猫カビが発症する原因と対処法

2020.10.13

猫カビが発症する原因と対処法

猫の皮膚病のひとつの“猫カビ”というものを聞いたことがありますでしょうか? まさか体にカビが生えるの?と思う方もいるかもしれませんが、 今回は「猫カビとは?」「なぜ発症するの?」「発症したらどう対処する?」など、猫カビへの不安に関するポイントをまとめていきます。

猫カビとはどんなもの?

猫の病気のひとつに「猫カビ」というものがあります。
猫カビは、どんな猫ちゃんにも発症する可能性があります。

カビと聞くと、「まさか体にカビが?!」「カビが生えたらどうなるの?」など、いろんな不安が巡ってくるのではないでしょうか。
まずは猫カビがどんなものか見ていきましょう。

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◆正しくは「皮膚糸状菌症」

猫カビは、正しくは「皮膚糸状菌症(ひふしじょうきんしょう)」と言います。
真菌はカビの一種のため、通称「猫カビ」と呼ばれるケースが多いです。

“カビ”と聞くと、黒くてプツプツとした黒い斑点のようなものをイメージする人が多いのではないでしょうか。
キッチンや浴室、洗面室などでよく見かけますよね。

でも、猫の皮膚に起こるカビは、黒くプツプツが出てくるわけではありません。
カビの一種の「糸状菌」が皮膚に感染してさまざまな症状を引き起こす皮膚の病気なのです。

◆猫カビはどんな症状?

猫カビに感染した猫には、どんな症状が表れるのでしょうか。
いくつかの症状例がありますが、すべての症状が一気に表れるわけではなく、ちょっとずつ悪化していきます。
なかには、感染しているのに「症状がまったくない」という子も…。

初期の頃は症状があまり目立たなく病気に気づきにくいかもしれませんが、進行すると猫ちゃん自身もツラい症状に悩まされます。
早めの段階で、病気に気づいてあげたいものですね。

円形状に毛が抜けていく

まずは、感染した部分から症状が見られます。
初期の頃は、ちょっと小さめの円形脱毛が起こります。
小さいので、ちょっと気づきにくいかもしれません。

顔や耳、足の先などに起こることが多いです。
猫カビに感染したばかりだとかゆみなども起こりにくいため、「かゆい」「痛い」などの行動もあまり見られないでしょう。

治療せずに放置していると、さらに脱毛範囲が広がっていきます。
2センチくらいの大きさになると、明らかに脱毛していることに気づくかと思います。
脱毛箇所は1か所だけとは限りません。
もし、1か所見つけたら、体全体をチェックしておきましょう。

フケが見られる

脱毛によって毛がなくなった皮膚表面にフケが出てくると、カサカサと乾燥したような状態になります。

赤く腫れて皮膚炎になる、かゆがる、痛がる

脱毛が進行して、皮膚に赤い斑点が見られることもあります。
さらに悪化すると、赤く腫れたようになってくることも。
皮膚が炎症を起こすと、かゆみを伴うケースもあるでしょう。

炎症がひどくなった結果、カサブタ状になることもあります。
かゆみや痛みがあると、猫が気にして何度も舐めるかもしれません。

◆猫カビは人間にも感染する

正式名が「皮膚糸状菌症」という猫カビは、猫だけにかかる病気ではありません。

「猫から人に」、もしくはその反対パターンで「人から猫に」もあり得ます。
どちらからもうつしてしまう可能性がある人獣共通感染症(ズーノーシス)です。

人間に感染した場合、丸い皮膚炎が起こり、かなりかゆい刺激を感じるとのこと。
猫カビに感染しても、必ずしも症状が出るわけではありません。
体力があって免疫が高い場合、感染しても症状が表れないかもしれません。

しかし、小さな子どもや高齢の人は、免疫が弱いため、症状がひどくなりやすいとも言われています。
特に、何らかの疾患を抱えて治療中の人は、感染により症状が悪化しやすいので注意が必要です。

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「猫カビ」というものをご存知でしょうか?猫にカビが生える、と聞くと怖い感じがしますよね。猫にカビが生えるのは、「皮膚糸状菌症」または「白癬」という病気の1つです。そして、命にかかわることは少ないのですが、実は猫にとってなかなかやっかいな病気のひとつとも言えます。 今回は、なぜ猫カビが生え、どのような症状が現れるのか、人にうつることはあるのか、また、猫カビの治療法についてもご紹介します。

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猫カビを発症する原因とは?

