【獣医師監修】猫のフィラリア予防薬の投与方法、種類、時期は?

2019.10.08

【獣医師監修】猫のフィラリア予防薬の投与方法、種類、時期は?

犬を飼われている方によく知られているフィラリアですが、猫を飼っている方は、猫にも感染するのか知っておきたいところですよね。フィラリアは主に犬に感染しますが、猫は絶対感染しないと言い切ることが出来ないため、予防が必要となってきます。 フィラリアから猫を守るためには、予防薬を用いて対策することが一番です。フィラリアに感染するとどんな症状が現れ、どのような予防薬で対策していくべきなのでしょうか。

フィラリア症とは?

蚊と猫と犬

フィラリア症は、フィラリアを媒介した蚊が動物を刺すことによって感染する感染症です。

◆猫にも感染する病気

別名「犬糸状虫症」と呼ばれるフィラリア症は、その名の通り犬の感染でよく知られている病気ですが、犬以外にも猫やフェレット、そして人間への感染も確認されています。

猫を飼っている方でも、完全に室内飼いだから安全ということはなく、フィラリアを媒介した蚊を家の中に招き入れてしまう危険性は拭いきれないので、普段から注意が必要となりますよね。

日本では約16種類の蚊がフィラリアを媒介すること知られていますので、出来るだけ猫に蚊を近づけない工夫は必要であると言えるでしょう。

◆フィラリアの特徴

フィラリアは乳白色のそうめんのような形をしており、成虫になるとオスで体長が約17cm、メスで約28cmにも成長すると言われています。

フィラリアが成虫になるためには、動物の体内で6~7ヶ月ほどの時間をかけて成長していきますので、初期症状がほとんど見られないのがフィラリア症の特徴と言えるでしょう。

フィラリアが猫の体内に入ってこられるのは、ミクロフィラリアという段階です。ミクロフィラリアは、一度蚊の体内に入って、第一期幼虫から第三期幼虫へと成長していきます。

この第三期の幼虫は感染力を持つ幼虫へと成長段階で進化しているので、蚊の口吻(吸血する針部分)に移動して、感染の機会を待つようになるのです。


猫もフィラリア予防が必要?

痒がる猫

フィラリア症を発症しやすい犬の場合、予防薬を用いた対策がほぼ可能であると言われていますが、あくまで発育途中である幼虫の駆除が目的となります。予防薬を用いたからといって、感染そのものを防ぐものではありません。

予防薬以外にも犬の場合感染後の治療方法はありますが、猫の場合は残念ながらフィラリア症を発症した場合には、安全で有効な治療方法がないとも言われています。

治療が難しい反面、予防は簡単であることからも、定期的な予防や検査が重要であることが分かりますよね。

愛猫に辛い思いをさせないためにも、予防薬を用いた対策をするようにしましょう。

◆猫のフィラリア症の症状

猫のフィラリア症は、成長したフィラリアが肺動脈や心臓に感染して様々な症状を引き起こします。フィラリアが成長途中や寄生数が少ないときには、ほぼ無症状となりますので、非常に診断の難しい病気と言えるのでしょう。

主に循環器障害、呼吸障害、肝腎疾患などを患うことが多く、無症状から次第に食欲不振や嘔吐、咳や呼吸困難といった症状が見られます。

また、犬よりも体の小さい猫は、肺や心臓にフィラリアが寄生するだけでなく、目や脳などに入り込み、失明や脳に障害が出るなどの危険性が高いです。

様々な症状が見られるからこそ、動物病院で誤診されてしまうことも多く、診断が遅れてどんどん症状が悪化していってしまうことも。

痙攣や失神などの神経症状が現れるほか、フィラリア症を患った猫の症状が悪化すると、3頭のうち1頭は何の前触れもなくショック状態に陥ったのち、ショック死するという報告もあるようです。

◆猫のフィラリア症の感染経路

猫のフィラリアの感染経路ですが、第三期幼虫を媒介した蚊が、猫の血を吸血することにより感染します。

この際に猫の体内(皮下組織・筋肉・脂肪)で3ヶ月前後の時間をかけて成長を続けますが、ほとんどのフィラリアは未成熟のまま死滅していってしまうそう。

この死滅したフィラリアが肺などにダメージを与えることもあり、呼吸器系の症状が出てくるようになってきます。

成虫へと成熟した少数のフィラリアは、居心地のよい場所を求めて肺や心臓へと移動していきますが、寄生数が少数であっても猫への負担は大きなものになってしまうことでしょう。

フィラリア症は犬やほかの猫からの直接感染はありませんが、外で暮らしている野良猫や外と家の中を行き来することの出来る猫であれば、感染している確率は高くなってきます。

10頭のうち1頭の猫はフィラリアに感染しているとも言われているので、元凶となる蚊との接触をどれだけ避けられるか、そして予防薬を用いての対策が必要であると言えますよね。


猫のフィラリア予防薬の種類は?

