猫が帰ってこない理由は?家出してしまった時の探し方と予防策

2018.06.07

猫が帰ってこない理由は?家出してしまった時の探し方と予防策

猫を飼っている人であれば少なからず経験する「あれ?猫が帰ってこないぞ」という飼い猫の行方不明事件。家出をしてしまったのか、気まぐれで遊びに出かけているのか…不安になりますよね。 今回は、猫が外に行ってしまう理由、そして帰ってこない理由、探し方、予防対策について考えていきましょう。飼い猫の家出の理由がわかれば、安心して猫ちゃんとのペットライフを満喫できますよ。

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猫が外出する理由は?

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まず大切なのは、「猫が外出をした後、自らの意思で帰ってこない場合はほとんどない」ということです。大抵の場合、「帰ってこない」のではなく「帰ってこられない」という状況だからです。

それを分かってあげた上で、まずは猫がなぜ外に行ってしまうのかという理由から考えていきましょう。

◆猫が外出する理由①外への興味、狩りの欲求

一昔前、猫は家の中で飼うというより外で飼っているものでしたが、近年は生活環境の変化から屋内で猫を飼育するケースが増えました。屋内飼育は、猫自身の病気やケガ、排せつ物による地域トラブルを避けられることもあり推奨されています。

しかし一方で、外で狩りをする機会がなくなってしまったので、その欲求が時に猫を外の世界へと誘ってしまうことがあります。

猫は天性のハンターで、ネズミ狩りをさせたら右に出る者はいません。今はネズミを捕る機会もないのでのんびりしていますが、狩りへの欲求は本能として残っています。
そのため、鳥や小動物を見かけたとき、たまたま窓が開いていたりドアが開いていたりすると、そのまま外出してしまいます。これが一つ目の家出の理由です。

◆猫が外出する理由②叱られたことによるもの

猫は気ままな性格で、飼い主さんとの関係は主従関係ではなく横のつながりを持っています。なので、飼い主さんから叱られたとき、時にふてくされてしまうことがあります。
機嫌を損ねた猫は、飼い主さんの目に入らないところに行こうとします。これは、乱れてしまった気持ちを落ち着かせるための行動です。

家の中に自分だけの安心できるスペースを持っていれば大丈夫ですが、そうでない猫は、外にそのスペースを持っていることがあります。この場合、屋外のそのスペースに行って、気持ちを落ち着かせているということがあります。

大抵の場合、気持ちが落ち着くと何食わぬ顔で戻ってきているものです。こればかりは「家出」と言ってもいいかもしれませんね。

◆猫が外出する理由③パトロール

猫もなわばりを持っています。メスの場合は比較的狭い地域でメスの親戚同士ゆるい繋がりの集団を作っており、オスはこのメスの集団をいくつかカバーするように広い範囲をなわばりとして持っています。

完全室内飼育ではない猫は、定期的に自分のなわばりのパトロールを行っていることが多いでしょう。いつも気を配り、部外者がわがもの顔でうろついていないか、メスたちの様子はどうか確認しています。
もちろんメスの場合も他の猫たちとのコミュニケーションがあるので、なわばりを巡回することがあります。

猫のなわばりは都会や田舎などの環境によっても変わりますが、大体の目安として半径50~200mくらいの広さがあると言われています。

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猫が帰ってこない理由は?

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このように猫が外出するには、いくつかの理由があります。どの外出でも、大抵の場合はすぐに戻ってきます。たとえ本当に家出だったとしても、猫にとって一番落ち着く場所はもちろん自宅。好き好んでずっと外にいることもないでしょう。

それが帰ってこないとなると、何かしらのトラブルが発生したと考えた方がいいでしょう。

◆猫が帰ってこない理由①道に迷ってしまった

猫の頭の中には、自分が活動する地域の地図が入っています。猫は方向感覚にも優れているので、この脳内地図があれば道が分からなくなることはほとんどないでしょう。

しかし、人間が住む町は、工事であったり、イベントであったり、外壁のリフォームだったりと、猫が目印にしていたはずの物が変わってしまうことも少なくありません。

毎日外出してパトロールを欠かさない猫であれば、そこまで問題にはなりませんが、たまに外出するような猫は、この目印の変化に対応できず、道が分からなくなってしまうのです。

◆猫が帰ってこない理由②なわばりの外に出てしまった

大抵の場合、なわばり内であれば家に戻ることはできますが、さすがになわばりの外に出てしまうと地理的なことが全く分からなくなってしまうので、迷子になる可能性は大きいです。

なぜなわばりの外に出てしまうのかというと、理由は2つ考えられます。

★猫同士のケンカ
1つはケンカです。特にオスで多いのですが、外出中に他の猫といざこざを起こすことがあります。

猫は争いを好まない生き物なので取っ組み合いのケンカになることは少なく、睨み合い、唸りあいで勝敗が決まります。自分より優位の猫に会ってしまったらすごすごと引き下がるのですが、ちょっとしつこい相手だと、その優位な猫のなわばりの外まで追い出されてしまいます。