猫カビを発症する原因として、主なものをいくつかまとめていきます。

◆原因1:ほかの猫からうつされる

猫カビを発症する大きな原因は、ほかの猫との接触です。
外に出入りする習慣がある猫なら、どこかで感染するかもしれません。

完全室内飼いをしていたとしても、動物病院やトリミングサロンなども、感染経路になり得ます。
直接的な接触がなくても、「猫カビに感染している猫の毛に触れる」というのも発症する原因となることがあるのです。

さらに、飼い主さんが感染した猫に接触して、家のなかに菌を持ち込んでしまうケースも考えられます。
外で野良猫を見かけて触ったりなども、感染経路となってしまうかもしれません。

また、多頭飼いの場合、感染している猫から周囲にうつってしまう可能性もあります。

◆原因2:免疫が弱い子猫や老猫

生まれて間もない子猫は免疫が弱いため感染しやすいでしょう。
そもそも、猫カビに感染している母猫から生まれると、高い確率で猫カビに感染しているかもしれません。

老猫も免疫が低下しやすいことから、猫カビに感染しやすいです。

◆原因3:ストレスや疾患をかかえている

子猫や老猫以外は、体力があって安心できそうな感じもしますよね。
でも、ふだん元気な成猫でも、ストレスの蓄積から免疫が弱まることがあります。
それが猫カビを発症させてしまうケースもあるでしょう。

また、何か病気を抱えている場合には、そもそも免疫が下がっている状態のため、猫カビに感染する可能性が高まるでしょう。

◆原因4:毛が長い

糸状菌は、短毛の子よりも長毛の子が付着しやすいとも言われます。
菌がついたホコリが長い毛に絡み、それが感染のもとになることがあります。

毛の長い猫の場合、毛量が多く、小さな脱毛に気づきにくいでしょう。
そのため、初期症状を見逃し、症状がひどくなってしまうことがあるかもしれません。

◆原因5:不衛生な環境で暮らしている

猫カビの原因となる菌は、住まいのあちこちに浮遊しています。

猫がふだん過ごすベッドやソファ、カーペットなどはもちろん、カーテンにも菌が付着しているかもしれません。
ホコリや猫の抜け毛にもついているので、それらが溜まっていれば感染リスクが高まるでしょう。

「掃除をしばらくしていない」「シーツや布団などはめったに洗わない」というような不衛生な環境は、猫カビの原因になりやすいかと思います。

◆原因6:栄養不足や肥満

肥満で猫カビにかかることもあるでしょう。
万病のもととも言われる肥満。
太り過ぎると免疫が下がることから、さまざまな病気に感染しやすい原因になり得ます。


猫カビを発症したときの対処とは

猫カビで皮膚に炎症が起こった場合、少しずつ症状が悪化していきます。
初めは気づきにくい円形脱毛も、次第にかゆみや痛みを伴う炎症にまで。
症状が進行していくほどに完治までに期間がかかるため、早めに発見してあげることが大事です。

ケア方法は、主に「塗り薬」「内服液」「シャンプー」の3つです。
そして、周囲に感染が広がらないように、環境を整えることも大切です。

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◆塗り薬

感染しても初期であれば、症状が表れている部分に塗り薬を塗る治療が行われるでしょう。
内服薬と違って副作用もほとんどないのですが、1回塗ったからと劇的に改善するということはありません。

毎日、塗り続けて、症状が改善するかを地道に観察していくようにしましょう。

周辺の毛に菌がついたままだと、治りが遅くなるため、長い毛を刈るケースもあります。
毛がなくなると塗り薬が浸透しやすいという理由のほか、治療中に感染が広がる場合があるので、それを防ぐためにも効果的と言われています。
部分的ではなく、感染がある範囲の毛を剃ることもあるでしょう。

長毛の猫ちゃんの場合、毛を刈ることに抵抗があるかもしれません。
しかし、脱毛をしても再び毛は生えてきます。
どうしても心配なときは、獣医師さんにも不安な点を相談してみましょう。

また、かゆみや炎症が気になって患部を舐めてしまう猫ちゃんもいるかもしれません。
獣医師の判断によりますが、エリザベスカラーで舐めないようにすることもあります。

◆薬を飲む

塗り薬では治らないほどにひどくなれば、内服薬が処方されるかと思います。
ただ、塗り薬と違い、副作用が出ることも。
肝臓への負担もあるので、子猫や老猫の場合には、処方されないかもしれません。

