広―い広い巨大なアメリカのペットショップ!でも犬・猫は一匹も売られてない?!

2015.07.22

広―い広い巨大なアメリカのペットショップ!でも犬・猫は一匹も売られてない?!

アメリカではブリーダーから直接迎える、またはシェルターやボランティア団体の譲渡会から迎えることが一般的に浸透しています。 アメリカ最大手のペットショップであるPetsmart、そしてPETCOについてお話します。

日本でも空前のペットブームが訪れ、犬や猫を家族として迎える人たちが増えています。
その愛猫ちゃん、愛犬くんは一体どこから迎えたか?
日本の場合は、ダントツでペットショップが一位になります。
一方、アメリカではブリーダーから直接迎える、またはシェルターやボランティア団体の譲渡会から迎えることが一般的に浸透しています。

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よく取り上げられる話ですが、アメリカ最大手のペットショップであるPetsmart、そしてPETCOではいわゆる子犬や子猫の生体展示販売(ガラスケースにパピーを入れてお店で販売すること)をしていません。
その代わりに、ボランティア団体が保健所からレスキューした犬や猫をお店で展示しているのです。
これは一体なぜかというと、
「保健所に殺される命がある間は売らない」というポリシーに基づいているとのこと。
また、ちょっと悲しい話になってしまいますがアメリカにもペットビジネスは存在しており、動物虐待に値する悪質なパピーミル(仔犬生産工場)がはびこっているのを撲滅させるため、という目的もあります。パピーミルでは母犬は一生狭いケージから出ることが出来ずにただ子供を産ませ続けられるだけなのです。おいしい食事もお散歩も、撫でてもらえることもないまま、病気になっても治療もされないまま一生を終えていきます。
そんな環境から生まれてきた仔犬たちも、病気を持っていたり弱かったり問題があることが多いので、一度は購入されたとしてもその後シェルターに持ち込まれてしまったりするという悲しい悪循環を生むのです。

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日本でもたびたび話題になる犬の殺処分。アメリカでもすべての犬が殺処分を免れるわけではありません。ですが、日本よりも殺処分に対しての意識が進んでいるのは確かです。
上述したように、大手のペットショップが頻繁に譲渡会を行ったり、州によっては殺処分を行わない法律もあり、また何年経っても殺処分されることのない、無期限のシェルターの数も増えてきています。またペットショップでは売り上げの一部をシェルターに寄付するグッズの販売をしたり、州を超えたシェルター同士の繋がりもとても密なので、例えばA州では「この犬種は即殺処分」と定められているけどB州はそうでない場合、連絡をとって移動させてあげたりということも行われています。
「シェルターの動物の為に1ドル寄付しませんか?」
Petsmartのお店でお買い物をして会計をする時、このように訊ねられることも。犬猫に限らず、たとえば普通のスーパーマーケットでも「おつりの端数分を○●プロジェクトに寄付しませんか?」としょっちゅう訊かれるアメリカなので、ほとんどの人が抵抗なく寄付しています。この皆さんからの愛の1ドルが積もり積もってシェルターの動物に還元され、運営を可能にしているのでしょう。このように、ペットショップがシェルターとの関係を保つことによって救われている命がたくさんあるのです。

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さて、大手のペットショップは子犬を販売せずとも儲けがあるのか?。。。と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、そこは色々と、たとえばフード会社が展示中のワンちゃんたちの餌を支給してくれたり等サポートもあり、上手く回っているようです。また、そこから犬を貰い受けた人はクーポンや割引優待などを受けることが出来るので、犬のおもちゃやフード、食器などといった必需品を購入する為にこのペットショップにまた戻ってくる⇒売上が出来る、という仕組みも成り立っています。何より企業ポリシーに共感した顧客が、そこで買い物をするようになります。確実に会社のイメージアップに繋がっています。

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むろん、PetsmartもPETCOもビジネスですから、奉仕精神だけでは経営として成り立ちません。ただの慈善事業でこれらのことを行っているわけではないと思いますが、会社として利益を上げる事が出来、なおかつ不幸な犬や猫が減っていくシステムは一つの理想と言えるでしょう。

大手のショップがあの手この手で、シェルターの保護犬を助けよう!という姿勢を貫いていてるのは、初めて見た時には本当に驚きました。犬を商品扱いしないポリシーにとても感動したものでした。ビジネスにシビアなアメリカで出来るのであれば、日本でも真似できないかな。。。?少しでも悪質なパピーミル業者が減ることを祈るばかりです。

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ラブレス 富士子

ラブレス 富士子

米国在住。ピアニスト、音楽家の通訳として活動しています。小さい頃から犬、猫、ひよこ、うさぎ…色々な動物と暮らしてきました。愛犬たちとの暮らしは、毎日が彩り豊かでほっこりシアワセ。趣味はハープ。動物と、文章を書くこと、絵を描くこと、音楽をこよなく愛する犬飼いです。

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