シンガプーラを室内で飼うときに気をつけたいこと。

2020.07.30

シンガプーラを室内で飼うときに気をつけたいこと。

成猫になっても体が小さく可愛いシンガプーラ。 賢くて飼いやすいと言われていますが、好奇心旺盛で室内で飼うなら気をつけるべきポイントは多いです。 シンガプーラの性格も踏まえて、注意点に迫ってみましょう!

ポイント1.シンガプーラは静かな環境がお好み

シンガプーラの体はかなり小さいですが、運動神経が良く、活発に動くタイプです。
スリムな見た目で優雅な雰囲気が漂っているものの、ネズミハンターだった過去があるため、機敏に動き回り、「やんちゃ」な部分もあります。

ただ、自分の興味のあるものに向かってアクティブに動く反面、神経質な性格でもあるので、周囲がザワザワしている環境は苦手です。
「家族がいっぱいいる」「人の出入りが激しい」という環境は落ち着かず、ストレスを抱えてしまうことがあるようです。
シンガプーラとの暮らしでは、できるだけ穏やかに過ごせる静かな環境にすることが大事です。


ポイント2.温度管理に注意しよう

シンガプーラの被毛は、暑いエリアで生きる猫に多い「シングルコート」という構造をしています。
しかも短い毛なので、長毛の猫ちゃんと比べると、覆われている被毛は少なめです。
さらに、体がかなり小さいとあって、寒さにはあまり強くありません。

そもそも、シンガプーラの原産地はシンガポールという暑い気候の国です。
しかも下水溝というハードな野生環境で生きていた名残から、暑さは比較的得意な傾向にあるでしょう。

ただ、暑さに強いとは言え、温度管理ができていない部屋で飼うのはよくありません。
日本の夏は、かなり気温が高くなる日も多く、湿気が強いです。
高温多湿で部屋がモヤモヤっとしていると、暑さに強めのシンガプーラも快適には過ごせません。しっかりと温度管理をしましょう。

また、寒さへの耐性はかなり弱いので、冬には特に注意しなければなりません。
基本的な寒さ対策は、暖房を使っての温度管理です。
暖かい素材、周囲が囲まれている形状など、ベッド選びでは、素材や形にこだわってみるのもいいかもしれませんね。

レンジで温めて使う湯たんぽやペット用ヒーターなども、最近では寒さ対策としてたくさんの飼い主さんに選ばれています。
シンガプーラの寝る場所に、毛布を敷いてあげるのも効果があります。

ただ、暖房器具を使った寒さ対策で注意したいのが、乾燥ややけどです。
暖かな場所に丸くなって眠っているうちに、気がつかない間に低温やけどをするケースもあります。

また、エアコンや石油ファンヒーターなどを使うと、部屋が乾燥しがちです。
シンガプーラのデリケートな皮膚が乾燥症状を起こすかもしれないので、湿度にも注意しましょう。

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ポイント3.床材選びにも配慮

最近の日本の住まいの床材は、フローリングが一般的。
ツヤツヤした表面で明るい雰囲気があり、掃除もしやすく人気のある床材です。
でも、シンガプーラと暮らすなら、そんな床材も見直してみましょう。

やんちゃなシンガプーラは、高いところに登っては上からヒョイっと着地をする上下運動が大好きです。
楽しそうなシンガプーラを見ていると、こちらまで幸せな気持ちになりそうです。

でも、表面がツルツルしているフローリングは、シンガプーラの爪が引っ掛からずにジャンプの時に滑ることもあるでしょう。
着地のたびに、「足腰に強い負担がかかる」「脱臼するかもしれない」「爪が割れてしまう」と、シンガプーラにとっては負担になっているかもしれないのです。

また、フローリングの上を歩いたり走ったりなど、普段の動きでもツルっと滑る様子を見かけることがあるかもしれません。

足腰のケガはいつやってくるか分かりません。
今日、何事もなく過ぎても、明日には滑ってケガをするかも…。
愛猫の足腰に優しいクッションフロアやカーペット、マットなど、シンガプーラが滑りにくい床材選びをしましょう。