追い出された先がまだ自分のなわばりの中であれば問題ありませんが、外であったならなかなか帰れません。
帰ろうにもまた自分より強い猫に阻まれて帰れない、なんてこともあります。追い出された先でさらに他の強い猫にもっと外側まで追い出されていくと、どんどん自分の家から遠ざかり帰れなくなっていきます。

★人間活動によるもの
もう1つは人間活動です。交通量の多い地域などでは、車から逃げて咄嗟になわばりの外まで行ってしまうというケースがあります。軽トラの荷台で居眠りしていたらいつの間にか移動してしまっていたなんていうことも。

また、おやつに釣られて通行人についていったら、いつの間にかなわばりの外だったなどということもあります。

◆猫が帰ってこない理由③ケガをしてしまった

外出中に思わぬケガを負って動けなくなってしまった場合、帰りたくても帰ってこれないということがあります。

また、具合が悪くなった時も同じです。人間と違って、猫は「具合が悪いから早く帰ろう」という行動はあまり取りません。
具合が悪くなったら、休める静かな場所で回復するまでじっとしているのが動物です。

◆猫が帰ってこない理由④死期が近い(番外編)

滅多にあることではありませんが、猫は寿命が尽きるとき、あるいは病気で先が長くないとき、飼い主さんの前から姿を消すことがあると言われています。

実際は死を意識して家出しているわけではなく、弱った体力の回復を見込んで人のいない静かな場所を探して外出しているのですが、結局その外出先で悲しいことに死を迎えてしまう。これが人の目には「死ぬために外出した」と映ってしまうというわけです。

いずれの理由にしても、猫にとって帰りたくても帰れない状況です。飼い主さんも猫が帰ってこないと心配しますし、猫も帰りたいと願っていますので、悲しいことですね。

もし猫が帰ってこない、家出したのかもとなったら、きっと猫は帰りたがっているのだと思ってあげて一所懸命探してあげてください。


猫が帰ってこない時の探し方

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いよいよ猫が帰ってこない、家出をしてしまったとなると、飼い主さんは探さなくてはなりませが、闇雲に探しても非効率ですよね。

しかし、だからといってとても良い方法があるというものでもありません。猫探しというのは根気と運が必要です。

◆家出して数日程度の場合

まず、地図を出して自宅を中心に半径50~200mの地域に円を描きましょう。そこが猫の行動範囲です。

帰れなくなった猫は、敵に見つからない静かで安全な場所で、動かずじっとしていることが多いです。
猫の目線になって、木陰、車の下、家と家の間など人目に付きにくい場所を重点的に探しましょう。また、高い所も猫にとって安全な場所です。地面すれすれもしくは人の目線より高い位置にいる可能性が高いです。

犬と違って、名前を聞いたら飛びだしてくるということも期待できません。猫は慎重なのです。
しかし、普段聞きなれている飼い主の声は安心感を与えます。名前を呼びながら探してあげてください。ゆっくりゆっくり物陰から出てくるかも知れません。

猫が動き回っている可能性も考えるのであれば、時間帯としては夕方あたりが遭遇しやすいでしょう。

◆長期間帰ってこない場合

1週間以上帰ってこないと、猫が自力で帰ってくる可能性はとても低いです。かなり遠くに行ってしまっている可能性も考えられますので、引き続き近所を探しながらも、インターネットなどを活用しましょう。
良心的な誰かに保護されていることもありますし、インターネットで呼び掛けていれば気づいてくれることもあります。

インターネットでは、迷子猫の情報を挙げて、広く情報提供を呼び掛けることが有効です。チラシを作成して配ったり、町の掲示板に掲載してもらったりするのもいいでしょう。

また、交番や役所、保護センターなどにも猫が帰ってこないことを報告しましょう。家出猫は保護されると、警察または動物保護センターで預かられます。
首輪などをしているかどうかで、対応が警察なのか自治体なのか変わってきます。それぞれに連絡をして、保護されたら連絡をもらえるよう手配しておくことが大事です。


猫の家出を予防するには?

猫が家出をする、外出する理由を見てきましたので、予防策も見えてきたと思います。

猫の場合、とにかく外に出ないような環境作りが大切です。
猫は室内飼育でも十分幸せに買ってあげることができるので、家の中の環境を充実させ、勝手に外に出ないように努めましょう。狩りへの欲求は、狩りに似た遊びをたくさんしてあげることで充足されます。

叱っても室内に安心できるパーソナルスペースがあれば、家出をすることはありません。完全室内飼育であれば外になわばりを持つこともありませんし、ケンカをすることもありません。猫の習性を理解してあげて、家の中で一緒に、幸せに暮らしていきましょう。

どうしても外猫として飼っていく場合は、GPS内蔵のマイクロチップの導入を検討するといいかも知れません。家出や帰ってこないときでも、すぐに見つけてあげることができます。



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