天井をボーっと眺める猫。なぜ?

2017.12.31

天井をボーっと眺める猫。なぜ?

愛猫が天井や空中をボーっと見ているような光景を見たことがありませんか?天井や空中には何もなく、不思議だなと思える行動ですよね。このような光景は、多くの猫好きさんが目撃したことがあるであろう「猫のあるある現象」のひとつとも言えます。この現象、どうやら「フェレンゲルシュターデン現象」と言われるという噂まであります。今回の記事では、猫が天井を見ているときの理由やフェレンゲルシュターデン現象について、そしてそのワードが広まった背景などについてもお話ししていきます。

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猫が天井や空中を見つめる姿は「フェレンゲルシュターデン現象」なのか?

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猫が天井や空中をボーっと見つめている視線の先を見ても、飼い主さんには「何も見えない!!」ということが多いかもしれません。このような行動は猫との暮らしでは珍しくなく、なんと「フェレンゲルシュターデン現象」という呼び名まであるという説も…。

でも実際には、その「フェレンゲルシュターデン現象」と呼び名の由来にはいくつかの疑惑が隠されています。

愛猫家さんなら知っておきたい真実についてお話ししていきます。

◆猫によるフェレンゲルシュターデン現象とはどんな行動なのか?

何もない天井や空間を愛猫がボーっと見つめていると「ウチの猫、もしかしてお化けが見えているのでは…?!」とプチパニックになってしまう飼い主さんもいるかもしれません。人間には見えない何かが猫には見えているのだとすると、なんだか怖いような気持ちになるものですよね。猫の視線の先を何度も確認しては、ドキドキしてしまいます。

こんな猫の様子を「フェレンゲルシュターデン現象と言うのだ」とネットでその名前の由来が拡散されたことがあります。

しかし、この現象名の由来について、実際は「ウソ」であることが分かっています。

では、どんな内容の「ウソ」が広まってしまったのでしょうか。

◆フェレンゲルシュターデン現象という名前の由来は?

フェレンゲルシュターデン現象の由来はウソなのですが、その内容を知ると本当のように聞こえ、簡単に騙されてしまう人も多いかもしれません。

フェレンゲルシュターデン現象は、第二次世界大戦中のナチスで、霊の研究家である博士「シュターデン」とその愛猫「フェレンゲル」との間で起こった出来事から名づけられたと言います。その内容がこちら。

あるときから、博士の飼っていた愛猫が何もあるはずがない空間をボーっと見つめることが多くなりました。頻繁に空中を見ている愛猫の行動すべてに共通するのは「視線の先には何もない」ということ。そこで、霊の研究をしていた博士は、それらの空間の調査を始めました。

すると、猫が見つめていた空間が、他の空間よりも寒い気温であることが分かりました。
当時、霊が出現する空間は気温が下がるという定説がすでにあったため「愛猫フェレンゲルが見つめている空間は気温が下がっているのだから霊がいるに違いない」とし、フェレンゲルシュターデン現象というネーミングにしたという内容です。

いかがですか?「ドイツのナチス」「霊の研究」「博士」など、うっかり騙されそうになるような真実味が溢れる内容でしたよね。

◆すべて作られた「ウソ」の内容…信じないためにも知っておこう

もともとは誰かが作ったウソの話ですが「フェレンゲルシュターデン現象」という難しい名前のため、騙されてしまう人が続出したようです。名前の由来がウソであっても、それが広まってしまったことでまるでホントのようになり「猫が何もない空中を見ること=フェレンゲルシュターデン現象」とまで定着してしまったのだと言われています。

猫の飼い主さん同士で「猫が空中を見る」という会話をしたときには、もしかしたらフェレンゲルシュターデン現象というワードが今後出てくることもあるかもしれません。
名前がつくられたいきさつは作り話なので「ウソの内容だ」という真実を知っておけば、会話に置いていかれることはないでしょう。


猫には霊感がある?!動物が持つ第六感について

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フェレンゲルシュターデン現象の作り話を信じてしまいそうになるのには「猫には霊感があるのでは…?」と昔から言われていたことも関係している気がしませんか?

