【獣医師監修】猫の真菌症の症状、治療法は?人間にもうつる?

2019.05.12

【獣医師監修】猫の真菌症の症状、治療法は?人間にもうつる?

猫が真菌症になってしまったら、どうしたら良いでしょうか?真菌とはカビのことですが、有害な真菌によってかかる病気を「真菌感染症」と言います。真菌症の種類によっては人間にもうつることがありますので、注意が必要です。 猫の真菌症について、どのような症状がでるのか、どんな治療法を行うのか、さらに猫が真菌症にならないための予防法についてご紹介します。

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【目次】

猫の真菌症とは?

絨毯の上の猫

猫の真菌症とは、真菌(カビ)が猫に感染して起こる病気で、主に皮膚病として現れます。

◆猫の体に有害な真菌によって感染する

真菌には酵母菌、糸状菌、担糸菌に分類され、有害なものとそうでないものとがあります。

人間の食べるものにも効果的に使われているため、有用な真菌もありますが、猫の体に有害な真菌による感染を「猫の真菌症」といいます。

真菌は、いわゆるカビなので、空気中や土の中などに、胞子としてたくさん存在しています。そのため、どんな猫でも真菌症にかかる可能性があると言えるでしょう。

◆皮膚や呼吸器に症状が現れる

真菌は呼吸器にも感染しますが、猫に現れる皮膚病としては、皮膚糸状菌症があげられます。

皮膚糸状菌症は、真菌の一種の皮膚糸状菌に感染することで発症する病気です。皮膚真菌症や、白癬とも呼ばれています。
猫の顔や耳、背中、手足の一部など、様々な場所に症状が現れます。

猫が真菌によってかかる病気にはクリプトコッカス症も代表的ですが、こちらの症状は主に呼吸器系に現れます。

◆猫の真菌は人にもうつる

真菌は、自然界に存在するものなので、人間にもうつります。さらに、真菌症に感染している猫と触れ合うことでもうつることがあります。

真菌症は、猫などのペットから人間、またはその逆で感染する人獣共通感染症です。真菌症になった猫に触れたり、同じ空間で過ごしていたりすると、飼い主さんにも移る場合があります。

真菌症になった猫がよく使ったマットや寝ている猫ベッド、使っていた猫用おもちゃなどに接触することでも、人間に真菌症が感染する可能性があります。

人にうつった時には、背中や胸、お腹、腕、足、股、手足の爪、頭などの皮膚に症状が出ます。

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猫の真菌症の症状は?

体を掻く猫

猫が真菌症に感染すると、皮膚上に次のような症状が現れます。現れる部位は、猫の顔、耳、手足の一部分などです。

・フケが出る
・円形の脱毛が見られる
・かさぶたができる
・発疹ができる
・かゆがってしきりに掻く

フケや脱毛は、初期の頃は注意していないとわかりにくいかも知れません。

円形の脱毛や、かさぶたや発疹などができてくると、飼い主さんの見た目でもわかるようになります。特に顔の被毛が薄めのところや、耳などに異常があれば、見つかりやすいと言えるでしょう。

猫がいつもより体をよくかゆがって掻いているなと思ったら、皮膚をよくチェックしてみることをおすすめします。


猫の真菌症の感染経路は?

真菌症は、すでに感染している猫や犬、人間などと接触することによって感染します。

◆外猫から真菌症に感染する

外に出た飼い猫が他の真菌に感染した猫と触れ合ったり、捕まえたネズミなどの獲物が真菌に感染していたりすることでうつります。

◆飼い主から真菌症に感染する

真菌症は人獣共通感染症なので、猫から人、人から猫へも感染します。飼い主さんが真菌を持ち込むなどして、飼い猫に真菌症を感染させるという場合もあるということです。

◆場所から真菌症に感染する

皮膚糸状菌症が付着した物に触れたり、真菌に侵された場所に行って真菌が付いたりすることでも感染します。
特に、人間と暮らしている場合、お風呂場のマットなどを共有することで真菌に感染します。

◆母猫から真菌症に感染する

母猫が真菌に感染していると、生まれてきた子猫も感染することがあります。

◆免疫力が落ちて真菌症に感染する

すでに真菌に感染していても、健康な時には症状が現れない猫もいます。
病気をしたり、ストレスを感じたりしたことで免疫力が落ちたために、菌の増殖を抑えられずに症状が出ることがあります(日和見感染症)。


真菌症の治療法は?

基本的に、真菌症の治療は人間も猫も大きな変わりはありません。

◆猫の真菌症の治療

猫が真菌症にかかった時には、次のような治療が行われます。

・抗真菌薬の内服
・抗真菌薬が入った軟膏などの塗り薬をつける
・抗真菌薬入りのシャンプーで体を洗う
・重症な時には薬剤の注射を行う

真菌症の治療では、抗真菌薬が入った軟膏などを猫の体に塗る場合には、フケや脱毛などの症状が出ている部分とその周囲の被毛を刈って、薬を塗りやすくする必要があります。

また、毛を刈ることで感染が広がらないようにする効果もあります。

治療中には猫が自分で患部を舐めないように、エリザベスカラーをつけて過ごさせることもあります。

治療を始めるには、必ず動物病院で診察してもらい、処方してもらった薬を使用するようにしましょう。抗菌薬入りのシャンプーも動物病院で処方してもらうか、おすすめを教えてもらうと良いでしょう。