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ポイント4.落ち着ける「狭い空間」を作ってみよう

シンガプーラは下水溝に身を潜めながら生活していた猫ちゃんです。
そのため、狭い空間にいると安心するようです。

特に、家に迎えたばかりの時期は、小さい体のシンガプーラにとっては「この部屋は広い」と感じているのかもしれません。
「どこに身を隠すべきか」とシンガプーラがストレスを抱えないように、喜びそうな狭い空間を作ってみてあげてくださいね。
生活に慣れてくれば、部屋のあちこちを冒険して動き回ると思いますが、やはり寝るときには「自分だけの狭い空間」を求めるでしょう。

小さな段ボール、布をかけたケージなども、シンガプーラの隠れ家的空間になります。

上下に動ける猫の場合、犬のケージと違って2段、3段と縦長のものがあります。
各段にトイレや給水器、寝床、爪とぎ器などを置けば、ケージのなかでも上下運動ができて、それほど圧迫感がないかと思います。

猫にとってのケージは、「必要ないのでは?」という意見もときに耳にしますが、あるといろんな面でメリットがあります。
シンガプーラのリラックススペースとなることはもちろんですが、留守番のときの安全配慮の面でも効果があるでしょう。

また、シンガプーラは人見知りなところがあるので、来客が来たときの避難場所にも役立ちます。

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ポイント5.やんちゃなシンガプーラに家電は危険

ネズミハンターの過去が根付いているためか、シンガプーラの好奇心アンテナはいたるところに向きます。
体が小さいシンガプーラにとっては、テレビの背後、冷蔵庫の横、冷蔵庫の上…など、狭くて暗い通り道を見ると、ワクワクの連続でしょう。
でも、テレビや冷蔵庫といった電化製品は、猫にとっては大変危険なものです。
特に、注意したいのは「コード」。
好奇心から、爪で引っかいたり、カミカミかじったりすると、シンガプーラが感電するかもしれません。

電化製品によっては、使わないときにコードをコンセントから抜いておけるものもあるでしょう。
例えば、ドライヤー、扇風機、スマホの充電コードなど。
コードをつけっぱなしにすると、その部分には電気が走っている状態なので気をつけましょう。

また、コードを頻繁に外せないものは、コードカバーやまとめるなどして保護しておくのも対策になります。


ポイント6.窓に注意!落下すると危険

いくら、運動神経がいいとは言え、シンガプーラは体が小さいのでちょっとした高さでもケガのリスクがあります。
窓からは落下しないような配慮が必要です。
「日向ぼっこができる」「外の様子が見える」と、シンガプーラが窓際にいることも多いかもしれません。

でも、窓のちょっとした隙間からでも、小さな体のシンガプーラは脱走ができます。
網戸があっても、勢いよくぶつかると落下するかもしれません。
フェンスやネットを取り付けることや、窓が開かないようにロックを念入りに行うなど、窓際にはいくつかの対策をしておきましょう。

留守番するときには、特に窓の脱走対策を徹底することが大事です。

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ポイント7.洗濯機に注意

暗くて狭い洗濯機のなかは、シンガプーラにとっては絶好のリラックススペースです。
なかに入っては「安心するな~」と喜んでいるかもしれません。
微笑ましい光景にも思えますが、実は要注意ポイントです。

実は、シンガプーラに限らず、他の猫ちゃん達でも洗濯機は家庭内事故が多発している場所なのです。
洗濯機内にある洗濯機に紛れ込んだ愛猫に気づかずに、そのまま洗濯機を回してしまう…ということがないようにしましょう。

洗濯機の蓋を閉め潜り込まないようにするのも対策になりますが、シンガプーラのように小さな体をしていると、洗濯機の下や横などのちょっとした隙間から入るという事例もあります。
そもそも「洗面室に入れないようにする」という工夫の方が安心です。


