過酷な状況で7人を救助したが、心臓発作になり命を落とした英雄の災害救助犬ダイゴ

2017.09.30

過酷な状況で7人を救助したが、心臓発作になり命を落とした英雄の災害救助犬ダイゴ

2016年4月、M7.8の巨大地震が南米エクアドルを襲いました。エクアドル政府は6つの州に非常事態宣言を出すことになりました。震源地に近かった南マンタ及びペルデナレスの被害は甚大で、災害救助犬ダイコが派遣されたのは、その一番ひどいペデルナレスの町でした。

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甚大な被害を受けたペルデナレスに派遣されたダイコは、エクアドル北部北イバラ消防署に所属する4歳のオスのラブラドールレトリバー。国内外で活躍し、表彰されたこともあるという実績のある災害救助犬でした。

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ペデルナレスの状況は、決して希望の持てるものではありませんでした。震源に近かったため、リゾートホテルの倒壊もあり、多くの死者、行方不明者を出していました。当時の町長、アルシバル氏は、ペデルナレスの町全体が崩れた、と述べ、「できる限りのことはしているが、できることはほとんどなにもない」と嘆きました。

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略奪も横行する中、がれきの山と化した町に派遣されたダイコはひたすらに働き、着実に職務を全うしました。
そしてその実力を発揮し、7名もの要救助者を発見、救助したのです。

しかし、被災地の状況は優秀な災害救助犬であったダイコでも、耐え切れないほどのものだったのでしょう。

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7名の要救助者を救助したのち、ダイコは過労と熱中症で倒れ、獣医師の手当てのかいなく心臓発作でその命を落としてしまいました。

過酷な状況の中、文字通り命を削って人々を助けた災害救助犬ダイコの名は世界に知れ渡り、国の内外から多くの感謝と、その死を悼むメッセージが寄せられたそうです。

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現在、日本国内にも170頭を超える災害救助犬が登録されており、災害時にはそれぞれの適性に合わせて派遣されています。東日本大震災や、熊本地震の際にも派遣されており、彼らの活躍もよく耳にするようになりました。
優れた嗅覚や忍耐強さ、人間よりも高い機動力を持つ犬たちの存在は、現在の災害救助の現場にはもはやなくてはならない存在と言えそうです。

しかし、過労死してしまったダイコの例があるように、彼らの派遣される環境はあまりにも過酷で、中でもがれきによる足の負傷の多さはこれまでも度々話題にのぼり、実際、現在はハンドラーが犬用ブーツを携行して現場に臨むことも多いようです。

実際に必要になるケースもあるようですが、地球全体の気候変動などを考えると、これからは熱中症の危険の方が増していくのではないかと思われます。
一般的に、犬は気温22度、湿度60%以上で熱中症になる確率が上がると言われています。体の中の熱を逃がすための汗腺が少なく、一度体温が上がってしまうと下げるのは大変です。

現在も活動時間に規定はありますが、彼らがこれからも現場で活躍していくためには、更に細かい配慮やケアが必要になってくるのかも知れません。

<参考サイト>
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