◆人間の真菌症の治療

人間が真菌症になった場合には、抗菌薬を患部に塗るという治療法が一般的です。

ドラッグストアなどでも塗布する薬を購入できますが、内服薬が必要な場合や、広範囲に症状が出ている場合には、病院で診察してもらった上で薬を処方してもらう必要があります。

また、真菌症に感染したことがわかったら、今まで猫が住んでいた場所や使っていた物の消毒を行い、二次感染を防ぎます。猫が使っていたベッドはもちろん、毛布などの布は洗濯して、60℃以上の高熱スチームなどを使って消毒を行います。

同じ目的で、飼い主さんとの接触も、治療中はできるだけ過度にならないようにします。

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猫の真菌症の予防法は?

マットの上の長毛猫

猫の真菌症の予防をするには、次のような対策があります。

◆猫を室内飼いにする

まず、猫を外に出さないことが、真菌症の予防につながります。外に行くことで、真菌症に感染した猫や他の生き物との接触を避けるようにするためです。

また、外でつけた真菌を家に持ち帰ることで、猫だけでなく他のペットや飼い主さんにも感染させてしまうことを防ぐためでもあります。

長毛種は適切にシャンプーをすることでも、予防につながります。

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◆猫と暮らす部屋を清潔に保つ

普段の生活で、掃除をこまめにして、真菌が繁殖しないようにします。

お風呂場のマットを濡れたまま置きっ放しにせず洗濯したり、カーテンや絨毯なども定期的に洗ったり消毒したりするなどして、真菌が増えないようにします。

また、濡れるものや布製のものだけではなく、部屋の床や、壁なども掃除をするようにしましょう。

必ずしも湿度が高い場所で真菌が繁殖するということではないため、冬場でも、夏場でも変わりなく清潔を心がけましょう。

◆猫にストレスを与えない生活をさせる

猫が身体的または精神的にストレスを感じることで、免疫力が下がり、真菌症を発症してしまうことがあります。

猫が普段からリラックスして過ごせるような環境を作り、運動不足にならないような空間を用意してあげてください。

多頭飼いの場合、立場の弱い猫がストレスを常に感じている可能性もありますので、それぞれの猫が喧嘩したり怯えたりしないように配慮する必要があります。

猫のシャンプーは真菌症の予防にもつながりますが、回数が多すぎても皮膚や被毛に負担がかかりますので、必要な場合だけにしましょう。

◆真菌症を引き起こすような病気を治療する

猫白血病ウイルスや猫免疫不全ウイルスに感染している猫は、真菌症も発症しやすい傾向があります。
その他にも、何らかの病気にかかっていてストレスを感じたり、体が弱ったりしていることで、真菌症を発症することもあります。

すでに病気がある場合には、その病気の治療をして、真菌症が誘発されるのを防ぐ必要があります。

また、栄養状態の良くない猫も真菌症に感染しやすいので、猫の健康には気をつけて、適切な食事と運動をさせるようにしてください。

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◆飼い主さんから感染しないようにする

真菌は、猫よりも人間の方が、糸状菌保有率が高いことがわかっています。例えば、足の水虫や爪水虫など、白癬と呼ばれるものです。

つまり、室内飼いをしている猫よりも、人間の方が真菌を家庭に持ち込んだり、感染を広げたりする可能性が高いということです。

特に、不特定多数の人と接触する可能性があるプールや銭湯に行ったり、スポーツジムに通っていたりする人は、自分が感染しないように気をつける必要があります。

マットやタオルなどの共有を避け、外出から帰ったら手洗いをこまめにするといったことも予防になります。猫にシャンプーさせるだけでなく、飼い主さんも体を洗って清潔にしてください。

もちろん、すでに真菌症になっている飼い主さんは、猫に移さないようにするためにも、病院に行ってしっかり治療をしてください。

◆他の猫をむやみに触らない

野良猫はもちろんのこと、誰かの飼い猫でも、真菌症に感染している可能性があります。

自分の飼い猫以外の猫を触った後には、必ず手を良く洗うように心がけてください。特に、すでに脱毛している、またはかさぶたや発疹のあるような猫はできるだけ触らないようにすると良いでしょう。

新しく猫を迎えるという場合にも、家の猫と接触する前に、真菌症はもちろんのこと、他の病気に感染していないかを健康診断してもらうと良いでしょう。

野良猫を保護した場合だけではなく、ペットショップから購入した猫や保護猫を譲り受けた場合にも、猫が真菌に感染している可能性がありますから、同様に健康診断をしてもらった方が安心できます。

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まとめ

真菌症は、どんな猫でも感染する可能性があり、治療しても再発することも多い病気です。普段からの清潔を心がけ、予防法を実践するほか、猫の生活が快適でストレスがなくなるような環境づくりをしてあげる必要があります。

また、真菌症になっても早期のうちに治療を始めることが大切なので、猫の様子をよく観察して、皮膚のチェックも定期的に行うと良いでしょう。

※こちらの記事は、獣医師監修のもと掲載しております※


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ねこちん

ねこちん

ひろった猫たち、トータル5匹と暮らしています。猫の写真を撮り、猫のイラストを描くのが好きです。

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