ポイント8.水をはった浴槽は危険…浴室に入らせない工夫

水を苦手と感じる猫ちゃんが多いなか、下水溝で生活していた歴史を持つシンガプーラは、“水のある場所”をあまり苦手に思わない傾向にあるようです。
そのため、水をはった浴槽にも興味津々で近づくこともあります。

ただ、体の小さいシンガプーラですから、浴室に入ってツルっと滑って浴槽内に落ちてしまうリスクも考えられます。
運動神経が良いシンガプーラであっても、犬のように泳ぎが得意なわけではないので、溺れてしまう可能性もあります。

浴室の入り口をちょっとだけ開けていても、体の小さいシンガプーラはスルリと侵入してしまうかもしれません。

やんちゃな子猫時代に多いと言われている浴槽内の事故を防ぐには、「浴槽の蓋を閉めておく」に加えて、浴室そのものに近づけないようにする対策が必要です。


ポイント9.小さな物の片づけは徹底する~誤飲に注意しよう

シンガプーラは好奇心旺盛でやんちゃな性格なので、小さなものを口に入れて誤飲をする可能性があります。
シンガプーラは「食べてはいけない」という境界線が理解できないので、遊びに夢中になっているうちに飲み込んでしまうかもしれません。

ところが、飼い主さんが目の届かないところで誤飲してしまうケースが多く、「ぐったりしてる」「吐いている」という異変で気づくこともあるようです。

小さな糸や紐くらいなら、便に混じって排泄されることも多く、異変はあまり起こらないかと思います。
しかし、少し大きなものや尖ったものは、飲み込むと命の危険が及ぶ可能性もあります。
尖ったものが気管や内臓に刺さる、お腹のなかで詰まって開腹手術になるなどのケースも少なくありません。
猫の体には“毒”となる人間の食べ物もたくさんあります。

そのほか、ティッシュ、薬、タバコ、画鋲…など、猫が飲み込むと危険なものは、シンガプーラの手の届かないところに置くようにしましょう。

また、猫用おもちゃで遊んでいるときも誤飲のリスクはあります。
おもちゃについている紐や小さい部品が取れて飲み込んでしまうという事故も多いと言われています。
おもちゃを買うときには、誤飲のリスクも想定しながら選ぶようにするといいかもしれませんね。

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ポイント10.子供の存在に注意

シンガプーラは甘えん坊で、飼い主さんの目がほかにいくとヤキモチを焼くのだとか…。
大好きな飼い主さんが、子供にばかり接していると、ヤキモチからストレスを抱きやすくなるようです。
それに、シンガプーラは静かな環境が好きなため、子供の声が鳴り響く環境を苦手に感じやすいでしょう。

そのため、シンガプーラを飼うなら、小さい子供のいない家庭が合っていると言われています。

しかし、個体差があるので「絶対に子供がいる家庭では無理」というわけでもないでしょう。

「相性が良い」という条件をクリアできていれば、仲良くなれるかもしれません。

小さい子供の多くは「いきなり撫でようとする」「力加減の分からず撫でる」「大きな声でびっくりさせる」というように、ナイーブなシンガプーラにとってはドキドキする相手となることも多いです。

それに、シンガプーラは運動神経が良いので、高いところからジャンプしたりする行動も見られ小さな子供がぶつかると、どちらも大きなケガをしてしまうかもしれないので注意が必要です。

シンガプーラに子供が接するときには、近くで大人が一緒に見守ってあげましょう。
そしてシンガプーラをびっくりさせないように、猫の習性や性格など、接し方を子供達にも教えてあげるようにしましょう。


まとめ

小さい体でかわいい見た目のシンガプーラですが、その体の特徴や性格を踏まえて飼うことが大事です。

小柄でかわいいものの、実はやんちゃでイタズラ好きという一面も持っています。
シンガプーラのケガや事故を未然に防げるような環境づくりをしていきましょう。



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中岡 早苗

中岡 早苗

可愛い猫ちゃん達に囲まれながら、猫の知識や暮らしを日々学んでいます。 学んだ情報はどんどんお伝えしていきます。楽しいネコライフをおくりましょう。

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