猫のマイクロチップの装着方法・費用は?つける必要はある?

2019.06.13

猫のマイクロチップの装着方法・費用は?つける必要はある?

猫にマイクロチップをつけることについて、考えたことがありますか?外国では犬にマイクロチップをつけることを義務化しているところもあります。日本でも2019年6月にマイクロチップの装着が義務化され、費用も大きすぎず、マイクロチップをつけている飼い主さんが増えてきています。 マイクロチップを猫につけると、どのようなメリットがあるのでしょうか。また、どのようなデメリットがあるのでしょうか。マイクロチップの装着方法や、どのくらい費用がかかるのかについてもご紹介します。

【目次】

※2019年6月13日追記
2019年6月12日、ブリーダーや販売店など、犬や猫の販売業者に対し、マイクロチップの装着と所有者情報の環境相への届け出を義務付けることなどが盛り込まれた改正動物愛護法が参院本会議で全会一致で可決、成立しました。
一方で、現在飼われている犬や猫への装着は努力義務とされています。マイクロチップ装着の義務化は公布から3年以内に施行されます。

マイクロチップとは?

マイクロチップとリーダー画像

「マイクロチップ」とは、動物の体内に埋め込む、小さな電子タグのことです。動物の個体識別や情報を確認するために使用されています。

埋め込む動物は、哺乳類や鳥類だけでなく、両生類、魚類、爬虫類など、ほとんどの動物に使うことが可能です。

◆マイクロチップのしくみ

マイクロチップの内部は、IC、コンデンサー、電極コイルで出来ています。
大きさは、直径2mmほど、長さ8mm~12mmの円筒の形で、世界で唯一の15桁の数字が、個体識別番号として記録されています。

このマイクロチップを、専用の器具を使ってペットの体内に埋め込んでおくと、ペットを識別することができるということになります。

マイクロチップによって個体を識別するには、リーダーという専用の読み取り機を使って、マイクロチップの個体識別番号や情報を読み取ることができます。

◆マイクロチップに登録できる情報

マイクロチップには以下のような情報を登録できます。

・IDナンバー(識別番号)
・埋め込んだ日時
・飼い主の情報(飼い主の名前・住所・電話番号)
・ペットの情報 (種類・毛の色・性別・去勢済・避妊済・ペットの名前)
・獣医師の情報 (獣医氏名・ 所属獣医師会コード)
・獣医施設の情報(住所・電話番号)

これらの情報を読み込むリーダーは、全国の動物病院、動物保護センター、保健所などに配備されています。マイクロチップそのものは無料で、動物病院で体内に埋め込む時と、情報を登録する時に費用がかかります。

◆マイクロチップは交換する必要がない

マイクロチップの耐久年数は30年程度ありますので、一度ペットの体内に埋め込むと、交換する必要はなく、半永久的に使用することができます。データの消失や、マイクロチップそのものが体から外れるといったこともないとされています。

ちなみにマイクロチップの外側は生体適合ガラスで出来ていて、皮膚の下で体には影響のない位置に埋め込むので、ペットへの害はないとされています。


マイクロチップの装着方法・費用は?

AdobeStock_180139623マイクロチップ

マイクロチップの装着は、獣医療行為なので、必ず動物病院にて獣医が行います。

◆マイクロチップの装着方法

マイクロチップを装着するには、通常の注射針より少し太い、専用のインジェクター(チップ注入器)を使い、皮下に埋め込みます。

まずマイクロチップを専用のリーダーで読み取って、マイクロチップに添付された書類と同じ数字かどうかを確認します。問題なければチップ挿入器を使って、マイクロチップを埋め込んで完了です。

装着後には、ちゃんと体内に入ったかを獣医さんが確認し、リーダーで情報を読み取り、ちゃんと認識できているかを確認します。

◆マイクロチップを埋め込む場所

マイクロチップを埋め込む場所は、動物によって違いますが、猫であれば首の付け根の後ろ側の皮下が一般的です。
痛みは、普通の注射をされるのと同じくらいだと言われていて、基本的には麻酔などは使用しません。

猫は、生後4週間ごろからマイクロチップを装着できるとされています。

◆マイクロチップの費用

マイクロチップを装着する費用は、マイクロチップそのものは無料で、埋め込み費用がかかります。動物病院によって違っていますが、埋め込み費用は数千円~1万円ほどだと言われています。

さらに、情報を動物ID普及推進会議に登録するための費用が1,000円必要です。登録は、居住している地域によって、動物病院または飼い主さん本人が行うことになります。

※動物ID普及推進会議(Animal ID Promotion Organization=AIPO)
マイクロチップによるデータの管理と、動物個体識別の普及と推進を行なっている組織。

◆マイクロチップの注意点

ISO規格のマイクロチップでない場合、読み取り機器によっては互換性がないため、データが読み取れない場合もあります。せっかくマイクロチップを埋め込んでも、読み取ることが出来なければ意味がありません。

ISO規格のマイクロチップであるかどうか、装着してもらう動物病院で確認するようにしましょう。


猫にマイクロチップをつけるメリット・デメリットは?

