
猫が芸を覚える時は、犬の場合とは少し違います。
犬が、飼い主の命令として行動するのとは違って、猫は、自分のために行動します。こうしたら楽しい、こうしたら面白い、など、興味を持ったり、遊んだりする中で、結果として芸をするようになるのです。
芸の教え方としては、猫の習性を利用したやり方になります。何か芸をすると、ご褒美(=おやつ)がもらえる、という方法です。
芸を教える前に…
それでは、猫に覚えて欲しい芸と、教え方をご紹介します。
使うものは、おやつ。
また、「クリッカー」というカチッと音のなる道具で、猫に合図を送る方法が芸をさせる時によく使われています。

まず、「クリッカーを鳴らしておやつをあげる」ということを覚えさせます。クリッカーのカチッという音=いいことが起こる(おやつがもらえる)ということです。
音は、猫が慣れるまで驚いたり怖がったりするかもしれませんので、最初は慎重にしましょう。最初はハンカチで包んで音を弱めて聞かせるなどでも良いでしょう。クリッカーを好きになってもらうことも大切です。
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おすわりをしてもらう!

まず猫におやつ、ご褒美を猫に見せます。
「おすわり」と言いながら、おやつをネコの頭上に移動します。おやつの方に顔が向くので、自然と座る体勢になりやすいです。
猫の顔があがり、同時に腰が沈めば成功です。猫が座ったら、よくほめて、おやつを与えます。
クリッカーを使う場合は、おやつを与える時に、クリッカーを鳴らしてから、あげます。
お手をしてもらう!
おすわりした猫の左前足を握手するように持ち上げ、「お手」とやさしく言い聞かせるように言葉をかけて、前足が持ち上がった状態で、おやつをあげます。これを繰り返すと、やがて「おすわりをした後、左手を上げて飼い主の右手に乗せると、ご褒美がもらえる」とわかるようになってきます。
鼻タッチしてもらう!

ストローなど、危険でない棒状のものを用意します。猫の習性として、棒状のものを見ると鼻先を近づける行動をします。鼻が触ったら、ご褒美をあげます。ご褒美をあげる直前に、クリッカーを鳴らします。
このストローを、飼い主の手に変えていくと、手に対して鼻タッチするようになってきます。
ハイタッチしてもらう!
ご褒美をあげるときに、猫が前足で催促してくることがあります。その時に、すかさず手のひらを出して、猫とハイタッチする状態にします。これが成功したら、おやつをあげます。
行ってほしい場所に誘導する!

鼻タッチを利用しての芸ですが、ストローなど棒状のものに鼻を近づけるとご褒美をもらえる、とわかった猫は、狙った場所に誘導することもできるようになります。ひざの上に乗らせたり、椅子の上に乗らせたりするなどです。
ストローの後を追うことを覚えたら、ひざにストローの先を持ってきて、来るように誘います。ストローを追ってひざに乗ってきたら、ご褒美をあげます。椅子の上も、同様です。これをくりかえすと、ストローで指し示した場所に行けば、褒められておやつがもらえる、ということを覚えます。
気をつけること!
・猫が飽きたら、やめる。目安は2分ほどです。嫌がるのに続けても意味がありません。
・おやつをあげすぎないように。肥満の原因にならないように調整しましょう。
・何もしない時に、ただおやつをあげてしまうことのないようにしましょう。
・必ず、ほめて(今の場合はクリッカーを鳴らす合図をして)、おやつをあげます。クリッカーを鳴らすと良いことがある、ということを覚えてもらうためです。
芸を覚えてもらうことは、猫とコミュニケーションを取れるようになることが最大の目標でもあります。また、猫のしつけにもなります。登ってはいけない場所にいるときに、無理やりに降ろそうとすると、余計に暴れたりしますが、合図をして、いつもの芸として、鼻タッチや手にタッチができれば、誘導することが出来ます。
猫にとって、飼い主とのコミュニケーションであったり、遊びであったりすることが、猫の芸になるのです。
これらの芸の教え方のコツは、全てにおいて、根気が必要!ということ。
おやつがもらえないとわかると、すぐに別の方向に注意が向く猫も多いのです。おやつに気を引きながら、出来たらほめる(クリッカーを鳴らして合図をする)、そしてすぐご褒美をあげる、という行動を必ずするようにして、猫にもわかりやすく行動しましょう。


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