい里親と先住猫との出逢いが生んだ心の絆! |
・死産、家族からの裏切り。辛い過去を持つ猫から愛情の尊さを知る |
・疥癬で両目を閉ざされてしまった保護猫。目が開いた瞬間、誰もが驚く美しい瞳が現れる! |