ペットへのマイクロチップの装着については、様々な意見があります。

◆猫にマイクロチップをつけるメリット

・猫が飼い主さんのものであるという証明ができる
・殺処分を防ぐことができる
・飼い主が責任を持てる

猫がいなくなった時、どこかで保護されると、マイクロチップを読み取ることで飼い主さんに連絡がもらえる可能性があります。
脱走した時はもちろん、迷子になったり、災害で離れ離れになったりした場合、保護されていれば、動物病院などでマイクロチップを読み取ってもらうことで、自分が飼い主であるということが証明できます。

また、保護されて保健所などに収容された場合でも、飼われている猫であることがわかれば、殺処分されずに、連絡をもらうことができます。

実際に、東日本大震災の時には、首輪のみをつけていた猫では、飼い主が判明しなかったため、マイクロチップへの関心が高まったということです。

さらに、マイクロチップによって猫が誰の飼い猫かわかるということで、どのような飼い方をしているのかがわかりますので、猫に対しての責任が発生します。身元がわかるだけでなく、猫の様子を見ることで、飼い主がちゃんと餌を与えて衛生的に飼っているかどうかもわかります。

マイクロチップをつけていれば、安易に猫を捨てるという行為も出来なくなる効果があると考えられます。

◆猫にマイクロチップをつけるデメリット

・猫の体に害がある可能性もゼロではない、破損の可能性がある
・読み取り装置がなければ確認できない
・飼い主の個人情報が知られることになる

マイクロチップを装着する時には、痛みがないとされていますが、体内に異物を入れるので、痛みを感じる猫もいるかもしれません。局所麻酔をしてからマイクロチップを装着してくれる場合もありますが、通常は必要ないとされています。

また、マイクロチップを入れた犬や猫の中に、アレルギー症状や転換の症状が出たという報告があり、少なくともそのような事例はあるということです。体内でマイクロチップが移動して、破損したという事例も少ないながらあるとのこと。
事例があるために完全に無害であるとは言えないので、飼い主さんがつけることをためらってしまう原因となっています。

マイクロチップには多くの情報が登録できますが、飼い主さんの個人情報も登録されているため、当然ですが名前や住所、電話番号などを他人に知られることになります。

また、デメリットとまでは言えませんが、マイクロチップにはGPS機能はないために、猫が行方不明になった時に追跡することはできません。


猫にマイクロチップは必要?

人に触られている猫

ここまでマイクロチップの装着方法、メリット・デメリットについてご紹介してきました。

では、実際愛猫にマイクロチップをつける必要はあるのでしょうか。

◆マイクロチップの装着数は増加している

2019年6月に義務化されたペットのマイクロチップ装着は、猫の迷子や災害時には、飼い主特定の有効な手段となると考えられます。

実際に、マイクロチップ装着を推進している自治体も多く、補助金が交付されているところもあるため、マイクロチップの装着率は年々増加しています。

2018年6月の時点では、全体の登録数が1,779,464件、そのうち犬は1,403,343件猫は371,362件、その他の動物は4,759件となっています。

◆マイクロチップが活用されない場合も

平成18年に改正動物愛護管理法が施行され、全国の自治体でリーダーの設置が進められてきて、保健所などの公的施設ではマイクロチップを読み取れるような体制が広まって来ています。
ただし、自治体によっては、迷子猫に対してマイクロチップの読み取りをしなかった、という事実も残念ながらあったという情報があります。

さらに、登録されている情報が変更されていて、所有者に連絡がつかない、といったこともあります。電話番号や住所に変更があった場合は、忘れずに変更を申し出る必要があるということです。

◆マイクロチップ義務化の問題

マイクロチップを義務化することには、大きな問題もあります。

マイクロチップは、一度装着すれば、その後は半永久的に使用できることから、追加の費用はかからず、費用面での問題は大きくありません。
ただ、マイクロチップを義務化すると、地域猫や野良猫など、マイクロチップをつけていない猫は処分してもかまわない、という意見が出るおそれがあるのです。

日本では、犬や猫の殺処分がまだあるということ、また、残念ながら犬や猫などが好きな人ばかりではないこと、犬や猫を駆除しようという人がいることなどを考えると、マイクロチップの義務化が猫のためになるかどうかは、よく考える必要のある問題です。

マイクロチップをつけていない猫が、人間によって害を加えられるような不幸な状況になってはいけないと言えるでしょう。


マイクロチップのまとめ

ペットにマイクロチップを装着することは、アメリカやヨーロッパをはじめとして広く普及しています。日本でも猫のマイクロチップ埋め込みが義務化され、関心が高まってきています。

飼い主さんが自分の飼い猫にマイクロチップを埋め込むかどうかは、様々な状況をよく比較して決めるべきことです。迷子になった飼い猫が保護された時のために、万全の用意をしておきたい、と思うのは当然のことで、その選択肢にはマイクロチップの装着があります。

自分の猫にマイクロチップをつける時には、猫の体に起きる問題の可能性、装着時の痛み、マイクロチップは万能ではないことなどを頭にいれた上で、決定してくださいね。



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ねこちん

ねこちん

ひろった猫たち、トータル5匹と暮らしています。猫の写真を撮り、猫のイラストを描くのが好きです。

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