マタタビとは
マタタビとは、マタタビ科マタタビ属の落葉蔓性木本です。別名を夏梅といいます。国内では北海道~九州でみられます。花の咲く時期は6月から7月で梅によく似た花を咲かせます。
猫にマタタビを与えると、気持ちよさそうになる、踊るような動きをする、体をこすりつける、興奮して動き回る、リラックスして満足そうにするなど、猫によって色々な反応を示します。
その効果は、マタタビの実、枝、花、葉の全部にあります。
それでは、猫はどうしてそのような反応をするのでしょう。
マタタビには、マタタビラクトン、アクチニジン、β-フェニルエチルアルコールの3つの成分があります。ネコ科の動物はマタタビの臭い(中性のマタタビラクトン、塩基性のアクチニジン)に強い反応を示します。この成分は、猫の大脳をマヒさせ、眠気を引き起こし、運動中枢やせき髄などの反射機能を鈍らせます。
猫は口蓋の奥にヤコブソン器官と呼ばれる特殊な器官があり、この器官は主にフェロモンと呼ばれる分子成分を感知する働きを持っています。この器官で、マタタビの成分を感知し、脳に信号が送られて、猫は恍惚状態になると言われています。
マタタビは中枢神経に麻痺を起こします。マタタビは猫科の動物にとって性的に興奮させる媚薬なのです。人間のようにお酒を飲んで酔っ払う、というのとは訳が違います。
マタタビの効果は20分から30分ほど続くと言われます。性的な興奮を与えるものなので、妊娠中のメス猫や、子猫には効果が薄いようです。
この「中枢神経に麻痺を起こす」、ということが、猫にマタタビを与える時に注意しなければならない原因です。延髄にも影響がでる可能性がありますから、呼吸困難を起こす事もあるということです
さらに、マタタビアレルギーを持つ猫もいるということです。アレルギーを持つ猫に知らずに与えてしまうと、命にかかわります。
最近では、ペットショップや、ホームセンターなどで簡単にマタタビが購入できますので、あまり注意せずに猫にマタタビを与えている飼い主も多いでしょう。
人間に飼われている猫は、人間のようにストレスを感じたり、元気のない時があったりします。そのような時にマタタビを与えると、元気になったり、ストレス解消になったりすると言われています。効果があるかどうかは猫によりますが、使用するときには注意が必要です。
与える場合は、次の事に注意しましょう。
中枢神経に影響を及ぼすものであり、与えて健康になるというものではありませんので、量には特に気をつけましょう。売られているマタタビには、容量と使用法が記載されていますので、しっかり守ることが大切です。目安として、1日1gを超えないように注意したら良いでしょう。
猫によって反応は様々ですが、恍惚状態になり、普段と違う状態になるわけですから、思いがけないことが起こらないとも限りません。高いところに登っていて落ちてしまったり、餌入れや水入れを倒してしまったりなど、いつもと違うことが起こる可能性があります。猫が危険な目に合わないように注意を払っていましょう。
マタタビには中毒性、依存性、副作用がほとんどないので、猫が飽きてしまえばそれで終わりだと言われています。しかし、ケージに入れられている場合など、ずっとマタタビが近くにある状態だと、よくない影響を受け続ける可能性もあります。また、慣れすぎて効果が感じられなくなる場合もあります。与えすぎには気をつけましょう。
猫用のマタタビ商品は沢山売られていて、木の状態のもの、実、粉末(パウダー)、スプレー、お茶・お香、シート状のもの、といった様々な製品があります。
それぞれの特徴を生かして使用するのが良いでしょう。
木の状態ものは、そのまま与えて、体をすりつけたり、かじったりなど自由にさせるのが良いでしょう。粉末やパウダーは、爪研ぎに塗ると、爪研ぎのしつけとして使うことができます。マタタビは食べ物ではありませんので、基本的には食べ物や水に混ぜるのは控えたほうがよいでしょう。食欲がない、水を飲まないなどで、どうしてもマタタビを与えたい場合は少量にして、注意して様子を見守ってください。
猫にマタタビを与える場合は、人間が注意して使ってあげれば効果が期待されるものです。管理をしっかりして、与えすぎに注意し、自分の猫に合っているかどうかを見極めて、正しく使いましょう。
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