猫のフィラリア予防薬にも、いくつか種類があります。どんな種類があるのか、値段はどれぐらいなのかなど、気になってしまうことだと思います。

代表的な3つのフィラリア予防薬をご紹介させていただきますね。

◆レボリューション

レボリューションは1回の投与で、フィラリア以外にも3種類の寄生虫(回虫・耳ダニ・ノミ)も予防してくれる予防薬です。

市販で購入出来るのはもちろん、動物病院でも投与してもらうことが可能です。

動物病院だと1回の投与で成猫であれば、1,500円前後の価格で設定されていることが多く、市販では3本入りで3,700円前後のことが多いですよ。

◆ブロードライン

ブロードラインはCMなどでおなじみのフロントラインの効果(ノミ・マダニ)に、フィラリアやお腹の虫の対策効果が望める予防薬です。

動物病院での投与の価格はレボリューションと同じぐらいですが、市販ですと3本入りが3,000円前後、6本入りが6,000円前後、12本入りが11,000円前後のことが多いです。

◆アドボケート

フィラリアの予防薬の中でも、比較的新しい種類であるアドボケート。レボリューションの効果に加えて、お腹の虫も駆除してくれる予防薬となっています。

市販では3本入1箱で4,500円前後、動物病院での価格の相場は、他の予防薬と同じぐらいが一般的のようです。


猫のフィラリア予防薬を投与する方法は?

猫がフィラリア症を発症させないためにも、予防薬を用いた対策が必要となってきます。

成虫に予防薬は効果が望めませんが、幼虫が未成熟虫になるのを防いでくれるので、安心するためにも予防薬は使用していきたいものですよね。

どんな方法で予防薬を投与するのかは、以下の通りです。

◆スポットタイプのフィラリア予防薬

最も一般的な予防薬として知られているのが、猫の皮膚に直接垂らすスポットタイプの予防薬です。

1ヶ月に1回が投与の目安となりますが、自宅で投与することが出来ますし、何より市販で購入することも出来るので、費用を抑えることも出来ますよ。


猫のフィラリア予防薬を投与する時期は?

フィラリアの予防薬を投与すべき時期といえば、夏を思い浮かべますよね。もちろん蚊が繁殖する時期に集中して予防すべきではありますが、いつから投与すればいいか気になりませんか?

お住いの地域にもよりますが、大体5月から12月ぐらいまでが予防薬を投与すべき時期だと言われています。

蚊が活動しなくなり見なくなったと認識したとしても、そこから1ヶ月後ぐらいまでは、予防薬を投与するようにしましょう。

注射の予防薬の場合は5月ぐらいに、スポットタイプの予防薬の場合は、その期間中月1回の投与をしてあげるようにしてください。


まとめ

猫に感染する寄生虫の中でも、フィラリアはとても厄介な存在となります。

蚊が媒介することによって発症してしまうフィラリア症は、成虫に対しての有効な治療法がないので、成虫になる前に予防薬で対策することでしか感染を防ぐことが出来ません。

そして初期症状もほとんど見られないため、定期的な検査と蚊が増える時期に予防薬を用いて予防することが必要となってきます。

予防薬にも様々な種類(レボリューションやブロードラインなど)があるので、まずは動物病院で相談し、愛猫に合った予防薬を使用することをおすすめいたします。

野良猫を含め、10頭に1頭の猫が感染していると言われている、恐ろしい病気となりますので、早めの対策をし、大切な猫ちゃんを守ってあげてくださいね。

※こちらの記事は、獣医師監修のもと掲載しております※
●記事監修
drogura__large  コジマ動物病院 獣医師

ペットの専門店コジマに併設する動物病院。全国に14医院を展開。内科、外科、整形外科、外科手術、アニマルドッグ(健康診断)など、幅広くペットの診療を行っている。

動物病院事業本部長である小椋功獣医師は、麻布大学獣医学部獣医学科卒で、現在は株式会社コジマ常務取締役も務める。小児内科、外科に関しては30年以上の経歴を持ち、幼齢動物の予防医療や店舗内での管理も自らの経験で手掛けている。
https://pets-kojima.com/hospital/

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たぬ吉

たぬ吉

小学3年生のときから、常に猫と共に暮らす生活をしてきました。現在はメスのキジトラと暮らしています。3度の飯と同じぐらい、猫が大好きです。

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