また、健康的な成猫だとしても、長期的に薬を飲み続けることが負担になるケースもあります。
服用期間のなかで、体に副作用が起きていないか、定期的に血液検査で確認することになるでしょう。

◆薬用シャンプーでケア

猫カビに感染したことにより、「抜け毛が増えた」「フケがひどい」という症状がみられると、シャンプーで皮膚を洗い流すことがあります。
ただ、ふだん使っているシャンプーでは菌への対策になりません。
動物病院で処方された薬用のものを使うことになるでしょう。

薬の成分が浸透することで、皮膚症状を改善させるのが目的です。
洗った後に自然乾燥をすると、湿気によって症状が悪化するかもしれないので、注意しなければなりません。

また、不衛生なタオルで拭くと、タオルについていた猫カビがまた付着することも。
清潔なタオルで、しっかり拭いてあげてくださいね。

シャンプーで対策する場合は、洗い方などを含めて、獣医師の指示を守るようにしましょう。


治療期間はどのくらい?

猫カビの進行状況によりますが、早く気づいてあげられれば、治療期間が短く済むでしょう。
数か月以内で治療が終わることもあれば、半年以上も治らないこともあります。

また、塗り薬や内服薬、シャンプーだけで治るわけではありません。
感染が広がらないように、周りの環境をよくするための心掛けも治療の一環と言えるでしょう。
予防のためにできることがあれば、それも並行して行って早く治してあげたいものですね。


完全室内飼いが予防法のひとつ

ほかの猫ちゃんとの接触の機会を減らせば、猫カビに感染するリスクが低くなります。
特に、「ワクチン接種がされていない」「不衛生な環境で生活をしている」猫と触れ合う機会があると、猫カビだけでなく、さまざまな病気になるリスクが高まります。
外に出ないように、完全室内飼いをすることは、猫カビ予防の大きな対策と言えるでしょう。

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猫との濃厚接触に注意する

猫カビは、人間にも感染します。
被毛についた菌が感染源なので、抱っこだけにとどまらず、一緒のベッドで寝ているケースは注意しましょう。

猫とのスキンシップは、とても癒されます。
でも、過度な接触により、「猫から人」「人から猫」とお互いに病気を移し合ってしまうかもしれないので、濃厚接触は控えた方がいいかもしれませんね。


清潔で快適な環境を作ろう

私たちの目に見えないカビ。
高温多湿という条件が揃うと、あっという間に増殖していきます。
湿度が高いときには除湿器、気温が高いときにはエアコンなど、お部屋の気温や湿度に配慮して環境づくりをしてくださいね。

また、お部屋にホコリや猫の抜け毛が溜まらないように、ふだんから丁寧な掃除をしておきましょう。
猫が使っている寝具など布製のものは、ペット用の洗たく洗剤を使って清潔に。
人間用の洗たく洗剤よりも離毛効果が高く、感染しているかもしれない抜け毛も取り除きやすいでしょう。

「猫カビに感染しないため」というのはもちろんですが、清潔な空間で生活することは、ほかの病気のリスクも減らすことに繋がります。


まとめ

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猫カビは、猫の皮膚に起こる病気のひとつです。
感染すると、円形脱毛や腫れ、かゆみや痛みなど、猫の苦しむ様子を見なければなりません…。
それに、人間にもうつってしまうかもしれません。
発症したときの症状や対処方法など、頭に入れておきましょう。
今回ご紹介した対象方法は一般的なものなので、猫の症状によって対処法は変わりますので
必ず獣医に指導をうけるようにしましょう。

また、ほかの猫との接触で起こりやすいと言われているので、リスクを減らすには完全室内飼いを心掛けたいものです。

そして、猫カビは免疫が弱まると感染しやすくなる病気なので、ふだんの健康管理も大切です。
日頃から愛猫の皮膚様子をこまめにチェックし、それらしき症状があったら早めに動物病院を受診してくださいね。



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中岡 早苗

中岡 早苗

可愛い猫ちゃん達に囲まれながら、猫の知識や暮らしを日々学んでいます。 学んだ情報はどんどんお伝えしていきます。楽しいネコライフをおくりましょう。


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