猫の食器の高さの重要性
床に食器を置いて猫がご飯を食べる様子をよく観察してみると、顔を下に向け前かがみになり、体を折り曲げるようにして食べていますよね。
少し窮屈そうに見えますが、実際に猫は食べづらいと感じています。
食器が低い位置にあると、猫にとってはキツイ体勢でご飯を食べることになります。さらに以下のような影響が出てくるでしょう。
猫は人に比べ、食道が口から胃までまっすぐになっています。そのため、食器の位置が低いと食道が曲がってしまい、吐き戻してしまう原因につながります。
床に食器を置いてしまうと、頭と首を下におろしたままフードを飲み込むような姿勢となるため、食道に留まったフードが逆流し、食べた直後、もしくは食事中に吐いてしまうのです。
また、床にかがんで体を折り曲げるような姿勢になるため、お腹が圧迫され、これでは良い食事ができません。フードの食べ残しの原因としても、食べる時の体勢のキツイさが関係しています。
このように、食器にはある程度の高さが無いと、猫にとってはとても食べづらい姿勢になってしまいます。
前かがみの姿勢は、関節にも負担がかかります。とくにシニア猫は関節の病気にかかることが多いので、必ず高さのある食器、もしくは食器台を用意してあげてください。
子猫の場合は身体が小さいので特に問題ありませんが、成猫になると床と顔の距離があるため、どうしても前かがみになってしまいます。
そしてシニア猫ともなると、筋力も低下しているので、かがんで食べる姿勢自体がとても辛くなります。人と同様に、年を取ると一つ一つの動作に負担がかかってしまうので、飼い主さんが工夫をしてあげる必要があります。
シニア猫は吐き戻しも増える上、食欲も衰えるので、しっかりと栄養がとれるよう食べやすい環境を整えてあげましょう。
猫にとってちょうどいい食器の高さは?
猫の食器の高さは、以下の4つのポイントを意識して選んでみましょう。
床に食器を置くと、高さは1~3㎝程ですが、猫が食べやすい高さは5~8㎝が目安となります。
このくらいの高さがあれば、猫がぐっと首を折り曲げずに済むため、食道にフードが留まってしまう危険性が軽減し、吐き戻しの改善につながります。
猫は食道がまっすぐなため、胃よりも頭が下がらない位置に食器をおいてあげるようにします。その目安が、床から5~8㎝くらいの高さになります。
このくらいの高さがあれば、首を下に曲げずにご飯が食べられるので、吐き戻しやストレスの軽減に非常に効果的です。
はじめは、今ある食器の下に6㎝程度の空き箱やプラスチックケース、雑誌などを置いてあげて、様子をみながら高さを調節してあげましょう。
ただ、床から5~8㎝というのはあくまで目安であって、猫にも個体差や好みがあります。
猫の種類により足の長さや座高などが異なってくることはもちろん、「食べやすさ」も猫によってそれぞれで、座って食べるか、立って食べるかなどの好みがあるかと思います。
そのため、猫が食べやすそうにしている、ちょうどいい高さを探ってあげることがポイントとなります。
食器の高さだけでなく、食器の深さにも注意してあげてください。深すぎると、食器の縁にヒゲがあたってしまい、猫にとってはストレスとなってしまいます。
また、首輪にプレートや鈴などをつけている猫ちゃんの場合も、食器の縁にカチカチとあたってしまい耳障りに感じてしまいます。
猫の食器の深さは3~5㎝程度、食器の直径は顔よりも一回り以上大きいことが理想的なので、こちらも忘れずに確認しておきましょう。
食器台や高さのある食器を取り入れよう
現在使用している食器を上に置いて高さをかさ上げできる、ペット用の食器台も販売されています。
一般的に販売されている食器台の多くが、5~10㎝の高さになっています。また、高さのある猫専用の食器も販売されています。
こういった猫専用のアイテムは、高さだけではなく、猫が食べやすくなる工夫が色々とされています。
◆脚付フードボウル
猫が食べやすいように高さがつけられた食器です。多くの商品が高さ7㎝前後で作られていて、体重3~5㎏の一般的な猫が自然な姿勢で食べられる高さです。
大型の猫ちゃんやシニア猫の場合、高さが足りないようであれば、下にランチョンマットやハンドタオルなどを敷いて厚みを増やしてあげると良いでしょう。
そしてもう一つ重要なのが、食器自体にある程度の「重さ」があるということです。猫の食べ方を観察していると、ガツガツと食べながら、ずりずりと食器ごと移動しているなんてこともありますよね。
ある程度の重さがあれば、食器が安定し猫も無理な動きをすることなく上手にご飯を食べることができます。
このように、猫目線で食器を選んであげることが重要なんですね。人間が使いやすい食器が、必ずしも猫が使いやすい食器というわけではないのです。
脚付フードボウルの他に、脚付のウォーターボウルもあります。こちらも前かがみにならず自然な姿勢でお水を飲むことができ安心ですね。
とくにシニア猫の場合はフード用の食器はもちろん、水飲み用の食器にもある程度の高さを持たせてあげることが重要になってくるので、必ず対処してあげましょう。
◆高さ調節のできる食器台
すでにお気に入りの食器がある場合は、食器台を使って高さを調節してあげると良いでしょう。こういったペット専用の食器台は、高さが調節できるように作られています。
ウッディーダイニングのSサイズは、幅35cm×奥行18㎝で、高さは3段階に調節可能です。
Mサイズは幅43cm×奥行23cm、高さは4段階、CATデザインは幅35cm×奥行18cm、高さは2段階に調節可能となっています。
そのため、猫の体型や年齢に応じて食べやすい高さに変えてあげることができるので、どんな猫ちゃんにも対応でき安心ですよね。
また、ある程度テーブルにスペースがあるので、フード用の食器と一緒に水飲み用の食器も置くことができます。
もちろん滑り止めも付いているので床を傷付けることなく安定させられ、さらに壁側に寄せればより固定されるかと思います。
◆汚れたら洗えて衛生的な食器台
この食器台は樹脂製なので、簡単に洗うことができます。とくにフードを食べこぼしてしまう猫ちゃんにおすすめです。
さらにこの食器台は、平置きと斜め置きが選べるのがポイントです。斜め置きにしてあげるとフードが手前に集まるので、いつもの食器でも以前よりずっと食べやすくなります。テーブルには突起がついているので食器がずり落ちる心配もありません。
高さも3・5・7cmと3段階に調節可能で、滑り止めもついているので安心です。
こうして猫の食べ方に合わせて調節できることも魅力ですが、何よりフードやお水をこぼしてしまった時に、簡単に外せてお手入れができるのも飼い主にとってはありがたい工夫ですよね。猫は基本的に綺麗好きなので、食器台や食器はいつも清潔に保ってあげましょう。
猫の食器の高さ・食器台についてのまとめ
猫は食道がまっすぐなので、前かがみの姿勢では良い食事ができません。高さを調節してあげるだけで、吐き戻しや関節への負担を軽減させてあげることができます。
とくにシニア猫は筋力も体力も衰えているので、必ず食器には高さを持たせてあげてくださいね。
また、食器台や猫用の高さのある食器などもたくさん販売されているので、そういった専用のアイテムを上手く活用していくのも良いかと思います。
猫ちゃんの健康維持のためにも、食べ方をよく観察し、食器の高さを今一度確認してみましょう。
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