動物には人間と違う感覚が備わっている…それを「第六感」などと表現しますよね。

◆第六感ってなに?

人間や動物が世界のあらゆるものを感じ取れる感覚には、目で見る「視覚」、耳で聞く「聴覚」、鼻で感じる「嗅覚」、舌で感じる「味覚」、触って感じる「触覚」という5つの種類があります。

一般的に「第六感」というのは、これ以外の説明しがたい感覚のことを指し、霊感的なものと考えられています。

◆動物に人間とは違う感覚が備わっていると言われる理由は?

猫をはじめとした動物に第六感があるというのは、多くの人の頭に定着しているイメージかもしれませんね。地震前の動物たちの行動と関連付けて話す人が多いでしょう。

地震が起こる前触れとして、動物たちに見られる「いつもと違った鳴き方」「ソワソワしだす」など、異常行動が起こるというのは有名な話です。そんな動物たちの異常行動を第六感と結びつけて考えられることも多いですよね。

動物には、人間が感じ取れないような電磁波や自然界の異常を細やかに感じ取れる力が備わっているようです。

●猫の予知能力についての記事はコチラ

猫は地震を察知する?注目の研究結果から分かる猫の地震予知能力

緊急地震速報は震度5弱以上の大きな揺れの数十秒前に気象庁が発表しますが、 数日前に予知することはできません。いつ起こるか、どのくらい規模なのかについて予測できない地震は、多くの人々が不安に思うことです。 そんな地震ですが、動物たちが地震前に異常行動を起こすことで地震予知ができるという研究が広く話題になっています。

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猫が空中を見るときの心理は…?

フェレンゲルシュターデン現象という小難しい名前の由来は全くのウソですが、行動自体は実際によくあることです。猫ちゃんの行動として頻繁にあることですから、飼い主としてその心理状態について知っておくことは大事です。

猫たちには人間とは違う第六感的な何らかの感覚が働いているようなので、空中をボーっと見つめているときも何かを感じ取っているのかもしれません。

でも、それは「霊」などではなく、次の2つのケースの理由が考えられます。

– 耳を澄ませて音を聞いている –

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天井をボーっと眺めているとき、何かの音を聞くために耳を澄ませているのかもしれません。

猫は、並はずれた聴力の持ち主。人間の聴力とは比較にならないほど、耳の聞こえは抜群です。特に、人間では分かりにくいような高い音までも聞き取れる素晴らしい「耳」を持っています。

◆猫の聞き取り能力は人間の3~4倍ほど!

猫が持っている感覚のうち、一番優れているのが「聴力」です。人間界では、普通の人が聞こえない小さな音までもよく聞こえる耳の持ち主を「地獄耳」などと言いますが、猫はまさにそれ。猫は人間が聞こえないようなほんの小さな音を感じとってしまいます。

特に、高い音を聞き取る能力が高く、人間の高音の聞き取り能力と比較すると、なんと3~4倍もの聴覚を持っているのだとか。
高い音が聞こえやすいので、猫が人間の女性の声によく反応するのも聴力の良さが関係していたのですね。

超音波のような音も聞き取る力が備わっているなど、猫の耳は人間の想像する以上に優れています。

◆獲物をキャッチするために備わった聴力

猫の聴力がずば抜けて優れているのは、獲物をキャッチするために必要だったからです。

自然界で暮らしていた猫は夜型生活で、暗闇で狩りをしなければならなかったので、聴力をMAXにして獲物の存在を把握していました。そのため「視覚」よりも「聴覚」が鋭くなり、ネズミや虫の鳴き声や移動する音を感じ取ることで獲物を捕まえていたのです。

◆音のする方向を見ているのでは?

猫が空中をボーっと見つめているときには、おそらく耳を澄まして何かの音に集中しているときでしょう。
猫は遠くの音まで聞こえ、さらにはその方向まで知ることができます。「音の正体が何なのか」について気にしているのだと思います。

飼い主さんが怖がるような幽霊が猫には見えているわけではないようです。

◆音の正体を知ると活発に動く猫

猫が何の音なのだろうと耳を澄ましているうちは、おそらくボーっと一点に集中していることでしょう。遠く離れたところからやってくる音が聞こえるため、その音が何かが分かると急に動き出すこともあります。

そのよく分かる例が飼い主さんの声です。何十メートルも離れた場所にいる大好きな飼い主さんの声も猫の優れた聴力で察知できるので、猫がボーっと空中を見ていた数十秒後に飼い主さんが帰宅するなどもよくあるケースです。
飼い主さんの声に限らず、玄関外から聞こえる「車の走る音」「ドアが閉まる音」「靴の音」などを地獄耳的に聞こえているのかもしれません。

ボーっと一点を見つめているときに「耳」を立てていたりすれば、「耳を澄ましている」サイン。愛猫が必死で音に反応しているなんて、可愛らしいですよね。

– ストレス的な原因でボーっとしている –

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猫が天井や空中を見つめている行動がすべて耳を澄ましているだけとは限りません。

◆耳を澄ませしている時とのちがい

音を聞き取るときには、耳を立てていたり、キョロキョロとしたりと、何かを一生懸命聞こうとする耳を澄ますサインがあります。少しの間、ボーっと天井を見つめたのち、音のする方に向かって走り出したりすれば「単に耳を澄ましているだけ」と分かって安心。また、一時的にボーっとした後にすぐに元気に動き出せば、体調に問題はないことが多いでしょう。

しかし、明らかに「ボーっと」している場合、ストレス的な要因が原因の場合もあります。

◆常同行動なのかもしれない

愛猫があまり動かずに何時間も同じところを見つめている…。これは、もしかしたら猫の異常行動のひとつである「常同行動」なのかもしれません。

猫が長時間、あるいは何度も同じ行動を繰り返す場合、同じ行動を何度も続けることを「常同行動(じょうどうこうどう)」と言います。一般的には、何らかのストレスが関係している心因性の行動と考えられます。
常同行動には、何度も同じ場所を動き回ったり、自分の被毛を長時間舐め続けたりすることもあります。猫のストレスで考えられるのは主に生活に関することです。

◆ストレスを取り除くことを考えよう

最近、変わったことがなかったか、留守番など負担をかけ過ぎていないか、コミュニケーションが不足していないかなど、猫のストレスの原因となりそうなものを取り除いて様子を見てみましょう。
常同行動は、ストレスの表れですが、それが原因で病気に発展し、体調を崩すこともあるので注意しなければなりません。


まとめ

フェレンゲルシュターデン現象という名称は、ネット上から始まった誰かの作り話というのが本当の話です。もっともらしい書き込みに思わず騙されてしまった人も多いかと思います。
しかし、真実はともあれ、広まってしまった「フェレンゲルシュターデン現象」という言葉と関連付けられるのが「猫がなにかをボーっと見る現象」です。ウソの作り話が、猫の行動のひとつとして語られるなんて、ちょっと面白いことかもしれませんね。

とはいえ、猫が天井をボーっと見る行動はよく見られること。人間には聞こえない音をじっくり聞いている時間であることが多いようです。飼い主さんが帰ってくるのを待ちわびて耳を澄ましていると考えると可愛らしいことですよね。

一時的に「何かの音を聞いているのでは?」という心配ないものなら安心ですが、ストレスによって引き起こされている可能性もゼロではありません。
あまりにも長時間続くようなら、日ごろの生活環境を見直すなど愛猫の様子を観察してあげてくださいね。



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中岡 早苗

中岡 早苗

可愛い猫ちゃん達に囲まれながら、猫の知識や暮らしを日々学んでいます。 学んだ情報はどんどんお伝えしていきます。楽しいネコライフをおくりましょう。

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